著者
伊藤 啓子 山崎 昇 篠原 文陽児
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 13 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.271-274, 1989 (Released:2018-05-16)

CAIシステムは、伝統的な一斉授業の中では必ずしもも十分ではない個別化や個性化指導を具体的に可能にしつつ、かつ、これらに関わる要因を科学的に分析、解明する手段となる。 本研究では、小学校5年81名を対象に、算数科における「分数」単元の中の「異分母分数のたし算」を、一斉授業とCAIシステムを使って学習させ、CAIによる学習は内向的性格の児童に、一斉授業は外向的性格の児童に、それぞれ効果的であることを実験的に明らかにしている。なお、一斉授業が内向的性格の児童に対して適切な援助を必要とする学習形態であること、および、CAIコースウェアの開発にあたっては、学習者の能力、適正、興味などが考慮すべき要因であることを指摘している。
著者
西山 貴史 伊藤 香織 丹羽 由佳理
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.48-54, 2017-04-25 (Released:2017-04-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

近年,市民ロードランナーの拠点であるランニングステーションが増加している.本研究では,皇居周辺の5施設の利用者へのアンケート調査によりランニングステーションの利用実態を把握し,利用満足度を構成する要因を明らかにする.因子分析によって[イベント],[快適性],[利用満足度],[機能性],[交流],[ショップ],[交通利便性]の構成因子が抽出され,共分散構造分析によって6つの因子がどのように[利用満足度]を構成するのかを明らかにした.得られた主要な結果は,(1)[快適性]が[利用満足度]と最も関連が強い,(2)[イベント]は[交流]を介して間接的に[利用満足度]を構成する,(3)自宅アクセスは施設利用者の満足度評価との関連が弱い,(4)利用頻度の高い利用者,若い世代,同伴者のいる利用者では[交流]が[利用満足度]を構成する重要な要素である.
著者
林 孝文 伊藤 寿介 中山 均 小林 富貴子 中村 太保 小宮 隆瑞 鈴木 誠 福島 祥紘 高木 律男 大橋 靖
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.74-80, 1993-06-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
20

Carcinomas arising in jaw cysts are a very rare lesion. There was only one case report which was thought to be of origin from an inscisive canal cyst.The authors present a case of squamous cell carcinoma probably arising from an incisive canal cyst.The patient was a 60-year-old female with complaints of swelling and tenderness of the hard palate. Overlying mucosa of the lesion was normal except for an opening of fistula.An occlusal X-ray film and bone images of X-ray computed tomography (X-CT) showed a radiolucent lesion on the midline of the palate with well-defined margin and they also revealed an irregular resorption of the alveolar process of the maxilla.Soft tissue images of post contrast X-CT showed a heterogenously enhanced area in the anterior part of the lesion extending to the left upper lip.Pathological examination revealed a squamous cell carcinoma and suggested that the tumor derived probably from an incisive canal cyst.
著者
伊藤 セツ
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.1-3, 2011
著者
富丸 慶人 後藤 邦仁 小林 省吾 永野 浩昭 森 正樹 土岐 祐一郎 江口 英利 伊藤 壽記 野口 洋文 宮下 和幸 川本 弘一 岩上 佳史 秋田 裕史 野田 剛広
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.217-222, 2019

<p>Total pancreatectomy with islet autotransplantation is an ideal surgical procedure used to relieve chronic pain derived from the pancreatitis, while insulin-dependent diabetes is inevitably induced after the surgery. Islet autotransplantation combined with a total pancreatectomy can reduce the risk of severe diabetes by preserving available islet cells. We experienced a case with hereditary pancreatitis, which is a rare inherited condition characterized by recurrent acute pancreatitis and/or chronic pancreatitis. The case was that of a female in her thirties who was introduced to our hospital due to treatment-refractory abdominal pain derived from repeated pancreatitis even after surgical treatments. At the introduction, the pain was uncontrollable even by opioid use, and oral intake was impossible due to increase of the pain after the intake. She was genetically diagnosed with hereditary pancreatitis. For relieving the pancreatitis-derived pain, total remnant pancreatectomy with islet autotransplantation was planned. After the pancreatectomy, islet cells were extracted from the excised remnant pancreas, and injected into the portal vein for liver autotransplantation. The pain was completely relieved for her after the surgery, suggesting improvement of her quality-of-life. A glucose tolerance test and glucagon loading test performed one month after the surgery showed C-peptide secretion as the blood glucose rose. However, the serum c-peptide level and SUIT index had been gradually decreased after the surgery, and she is now treated with insulin. The case suggested that total pancreatectomy with islet autotransplantation is useful for improvement of the patient's quality of life by controlling the pain in cases with hereditary pancreatitis.</p>
著者
伊藤 晴祥
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.101-127, 2017-08-25 (Released:2019-04-10)
参考文献数
11

小論では,積雪がある閾値以下となる日数を指数とする雪デリバティブを利用することによりどの程度企業価値が高まるかを検証した。まず,新潟県南魚沼市及び魚沼市の全16か所のスキー場入込数を利用して,15か所のスキー場で積雪リスクと入込数との相関係数の絶対値が0.4以上であり,殆どのスキー場でも積雪がリスク要因であることを示した。雪デリバティブの評価にあたり,その非完備性を考慮し,意思決定者のリスク回避性を価値評価に織り込むためにWang変換を利用した。シャトー塩沢のデータを利用した分析の結果,λが0.5以上の中程度リスク回避的な意思決定者である場合,雪デリバティブの安全割増が20%以下であれば,雪デリバティブの利用により企業価値が高まることを示した。現在保険会社から提供をされている天候デリバティブの安全割増は60%以上であると推計されており,このことが天候デリバティブの利用が進まない一因であるとも考えられる。
著者
伊藤 良作
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.43-54, 1983-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

ヒト棘腕筋 (前鋸筋, 僧帽筋, 大・小菱形筋, 肩甲挙筋) について, 筋重量, 筋層の厚さ, 筋線維数および筋線維の太さの計測を行い, 相互に比較するとともに, ヒトの他筋およびサルの同筋と比較して, ヒト上肢帯筋の特徴を検討した.材料は10%ホルマリン水注屍10体 (男性; 5, 女性; 5) の右側から得られたもので, セロイジン包埋, H・E染色によった.結果は次の通りである.1.検査した筋の筋重量は僧帽筋が最も大で前鋸筋もこれに近かったが, 一般に男性の方が女性に優る傾向を示した.また, 筋層の厚さは前鋸筋の頭側部, 僧帽筋の中間部, 大菱形筋の頭側部が最も厚い部類に属した.2.1mm2中の筋線維数は前鋸筋が最も多く, 以下, 大菱形筋, 肩甲挙筋の順となり, 僧帽筋の中間部が最も少なかった.性別的に女性の方が男性よりも多い傾向を示した.3.筋線維の太さは僧帽筋の中間部が最も大で, 小菱形筋と肩甲挙筋がほぼ等しくてこれにつぎ, 大菱形筋と前鋸筋の各部が最も小であり, 性別的には前鋸筋と僧帽筋では男性の方が女性よりも大なる傾向が認められた.4.カニクイザルと比較すると, 前鋸筋と菱形筋ではサルは尾側部が他の部位よりも著しく発達したのに対し, ヒトでは部位間に明らかな差が認められなかった.また, ヒトの菱形筋ではむしろ小菱形筋の筋線維が大菱形筋のそれよりも大であった.さらに, サルの僧帽筋では中間部の発達が悪かったのに対し, ヒトでは同部の発達が最も著しかった.5.以上のことから, ヒトでは肩甲骨の内転あるいは固定に関与する筋または部位が最も発達し, サルと異った部位差を示すことが明らかであり, これらはサルとヒトの上肢運動の相違に基くものと考えられた.
著者
辻 澄子 小川 俊次郎 柴田 正 伊藤 誉志男
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.14-18_1, 1989-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

食品中のホウ酸を直接, 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール (EHD) でキレート抽出した後, 非水条件下でクルクミン発色によるホウ酸の簡易迅速定量法を確立した. 試料中のホウ酸は酸性下で5%EHD含有のヘキサン-酢酸ブチル (4:1) 溶液で抽出した. 抽出液の一定容量にクルクミン氷酢酸溶液及び濃硫酸を加えて発色させた後, 過剰のプロトン化クルクミンを水で分解し, アセトンで希釈して比色定量を行った. 殻付き冷凍えび, 塩蔵くらげ, 寒天, 牛乳, 豆乳及びワインにホウ酸を10,100及び500μg/g添加したときの回収率はいずれも97.0%以上であった. 検出限界は0.3μg/gであった.
著者
松田 雅弘 楠本 泰士 酒井 弘美 伊藤 公一 田上 未来 阿部 紀之 関 亮祐 本藤 伸男 山﨑 友豊 赤池 優也 二瓶 篤史 新田 收
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.495-499, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
10

〔目的〕マイクロビーズ製クッション上での臥位が,関節可動域と筋緊張に及ぼす影響を通常のベッド上臥位と比較して明らかにすることとした.〔対象と方法〕回復期脳卒中後片麻痺患者9名(52~84歳)とした.同一対象者に20分の臥床をクッション(クッション条件),およびベッド上背臥位で(臥位条件)行わせ,前後でのROMt,筋緊張(MAS),僧帽筋上部線維の筋硬度の変化と変化量を対応のあるt検定により統計学的に解析し,その違いを条件間で比較した.〔結果〕クッション条件では介入前後で,麻痺側肘屈曲,頸部左回旋角度に有意差がみられた.筋緊張,筋硬度も軽減している症例が多かった.〔結語〕マイクロビーズ製クッションが,脳卒中患者に対して筋緊張の軽減と関節可動域の増大に効果をもたらすことが示唆される.
著者
竹内 浩二 竹内 純 菊池 豊 秋山 清 網野 範子 沼沢 健一 伊藤 綾
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.56, pp.99-102, 2009 (Released:2010-12-28)
参考文献数
8

東京都多摩地域でソルゴー障壁を組み合わせた露地ナス生産圃場において,ソルゴー上の昆虫と天敵を調査したところ,ヒエノアブラムシが5~10月に発生し,これを捕食するテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類など30種以上の土着天敵が確認された。また,現地ではソルゴー品種として主に‘風立’を使っていたが,この妥当性を試験圃場,現地栽培圃場で調査したところ,アブラムシ類の発生,草丈など生育状況による防風性,出穂の状況から,東京都においては‘風立’が適当と考えられた。また,試験圃場において露地ナス栽培におけるソルゴー障壁の効果を検討した。ソルゴー障壁区では定植後の農薬散布を実施しなかったが,アブラムシ類の発生は対照区(定植後のアブラムシ剤3回)に比べて少なく,ミカンキイロアザミウマ,カンザワハダニの発生も対照区並に抑えることができた。しかしながら,ホコリダニが多発することがあり,ソルゴー障壁栽培を導入し減農薬栽培を行うにあたってはテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類などに影響が少なくかつホコリダニに効果の高い薬剤の選択といった対応が必要と考えられる。
著者
安田 武司 伊藤 多美子 横井 喜久代 毛利 篤子 安藤 恒三郎 加藤 友義 杢野 謙次
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.218-223, 1984 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

腹痛, 発熱を主訴として発症し, 対光反射, 輻輳反射の消失, 瞳孔の散大, 深部反射の消失, 筋力低下などの神経学的所見を認めるとともに, 皮膚乾燥, 涙液分泌低下, 尿失禁, 便秘, 食道アカラジアなどの自律神経系, 特に副交感神経系の広範な障害をきたした7歳女児例を報告した.経過中, 間質性肺炎, 両側気胸, ADH分泌異常症候群 (SIADH) を合併したが, ステロイドホルモンの投与により改善傾向を示し, 約1年後には, ほぼ完全な寛解状態となった.本例は, 髄液の蛋白細胞解離, 末梢運動神経障害を認め, ギランバレー症候群を合併していると考えられるが, 自律神経症状が前景を呈しており, acuteautonomic neuropathyと考えられた
著者
伊藤 隆太
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 = Journal of law, politics and sociology (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.379-404, 2019-01

はじめに一 決定不全性に由来する国際政治理論研究への批判二 科学的実在論による決定不全性の克服 (一) 科学的実在論 (二) 観点主義 (三) ケースの検討―ネオリアリストと新古典派リアリスト (四) 観点主義を生産的な形で実践するための指針三 多元的実在論と国際政治学の実証主義 (一) 多元的実在論の構造 (二) 国際政治学の実証主義における二つの起源―道具主義と科学的実在論 (三) 経験主義的バイアスの克服へ向けておわりに赤木完爾教授退職記念号