著者
梶原 基弘 花北 順哉 諏訪 英行 塩川 和彦 佐藤 宰 織田 雅
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.53-58, 2003

正中型の大きな腰椎椎間板ヘルニアに対するtransdural approachにつき, 経験した4症例を呈示しながら, その利点, 欠点につき論じた.高位腰椎の大きな正中型ヘルニアの症例に対してはtransdural approachは有用な手術オプションになると思われた.
著者
深谷 笑子 武井 玲子 難波 めぐみ 佐藤 典子 遠藤 恵
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

目的:家庭科の最も重要な特徴は、生活に密着していることである。また、生活という概念は、住むこと、生きること、暮らすことと大きくかかわっていることであり、それは、家や家族に人間が護り護られてこそ成り立つことでもある。そこで、家の役割と家族の意義について,東日本大震災に関する調査から家庭科「家族・家庭」の学習内容を検討することを目的とする。方法:1.2012年7月本学生311名を対象にアンケート調査を実施、2.学生の震災体験記録 3.2012年8月にKGCサマーリフレッシュプログラム(教員免許状更新講習)の教員を対象にしたアンケート調査 4.県内の高等学校家庭科教員対象アンケート調査の実施 結果及び考察:1.本学生を対象にしたアンケート結果から1)震災時、どのようなことを考えたか、の自由記述で一番多かったのは、「家族・友人の安否」「自宅の心配」と、自分自身のことではなく他人、身内などの安否を心配していたことがわかった。2)震災前後の意識の変化では、家族を思う気持ちが強くなった、が7割以上であった。このことから普段家族は空気のようなものだが、困難な時ほど家族の存在が大きいことがわかった。2.本学生の震災体験記録から1)大変なときこそ家族といることが安心だと実感した。2)家族と連絡が取れなかったが、家族は家があることで、遅くなっても帰ってきた。家は家族が帰ってくるところ、家があることのありがたさに気づかされた。3)家があるとことは、家族がひとつになれることでもある。4)家に家族がいたから安心だった。5)家に一人でいたので怖かった。6)家族間に政治の話題が多くなった、など家族を守る器として、また住むということは、どこに出かけてもまた戻ってくる所で根を張っている住まいと家の役割があげられていることがわかる。3.サマーフレッシュから(児童・生徒の変化)1)小学校教諭からは、家族を大切に思う子が増えた。2)中学校教諭からは、日々の生活に感謝。防災意識が出た。3)高等学校教諭からは、子供の生活に変化が見られなかったのは、母親がずーとそばにいることができたおかげと思う。4)特別支援学校教諭からは、何かあれば家の人を思い出し、助けてくれる頼りになる人は家の人、など生徒は、日頃考えないことが、この時を境に家族や防災意識そして正常の生活に感謝する気持ちがわいたことがわかった。4.家庭科教員対象アンケート調査結果から1)緊急時は夫婦それぞれ実家を優先に行動した。2)家や家族の大切さを改めて感じた。3)家族を大切にするようになった。4)より団結力が強くなった。5)連絡が密になったなど、教員自身も実家の親を心配したリ家族を意識したり家族の存在の大きさを実感したことがわかった。体験記録(2名)から1)津波の予測で避難所へ、その後まもなく原発で避難場所を次々移動、現在も落ち着いた生活ではなく、5人がばらばらに生活している。2)地震当時頭をよぎったのは、家族、友達、生徒のこと。生活の基盤は家族。離れ離れになった家族がたくさんいることは胸が痛い。家族と共に普通の生活を送ることがいかに幸せなことなのかを感じることができた。いずれも、福島県が他と異なる東日本大震災の特徴である、地震・津波・福島原子力発電事故によって、家族がバラバラに過ごさざるを得ない不安定な状況が述べられている。 今後の課題: 高校『家庭基礎』の内容を見ると、家や家族の意義についての記載が乏しい。そこで、家や家族の存在について、住むことの本質と上記のような非日常的なときこそ強さを持つ家族についての説明、そして体験記録の掲載を期待する。
著者
木村 真二 藤田 健太 石隈 慎一郎 白岩 真弥 豊田 英里 浦川 聖太郎 佐藤 文衛 伊藤 洋一 時政 典孝 向井 正
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.88-88, 2005

1995年に初めて我々の太陽以外の恒星の周りを回る惑星、太陽系外惑星が発見されて以来、その数は現在までに160個に達している。太陽系外惑星の検出方法はいくつかあるが代表的なものとしては、ドップラーシフト法とトランジット法がある。我々はすばる望遠鏡でのドップラーシフト法による観測から視線速度に変化の見られる天体を、西はりま60cm望遠鏡を用いて観測し、トランジットの検出を試みている。今回は、西はりまでの観測においてトランジット検出に十分な測光精度を得られたことを報告し、さらにいくつかの天体の観測・解析結果を示す。
著者
齋藤 悟子 齋藤 翔吾 八重樫 淑子 佐藤 房郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.28-35, 2016 (Released:2016-04-21)
参考文献数
9

2011年に日本理学療法士協会より理学療法診療ガイドライン第1版が公表され,小児領域では脳性麻痺の理学療法について掲載された。しかし,日本の救命医療の進歩により,小児領域の理学療法では,脳性麻痺のみならず,発達遅滞,視覚障害,聴力障害,てんかん,注意欠如や多動性障害,呼吸器障害など対象は多様となる。また,様々な理由により長期入院となる児や,退院後も在宅酸素療法,気管切開,人工呼吸器,経管栄養などの医療的管理を継続しなければならない児が問題となっている。さらに当院は,2013年に小児がん拠点病院に指定され,小児がんの子どもに対するリハビリテーションニーズが高まっている。小児領域のリハビリテーションは,長期にわたることが少なくないため,理学療法士は身体面のみならず心理的サポートを担う役割が求められ,児を取り巻く環境すべてを考慮し,関わる人すべてと協働し,専門分野の枠組みを超えて,協働体制を確立していく必要がある。また,小児領域の理学療法は,個別性が求められ画一的な介入が困難な側面がある。介入の妥当性について,科学的根拠を示すことが困難であるが,それに向き合って行くことが私たちの責務である。「小児期」についての考え方は様々であるが,今回は当院小児科入院した子どもを対象とした。その中から,発展的に介入しているNICUに入院した早産児や低出生体重児やハイリスク児と,小児がんの子どもに対する理学療法士の取り組みを中心に紹介する。
著者
佐藤 隆士 濱口 京子 佐藤 重穂
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.6, pp.S17-S19, 2010

徳島県三好市剣山系のジロウギュウにおいて2010年5月5日にユキホオジロ雄1個体を観察した.これは本種の四国地域における初めての確実な観察記録である.
著者
山田 淳子 佐藤 由美
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.8-16, 2008-06-30

本研究の目的は,産業看護職が,事業場全体の健康問題解決を意図して,個別支援から事業化提案決定に至るまでの思考過程を明らかにすることである。研究対象は,自らが起案者となり,個別支援から事業化した経験があり,そのことを言語化し表現している産業看護職13名の活動15事例である。個別支援の過程から事業化提案を決定するまでの認識や判断について半構成的面接調査を実施し,その内容を質的帰納的に分析した。その結果,産業看護職は,事業化提案決定の前から,【事業場に存在する課題を気にかけている】,【場の特性を理解している】,【専門職としての責任感を持つ】という前提となる思考を持ち,【過程Ⅰ 問題を認識する】,【過程Ⅱ 問題を分析する】,【過程Ⅲ 捉えた状況に感情を動かされる】,【過程Ⅳ 問題解決の必要性を認識し事業化を考案する】,【過程Ⅴ 事業化の実現性を見積もる】という5段階の思考過程をたどり事業化提案決定に至っていると考えられた。また,産業看護職の思考過程の特徴として,1)労働の視点で場や人の特性を捉え,問題の認識や分析をしている,2)企業組織の一員として受ける情緒的な思考が,問題解決への意思決定に関わっている,3)事業場のリスクマネジメントという予防的視点を持っている,4)産業の特性や価値観に即して事業化を考案している,5)産業看護職固有の,前提となる思考が判断に関わっている,という5つの特徴が考えられた。The purpose of this study was to identify thought processes of occupational health nurses (OHNs)from individual support to program proposal to solving health related problems of the workplace. The subjects were 13 OHNs and 15 cases of their activities. All these nurses have initiated the companywide project development based on their individual support and have verbalized their experiences. The authors conducted semi constitutive interviews on their awareness and decision during the process of individual support to program proposal. The contents of the interview were analyzed qualitatively and recursively. It was found that OHNs have such prerequisites for program proposals as "Caring about health related problems and issues in the workplace", and "Understanding characteristics of the workplace" "Having responsibility as a professional". They followed five steps of thought process before deciding to propose companywide projects. These steps are: 1. Awareness of problems, 2. Analysis of problems, 3. Moved by the situation captured, 4. Awareness of problem solving necessity and developing programs and 5. Feasibility study of programs. It was thought that OHNs had five characteristic thought processes. They are: 1)Understanding of characteristics of workplace and workers from the perspective of labor in recognizing and analyzing problems; 2)Affective thinking as a member of the company in their problem solution related decision making; 3)Perspective of prevention in the form of risk management at the workplace; 4)Project proposal in accordance to the characteristics and values of the industry and 5)A prerequisites to OHNs affects decision making.
著者
堀 洋平 片下 敏宏 坂根 広史 佐藤 証 戸田 賢二 今井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.300, pp.87-92, 2008-11-10
被引用文献数
1

近年,暗号モジュールの電力波形や電磁波などから内部の情報を暴露する新たな物理攻撃であるサイドチャネル攻撃が登場しており,その対策方法や評価基準の策定が急務となっている.我々は,統一された実験環境の構築により国際標準規格の策定へ貢献する目的に,サイドチャネル攻撃に対する標準評価ボードSide-Channel Attack Evaluation Standard BOard(SASEBO)を開発し,標準実験環境として国内外の研究機関へ配布を行っている.また,実験に必要となる暗号モジュールや制御IPマクロ,およびそれらのドキュメントも配布している.本論文では,標準評価ボードによる環境を紹介し,現在開発を行っている安全性を検証するソフトウェアについて述べる.
著者
岸江 信介 中井 精一 佐藤 高司
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

大都市圏言語が近隣の地域言語にどのような影響を及ぼしているかを探るため、東京、名古屋、大阪各周辺地域において様々な角度から言語調査を実施した。群馬各地で行った新方言調査では東京若年層とほぼ同じ傾向が独自に進んでおり、名古屋近郊の大垣市調査においても名古屋の影響が大きく、さらには富山など北陸地方へと広がりつつあることが判明した。大阪からの影響としては四国地方の中でも特に徳島への影響が大きいことが諸調査から明らかとなった。
著者
福島 能久 大原 俊次 宮崎 弁一 守屋 充郎 佐藤 勲 吉田 富夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1410-1417, 1990-10-20

相変化材料を用いた1ビームオーバライト可能なデータファイル用光ディスク装置を開発した.追記型と同構成の光ヘッドを用いてオーバライト機能を実現した.ディスク径は86mm, 容量は280MBである.また, 可動部が9グラムの分離型光ヘッドにより42msのシーク時間を実現した.オーバライトは, 1つのレーザ光によりアモルファス状態と結晶状態を可逆的に生成することにより行う.再生信号はアモルファス部と結晶部の反射率差から得られる.光ディスクは, 実使用条件下で数10万回以上の書換えが可能であり, さらに, 欠陥管理を行うことにより, 実質的には100万回以上の書換えを可能にした.
著者
佐藤 勝彦
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.35-38, 2007-09

カイザーの「素粒子宇宙論の誕生」は,ブランス=ディッケ場とヒッグス場という理論的に提唱された2つのスカラ?場がぶつかり合うなかで素粒子的宇宙論が生まれたのだとする解説である。長年この分野で研究してきた一人の研究者として,カイザーの解説と相補うように,日本や世界の素粒子的宇宙論の歴史を振り返ってみたい。
著者
栗田 浩樹 大井川 秀聡 竹田 理々子 中島 弘之 吉川 信一郎 大塚 宗廣 岡田 大輔 鈴木 海馬 佐藤 大樹 柳川 太郎
出版者
The Japanese Congress of Neurological Surgeons
雑誌
脳神経外科ジャーナル = Japanese journal of neurosurgery (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.842-847, 2012-11-20
参考文献数
15
被引用文献数
1

Orbitozygomatic approachはpterional approachの応用で, より外側下方から頭蓋内高位を見上げる手法である. 本稿では, われわれが施行している基本手技 (1-piece method) について解説し, 脳血管外科領域における本法の臨床応用について検討したので報告する. 過去2年間に施行された脳血管外科手術290例 (脳動脈瘤直達術251, 脳動静脈奇形 [AVM] 摘出術39) のうち, 本法が適応されたのは7例 (2.4%) であった. 内訳はcoil塞栓術が困難と判断されたBA-tip AN 4例, 高位BA-SCA AN 2例と, 大型の左medial temporal AVM症例であり, 術後は全例で病変の消失が確認され, morbidityは1例にとどまった. Intravascular treatmentが普及した現在, 脳血管領域では使用頻度こそ少ないが, 広いsurgical corridorが得られる本法は, 高難易度病変に対して必要不可欠なapproachである.
著者
佐藤 吉幸
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2008-2011
著者
佐藤 隆一 鈴木 敦生 小池 和幸 大澤 貴子 斎藤 啓二 竹田 誠 鈴木 富子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.C0930-C0930, 2005

【目的】中学校での部活動におけるスポーツ障害とその後の実態を把握するために,我々は,市内の中学3年生を対象とした「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を行い,第39回日本理学療法学術大会において概要を報告した.今回は,部活動引退後もなお「痛み」を訴える生徒の存在に着目し,検討を加えたので報告する.<BR>【方法】市内全中学校12校の3年生1613名(回収率92.8%)のうち,運動部に在籍していた1081名(男子654名,女子427名;運動部在籍率67.8%)を対象に「部活動中に発生したケガに関するアンケート」調査を無記名選択式(一部記述)質問票を用いて行った.アンケート調査時点で,部活動引退後男子平均3.2ヶ月,女子平均3.4ヶ月が経過していた.本研究では1.部活動引退後の痛みの有無,2.部活動中の受傷経験,3.部位,4.治療の有無などの項目について分析した.<BR>【結果】アンケート調査時点で「痛み」を訴えた生徒は,男子22.2%,女子は20.5%であった.部位は男子では膝関節(32.1%),腰部(21.1%),足関節(11.1%),女子では腰部(27.5%),膝関節(26.1%),足関節(20.1%)の順に多かった.現在,痛みのある部位と同じ部位のケガを部活動在籍中に受傷した経験のある生徒は,男子64.6%(部位内訳;腰部26.5%,膝関節25.0%,足関節10.9%),女子65.4%(膝関節34.1%,足関節24.4%,腰部21.9%)であり,受傷経験がないと回答した生徒は,男子35.4%(膝関節40.4%,腰部17.0%,足関節10.6%),女子34.6%(腰部35.3%,膝関節14.8%,足関節14.8%)であった.<BR> また調査時点で痛みに対する治療を受けている生徒は男子32.3%,女子37.3%であった.<BR>【考察】今回のアンケート調査では約20%の生徒が部活動引退後も「痛み」を訴えていた.「痛み」は,部活動中に受傷したケガと同一部位に生じている場合と,ケガとして認識されずに受傷経験はないと判断されている場合に分けられ,性別・部位によりその傾向は異なっていた.<BR> 「痛み」には成長期に特有の身体的変化から生じた筋・腱の過緊張状態や柔軟性の低下,骨アライメントの変化により二次的障害として引き起こされるものや,痛みやケガを経験的・習慣的に処置したり,無治療のまま経過することで慢性化するものがあると考えられ,それらが引退後の痛みの原因となっていると推察される.<BR> 青木らにより約16%の生徒がスポーツ障害を抱えたまま高校に進学し運動部に入部していることが報告されていることからも,引退後も継続したメディカルチェックが重要であり,今後もこれらの情報を学校側へ提供し,学校全体で「ケガ」に対する意識を高め,予防と再発防止に取り組むことを促していきたい.
著者
増村 恵奈 重松 彰 佐藤 宣子
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.51-60, 2011-11-01

林地所有者の高齢化や林業経営意欲の減退により相続や売却希望者の増加が予測され,それに起因して所有者の不在村化や森林管理水準の低下等の問題が懸念されている。本論文の目的は,戦後の新興林業地であり,素材生産量が近年拡大している大分県佐伯市を事例として,(1)森林組合員アンケートを用いて林地所有の履歴別に伐採活動と林地の売却意向を考察すること,(2)佐伯市旧宇目町を対象とした土地登記済通知書の分析により林地所有権の移動を定量的に把握することである。その結果,(1)現世代で林地を購入した所有者は他よりも主伐と林地売却の意向が高く,林地所有の履歴が今後の森林管理水準の差に影響することが示唆された。林地売却については現世代購入所有者の23.3%が今後5年間の売却意向を示した。(2)旧宇目町では1999年から2008年までの10年間の合計で1,454件,私有林面積の19.0%にあたる2,554.4haの林地所有権の移動を確認した。対象期間の林地所有権の移動を売買と相続に分けて集計した結果,件数はそれぞれ全体の49.1%と36.2%であり,平均移動面積はそれぞれ1.0haと3.1haであった。
著者
岩木 晃三 佐藤 宏明
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.115-127, 2006-12-20 (Released:2008-07-18)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

本研究では, 渡良瀬貯水池での水質改善を目的とした水位低下・干し上げによる鳥類個体数への影響の有無を, 人為的な水位変動のない自然湖沼との比較によって明らかにすることを目的とした.調査は, 2004年1月26日から5月15日までに渡良瀬貯水池, 多々良沼, 城沼など9ヶ所において水鳥類を対象に85回の個体数カウントを行い, 渡良瀬貯水池と比較しうる結果が得られた多々良沼と城沼の個体数の増減をを分析した. 分析対象はオナガガモを除くカモ科およびカイツブリ科鳥類とした. 併せて, 種数と出現種の変化にも注目した.各期別すべてで3池沼の個体数変化率に有意差がなかった. また全調査期間では, 渡良瀬貯水池と多々良沼に有意差がなく, 渡良瀬貯水池と城沼に有意差があったが, 城沼の傾斜がより強かった.渡良瀬貯水池で水位低下期から干し上げ期に記録されなくなった種があり, 多々良沼と城沼でも記録されなくなった種があった. 渡良瀬貯水池では, 最低水位維持期と干し上げ期にサギ科, チドリ科, シギ科, カモメ科などの渉禽類および魚食猛禽類のミサゴで新たな記録や個体数の増加がみられた. 多々良沼と城沼では, 同じ時期に個体数が顕著に増加した種はなかった.以上のことから, 水位低下期から満水期においてみられた個体数の減少に関しては, 水位低下・干し上げの影響は少なく, 自然条件下における季節的移動 (渡去) が主原因であったと考えられる.
著者
佐藤 佳淑
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.237-246, 2016-03-31

Deciding not to have a child leads to childless status throughout the life span. However, relatively little is known about the long-term women's experience of being childless after the choice. The present paper aimed to report a brief review of research that explored how women's experience of being childless affects their psychological aspects, throughout the life. First, the article reviews the process of becoming childless, focusing on women during and a few years after their infertility treatment. Next, it presents of the review of empirical research on psychological well-being outcomes and its factors, among childless women at middle age and beyond. Finally, after pointing out the issues of previous research, it provides new directions for future research, especially, in Japan.