著者
毛綱 昌弘 山口 浩和 佐々木 達也 岡 勝
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.135-140, 2008-12-15

フォワーダ等による作業路を用いた集材方法が普及し始めているが,作業路の総延長距離が伸びるに従い作業能率の低下が問題となっている。この問題を解決する方法として,作業路上を走行している有人の車両の後ろを無人で走行可能な車両が追従して走行することにより,複数台の車両を一人で運転して作業能率を向上させる方法を考案した。本報告では,制御を行うために必要となるセンサを試作し,実験用車両を用いて走行実験を行い,制御結果に影響を与える因子について検討を行った。実験の結果,有人の車両後部に超音波を発するスピーカ,無人の車両前部にマイクをそれぞれ二個ずつ装備することにより,追従走行制御が可能であった。先行する車両と追従する車両の車間距離を大きく設定すると,曲線走行時には内回りが大きくなる一方,車間距離を小さく設定すると,走行速度が大きくなると制御が不安定になるため,車間距離の設定が重要であった。また,作業路の幅員は直線であれば車幅の1.4倍程度でも走行可能であるが,曲線部では1.6倍まで拡幅しなければならないことが確認できた。
著者
田名場 美雪 佐藤 清子 佐々木 大輔 田名場 忍
出版者
弘前大学保健管理センター
雑誌
弘前大学保健管理概要 (ISSN:02865890)
巻号頁・発行日
no.25, pp.5-11, 2004

自己のパーソナリティ認知について,「私」(私がみる私)および「私の第一印象」(初対面の人がいだくであろう印象)におけるパーソナリティ認知構造を比較,自分自身のパーソナリティヘの満足度との関連性を検討した。結果,「私」の認知構造として「快活な親しみやすさ」「力本性」「社会的望ましさ」「おだやかさ」の4因子,「私の第一印象」の認知構造として「親しみやすさ」「力本性」「社会的望ましさ」の3因子が抽出された。「私」の場合,「快活な親しみやすさ」「力本性」「社会的望ましさ」の高さは高い満足度につながり,「おだやかさ」の高さは低い満足度とつながる。「私の第一印象」では「親しみやすさ」「力本性」の高さが満足度の高さにつながる。このことから自己認知における視点の違いが認知構造および自己への満足度の違いをもたらすことが示唆された。
著者
桑本 暢子 菱沼 典子 中山 和弘 鈴木 和代 青池 慎一 佐々木 杏子 佐竹 澄子 品地 智子 中村 佳代 古川 優子
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

脳卒中患者に対する背面開放座位ケアプログラムの定着を目指した看護師支援ツール開発のために、普及理論をもとに質的研究を行った。結果、促進因子は,認定/専門看護師がオピニオンリーダーとなり,コアナースの育成,多職種/家族の協力,病棟文化,電子チャートにケア項目として入れる,プログラムをアレンジする,相対優位性/試行可能性,/両立可能性が高いことであった.阻害因子は,看護師の異動,採用拒否者の存在,教材不足,複雑性/観察可能性の低さであった.促進/阻害因子の多さ,強さによって,導入/実施継続,中断が起こっていた.定着には,プログラムの重要要素は保持した上で内容を変化させることが重要であった.
著者
佐々木 弘通
出版者
成城大学
雑誌
成城法学 (ISSN:03865711)
巻号頁・発行日
no.66, pp.1-79, 2001-04
著者
木村 淳 佐々木 晶 藤本 正樹
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.146-151, 2013-09-25

日本が木星系探査に参加する. 2012年5月に欧州宇宙機関(ESA)の大型惑星探査プログラムとして選定され2022年の打ち上げを目指す木星氷衛星探査機JUICE(ジュース: JUpiter ICy moons Explorer)は,日本チームもその開発に参加する国際協同計画として始動した.太陽系最大の衛星ガニメデの周回探査とエウロパ,カリストのフライバイ探査を行って氷の表面に広がるテクトニクスの全容や内部海の存否を明らかにし,さらに木星大気や磁気圏プラズマ環境などの調査を通して,木星と衛星,それらの相互作用の様相をつまびらかにする.日本のコミュニティにとって数年前まではただの夢だった木星探査へついに手が届くようになった経緯を記し,これからのあゆみを連載していく.
著者
佐々木 均 竹田 洋介
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第55回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.45, 2003 (Released:2003-08-01)

吸血性アブ類が,ソバの授粉昆虫として果たす役割を知る目的で,2002年8月,北海道幌加内町内2ヶ所でNZIトラップを用いた吸血性アブ類の捕獲調査を行い,得られた個体の体表に付着した花粉をグリセリンジェリー法で採取し,酢酸カーミンで染色した後検鏡し,ソバの花粉か否かを調べた. その結果,ソバ畑隣接地で,アカウシアブを優占種とする4属8種合計77個体,ソバ畑から離れた湿性草地で,ゴマフアブを優占種とする5属9種164個体の吸血性アブ類が得られた.ソバ畑隣接地で得られた吸血性アブ類の74%が,ソバ畑から離れた湿性草地で得られた個体でも57%がソバ花粉を体表に付着させていて,他殖植物であるソバの受精に吸血性アブ類が関与していることが示唆された.
著者
上田 実 入江 一浩 渡邉 秀典 品田 哲郎 小林 資正 叶 直樹 岡本 隆一 松永 茂樹 井本 正哉 半田 宏 渡辺 肇 佐々木 誠 木越 英夫 西川 俊夫 石橋 正己
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

共同研究による本学術領域の推進により、多くの天然物の標的決定が行われた。これは、天然物化学者と生物学者の共同研究によって、ビーズテクノロジーの天然物への応用が拡大したこと、ならびに数多くの標的同定法が試行されたためである。これらの成果によって、多くの天然物が種標的と同時に複数のオフターゲットと結合することが明らかになった。天然物リガンドは、従前の理解のように、生体内において「鍵と鍵穴」の様に極めて特異性の高い作用機構を持つのではなく、生体内で「鍵束」のように機能し、複数の錠前と相互作用することを示している。本領域の研究成果によって、天然物リガンドの作用に関する理解は大きく変化したと言える。
著者
小澤 朋之 原田 俊信 山口 和仁 佐々木 洋輔 高井 伸輔 小幡 琢磨 亀田 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.615, pp.171-176, 2006-02-17
被引用文献数
4

近年、ロボットによる癒し(すなわち、ロボットセラピー)が注目されている。このような観点から、筆者らも癒し効果を持つロボット「PDDIN(プディン)」の研究・開発を行なっている。本稿では、PDDINの癒し効果の向上およびコミュニケーション能力の高度化を目的として新たに考案した機能について報告する。具体的には、「ごきげん」「あいじょう」の二つのパラメータによって感情を表出する手法を提案・実装した。また、外部状況取得機能と対話者感情推測機能を実装し、PDDINが状況と対話者感情をともに考慮して発話や行動を行えるようにした。さらにPDDINの外観を変更して、PDDIN2005と命名した。評価実験の結果、ロボット(PDDIN2005)がより豊かな感情表現を持ち、それを人が認知しやすいように表出することが可能であることが示された。
著者
張 斌 田辺 聡 加藤 恵美 佐々木 徹 樋口 勝彦 小泉 和三郎 西元寺 克禮 三富 弘之 田辺 由美
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.151-155, 2002-04-30
被引用文献数
1

症例は53歳女性。平成13年8月,検診にて異常を指摘され上部消化管内視鏡検査を施行。十二指腸第2部に山田IV型のポリープを認めたため当院紹介受診となった。上部消化管造影検査では十二指腸第2部に長い茎を有する表面は平滑な山田IV型のポリープを認めた。上部消化管内視鏡検査にても同様の所見を認め,平成13年12月5日ポリペクトミーを施行した。組織学的には十二指腸粘膜固有層から粘膜下層浅層にかけてBrunner腺の増生が見られた。また,粘膜下層を主体に成熟した異型のない脂肪細胞と小血管の増生がみられ,平滑筋線維も錯綜して走行していたが,平滑筋芽細胞は見られず,過誤腫と診断した。十二指腸の過誤腫は非常に稀であり,文献的考察を含めて報告する。
著者
池内 隆夫 上野 学 与儀 実夫 長谷川 和則 佐々木 春明 浜島 寿充
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1677-1682, 1991-12

1)非細菌性前立腺炎および前立腺炎様症候群における肛門疾患合併率は29.7%,活動性病変合併率は15.4%であり,他の泌尿器科疾患での合併率に比し有意に高い.2)合併肛門疾患では痔疾患とくに痔核の合併頻度が高い.3)治療による臨床的有効率は非細菌性前立腺炎が71.4%,前立腺炎様症候群が58.2%であった.4)前立腺炎と痔疾患とくに痔核の合併および発症とは深い関係がある.肛門疾患を合併する前立腺炎に対して桂枝茯苓丸は有用であった
著者
上杉 志朗 岡田 仁志 佐々木 桐子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.19-24, 2010-02-25
被引用文献数
3

松山大学(ICカード)と新潟国際情報大学(指静脈認証)において,学生出席管理システムの違いによって技術受容の性向に違いがあるか,学生に対するアンケートを実施して調査した.この結果に基づいて,まず,松山大学分について報告する.
著者
佐々木 憲介
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.105-125, 2001-12-11

経済学における理論派と歴史派との論争といえば、オーストリア学派の創始者C.メンガーとドイツ歴史学派の総帥G.シュモラーとの間に起こった「方法論争」が有名であるが、実は類似の性格をもった論争が、攻守所を変えて、イギリスでも行われていた。ジョン・ケルズ・イングラム(John Kells Ingram, 1823-1907)は、イギリスにおける方法論争の重要な一翼を担った人物であり、オーギュスト・コントの観点から古典派経済学を批判した人物であった。イングラムは、歴史的方法が理論的方法に取って代わらなければならないと主張し、その歴史的方法によって、歴史の一般的法則を探究しようとした。イングラムはまた、経済学史に関する該博な知識に基づいて、歴史学派運動の経済学史上の意義を明らかにしようとした。つまり、もともと統一されていた社会諸科学の研究から、経済学がいったん部分学として分化し、それが再び統合されるべき時期にきていること、政治的束縛から産業活動を解放した経済的自由主義が、自由な活動ゆえの弊害を生み出し、それを解決するための社会改良が必要な時期にきていること、これらの事情を背景として歴史学派が成長してきたというのである。さらに、歴史学派運動の現在の中心地はドイツであるが、ドイツ歴史学派に先立ってコントとリチャード・ジョーンズとが歴史学派の観点を提示していたとし、イギリス歴史学派の運動もドイツの亜流ではないということを強調した。
著者
佐々木 勇
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.62, pp.414-405, 2013

The purpose of this article is two of the next. 1.I make the real situation of 欠筆 in 開寶蔵 clear. 2.I investigate the influence of the 欠筆. The result of the investigation are as follows. 1. The lack Writing kanji(漢字) of 開寶蔵 is four characters of "敬竟弘慇".These four kanjis are connected with the name of grandfather and father of 趙匡胤 which is the first emperor of north Soong. But four kanjis are not considered to be the 欠筆 all the time. The ratio of 欠筆 are different every book. 2. 高麗初雕版 inherits most of the 欠筆 of 開寶蔵. However, the 欠筆 of 開寶蔵 was not handed down to 高麗再雕版 and 金版 very much. And the old Japanese copied books do not copy the 欠筆 of 開寶蔵 at all.