著者
佐藤 優也 原田 研介 酒田 信親 万 偉偉 ラミレス イクシェル
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00546-17-00546, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In this paper, we propose a novel two-stage approach on picking an object from randomly stacked pile. We especially consider a situation where it is difficult for a 3D depth sensor to identify the pose of objects such as shinny ones and black ones. For such objects, our method first roughly grasps some of the objects from the pile without using the visual information and roughly place them onto a working table. After some of the objects are placed on a working table, a robot picks one of them by detecting the 2D position of objects placed on a working table by using the 2D RGB image. We performed experiments for several objects with different shape and weight. Through experimental study, we confirmed that a robot can identify the position of one of the objects after the objects are placed on a working table and that one of the objects can be successfully picked up by a robot.
著者
荒木 秀一 石川 信一 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.133-144, 2007-09-30 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
5

本研究の目的は、維持促進を圏指した児童に対する集団社会的スキル訓練(SST)の効果検討であった。54名の児童は維持促進訓練群と標準訓練群の2群に分けられた。2つの群ともに7セッションからなる通常の集団SSTが実施された。加えて、維持促進訓練群では維持の手続きとして、1)スキルの構成要素の掲示、2)朝の会・帰りの会でのワンポイント・セッション、3)保護者への働きかけの3つがなされた。結果、自己評定、教師評定により、両群とも通常の集団SSTに参加することでスキル得点の上昇がみられた。標準談練群においては、集団SST後から3か月フォローアップにかけて得点が減少したのに対して、維持促進訓練群ではフォローアップまで効果が維持されていた。以上のことから、通常の集団SSTはスキルの獲得を促すのに有効であるが、長期的な効果を維持するためには維持の手続きが必要不可欠であることが示唆された。
著者
佐藤 暢
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.864-868, 1988-10-01

はじめに 昨年12月22日と24日に国立嬉野病院(佐賀県)で起きた医療ガス配管ミスによる死亡事故について,その原因を巡って様々な報道がなされてから既に半年が経過して,警察の調査も終わり厚生省も漸く対応策をまとめたので,この際,問題点を振り返ってみた上で,このような悲惨な事故がなぜ繰り返されるのか,もう二度と起こさないための方策を探りたい. この事故は,手術室の天井裏にある換気用通気管の工事に伴って,邪魔になった医療ガス用の配管を移設した際,酸素と笑気の配管をつなぎ間違えた単純なミスによる(図1).しかし,2本の配管を逆に連結する工事ミスが起きて,しかも3日間も気づかなかったので,2人も患者が死亡した裏には複雑な背景がある.
著者
鐘本 英輝 数井 裕光 鈴木 由希子 佐藤 俊介 吉山 顕次 田中 稔久
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.15-22, 2017-03-31 (Released:2018-04-01)
参考文献数
26
被引用文献数
2 1

漢字の純粋失書を伴う皮質基底核症候群 (CBS) を呈したアルツハイマー病 (AD) 症例を経験したので, 本例の漢字の純粋失書の発現機序について検討を行った。症例は右利き男性で, 58 歳頃から軽度の物忘れを自覚。64 歳の当科初診時には日常生活に支障はなく, 口頭言語や読字に障害は認めなかったが字形想起障害による漢字の失書が目立ち, 右優位の軽度のパーキンソニズム, 右上肢の肢節運動失行を認めた。頭部 MRI では両側性の前頭葉と頭頂葉の軽度萎縮を認め, IMP-SPECT では左側頭葉後下部を中心に左半球の血流低下を認めた。臨床的に CBS が疑われたが, 髄液バイオマーカーから AD が示唆された。本症例の失書はAD で報告されている特徴に合致する一方, 皮質基底核変性症における失行性などの運動性要因を含むものが多いという失書の報告とは異なっていた。CBS の背景病理は多彩であることが知られているが, CBS における失書の様式はその背景病理を推定する一助となるかもしれない。
著者
佐藤 郁哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.4-17, 2003-03-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
33

日本における学術出版産業の動向について実証研究を通して分析を進めていく際の概念的枠組みを構築していく.「制度固有のロジック」概念を用いて米国の出版産業について分析した Thorntonの研究(1995,1999,2002)を批判的に検討した上で,学術出版に関わる個人や組織が,複数の制度固有のロジックを組み合わせ,また象徴資本と経済資本を組み合わせることによってみずからの利害関心を追求していくプロセスを記述し分析するための感受概念として「ポートフォリオ戦略」を提案する.
著者
永井 里奈 佐藤 久一郎 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.3-11, 2022-04-22 (Released:2022-05-11)
参考文献数
18

人々にとってカラスとスズメは身近な鳥であり,日常生活の中でさまざま関わりを持っている.そういった関わりの結果,人々は,これらの鳥に好悪を含めた何らかの印象を持っており,また経年的に変化していると考えられる.しかし,定量的には調べられていなかった.そこで本研究では,新聞記事がこれらの鳥に対する人々の印象を反映しているという前提に立ち,人々のこれらの鳥に対する印象と,その経年的な変化を明らかにすることを目的とした.朝日新聞のオンライン・データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」を使用して「カラス」および「スズメ」に関する新聞記事を検索し,どれくらい記事になっているか,またどのような印象で記事が書かれているか,それは経年変化しているかを調べた.その結果,1990年以降,「カラス」と「スズメ」に関する記事は,総記事数に対し,それぞれ0.08%前後,0.04%前後の割合で記事になっていることがわかった.カラスに対しては,否定的な印象で書かれている記事が多く,スズメは逆に肯定的な印象で書かれている記事が多かった.この傾向は,2000–2001年と2015–2016年の間で比較すると,強まっていることが明らかになった.
著者
佐藤 俊樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本年度は特に、(1)本研究プロジェクトの学術的成果をふまえて、社会学の従来の方法論と統計的因果推論などの最新の分析手法との連続性と非連続性を明確にして、因果推論の方法を社会学のなかに適切に位置づける、(2)それらをふまえて「量対質」の対立をこえた安定的な因果分析の枠組みを構築する、の二つを主な課題にして研究を進めた。特に研究成果を狭い範囲の専門家だけでなく、隣接諸分野の研究者や大学院生や学生なども読者層となる媒体に成果の一部や、それらをふまえたより実践的な考察を掲載することができ、より一般的な形での成果の発信・還元を進めることができた。佐藤俊樹「コトバの知と数量の知 百年のウロボロス」(『現代思想』20年9月号)では、マックス・ウェーバーの比較宗教社会学をとりあげて、それが適合的因果の方法論に厳密にしたがっており、それゆえ彼の社会学的研究全体もこの方法論を軸に体系的に整理できることを述べた。佐藤俊樹「知識と社会の過去と美来」(『図書』860,862,864号)では、新型コロナ感染症のパンデミックへの対応を主な事例にして、現代の社会と社会科学がどのような状況にあるのかを素描した。今回のパンデミックは大規模感染症がもつ確率的な事象という面に対して、社会が反省的な対応を迫られた最初の事例である。偽陽性と偽陰性が第二種の過誤と第一種の過誤の問題であるように、「知る」ということは科学的には確率的な推論であるが、社会の側ではそれを受け入れられない。そのずれは社会科学の内部にもその成立以来、ずっとありつづけおり、ウェーバーの方法論はそのずれへの反省的対処の最初の試みの一つにあたることを示した。
著者
小針 健大 鹿野 真人 佐藤 廣仁 髙取 隆
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.227-233, 2016-10-30 (Released:2016-11-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

輪状軟骨切開術は,輪状軟骨前方部分の鉗除を行う気道確保術であり,皮膚から気管までの距離が短く甲状腺の操作も必要としないため,安全性の高い術式である。われわれは,前頸部膿瘍,出血傾向,短頸および上気道狭窄の緊急度が高く通常の気管切開術が困難な4症例に対し輪状軟骨切開術を施行し,術後に切開孔を閉鎖しえた。これまで輪状軟骨の損傷は肉芽形成の可能性があり推奨されていなかったが,全例で声門下の肉芽増生はなく経過している。輪状軟骨切開術は,手術リスクの高い症例に対しても安全に行える術式であり,また術後に切開孔を閉鎖する場合でも必ずしも肉芽形成による気道狭窄などの理由とはならず,有効な術式であると考えられた。
著者
佐藤 正知
出版者
広島商船高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

瀬戸内海島嶼部や海域では特殊な電波伝搬が生じるために地上デジタル放送の視聴が難しい地域があり、これらの難視聴地域を解消するために瀬戸内海沿岸及び芸予諸島には多くの中継局が設置されているが解決には至っていない。また、近年では地上デジタルテレビ放送の高度化方式である4K・8K放送の地上波放送の技術開発が進められており、その要素技術の中に複数の中継局が協調して送信することで通信容量を向上させる方式が採用されている。本研究では、この中継局協調送信を通信品質の改善の用途に用いることで地上波テレビ放送を視聴可能な地域が拡大できることを示す。
著者
佐藤 裕
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.65-76, 2013-12-30 (Released:2017-08-31)

Studies on language acquisition in infants have recently used brain imaging methods, such as NIRS (near infrared spectroscopy) and EEG (electroencephalography) measurements, as well as classical behavioral methods. These studies have demonstrated developmental changes in neural and behavioral responses during speech processing. In this article, I review some studies on Japanese infants and address development of behavioral and brain responses to Japanese lexical pitch accent and phonemic vowel length underlying the change in speech perception abilities.
著者
真坂 一彦 佐藤 孝弘 棚橋 生子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.15-22, 2013-02-01 (Released:2013-03-30)
参考文献数
37
被引用文献数
1 3

養蜂業による北海道での蜜源植物の利用実態について, 北海道養蜂協会が毎年集計している「みつ源等調査報告書」をもとに分析した。主要な蜜源植物は, 蜂蜜生産量が多い順に, ニセアカシア, シナノキ, クローバー, キハダ, アザミ, ソバ, そしてトチノキの7種である。これら7種の蜂蜜生産量に占める樹木蜜源の割合は約70%で, これに森林植生であるアザミを加えると80%弱にのぼり, 森林が蜜源域として大きく貢献していた。地域性を評価するため, 振興局 (支庁) ごとに蜜源植物の利用状況についてクラスター分析したところ, 太平洋型, オホーツク型, 道北型, 道央型, そして道南型と, 北海道の地理的区分に対応した5群に分類された。シナノキとキハダについて, 各樹種の蓄積とそれらを対象にした蜂群数の関係をみたところ, 蓄積が多い地域ほど蜂群数も多い傾向が認められた。各地域の主要7蜜源植物の多様性と全蜂群数の間には有意な相関関係があり, 蜜源植物が多様な地域ほど生産性が高いことが示唆された。
著者
富田 国良 苅谷 愛彦 佐藤 剛
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.11-22, 2010-12-01 (Released:2012-03-27)
参考文献数
38
被引用文献数
5 8

飛彈山脈南部の蝶ヶ岳(標高2,664 m)の東面には,圏谷状の急斜面と堆石堤状の低丘からなる一連の地形が存在する.これらの地形の成因について,氷河説と崩壊説の2つの対立意見があったが,決着はついていなかった.筆者らは野外地質記載と地形分析に基づき,一連の地形の最終成因を再検討した.堆石堤状の低丘の周辺には,厚さ100 mを超える角礫主体の堆積物が分布する.砂岩・泥岩からなる角礫は著しく破砕・変形しており,堆積物全体が砂~シルト・サイズの基質に支持される.一方,堆積物に流水運搬・堆積を示す構造は認められず,ティルやアウトウオッシュとも異なり,亜角礫や亜円礫はほとんど含まれない.また,一連の地形をとり囲む稜線の上やその下方の谷壁には,岩盤クリープやトップリングの発生を示唆する線状凹地やバルジが発達する.こうした状況から,一連の地形は大規模崩壊で形成されたとみるのが合理的である.残存する崩壊堆積物の総量は約3.2×107 m3に達する.蝶ヶ岳の近傍に存在する活断層・活火山や,当山域に卓越する多雨多雪気候は,崩壊の発生に好適な条件を提供してきたと考えられる.崩壊の誘因と発生時期は未詳である.
著者
佐藤 栄作
出版者
アクセント史資料研究会
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.63-77, 2012-12-15
著者
鈴木 信明 奥山 修司 岩井 悠樹 佐藤 元泰
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
pp.823, (Released:2022-02-18)
参考文献数
14

Crimes using sleeping pills with malice are occuring continuously. Although it is essential to identify the brand name of sleeping pills in criminal investigations, the recent diffusion of generic drugs has led to a problem that the brand name of the sleeping pills used by suspects cannot be narrowed down from the identification of the active ingredients only. To solve this problem, we have tried to develop a method for identifying the manufacturer of a sleeping pill by analyzing the pharmaceutical additives in left-over beverages. Etizolam tablets 0.5 mg which are manufactured by 16 pharmaceutical companies were selected as the objects of study. The powdered Etizolam tablets were mixed into water and beverages and then discriminated whether the pharmaceutical additives are contained or not with six analytical methods, including Pyrolysis-gas chromatography-mass spectrometry. As a result, it became possible to identify almost all of the pharmaceutical companies via a combination of contained pharmaceutical additives. This analysis method to identify the pharmaceutical companies by analyzing the pharmaceutical additives is the first attempt in our extension research. We think that this method can be applied to many other medicines, and expect that this method can contribute much to identifying or narrowing down suspects.