著者
内藤 裕之 土井 光 稲水 佐江子 伊藤 聖 荒木 武尚
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.125-130, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

症例は46 歳の男性である.感冒症状を契機に緊張性瞳孔,起立性低血圧,膀胱直腸障害,全身の発汗障害などの重度の自律神経障害を発症し,全身の温痛覚障害および脳神経系および四肢の運動障害を合併した.各種検査から節後性無髄線維の軸索変性が主体の急性自律性感覚性運動性ニューロパチーと診断した.免疫グロブリン療法およびステロイドパルス療法をおこなうも自律神経障害の改善は乏しく,予後不良な経過をたどった.頭部MRI 検査にて両側三叉神経の腫大および造影効果が確認され,表在覚の障害は著明であるにもかかわらず深部覚は保たれているといった,過去の報告にはない特徴的な所見をみとめた症例であった.
著者
伊藤 禎宣 角 康之 間瀬 健二 國藤 進
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.301-312, 2002-05-01
被引用文献数
2

SmartCourier is a Web-based system for browsing electronic documents shared in a group of people. It allows users to annotate on the documents with a pen interface, and share the annotations among the users having similar interests on the documents. Also, the system recommends a user unread documents inferred interesting to the user by using a collaborative filtering method. We prototyped two versions of SmartCourier. The first version used a method to matchmake users according to agreement of annotated area on the same documents without any semantic processing of the annotations and the base documents. The second version employed a method to extract keywords from the annotated area of the base documents and find other related documents sharing the keywords. The experimented evaluation shows the second version of SmartCourier was accepted by the users as more efficient system for facilitating knowledge interaction among them.

1 0 0 0 解剖学講義

著者
伊藤隆著
出版者
南山堂
巻号頁・発行日
2001
著者
伊藤 康佑 片木 聖樹 水上 純一 熊谷 健蔵
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_307-I_312, 2019
被引用文献数
4

<p> 台風201821号は大阪湾を直撃し沿岸部に甚大な高潮・高波被害をもたらした.人工島である関西国際空港においても甚大な浸水被害が発生し,空港機能が麻痺する事態となった.本研究では再度災害の防止を目的とし,空港機能を有する人工島の特性を踏まえ,台風来襲時の気象・海象,現地の被害状況等から推定された護岸からの越波等を含む4つの浸水要因について定量的評価を行った.その結果,浸水の主要因は1期島の東側および南側の護岸からの越波であり,その量は約225万m<sup>3</sup>であることがわかった.さらに,浸水は東側護岸から開始したが,特に,台風通過時における対岸からのS~SSW方向の強風に伴って発生した想定以上の高波浪によって,越波が護岸延長の長い東側護岸で発生したことが浸水被害を増大させる要因となったことがわかった.</p>
著者
伊藤 裕久 菊地 成朋 箕浦 永子 伊藤 瑞季
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.97-108, 2015 (Released:2017-08-10)

本研究は,博多における地縁的結合の重層に注目しながら,個別の「町」と「流」の内部構造について社会=空間構造の実態と特性,さらに近代への変容過程について解明した。祭礼組織である「流」は近世を通じて地縁的結合の柱として行政機構の末端にも位置づけられていったが,明治期には行政区や学校区による新たな地縁的結合が形成されたことにより,再び祭礼組織として相対化されたことが明らかとなった。博多の社会=空間構造は,「流」による南北通を主軸とした構造から,近代の都市インフラの影響を受けつつ,行政区,学校区,商工人分布ともに東西通を主軸とした構造に変容していった。
著者
伊藤 博通 山下 律也
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.55-63, 2000-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
28

本研究の目的は黒大豆 (丹波黒) 乾燥処理後に発生する被害粒の自動判別である。このための基礎的技術として, 被害粒の一種であるしわ粒の判別アルゴリズムを作成した。デジタルカメラを使用して黒大豆画像を撮影し, これをコンピュータによって画像処理した。この結果入力画像の第1次および第2次統計量やランレングス統計量などのテクスチャ特徴量が求められた。これらの画像特徴量を用いて線形判別関数を構成し, 整粒としわ粒の判別を行った。誤判別率は最小値で18%となった。
著者
伊藤史人 高見澤秀幸 佐藤郁哉
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.100-110, 2012-09-13 (Released:2019-01-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1

標的型攻撃メールは,ある特定の組織や個人を狙った機密情報等を窃取する手段に利用されている.攻撃に利用するメールにはファイルが添付されており,受信者がそのファイルを開くことでシステムの脆弱性等を突き任意のコードを実行する.メールの文面は,受信者が不審に感じ難いものとしていることが多く,完全な防御は極めて難しい.その一方で,効果的な対策としては,教育的効果を狙って模擬標的型攻撃メールを対象者に送り,同種の攻撃に対する意識を高めることが挙げられる.本論文では,標的型攻撃メールを病原体と仮定し,模擬標的攻撃メールを「予防接種」として作用させ,「人」に免疫反応を引き起こすことで攻撃への耐性を高める試みについて報告する.具体例として,一橋大学の学生196名と事務職員200名に対する模擬標的型攻撃メールを予防接種した結果と,解析結果から得られた今後の対策案について述べる.
著者
伊藤 重剛
出版者
建築史学会
雑誌
建築史学 (ISSN:02892839)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.130-133, 2009 (Released:2018-06-28)
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.328-332, 1996-03-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

カリフォルニア産あきたこまち,コシヒカリ,ササニシキの食味を,国内産米の同一品種を比較対照として,調査した.その結果,次のことが認あられた.(1) 理化学的特性においてカリフォルニア産米は,玄米の整粒が少なく,精白米の透光度が低く,タンパク質含量が低く,ヨード呈色度が大きかった.(2) カリフォルニア産米は精白米と炊飯米の外観が悪く,香りが悪く,粘りが弱く,その結果,総合評価が悪かった.(3) 供試したカリフォルニア産米の食味評価が低かった原因は栽培条件にあると考えられた.
著者
上川内 あづさ 伊藤 啓
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.282-285, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
16

The human ability to sense gravity and sounds relies on specialized vestibular and auditory organs, respectively, in our inner ear. In the fly, the ability to hear has been ascribed to the antenna, whereas the gravity sensor had remained unidentified. We found that the fly has implemented both sensory modalities into a single system, the Johnston’s organ, which houses specialized clusters of mechanosensory neurons. Each cluster monitors specific movements of the antenna and feeds into distinct neural pathways that are reminiscent of the vestibular and auditory pathways, respectively, in our brain.
著者
坂村 美奈 米澤 拓郎 伊藤 友隆 中澤 仁 徳田 英幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.2162-2174, 2016-10-15

市民参加型まちづくり(Participatory planning)とは,まちづくりの過程に市民を巻き込むことであり,実際の都市の中で起こっている問題を素早く発見,解決できる可能性が高い.市民参加型まちづくりを促進するためには市の職員と市民の間での日常的なコミュニケーションを活性化することが重要である.本研究の目的は,人々が日常的に持つモバイル端末やPC端末を通して情報をやりとりする参加型センシングを市民参加型まちづくりにも適用することである.既存の参加型センシングの例では,質問の内容カテゴリが限定的なものや,市民の意見収集,意見交換を行うための特定のアプリケーションのインストールが必要であるものが存在する.また,市民から提供された情報はプライバシ情報を除いたオープンな情報であることやシステムの操作が容易であることが望ましい.本研究ではこれらの課題を解決し,市民参加型まちづくりのための参加型センシングシステム,MinaQnを提案する.本研究ではMinaQnを2週間にわたって3都市(藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町)の公式ホームページに組み込み,市の職員および市民に利用してもらう実証実験を行った.全体として1,000個以上の回答データと市の職員および市民からのフィードバックを得ることで,定性的および定量的な評価を行い,将来異なる地域や多くの市民に持続的に参加してもらうためにはどうすればよいか,これからの参加型センシングシステムのデザイン指針を示した.特に災害時において今後より多くの市民に位置情報を提供してもらうためには,質問の意図説明やプッシュ通知など市からの積極性が必要なことや,市の職員が実際に自由な質問設定をするために自治体の中あるいは市全体で議論し質問内容の枠組みを増やしていけるような取り組みや制度の策定が必要なことが分かった.
著者
皆川 陽一 伊藤 和憲 今井 賢治 大藪 秀昭 北小路 博司
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.837-845, 2010 (Released:2011-05-25)
参考文献数
18

【目的】鍼治療は、 顎関節症の保存療法としてよく用いられているが、 その多くが咀嚼筋障害を主徴候としたI型の報告である。 そこで今回、 関節円板の異常を主徴候としたIIIa型患者に対して鍼治療を行い、 症状の改善が認められた1症例を報告する。 【症例】19歳、 女性。 主訴:開口障害、 開口・咀嚼時痛。 現病歴:X-1年、 左顎に違和感が出現した。 X年、 口が開きにくくなると同時に開口・咀嚼時の顎の痛みが出現したため歯科を受診した。 診察の結果、 MRI所見などから顎関節症IIIa型と診断され鍼治療を開始した。 【方法】鍼治療は、 関節円板の整位と鎮痛を目的に外側翼突筋を基本とした鍼治療を週1回行った。 効果判定は、 主観的な顎の痛み・不安感・満足感をVisual Analogue Scale(VAS)で、 開口障害を偏位の有無で、 円板・下顎頭の位置や形態の確認をMRIにて評価した。 【結果】初診時、 顎の痛みを示すVASは52mmであり鍼治療を行ったところ、 2診目治療前には痛みの軽減がみられた。 4診目に一時的な症状の悪化が認められたが、 その後も治療を継続することで顎の痛みを示すVASが2mmまで改善した。 一方、 治療8回終了後のMRI撮影では関節円板の転位に著変はないものの運動制限と開口障害の改善がみられた。 【考察】顎関節症IIIa型に対する鍼治療は関節円板の整位はみられないものの転位した関節円板に随伴する症状を改善させる効果を有することが示唆された。
著者
伊藤 修
出版者
神奈川大学
雑誌
経済貿易研究 (ISSN:03865193)
巻号頁・発行日
no.12, pp.p41-50, 1987