著者
楠 仁宏 嵯峨 宣彦 永瀬 純也 佐藤 俊之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2014 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._2A1-K03_1-_2A1-K03_3, 2014-05-24 (Released:2017-06-19)

In recent years, in consideration for danger of secondary disaster at disaster areas, development of rescue robots has been expected. We have paid attention to the mechanism of the peristalsis performed by earthworms and developed a robot using the mechanism. In this research, we developed a robot which recreates the motion of the muscles of earthworms using two kinds of actuators. The feature of this mechanism is that the robot is always able to move a fixed distance even if the space is narrow. In this paper, we propose the mechanism of the robot and consider the three moving patterns of the robot.
著者
力丸 真美 谷野 功典 福原 敦朗 佐藤 俊 二階堂 雄文 佐藤 佑樹 東川 隆一 福原 奈緒子 河俣 貴也 梅田 隆志 森本 樹里亜 小泉 達彦 鈴木 康仁 平井 健一郎 植松 学 峯村 浩之 斎藤 純平 金沢 賢也 柴田 陽光
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1_2, pp.85-88, 2018-10-25 (Released:2019-04-02)
参考文献数
15

キノコの屋内栽培では大気中に大量の胞子が浮遊しており,高濃度のキノコ胞子を繰り返し吸入することで感作され,Ⅲ型,Ⅳ型アレルギーの機序により過敏性肺炎を発症する.診断には臨床経過や画像検査所見,環境誘発試験,沈降抗体反応やリンパ球刺激試験など免疫学的所見と病理学的所見の結果を総合的に判断することが重要である.今回我々はナメコ,シイタケ栽培者に発症した過敏性肺炎の2症例を経験したので報告する.
著者
佐藤 俊樹
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.20-28, 2009-09-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
20

この論文では組織の自己産出系論を解説する.これはN. ルーマンによって提唱された理論で,C.I.バーナードの「協働」やH. A. サイモンの「決定前提の連鎖」をふまえて,組織自身が行為するかのように見えるしくみを,より厳密に再構成したものである. ここでは,まず,そのしくみを「組織としてふるまう」ことの相互参照-自己参照ネットワークという形で定式化する.相互参照-自己参照ネットワークとしての組織は作動的に閉じており,それによって環境に開かれる.それゆえ組織は外部の環境に影響されるが,内的な組織/環境イメージにのみ反応する.この点が自己産出系論の最大の特徴である.
著者
石原 哲也 平田 幸一 辰元 宗人 山崎 薫 佐藤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.180-186, 1997-06-25 (Released:2009-09-16)
参考文献数
30

一過性全健忘 (TGA) の発症機序については, 未だに統一した見解は得られていない.われわれは, 従来の臨床的およびMRI, SPECTによる画像診断的検討に加え, proton MRspectroscopy (1H-MRS) を用い, その成因に関する検討をおこなった.TGAの急性期におけるSPECTでは, 側頭葉内側および基底核を中心とした脳血流の低下が示唆された.一方, 側頭葉内側および基底核部における急性期の1H-MRSでは, 虚血性変化の急性期にみられるようなコリン, クレアチンの低下や乳酸の増加は認めず, 脳細胞の代謝異常または脳機能の低下を示すとされるN-アセチルアスパラギン酸 (NAA) の相対的な低下のみがみられた.この結果から, TGAの発症には必ずしも一過性脳虚血発作と同様なatherothrombo-embolicな機序による脳血流低下のみが関与するものではないことが示唆された.
著者
佐藤 俊明 長谷川 正幸
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
vol.414, pp.55-69, 1990-08-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1 1

This paper presents a new method to calculate theoretical seismograms for earth structures considering the layered strata and local soil conditions surrounding an observation point. The reciprocal relationship of Green's functions is employed in the formulation, and the Green's functions are obtained in the frequency domain by combining of the three-dimensional thin layer elements developed by Waas, Kausel and Tajimi and the axisymmetric finite elements. The results in the time domain are obtained by the FFT algorithm. Therefore, the proposed method is called the thin layer finite element (TLFE) method in this paper. The accuracy of this method is examined by comparing its results with wavenumber integral solutions for a buried point source in an elastic halfspace. As a numerical example, theoretical seismograms on the idealized sedimentary basin model are calculated in order to illustrate the effect of local soil conditions surrounding the observation point.
著者
佐藤 智美 佐藤 俊明 川瀬 博 植竹 富一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.63, no.506, pp.83-92, 1998-04-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

Using more than two hundred JMA-87 type strong-motion records we show that pseudo-velocity response spectra are noticeably different from Fourier acceleration spectra in several occasions because response spectra are sensitive to other frequency components or attenuation due to dispersion but insensitive to duration. Therefore, regression coefficients such as magnitude coefficients, attenuation coefficient, and site amplification factors for response spectra and Fourier spectra show clear differences. We conclude that physical characteristics of strong motion cannot always be represented by the regression coefficients for response spectra.
著者
佐藤 俊一
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

1. 背景と目的 伊豆諸島は、海洋性火山島であることから、本来、すべて玄武岩質火山島列となるはずと思われがちであるが、意外にも、新島、式根島、神津島は流紋岩質火山島列を成している。そして、その東側に、大島、利島、三宅島、御蔵島、八丈島などの玄武岩質火山島列が横たわるという一見奇妙な2列の配列構成になっている。何故、結晶分化作用の最終段階に出来る流紋岩岩質マグマから形成された火山島列が玄武岩質火山島と洋上に並行して存在するのか、その起源や典型的な玄武岩質火山島である西ノ島新島の誕生・成長・拡大など、身近な東京都の地域に属する伊豆諸島を題材に、マグマの「結晶分化作用」や島弧形成について理解を深め考察できる好材料と考え、自身の地学の授業で取り上げ話題にしてきた実践事例を紹介する。その一端を報告する。2. 方法・内容 流紋岩質マグマの発生メカニズムについては、教科書には、モデルとして①本州への太平洋プレートの沈み込みに伴う成因解説図と②大陸地殻内(本州)の伸張場(亀裂など)に伴うマグマ貫入や部分的溶融による成因解説図の2通りの考えを併記した模式図がよく掲載されている。伊豆諸島の岩質の違いの成因についても、同様の考えを適用すれば、フィリピン海プレート下への太平洋プレートの沈み込みが明らかにされていることを踏まえ、<案1>フィリピン海プレート下へ太平洋プレートが潜り込み沈降することにより発生するとするとする考え。あるいは、<案2>伊豆半島や伊豆諸島を載せるフィリピン海プレートの本州側プレート下への衝突・潜り込み沈降に伴い発生する伸張力場(亀裂など)による“部分溶融”により生じたとする考え、の主に2通りの考えが想起されそうである。<案1>は、上昇経路が長くなるにつれマグマが発生してからの経過時間が長くなるなどして、それだけ結晶分化作用が先へ進行する結果、マグマだまりのマグマの性質が玄武岩質→安山岩質→デイサイト・流紋岩質に変化していくというもの。<案2>は、大陸地殻の内部(深部)で何らかの原因(圧力現象または温度上昇)により、部分溶融が起こり、その位置に留まりつつも時間の経過とともにSiO2 %に富む花崗岩質(流紋岩質)マグマが形成されやがて地表(海面上)に現れるというもの。以上2つの説のいずれかの立場にせよ、現在も学術的に完全に解明はされていないようである。しかし、いずれの立場でも、プレートや地殻の部分的溶融により生じたマグマが結晶分化作用により最終的に流紋岩質マグマに辿り着くというシナリオの大筋の根幹部分はほぼ同じであると言えるのではないだろうか。そこで、授業で話題にし、教科書的な記述事項をより身近に感じられるようにと教材化して活用を図ってきた次第である。現地への地学巡検を行う場合にも、東京港(竹芝桟橋)から大島・利島(玄武岩質)、新島・式根島・神津島(流紋岩質)の双方へは、東海汽船で往路・復路とも同じ航路で結ばれているため一度に容易に溶岩性質と火山島形の関係などを比較しながら見て廻れ学習に大変便利で好都合であり、私自身、希望生徒を募り夏季になるとしばしば実施してきた経験を有する。3.結果・考察 資料を基にした授業の中で、生徒たちから出される主な疑問や論点を紹介しておく。<案1>に対するものは、「なぜ、安山岩質マグマの生成が見られないのか?」、<案2>に対するものは、「新島・式根島・神津島は海洋上にあり、果たして大陸性地殻と言えるのか?」といった類のものである。一連の学習過程に要する総時間はグループ検討、発表活動を含め、30分程度を予定している。繰り返しになるが、正解は用意されていない。しかし、「結晶分化作用」という学習事項について、地域に関する素材・教材を用いて教科書的な記述事項と関連付け、身近なものとして感じ捉え考究するメリットは大きいと感じて行ってきた。現在、教育界で関心事の“Active Learning ”で大事なことの一つに、知識を既成のものとして受け身で単に覚えるために学ぶのではなく、答えが見当たらないあるいは未解明の問題・課題に既知の知識を駆使し、「科学の方法」(仮説、推論、検証)を用いながら如何に能動的にアプローチしていくかという点にあるとすれば、本発表で紹介したような試行も一つの参考事例になるのではないかと考えている。
著者
(故) 江口 彌 谷垣 昌敬 武藤 邦夫 土屋 博嗣 後藤 英司 佐藤 俊樹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.1102-1108, 1989-11-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
7
被引用文献数
6 7

気相が共存しない状態で, 均一水溶液中の亜硝酸の消失速度を, 288~313Kで測定して, 速度解析を行った.水溶液中での亜硝酸の自己分解は, 既往の気液系で行われた研究で導かれている素過程にしたがって起こるが, 気相が存在しない場合には, 溶解度の小さい生成物である一酸化窒素の放出が抑制され, 気液系では無視できる逆反応の影響が大きくなる.また, 亜硝酸は自己分解で消失するだけではなく, 溶存酸素による液相酸化によっても消失する.この反応系においては, 亜硝酸の自己分解における迅速な第1素過程で生成する一酸化窒素の溶存酸素による液相酸化が律速過程である.以上の考察に基づいて, 溶存酸素が存在する水溶液中における亜硝酸の総括消失速度を, 一酸化窒素の液相酸化速度を考慮して導いた.また, 総括反応速度定数および総括反応平衡定数の温度依存性を明らかにした.
著者
伊藤 敏幸 佐藤 俊夫 藤沢 有
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1414-1423, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
51
被引用文献数
8

α-位にメチルチオ基を導入したβ-ケトエステル類をパン酵母で還元すると,3-位がS-配置であるヒドロキシエステルがきわめて高い光学純度で得られることを見いだした。また,β-ケトジチオカルボン酸エステルのパン酵母還元では,とくにα-位に置換基を導入する.とβ-位のエナンチオ選択性のみならずα-位とβ-位のジアステレオ選択性も対応するカルボン酸エステルのパン酵母還元の場合にくらべていちじるしく向上することを明らかにした。このようにして得られた光学的に純粋なβ-ヒドロキシエステルは硫黄官能基の反応性の特長を活かして,マツハバチの性フェロモンである(2S,3S,7S)-2-アセトキシ-3,7-ジメチルペンタデカンを簡便な工程で立体選択的に合成することができた。
著者
内田 憲二 宮本 武典 佐藤 俊英
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.56-66, 2000-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
21

無麻酔・無拘束下のウサギのリズミカルな咀嚼運動に対する嚥下の影響を調べた。咀嚼時と嚥下時に下顎運動軌跡と咬筋, 顎二腹筋, 甲状舌骨筋の筋電図を記録した。固形飼料の咀嚼運動中の嚥下の影響は5つのタイプに分類される。 (1) 嚥下が下顎運動の開口相に影響し休止期を示すもの (OPタイプ), (2) 閉口相に影響し休止期を示すもの (CLタイプ), (3) 閉口相と開口相の両方に影響し休止期を示すもの (CL/OPタイプ), (4) 閉口と開口の両相に対して影響しないもの (Non-influタイプ), (5) 不十分な閉口相を引き起こし, 長い休止期の後に開口相に移行させるもの (Pタイプ)。観察された嚥下の52%がOPタイプ, 26%がCLタイプ, 12%がCL/OPタイプで10%が他のタイプであった。CLタイプとCL/OPタイプでの閉口相の変調は, 固形飼料の咀嚼中歯根膜からの入力による咬筋活動の抑制に関与し, OPタイプとCL/OPタイプでの開口相の変調は, 咽頭性入力による顎二腹筋活動の抑制に関与すると結論できる。
著者
佐藤 俊郎 加茂 修一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.527-533, 2013-09-15 (Released:2013-10-31)
参考文献数
44

Soyasaponins : Soyasaponins are triterpene glycosides that possess an oleanane-type aglycone with 1 or 2 polysaccharide chains. Due to differences in the aglycone compounds, soyasaponins are mainly classified as group A or B soyasaponins. Soyasaponins, especially group B soyasaponins, have been reported to have several physiological functions such as antioxidative, cholesterol-lowering, antiviral, anti-inflammatory, renin-inhibiting, hepatoprotective, and antitumor effects. We found that group B soyasaponins are more readily absorbed than group A soyasaponins, which may explain why group B soyasaponins exhibit more potent effects.Vitamin K2 : Vitamin K is a cofactor required for post-translational gamma-carboxylation of vitamin K-dependent proteins, including coagulation factors, anti-coagulation factors, osteocalcin (OC) in bone, and matrix Gla proteins (MGP) in arteries. Among major vitamin K homologues in foods, only vitamin K2 as menaquinone-7 (MK-7) can activate osteocalcin, which modulates bone structure at nutritional doses. Vitamin K2 also induces collagen accumulation in bone, contributing to bone quality and strength. In addition, MK-7 activates MGP, an artery calcification inhibitor, and is reported to be associated with the prevention of cardiovascular diseases. The higher efficacy of MK-7 compared to other vitamin K homologues is due to the better absorption and longer half-life of MK-7.
著者
齋藤 直樹 佐藤 隆智 小笠原 隆倫 佐藤 俊之
出版者
一般社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本フルードパワーシステム学会論文集 (ISSN:18803121)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.102-108, 2012 (Released:2014-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
4 1

In this paper, we propose a pneumatic rubberless artificial muscle. The working principal is the same as a general McKibben artificial muscle. The rubberless artificial muscle uses an air bag made of an aluminum vapor-deposition polyester film instead of a rubber tube. The rubberless artificial muscle consists entirely of non-elastic materials. Therefore, it is necessary to design the muscle in consideration of the geometrical relationship. An expression for the design of the rubberless artificial muscle is derived. We confirmed the validity of this expression through the evaluation of a prototype. Furthermore, we examined input/output characteristics and isotonic contraction characteristics and isometric contraction characteristics of the rubberless artificial muscle as fundamental characteristics through the experiment. We confirmed that the rubberless artificial muscle efficiently converted inner pressure into generated force and contraction displacement compared with the general McKibben artificial muscle. The biomechanical characteristics of the rubberless artificial muscle are the same as a human muscle.
著者
佐藤 俊一 Shunichi Sato
出版者
淑徳大学大学院総合福祉研究科
雑誌
淑徳大学大学院総合福祉研究科研究紀要 (ISSN:18807755)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-14, 2020

この小論は,ソーシャルワーカーの倫理の根源的課題を明らかにしようとするものであるが,同時に,それは現代の対人にかかわる専門職の共通する倫理課題となる。なぜなら,倫理とは,ある領域の専門職の行動規範ではなく良心の問題となるからである。この度改訂されたソーシャルワーカー倫理綱領の前文における3つのキイワーズ,人間としての尊厳,価値ある存在,平等の理解について,自明とされている考えを現象学の視点から明らかにし,ソーシャルワーカーが実践できるようにすることを試みている。続いて原理に示されている人間の尊厳と多様性の尊重,集団的責任,スピリチュアルな側面の実現のために人間の基本的な理解,個人と社会の両立する関係を検討し,根源的課題に取り組むためには,スピリチュアリティの覚醒がソーシャルワークの支援に必要となることを論じている。This essay attempts to clarify the fundamental ethical issues in social work, which can become common ethical concerns for modern interpersonal professions. This is because ethics is a matter of conscience, rather than a code of conduct for professionals in a certain field.This essay will address from the phenomenological perspective the three keywords explicated in the preamble to the revised Social Worker Code of Ethics — concerning human dignity, the existence of value, and understanding of equality — and attempt to shape them into implementable ideas for social workers. We examine to realize human dignity and respect for diversities, collective responsibility, spiritual aspect as shown in the principles by considering basic human understanding, coexisting personal and societal relationships and argue that the awakening of spirituality is necessary to support social work for addressing fundamental issues.
著者
佐藤 邦夫 狩野 敦 濱島 ちさと 関 英政 加藤 博巳 田沢 義人 加藤 智恵子 猪股 正秋 佐藤 俊一 武田 豊
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.318-327, 1987-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
66

62歳男性のDouble Pylorus(以下DP)の1例を経験した.患者は心窩部痛を主訴として来院し,X線および内視鏡検査で,幽門の小彎側に十二指腸球部に通じる瘻孔と,これに接して十二指腸潰瘍を有するいわゆるDPが確認された.この患者の10年前の内視鏡所見では幽門前部小彎に変形は認めるものの,副交通路は形成されていない.本邦では近年本症の報告が相次ぎ,1985年末で本例を含め43例にのぼる.その内訳は男32例,女11例で,自覚症状は心窩部痛,吐下血が多い.平均年齢は61.4歳で,成因は先天性2例,後天性33例,いずれとも断定していないもの8例で,副交通路の位置は幽門の小彎側33例,大彎側6例,前壁側1例,部位記載不明3例である.治療法は外科的17例,保存的26例で,最近は保存的に治療されるものが多い.幽門近傍潰瘍の穿通によって形成されるとみられる後天性DPについてはPeripyloric gastroduodenal fistulaと呼ぶのが適切と考えられる.