著者
伊藤 和行
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.15-28, 1997-11-10 (Released:2009-05-29)

Galileo and Descartes made an important contribution to the making of modern mechanics in the Scientific Revo-lution. However, there are crucial differences between their views on the nature of gravity and on the concept of iner-tial motion. They indicate the difference between their methods of science.Huygens supported Descartes' mechanical natural phi-losophy and based his theory of light on the corpuscular theory. But he criticized Decartes' excessive confidence in his own philosophy. Huygens gave higher priority to the solution of individual problems than to the construction of a whole system. He developed the problem-oriented method of Galileo's mathematical physics.
著者
伊藤 和子 阿久津 智美 大山 高裕 渡邊 恒夫 山﨑 公位 角張 文紀 吉成 修一 荒井 一好 橋本 啓 宇田 靖
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.30-37, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3 1

高い機能性と美しい色調を持つナス由来のアントシアニン色素「ナスニン」を,現在は廃棄されているナス下漬液から回収して有効活用することを目指して試験を行った.各種の合成吸着剤の吸着性能を検討し,最も吸着能の高い合成吸着剤としてHP-20を選定した.本吸着剤1mlはナス下漬液約100mlの色素成分を吸着する一方,下漬液中の食塩の95.7%,ミョウバン由来アルミニウムの99.1%が除去できた. 吸着した色素成分は5mol/l酢酸水溶液で効果的に溶出され,ナスニンの回収率は87%であった.しかし,調製された色素画分にはナスニン以外にクロロゲン酸と未同定のいくつかの成分も混在した.この色素粉末のORAC値は1g当たり10432μmol Trolox当量であり,クロロゲン酸の活性の69 %に匹敵する比較的高い抗酸化性が認められた.
著者
北村 弥 飯岡 昭子 森田 美智子 坂本 邦樹 桐山 保夫 伊藤 和男
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.726-731, 1982 (Released:2010-06-04)
参考文献数
11

加齢とともに発生頻度が増加する老人性血管腫について統計的観察をおこない, 次の結論を得た。1. Ruby spotの最少発症年令は9歳であり, 加齢とともにその発症頻度は増加した。2. Venous lakeは30歳代より発生しはじめ, 加齢とともにその発症頻度は増加した。Venous lakeを有した54人中53人が下口唇に発症していた。本症と消化管性潰瘍や肝疾患との関連は明らかではなかった。3. Angiokeratoma scroti Fordyceは30歳代以上の者の16.8%に認められた。
著者
田口 敬太 石崎 直人 蘆原 恵子 伊藤 和憲 福田 文彦 下村 伊一郎 林 紀行 前田 和久 伊藤 壽記
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.489-497, 2017-07-30 (Released:2017-07-30)
参考文献数
23

糖尿病性神経障害を有する患者に対する鍼治療の効果について検討した.治療は,1週間に1回の頻度で合計7回の鍼治療を行った.初回は置鍼のみとし,2診目からは低周波鍼通電治療を15分間行った.治療部位は下腿に位置する経穴,陽陵泉(GB 34)―太衝(LV 3),陰陵泉(SP 9)―太渓(KI 3)の計4箇所とし,左右に行った.1診目のしびれの平均VASは46.4 mm(95 %CI;36.7-56.1 mm),8診目のしびれの平均VASは24.7 mm(95 %CI;14.5-34.9 mm)であった.鍼治療前後でしびれの自覚症状に有意な改善が認められた(-22.0,95 %CI;10.6-33.5,p=0.001).また,2診目と8診目のこむら返りの回数についても鍼治療を行ったことでこむら返りの回数に有意な改善が認められた(Wilcoxonの符号順位和検定 p=0.045).以上のことから,鍼治療は副作用も少なく,一定の効果が期待できる為,糖尿病性神経障害を有する患者の治療法の一つとして有用な手段となりうることが示された.
著者
高岩 義信 九後 太一 伊藤 憲二 五島 敏芳 金谷 和至 棚橋 誠治 小沼 通二 坂東 昌子 受川 史彦 伊藤 和行 田中 正 山脇 幸一 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本における素粒子物理学の発展への道を開いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を保存する記念史料室等で、その資料を近年のアーカイブズ学の知識によってカタログ情報を国際標準に準拠する史料記述の形式で統一的にデータベース化することにより、史料整理と保存の体制整備と利用促進を図った。それにより、未整理であった資料を含め記念史料の全体について把握が可能になり、その管理について見通しが良くなった。さらにそのデータベースは、ネットワーク経由で相互参照(横断検索)が可能なオンライン検索システムを採用して一般向けに提供するための環境づくりを行ったので、当科研費事業の終了後にもその整備と運用の継続が可能になり、様々な研究課題に利用できるようになり、現実にこれらの史料の参照の要求にこたえることが可能になった。
著者
廣田 里子 伊藤 和憲 勝見 泰和
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.68-75, 2006-02-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
14

【目的】慢性腰痛に対してトリガーポイント治療が有用であるとする報告はあるが、圧痛点治療との効果の違いは詳細に検討されていない。そこでトリガーポイント治療と圧痛点治療の効果の違いを明らかにするために慢性腰痛患者9例を対象に比較試験を行った。【方法】6か月以上の腰痛を訴える65歳以上の患者を対象とした。患者を組み入れ順にトリガーポイント治療群と疼痛局所に存在する圧痛点への治療 (圧痛点治療群) に振り分け、5回 (週1回) の治療を行い、1か月後に追跡調査を行った。評価項目は腰部の主観的な痛み (Visual Analogue Scale : VAS) 及びquaity of life (QOL) の把握 (Roland-Morris Disability Questionnaire : RDQ) とした。【結果】トリガーポイント治療群ではVAS・RDQともに有意な改善を認めた。圧痛点治療群では改善は有意ではなく、トリガーポイント治療群の改善のほうが顕著であった。【考察と結語】圧痛点治療よりトリガーポイント治療の方が顕著にVAS・RDQの改善がみられ、治療効果に相違がみられた。このことからトリガーポイントは治療効果の点からも単なる圧痛点とは異なるものと考える。
著者
下野 勘智 菊本 統 伊藤 和也 大里 重人 稲垣 秀輝 日下部 治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.1-10, 2016 (Released:2016-03-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2

本研究では,災害の頻度や程度を表す曝露と災害に対する社会や経済の脆弱さを表す脆弱性の掛け合わせで定義される世界各国の自然災害に対するリスク指標World Risk Index(WRI)の算出方法を分析し,その意義と課題について考察を行った.つづいて,我が国でも防災・減災対策の合理化に資する総合的な自然災害リスク指標が必要であるという観点から,都道府県レベルで自然災害や社会・経済の様々な要素の相互関係を考慮してリスクを定量化する指標の算出体系について考察を行った.また,リスク指標を構成する脆弱性の中間指標の一つである災害感受性を47都道府県について試算し,結果について考察を行うとともに,我が国における自然災害に対するリスク指標が備えるべきリスク評価体系について議論した.
著者
伊藤 和憲 齊藤 真吾 佐原 俊作 内藤 由規
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1294-1296, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
6
被引用文献数
1

There is some evidence for the efficacy of acupuncture and moxibustion treatment in symptoms of neurology (pain, anxietas, depression and motor ability), but the mechanisms of acupuncture and moxibustion remain unclear. We examined the remediation mechanisms of acupuncture and moxibustion on symptoms (pain, anxietas, depression and motor ability). Some of papers reported that the serotonin and dopamine was increased in brain by the acupuncture and moxibustion. In addition, the treatments of acupuncture and drug reported less depression intensity than the drug only. These results suggest that the serotonin and dopamine in brain was improved by the acupuncture and moxibustion, and acupuncture and drug therapy may be more effective on symptoms (pain, anxietas, depression, motor ability) than drug therapy.
著者
伊藤 和之 加藤 麦 伊藤 和幸 石川 充英 清田 公保 江崎 修央 奈良 雅之 福田 文彦 内村 圭一
出版者
視覚障害リハビリテーション協会
雑誌
視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集 第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.77, 2012 (Released:2012-06-20)

【研究目的】 本研究は、点字や普通文字、PCでの文字入力に困難を有し、ノート・テイキングに苦慮する中・高齢層中途視覚障害者の自立訓練、学習、就労を支援する文字入力システムの開発をとおして、筆記行動を促進するリハビリテーション・サービスを創造することを目的とした。【研究方法】 1年目は開発する文字入力システムの適合に関する仮説の形成、2年目は、自立訓練、理療教育、福祉工学の3研究分科会を組織し、文字入力システムの開発と筆記行動支援システムの仕様策定、3年目は、筆記行動支援システムを開発することとした。また、普及の準備として、筆記行動支援研修プログラム案を策定し、地域でのワークショップを開催し、検証することとした。<倫理面への配慮> 本研究は、当センター倫理審査委員会の承認の下で実施した。【研究結果及び考察】 1)点字タイプライター式文字入力システム、2)手書き式文字入力システム、3)予約管理・予診票・施術録作成システムを開発した。エンドユーザーによる試用評価により、システムの有効性が実証されたが、編集機能の強化やより細かなニーズへの対応が課題として挙げられた。点字タイプライター式システムは製品化が実現した。2012年度中に発売予定である。また、文字入力システムの利活用の一提案として、教育・訓練システム、教育・訓練教材を開発し、全体をワンパッケージとして、「筆記行動支援システム」を提案するに至った。地域での普及活動については、その意義が確認されるとともに、支援システムとエンドユーザーをつなぐ存在の重要性が示唆された。【今後の課題】 視覚障害リハビリテーション分野における新規リハ・サービスの普及方法の開発である。
著者
伊藤 和幸
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.33, pp.p1-8, 1991

論文I. 序章II. 明治期の国語運動III. 国語調査委員会の創立と活動IV. 本稿の限界
著者
石塚 伸夫 外崎 好洋 鈴木 千晶 別所 芙美子 伊藤 和彦 島 香端 巧 好雄 山岡 真二 中島 俊一 永井 修 笈沼 正子 大石 正広 山下 俊明 山田 薫 塚原 等 永友 秀樹 竹内 智 白柳 雅義
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.119-124, 1997

胃部検査後のバリウム(以下Ba)排泄状態をドック受診者にアンケート調査し,その結果を日常排便状態別にグループ分けし,それぞれのグループにて下剤服用量・服用時間とBa排泄との相互関係を把握した。そしてその結果を受診者に提示し,受診者が下剤服用方法を選択できるよう検討した。
著者
林 謙次郎 佐々木 義明 田頭 昭二 伊藤 和晴
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.T61-T64, 1981-06-05
被引用文献数
3

アルミニウム-アルミノンレーキの呈色は保護コロイドとしての分散剤の種類や濃度の影響を受ける.しかし,トリトンX-100のような非イオン性界面活性剤を分散剤として用いると安定な呈色が得られ,アルミニウムの弧光光度定量における従来法に比べ感度や精度の向上及び定量範囲の拡大をはかることができる.アルミニウムの定量について検討したところ,最大吸収波長537 nmにおけるモル吸光係数は2.2×10^4,感度は0.0012であり,(6.5×10^<-7>〜5.0×10^<-5>)mol dm^<-3> のアルミニウムの濃度範囲でベール則に従った.レーキ及びアルミノン中のフェニル基やカルボキシル基がトリトンX-100のポリエーテル部と水素結合してミセルの親水部分に吸着されて安定化され,その結果,スペクトルが変化し吸光度が増加すると考えられる.