著者
和田 恭幸 中野 真麻理
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

本研究の研究対象は、江戸時代に刊行された通俗的な仏教書である。研究の目的は、それらの資料が、いつ頃・誰(版元)が発行したのかを調査することである。通俗仏書は、江戸時代の小説一般、怪異小説の形成に深い関連性を有し、仏教書の研究は、江戸時代の文学研究を進める上で、必要不可欠な研究活動である。上記の目的を達成するために、以下の研究活動を行った。1.多数の仏教書を所蔵する図書館の図書目録から、必要とする資料を抽出して、研究用の目録台帳を作成した。パソコンを使用して、所蔵者・資料名など、さまざまな基準でデータの並べ替えをできるようにした。2.1.で作成した目録台帳に従って、書誌学的な資料調査を行った。3.文献資料の調査において採取したデータカードを、パソコンに入力して、整理を行った。4.調査が進展するにつれて、庶民的な仏教書は、僧侶を対象として発行された専門的な学術書と深く連携することが明らかになり、仏教の学術書の調査も行った。5.こうした活動によって得られたデータを出版年表の形式へ整理を行った。6.ただし、江戸時代の初期の出版物は、学術的に貴重な資料であると判断されたので、個別のデータを丁寧に整理することに心がけた。
著者
中野 裕介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.133, no.11, pp.755-755, 2013-11-01 (Released:2013-11-01)

本記事に「抄録」はありません。
著者
宮本 郁也 高藤 洋之 中尾 一祐 中野 郁子 坪井 陽一 別所 和久
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.519-523, 2007-08-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
6

This report describes occlusal reconstruction in a 23-year-old man with cleidocranial dysplasia (CCD).It is often difficult to perform dental treatment in patients with CCD because of complicated skeletal and alveolarabnormalities. First, endosseous implants were used to restore the mandibular molar region. After careful examinations, Le fort I type osteotomy was performed with distraction osteogenesis to advance the maxilla.Subsequently, implants were used to restore the maxillary arches with a fixed prosthesis. After the provisionalrestoration, the final prosthesis was set. The most recent follow-up, 1 year after the final treatment, confirmed asatisfactory treatment result.
著者
中野 珠実
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
pp.1303si, (Released:2013-11-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4

デフォルト・モード・ネットワークは,外的な処理を行っているときは活動が低下し,内的な処理を行っているときに活動増加を示す神経ネットワークである.筆者らは,映像観察時の瞬きに関連して,脳の中では,デフォルト・モード・ネットワークが一過性に賦活する一方,注意の神経ネットワークの活動が一過性に抑制されることを発見した.行動研究により,映像情報の暗黙の切れ目で,人々が一斉に瞬きをしていたことから,瞬きは連続した視覚情報の分節化と関係していることが推測される.このことから,外的に注意を向けている状態でも,瞬目に伴い,拮抗する神経ネットワークの状態を一過性に変動させることで,注意を内的に解除し,情報の分節化が行われていることが示唆される.この発見により,デフォルト・モード・ネットワークは,内的処理を担っているだけでなく,他の神経ネットワークと相互作用することで,積極的な認知処理機能を担っている可能性が考えられる.
著者
蛯名 美智子 村田 恵子 鈴木 敦子 片田 範子 中野 綾美 筒井 真優美
出版者
神戸市看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

病院での検査・処置を受ける子どもが実際、どのように説明を受けているのかについて調査した。方法は参加観察及び、その後に子どもの親・医師・看護婦へのインタビューであった。研究対象は2〜13歳の18名の子どもとその親、それに関わる医師と看護婦であった。観察とインタビューから得られたデータは逐語的に整理され、研究者のグループによって分析された。その結果、以下のような4つの結果を得た。1.子どもが検査や処置について知らされた後から検査や処置中にわたって、自分で心理的に準備をしている。私たちはこの現象を子どもの心理的準備/決心、すなわち覚悟と名付けた。子どもが覚悟をして検査・処置に向かうためには、心地よい雰囲気、過去の検査イメージ、検査・処置の間に子どもに選択肢を与えた決定する機会、状況を人々と共に共有する間隔、検査・処置を受けることによって可能になる利益の保証、そして子ども自身による覚悟の宣言が必要であった。2.子どもの能力と医療者が認識する子どもの能力との間で、以下の3つの現象が観察された。それらは子どもの能力と子どもの能力に対する医療者の判断との間のずれ、検査・処置に対する子どもの反応と医療者の対応との間のずれ、そして子どもと医療者の双方の状況の理解に関するずれであった。3.子どもの検査・処置に参加する医師、看護婦、親の間で3つの役割がとられていた。1つは、検査・処置の子どもの反応をチェックすること、2番目の役割は検査・処置について子どもに説明すること、3番目の役割は子どもの覚悟を引き出し、それを維持させることであった。4.検査・処置の後の子どもの思いは、3つのタイプに分類された。3つのタイプとは、「私は頑張った」という思い、「私は頑張ろうとしたんだけど・・」という思い、「私はずっと頑張っているのに」という思い出あった。今後の研究課題は、コレラの結果からケアモデルを構築すること、精製されたケアモデルの効果を検証することである。
著者
中野 張
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

確率制御問題の数値解法の研究を行い、数学的に厳密に収束が保証され、かつ広範囲の問題に適用でき実装も容易な新しい近似手法の開発に成功した。この手法は計算時間の短縮についてまだ研究の余地があるが、既存手法には欠けていた厳密性・汎用性を兼ね備えている。さらに、より単純で使いやすい近似法の研究を行い、確率制御問題に対応するハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の2次近似により解を生成する手法の近似誤差を評価した。その結果、問題の目的関数が2次的で、状態のダイナミクスが線形に近い場合は、単純な2次近似法でも精度が高いことが分かった。
著者
青木 成美 中野 泰志 永井 伸幸 猪平 真理
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

成人弱視者の視覚補助具の活用経験について、質問紙調査と面接調査を行った。その結果、弱視レンズを活用してきた者が最も多く、拡大読書器を活用してきた者が次に多いことがわかった。また、必要に応じて活用する補助具を変更した弱視者もおり、その際に専門家だけでなく弱視当事者の意見を参考にしていた。3 年間の調査研究の結果、 弱視者が自らの視覚補助具活用経験を生かし、他の弱視者を支援するためのプログラム作成の基礎データが収集できた。
著者
岩澤 聡子 道川 武紘 中野 真規子 西脇 祐司 坪井 樹 田中 茂 上村 隆元 MILOJEVIC Ai 中島 宏 武林 亨 森川 昭廣 丸山 浩一 工藤 翔二 内山 巌雄 大前 和幸
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.39-43, 2010

<b>目的</b> 2000年 6 月に三宅島雄山が噴火し,二酸化硫黄(SO<sub>2</sub>)を主とする火山ガス放出のため同年 9 月に全住民に島外避難命令が出された。火山ガス放出が続く中,火山ガスに関する健康リスクコミュニケーションが実施され,2005年 2 月に避難命令は解除された。本研究では,帰島後 1 年 9 か月経過した時点における,SO<sub>2</sub> 濃度と小児の呼吸器影響の関連について,2006年 2 月から11月の 9 か月間の変化を検討した。<br/><b>方法</b> 健診対象者は2006年11月時点で,三宅島に住民票登録のある19歳未満の住民を対象とした。そのうち,受診者は,141人(受診率50.4%)で,33人は高感受性者(気管支喘息などの気道過敏性のある呼吸器系疾患を持つ人あるいはその既往のあり,二酸化硫黄に対し高い感受性である人)と判定された。<br/> 健康影響は,米国胸部疾患学会の標準化質問票に準拠した日本語版の自記式質問票により,呼吸器に関する自覚症状調査,生活習慣,現病歴,既往歴等の情報を収集した。努力性肺活量検査は,練習の後,1 被験者あたり 3 回本番の測定を実施した。<br/> 環境濃度は,既存の地区名を一義的な括りとし,当該地区の固定観測点での SO<sub>2</sub> モニタリングデータをもとに,避難指示解除より健診までの22か月間のデータについて,その平均値により居住地域を低濃度地区(Area L),比較的曝露濃度の高い 3 地域(H-1, H-2, H-3)と定義し,SO<sub>2</sub> 濃度(ppm)はそれぞれ0.019, 0.026, 0.032, 0.045であった。<br/><b>結果</b> 自覚症状では,「のど」,「目」,「皮膚」の刺激や痛みの増加が,Area L と比較すると,H-3 で有意に訴え率が高かった。呼吸機能検査では,2006年 2 月と2006年11月のデータの比較において,高感受性者では%FVC,%FEV1 で有意に低下(<i>P</i>=0.047, 0.027)していたが,普通感受性者では低下は認めなかった。<br/><b>結論</b> 高感受性者では呼吸機能発達への影響の可能性も考えられ,注目して追跡観察していくべきである。
著者
白水 繁彦 中野 克彦 李 里花 城田 愛 野入 直美
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

白水は沖縄系文化的架橋者のストラテジーを分析することにより、彼らが日系等他エスニック集団を準拠集団として文化的表象を構成していることを見出した。中野は中国系とフィリピン系の民族祭が彼らの文化創生に資していることを明らかにした。李は戦前から戦後にかけてコリア系移民の舞踊活動の変化を歴史的に明らかにした。城田はハワイ、沖縄、福岡における障がい児・者のための芸術療法の現場にて参与観察を実施し、各地域での特徴点と共通点および民族芸術療法の可能性と課題の検討を行った。野入はアメラジアンと帰米2世のナラティブ分析を通じて、ハワイの“ローカル”の構築とディアスポラとの相互行為との関連を検討した。
著者
中野 三敏 板坂 耀子 渡辺 憲司 松崎 仁 迫 徹朗 今井 源衛
出版者
九州大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

「学海日録」の翻字作業は順調に進み、完成した原稿が続々と代表者のもとに寄せられた。出版元の岩波書店によって整理され、活字が組まれるのを受けて、最後まで残る難読箇所の解読のため、代表者及び分担者は岩波書店に借り出されている「学海日録」の原本との照合を行なった。その結果、解読不能として残ったのはほんのわずかとなった。昨年11月に『学海日録』第7巻が岩波書店によって刊行され、以下隔月に続刊されている。3月14日には第3回配本の第9巻が出る。翻字作業と並行して、依田学海の「学海遺稿」その他の詩文草稿類の目録作成にも従事し、それらと「学海日録」、及び吉川弘文館から刊行されている別宅日記「墨水別墅雑録」との比較を行なった。あくまでも「学海日録」読解に資するためであるため、比較対照は不十分に終わったが、詩文と日録を読み比べる時の便は保証され得る。また、学海における詩文と日録の占める位置が互いに補い合う性格のものであることが確認できたのも、幕末・明治の代表的文人の精神生活を知る上で大いなる手がかりとなった。また、「学海日録」が幕末・明治文化史の一級資料たることが改めて認識された。特に明治の文学者達の動向や文学観、作品評価や人間性などにおいて、全く新しい知見を与えてくれることも少くなく、明治文学史の大幅な書きかえを必要とする場合もあることを言い添えておきたい。今後は「学海日録」の一番有効な索引のあり方を模索しつつ、具体化を図ってゆくつもりである。
著者
関 恵美 杉山 希 須藤 敦仁 中野 亜希人 羽田 久一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.214-217, 2014-09-12

家庭環境全体をネットワーク化するスマートハウスは次世代の住宅として注目を集めている.スマートハウスのコントロールでは,リラックスした状態に適したインターフェイスが必要となる.そこで本研究ではスマートハウス内での利用を想定したぬいぐるみ型インターフェイスを提案し,ぬいぐるみの手足を使った握りジェスチャと振りジェスチャによって家電製品をコントロールすることができるシステムの実装を行った.
著者
佐伯 裕司 大和 宗久 大西 博昭 久保 隆一 田中 順也 中野 敬次 山田 博生 中嶋 一三 北條 敏也 奥野 清隆 岩佐 善二 安富 正幸
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.299-305, 1985-09-25
被引用文献数
4

The breast is one of the most common site of cancer originated primarily. Metastatic neoplasma to the breast, however, has been reported as rare. According to the Annul of the Pathological Autopsy Cases in Japan, seventy six cases who had metastatic neoplasma to the breast out of 219,41 cases were reported in 1981,which included 35 cases of the opposite side breast cancer, 9 of gastric cancer, 9 of malignant lymphoma, 5 of cervical or corpus cancer of the uterus etc. The incidence of the metastatic cancer to the breast is 0.35% in all the malignant neoplasma. In this paper, the authors reported 3 cases with the metastatic neoplasma to the breast experienced during a period of these 10 years. The first case was intrahepatic bile ductal cancer, the second was pancreatic cancer, and the third was descending colon cancer. The intrahepatic bile ductal cancer was the first case of metastatic cancer to the breast in Japan in the literature.
著者
森勢将雅 中野 皓太 西浦 敬信
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.5, pp.1-8, 2010-07-21
被引用文献数
2

我々は,実時間で歌唱力を補正することにより「誰が」「どんな曲でも」「簡単に」歌える新たなエンタテインメントについて研究を進めている.これまで使われてきたカラオケは,歌唱力の高い使用者は楽しめるが,歌唱力の低い使用者が楽しめるものでは無い.本稿では,事前に収録されたプロ歌手の歌声から歌唱力に相当するデータを抽出し,使用者の歌唱にリアルタイムで転写することにより,実時間歌唱力補正を実現するシステムについて述べる.本システムにより,歌唱力の低い使用者は歌唱力補正機能により楽しむことができ,歌唱力の高い使用者にとっても,他者に自らの歌唱力を提供するという新たな楽しみを与える利点がある.ここでは,実時間歌唱力補正を実現するための基盤技術,および計算速度を指標とした客観評価により有効性について論じる.A new Karaoke entertainment to happily sing any music is proposed based on the real-time singing style correction. Although the conventional Karaoke application has entertained the skilled user, the unskilled user cannot enjoy it. The proposed system can solve the problem by the real-time singing style correction based on a professional singer's singing. In this paper, the method to extract the parameter about singing style is proposed to correct the singing style of the user. The entertainment for both the skilled users and unskilled users is also discussed.