著者
佐々木 由佳 安藤 豊
出版者
名古屋大学農学国際教育協力研究センター
雑誌
農学国際協力 (ISSN:13475096)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.53-57, 2012-03

山形大学農学部の国際協力に関する取り組みは2つある。一つは国際的視野を有する学生の育成、もう一つは留学生・研修生の受け入れである。前者の例として、英語によるプレゼンテーションおよびコミュニケーション能力の上達や発展途上国を対象とする国際理解を目指したプログラムがある。また、大学間・学部間の交流協定に基づく国費による短期海外派遣、サマースクールも行っている。留学生・研修生の受け入れは、国際協力に興味関心のない学生に対して有効であると捉えている。留学生や外国人研修生と常に交流している学生は文化や習慣の違いを肌で感じ、外国人や英語に対するためらいがなくなるようである。しかしこれらの取り組みは歴史が浅く、明確な成果は得られていない。一方、取り組みを継続するには予算確保が重要な課題となる。さらに、JICA や地元自治体との連携を調整する専任のコーディネータの配置などが重要と考えられる。The purposes of international cooperation of Faculty of Agriculture, Yamagata University are to educate Japanese students with a broad outlook on international view point and to train foreign students as graduate students or as trainees of special course. For Japanese students, there are some lectures, e.g. presentation in English and deepen understanding of developing countries, and some programs, e.g. visiting foreign countries as a summer school. Foreign students or foreign trainees affect Japanese students who have little interest in international cooperation. They raise awareness about international cooperation through exchange between foreign and Japanese students daily life. However, we have little history about international cooperation, definite results are not clear yet. To achieve brilliant successes, these programs should be carried out continuously.
著者
宮崎 邦彦 岩村 充 松本 勉 佐々木 良一 吉浦 裕 松木 武 秦野 康生 手塚 悟 今井 秀樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1871-1879, 2005-08-15

電子署名技術の利用にあたっては,署名者は秘密鍵を安全に管理する必要がある.一般には,秘密鍵を安全に管理することは署名者自身にとって利益となると考えられているが,署名者の状況によっては,安全に管理することが利益とならないケースも生じうる.本稿では,署名者が債務超過に近い状態にある債務者である場合を例にあげて,署名鍵の自己暴露が債権者に対する攻撃となることを指摘する.さらに債務者が鍵自己暴露の可能性を持つことが,債権者?債務者間の債務縮減交渉に与える影響について分析を行い,この問題への対策の方針と例を示す.
著者
佐々木喜一郎 藤井透
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.5-6, 2012-03-06

近年,標準世帯の核家族化が進行した為,独居の高齢者が増加しており,2015年には65歳以上単独世帯数が全体世帯数の30%を占める推計がある.このような現状から,精神的なケア,自宅内の事故防止など,独居の高齢者を対象とした見守りサービスや安否確認のニーズが高まっている.本研究は,音声対話が可能なエージェントシステムをスマートフォンアプリケーションにて実現し,日常的に利用者へ呼び掛け,精神的なケアを見据えたコミュニケーション,対話内容から事故の早期発見に努める安否確認システムの試作を行い,開発における現状と課題に対する取り組みの指針について述べる.
著者
星山 幸男 佐々木 康明
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.201-216, 2013-03-22

社会教育施設における指定管理委託の問題は、すでに多くの検討がなされているが、東日本大震災の被害を受けたところでは、この制度の本質にかかわる新たな問題が浮かび上がっている。そこで、宮城県南三陸町の総合スポーツ施設ベイサイドアリーナの事例を分析し、社会教育の課題に迫った。 事例では、施設が指定管理体制に移行された経緯と委託業務内容、震災発生時の状況と対応、その後の経過とスタッフの対応、指定管理者である企業から派遣された職員が直面した現実、そこで浮き彫りになった問題点について具体的にみていった。そこから、自治体と企業の板挟みとなり、それでも不眠不休の対応を進めた職員の姿が明らかとなった。 指定管理委託された社会教育施設では、公的施設であるがゆえに、自治体と指定管理者との二つの指揮系統下におかれる職員の性格のあいまいさが問題であり、専門的職員としての捉え直しの必要性が課題であることが明確になった。さらに、施設の管理運営の連続性・継続性と行政・指定管理者間の連携の問題、職員の専門性確保と研修の問題が課題であることを明らかにした。
著者
小川 仁 舟山 裕士 福島 浩平 柴田 近 高橋 賢一 長尾 宗紀 羽根田 祥 渡辺 和宏 工藤 克昌 佐々木 巌
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.455-459, 2004-08-01
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

症例は23歳女性.5年前にスプレー缶の蓋を膣内に留置してしまったが医療機関を受診せず放置し,次第に月経周期に類似した下血と腰痛が出現したため近医を受診した.大腸内視鏡検査で膣内異物と直腸膣瘻を指摘され経肛門的に異物除去術が施行されたが,2カ月後も瘻孔が閉鎖しないため当科を紹介された.初診時2横指大の直腸膣瘻と膣狭窄を認めた.回腸にループ式人工肛門が増設されたが6カ月後も瘻孔は閉鎖せず,根治目的に手術が施行された.瘻孔周辺の直腸と膣は高度の線維化により強固に癒着しており直腸・膣の修復は不可能であったため,再手術により子宮摘出・直腸切除,結腸肛門吻合術が施行された.3年2カ月の間にこれらの手術を含む計6回の手術が行われ直腸膣瘻は根治した.膣内異物による直腸膣瘻はまれな病態であるが,治療に難渋した自験例を若干の文献的考察を加え報告する.
著者
森山 秀樹 佐々木 正寿 北村 祥貴 竹原 朗 芝原 一繁 小西 孝司
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.850-853, 2009-03-25
参考文献数
6
被引用文献数
2 5

症例は34歳,女性.2007年9月,ビーチバレーボール中に強い腹痛が出現したため当科受診した.腹部全体に強い圧痛を認めた.超音波およびCTで上腹部に径16cmの嚢胞性腫瘤および多量の腹水を認めた.嚢胞性腫瘍破裂による腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した.腹腔内には漿液性の腹水を1,800ml認めた.上腹部に巨大な嚢胞性腫瘍があり周辺臓器を圧排していた.解剖学的位置関係が不明確なため,腫瘍穿孔部縫合閉鎖および腹腔内ドレナージを施行し開腹した.術後の精査で膵粘液性嚢胞性腫瘍を疑った.術後17日目に再開腹し,腫瘍を含めた膵体尾部切除術を施行した.病理所見より卵巣様間質を有する膵粘液性嚢胞腺腫と診断した.膵粘液性嚢胞性腫瘍は比較的稀な疾患である.嚢胞破裂による腹膜炎の発症は本邦報告例を検索したところ本例が3例目であり,稀な症例と考えられたので報告する.
著者
佐々木 恵一 Tiglao Noriel Christopher C. 田村 亨 斎藤 和夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.225-230, 1999

マニラ首都圏の人口は地方部からの人口流入によって、1980年の592万人から1995年には945万人へと増加した。現在、この人口増加はスコッター地区やスラム街の拡大を引き起こし、深刻な環境問題となっている。土 地利用政策による人口誘導のための既存の都市モデルは、開発途上国特有のデータ欠如への配慮が為されていなかった。そ こで本研究はマニラ首都圏の1986年、96年における土地利用データを用いて土地利用と人口の空間的分布について分析する。
著者
佐々木 俊介 渡辺 浩平 荒木 徹也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.27, 2016

本ポスター発表においては、映像人類学に基づくダンプサイト・ウェイスト・ピッカーの活動記録を、写真、図表、動画を用いて発表する。調査地はインドネシア共和国西ジャワ州バンタル・グバンに設置された廃棄物最終処分場の周囲に形成されたスラム街であり、発表者は2010年2月より、19回渡航し、計707日間滞在している。調査地のウェイスト・ピッカーたちは廃棄物最終処分場内において有価物収集を行っており、有価物収集の際には、自分自身で作成あるいは道具製作者から購入した道具を用いている。有価物売買においては伝票が発行されるなど、取引上のごまかしが起こりにくい取引方法がとられている。ウェイスト・ピッカーたちが1日に収集する有価物は世帯当たり約100kgであり、ここから推定されるリサイクル率は6.5%である。ウェイスト・ピッカーの収入は、月に240US$でありジャカルタにおける法定最低賃金と同水準にある。
著者
佐々木 俊介
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.23, 2012

スカベンジャーによるリサイクルへの貢献が指摘され、インフォーマルな活動であるスカベンジャーによる有価物収集活動をフォーマルなシステムに組み込む統合的な廃棄物処理行政が複数の研究者によって提案されている。しかしながら、量的データとして正確にスカベンジャーたちのリサイクル能力などを推計したものはほとんど無い。そこで、本研究においては、インドネシア共和国バンタルグバン廃棄物最終処分場近隣のスラム街に居住するスカベンジャーを対象に約9ヶ月間の現地滞在調査を行った上で、スカベンジャーたちによるリサイクル方法を明らかにするとともに、スカベンジャー社会において有価物の売買時に取り交わされている伝票に基づき、スカベンジャーたちの収入(Rp.1,178,643)について明らかにしながら、世帯あたりのリサイクル量(1,977kg)を明らかにした。
著者
岩井 保憲 野本 秀雄 佐々木 隆 筧 敦行 伊東 正雄 佐藤 岩太郎 Rodney J. ALLAM Jeremy E. FETVEDT
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.57, no.182, pp.274-279, 2015 (Released:2018-01-26)
参考文献数
13

Carbon dioxide (CO2) emissions from thermal power plants are one of the primary causes of global warming. As global demand for energy increases while environmental regulations tighten, novel power generation cycles are being developed to meet market needs while accommodating green requirements. To meet this demand in the global market, Toshiba has been engaged in the development of an environmentally conscious thermal power generation system applying a supercritical CO2 cycle (Allam cycle) developed by 8 Rivers in cooperation with U.S. companies: 8 Rivers Capital, NET Power, LLC; Chicago Bridge & Iron Company; and Exelon Corporation. The Allam cycle is an approach (with high pressure, low pressure ratios, oxy-fuel combustion and CO2 as a working fluid) that efficiently produces power in a compact plant, avoids NOx emissions, makes efficient use of clean-burning natural gas and can generate high-pressure carbon dioxide for enhanced oil and gas recovery in the field. We have been engaged in the development of a 25 MW-class pilot plant. In this project, Toshiba has been assigned the development of key equipment, including a high-temperature and high-pressure turbine and a combustor, for this thermal power generation system aimed at realizing a 295 MW-class commercial plant.
著者
グース アラン・H カイザー デイビッド・I リンデ アンドレイ・D 野村 泰紀 ベネット チャールズ・L ボンド J・リチャード ブーシェ フランソワ キャロル ショーン エフスタシウー ジョージ ホーキング スティーブン カロッシュ レナータ 小松 英一郎 クラウス ローレンス・M リス デイビッド・H マルダセナ フアン マザー ジョン・C パイリス ヒラーニヤ ペリー マルコム ランドール リサ リース マーティン 佐々木 節 セナトーレ レオナルド シルバースタイン エバ スムート ジョージ・F スタロビンスキー アレクセイ サスキンド レオナルド ターナー マイケル・S ビレンキン アレキサンダー ワインバーグ スティーブン ワイス ライナー ウィルチェック フランク ウィッテン エドワード ザルダリアガ マティアス
出版者
日経サイエンス ; 1990-
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.49-52, 2017-09

マルチバースはインフレーション理論の研究から導き出された仮説だ。インフレーションは宇宙の大部分で永遠に続いているとの見方があり(永久インフレーション),その中でたまたまインフレーションがいったん終わった部分の1つが私たちが存在する時空で,それを私たちは唯一無二の宇宙(ユニバース)として認識しているが,同様にして無数の宇宙が生み出さ
著者
佐々木 幸弘
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.159, pp.92-95, 2003-01

当院は1998年3月、埼玉県富士見市で開業した。立地は東京・池袋から東武東上線で約30分の駅前のテナントビルである。オープンして4年半が過ぎたが、様々な工夫を凝らしたことで経営は順調に推移している。今回は、これまで当院が行ってきた皮膚科診療所としての差別化戦略について紹介してみたい。
著者
山口 弘悦 松下 恭子 佐藤 浩介 中島 真也 佐々木 亨 Simionescu Aurora Bautz Marshall Loewenstein Michael 「ひとみ」コラボレーション
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.485, 2017

<p>Fe, Mn, Niなどの鉄族元素は、白色矮星の爆発的核融合による「Ia型超新星」を主要起源とする。したがってその組成は、過去に起こったIa型超新星の物理的性質を知る重要な手がかりとなる。「ひとみ」は打ち上げ直後に観測したペルセウス座銀河団からSXSの優れたスペクトルを取得した。分析の結果、鉄族元素の相対組成はいずれも太陽近傍の星の組成と一致することが初めて示された。講演ではその宇宙物理学的意義について解説する。</p>
著者
佐々木 宣介 梶原 羊一郎 飯田 弘之
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.327-334, 2000-12-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
5

It is supposed that HEIAN SHOGI is an ancient variant of the MODERN SHOGI (Japanese CHESS). When two experienced players play a game of HEIAN SHOGI, they often reach a 'King-and-Gold vs King'endgame. This paper presents the results of computer analyses of this 'King-and-Gold vs King'endgame to explore the evolutionary changes of the characteristics of games. The analyses were done in the various sizes of square board. The loop positions, that are included neither in the winning position of 'King-and-Gold'side nor in the obvious draw positions, appear in larger than 11×11 board, and these loop positions account for above 80% of all positions. And the number of steps of the longest position-to-mate approach to a certain value. These results mean that the characteristics of games radically change in the different size of the board. It is hoped that these results give us important suggestion to suppose why the ancient SHOGI variant changes to 9×9 board (MODERN SHOGI).