著者
中村 由美子 杉本 晃子 赤羽 衣里子 澁谷 泰秀 下山 裕子 米谷 真紀子 小山 真貴子 工藤 明美
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.45-52, 2006-06-30
被引用文献数
1

子育て期の家族は子どもの成長・発達に伴い、様々な変化に対応しなければならない。家族のライフサイクルからみた思春期の子どもをもつ家族は、家族の発達段階における「教育期」にあたり、現代の思春期の子どもが抱える社会問題も踏まえて、家族がこの時期の発達段階を移行するためには危機的な状況も多く、社会的なサポートが必要であると考えられる。そこで、本研究では、独自に開発した尺度を用いて、思春期の子どもをもつ家族の家族機能を評価してその特徴を明らかにし、社会的サポートを含めた家族への看護に関する示唆を得ることを目的とした。A町に住む中学生の子どもをもつ463名の父母を対象に『家族機能』、『自己効力感』、『QOL』について測定した結果、家族機能においては「絆」という情緒的機能が高く、また「役割分担」の機能が低いことが明らかとなった。『自己効力感』では、この時期の父母ともに「能力の社会的位置づけ」が低く、思春期の子どもをもつ家族の発達課題である職業生活や夫婦生活の見直しからの影響が推測されるなど家族のライフサイクルの特徴がうかがえる結果であった。父母間の比較においては、『自己効力感』、『家族機能』ともに母親が低値であり、小さな子どもをもつ養育期と同様に母親の負担が大きいことが推測された。『QOL』では、母親の「友人関係」が重要であり、友人を作る場の確保など思春期にある家族の家族機能の特徴をふまえて地域保健活動や家族看護実践を行っていく必要性が示唆された。
著者
中村 俊一郎 峯村 治実 山口 智久 清水 洋 渡辺 尚 水野 忠則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.115, pp.123-128, 1995-11-30
被引用文献数
3

ビデオサーバーの性能(同時ビデオ配信数)向上を目指した分散RAID方式ビデオサーバーの提案を行う。本方式は通常ディスク群に対して適用されるRAID技術をサーバー群に対して適用するものであり、ディスクRAID技術と同様に性能及び信頼性の向上を図ることを狙ったものである。これが実現すると普及型の安価なパソコンサーバーを追加していくことにより、ビデオサーバーをスケーラブルに性能向上出来るという非常に大きな利点が得られる。ここではRAIDO型の分散RAID方式ビデオサーバーの試作を行ったので、その方式と評価結果について述べる。In this paper, we present a distributed RAID style video server that addresses the problem of increasing video stream supplying capability in VOD systems. "Distributed RAID Style" means extending the RAID method usually applied to disks to the servers, so as to achieve improvements in performance and reliability. The great advantage of this architecture is that the linear performance improvement can be achieved by adding inexpensive servers. Here we describe the implementation of RAID Style video server that we conducted and its evaluation result.
著者
李 榮蘭 小西 敏正 中村 成春
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.23, pp.309-314, 2006-06-20
被引用文献数
2

The value of the wooden house in Korea is reviewed, and needs have risen through building and preservation in Korea. And the imported wooden house is changing to Korean-style. This reports aims to investigate the current state of the wooden construction in Korea that has not been known in Japan yet, to grasp the problem concerning the wooden house in Korea, and to present the clue of the spread strategy of the wooden house to be able to deal with the problem.
著者
山田 顕 多勢 克己 中村 僖良
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.871-875, 1992-12-01
被引用文献数
9

Durninにより理論的に導き出されたベッセル形の無回折ビームは、有限開口の場合でもある程度長い距離にわたり広がらずに伝搬することから音響の分野でも注目され、研究が進められている。本報では、このようなベッセル形と類似の長距離集束超音波ビームを形成する実用的な方法として、放射面に重み付けを施したコニカル形トランスジューサを提案し、その放射音場について理論的に検討した。その結果、重み付けコニカル形は連続波駆動時に有限の開口を持つベッセル形と同等の放射音場特性を示すこと、また、パルス駆動時にはサイドローブが平坦化され、パルス長も短くなるなど、ベッセル形よりも有利な点があることが明らかになった。
著者
秋永 優子 中村 修 下村 久美子 阿曽沼 樹 キ須海 圭子
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

高齢者訪問給食サービスの献立の改善を目的とし、まず、13自治体の担当者に聞取り調査を実施した。栄養基準については、設定している自治体の場合、エネルギーのみ、さらに数種の栄養素についてなど様々で、数値を示していない自治体の場合、高齢者福祉施設の食事を利用するなど3通りがみられた。福岡県内全自治体を対象に基礎調査を実施したところ、サービス実施上のねらいとして、ほとんどが栄養バランスのとれた食事提供をあげたが、献立や実物のチェックはほぼされていなかった。そこで、献立評価方法を検討し、「栄養・食品構成」「食材・生産」「料理の味」の観点からなる、日常的に手軽に実施可能なチェックシートを提案した。
著者
中村 滋延 川尻 大輔
出版者
九州大学大学院芸術工学研究院
雑誌
芸術工学研究 (ISSN:13490915)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.17-24, 2011

The talking film debuted in 1927, succeeding the silent film. Influenced by requests from theater operators, many directors began producing talking films. However, for Chaplin, who had already established an original style of expression in silent film, sound was superfluous. At last, Chaplin produced The Great Dictator as a full talking film in 1940. The Great Dictator was the result of continuous exploration of expressions unique to talking film, for over a decade. Its sound effects are replete with originality and ingenuity. In this paper, the sound effects unique to The Great Dictator are clarified by analysis as follows: (1) By hiding the sound source, it can be arbitrarily moved around spatially and temporally. (2) Sound can present to the vieweres a reality that is different from the reality in the film. (3) It is possible to convey messages with multiple meanings by making the type and the location of the sound source vague.
著者
齋藤 慈子 中村 克樹
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、家族で群を形成し、母親だけでなく、父親、兄姉個体も子育てに参加する、小型霊長類のコモンマーモセットを対象に、子の新奇な餌に対する反応が、家族内の個体の存在によりどのように影響を受けるか、内分泌学的側面も同時に調べようと試みた。行動実験から、両親、特に母親は子の新奇餌への接近と摂食を促していることが示唆された。また、オキシトシという神経伝達物質を、マーモセットの尿から測定する方法を確立した。今後この方法を用いて、子が新奇餌に接する場面における家族の影響を、尿中オキシトシンの側面からも検討したい。
著者
矢野 順也 平井 康宏 酒井 伸一 出口 晋吾 中村 一夫 堀 寛明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.38-51, 2011 (Released:2011-03-24)
参考文献数
41
被引用文献数
11 2 2

国内都市部の一例として京都市を対象に,都市ごみ中のバイオマスである厨芥類および紙類の賦存量を推定した。厨芥類の発生量は22.2万ton-wet/年,紙類は22.3万ton-wet/年であり,ほぼ全量が焼却処理されている。これらを対象に利用システムの温室効果ガス (GHG) 削減効果およびエネルギー回収率を評価した結果,「バイオガス化 (高温乾式メタン発酵)+ガスエンジン発電 (GE)」は既存の「直接燃焼+蒸気発電」,「直接燃焼+堆肥化」よりも有利であった。また,バイオガス発電時の廃熱を利用する超高温可溶化技術を組み込んだ可溶化システムでは,現状の乾式方式に対してエネルギー回収率およびGHG削減効果で27%の向上が見込まれた。さらに,バイオガスの燃料電池利用により,GE利用の最大1.7倍まで効果向上が期待された。国内温室効果ガスの削減に向けて都市ごみ中バイオマスの高度なエネルギー変換技術の普及が望まれる。
著者
室住 正世 中村 精次 横山 裕之 茶木 一寿 津谷 直樹 福田 薫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.759-765, 1986-08-05
被引用文献数
1

^<107>Ag,^<116>Cd,^<65>Cu,^<61>Ni,^<296>Pb,^<203>Tl,^<68>Znの7安定同位体をスパイク(標準添加法で使用するトレーサー)として用いる水中の銀,カドミウム,銅,ニッケル,鉛,タリウム,亜鉛の同位体希釈表面電離質量分析法による同時定量法について報告する.水とは水道水,蒸留水,サブボイリング蒸留法によって得た純水で,各成分の濃度は10^<-6>g kg^<-1>ないし10^<-11>g kg^<-1>である.検出限界は成分によって相違があるが,10^<-12>gないし10^<-15>gであり,^<109>Ag/^<197>Ag,^<114>Cd/^<116>Cd,^<63>Cu/^<65>Cu,^<58>Ni/^<61>Ni,^<208>Pb/^<296>Pb,^<295>Tl/^<203>Tl,^<66>Zn/^<68>Znの測定精度は9回以上の繰り返し測定値の相対標準偏差としてスパイクで0.5%,水試料では1%であった.この方法は単に水試料に限らず無機材料一般に応用できるが,ここでは超微量分析の見地から述べる.
著者
中村 晃士
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

精神科通院患者73名(F3およびF4圏)の1年後および2年後の追跡調査を行い、64名の基礎データ(職場内での心理的負荷、職場外での心理的負荷、GHQ-30[精神の健康度]、NEO-FFI[人格傾向]、MPS[完全主義傾向]、自尊感情評価尺度など)を収集することが出来た。復職出来るかどうかに対しては、職場以外の心理的負荷、同調性が影響していることが分かり、また家族のサポートが大事であることが分かった。
著者
岩崎 靖士 佐藤 知美 清水 壮一 中村 修三 高橋 伸
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.1951-1954, 2008 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は34歳,男性.黒色便,眩暈を主訴に当院受診した.採血上貧血を認め,緊急上部消化管内視鏡検査を施行したところ,ファーター乳頭の口側2cmの十二指腸下行脚に約2cmの潰瘍を有する隆起性病変を認め同部より出血をきたしていた.内視鏡的に止血できず,受診後2日目に腫瘍核出術を行い止血しえた.病理組織学的所見で十二指腸粘膜下にHeinrichI型の十二指腸異所性膵を認めた.潰瘍底には小動脈および拡張した毛細血管が認められた.十二指腸粘膜下腫瘍からの出血に対して保存的治療で止血しえない症例では外科的治療を行う必要があると考えられた.異所性膵は一般に無症状に経過することが多く,手術摘出標本や剖検時に指摘されるものがほとんどである.今回,十二指腸異所性膵により出血をきたした稀な症例を経験したため報告する.
著者
汪 達紘 藤田 洋史 荻野 景規 筒井 研 佐野 訓明 中村 和行 宮崎 正博 筒井 研 佐野 訓明 中村 和行 宮崎 正博 益岡 典芳
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ヒドロキノン(hydroquinone)、ローソン(lawsone)等日常生活によく使われる化学物質を初代培養肝細胞に曝露し、高濃度になるにつれて、カタラーゼ遺伝子正常(Cs^a)及び変異 (Cs^a)とともに肝細胞生存率が有意に低くなる傾向がみられた。各曝露濃度においては、カタラーゼ活性の低いマウス(Cs^b)の肝細胞の生存率がカタラーゼ活性正常のマウス(Cs^a)に比し著しく低下した。特に美白クリームの主成分であるヒドロキノンの添加により、肝細胞のアポトーシス(細胞死)がみられ、酸化ストレス関連薬物代謝酵素CYP 2E1のmRNA及び蛋白質とともに発現が増加したことが分かった。
著者
山地 一禎 中村 素典 西村 健 大谷 誠 曽根原 登
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.5, pp.1-6, 2011-11-15

大学では,全学的な図書館だけなく,キャンパス,学部,研究室など様々なレベルで図書が購入され共有されている.こうした利用形態を電子ブックの利用においても実現することは,その利用促進に向けての重要な鍵となる.電子ブックの閲覧方式には,ウェブブラウザを利用するサーバサイド方式と,コンテンツをダウンロードして利用するクライアント方式に大別できる.本研究では,後者のクライアント方式において,電子ブックの閲覧を所属レベルで制御可能な方法を提案した.所属情報には,学認において,大学の認証システムから送信される属性と,メンバー属性プロバイダから送信させる属性を利用した.この属性情報に基づいたクライアント証明書を発行し,電子ブックの PDF ファイルを暗号化するプラットフォームを構築した.PDF の標準仕様活用した DRM 機能により,特殊なアプリケーションを用意することなく,普段利用している PDF ビューアを用いて,電子ブックのセキュアなグループ閲覧を実現することに成功した.In universities, books are purchased and shared by the variety of organizations such as individual labs or departments, or the broader campus, in addition to the main campus library. Students and researchers benefit when the e-book platform allows access to materials for the right campus members from the right organizations. In general, there are two ways to read an e-book. One, the server side method, utilizes a web browser. The other, the client method, requires specific e-book reader applications. This study focuses on the latter client method and proposes a way to control e-book access depending on the different affiliation levels. The system developed in this study is based on the academic access management federation, GakuNin. Attributes from university IdP's and other GakuNin member attribute providers are employed as trusted user data. The PDF file that contains the e-book is encrypted using a client certificate, for which the corresponding private key is available only to users with the proper membership in the right campus organization. The system is entirely standards-based, so there is no need for modification of the client or installation of a new application.
著者
イアン レーン 河原 達也 松井 知子 中村 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.29-34, 2003-12-12

音声言語システムにおいては,バックエンドシステムが受理できない発話(ドメイン外発話)への対処が問題となる.本稿では,このようなドメイン外発話の検出法の枠組みを新たに提案する.本手法は,複数トピックの分類の信頼度を用いて,ドメイン内検証モデルをGPD(Generalized Probabilistic Descent)により学習する。この学習は,ドメイン内データの削除補間に基づいて行うため,ドメイン外の実データを必要とせず,移植性が高い.トピック分類手法として3つの手法(単語N-gram,LSA,SVM)を比較した結果,SVMが最も高い識別能力を得た.ドメイン外検出タスクにおいて,提案手法は,トピック分類結果の単純な組合せによるベースライン法と比較して,6.5ポイントも検出誤り率を改善した.さらに,実際のドメイン外データを用いて学習したシステムと比較しても,ドメイン外データを使用しない提案手法によりほぼ同等の性能が得られることがわかった.
著者
野口 高明 中村 智樹 木村 眞 木村 眞
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

4年にわたり、総計約400kgの雪を南極より日本に持ち帰ってもらい、その雪から地球外起源の塵を約200個発見した.その中から、従来、成層圏でしか捕集できなかった彗星起源塵を約10個同定できた.彗星起源塵には、炭素質コンドライトという隕石に特徴的な構成要素と鉱物学的にも同位体化学的にも区別のつかない物体が含まれることを発見した.さらに、彗星起源の塵と小惑星起源の塵には、炭素質物質の骨格構造的に違いがあることがラマンスペクトルの解析から分かった.