著者
佐藤 功
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.173-181, 1970

The present study was conducted, in developing Zajonc's study on "cognitive tuning" phenomena, to investigate in detail the interrelationships between the transmissionreception (T-R) conditions and the cognitive structure of certain information. In this study, therefore, T-R conditions as situational variables were dealt with in relation to the predispositions conditions as subject varialbles, and the content index of the cognitive structure as well as Zajonc's morphological index was used.<br>The main findings are as follows.<br>1. The effects of the T-R and predispositions conditions on the cognitive tuning phenomena differ according to the properties (morphology and content) of the cognitive structure.<br>2. The level of the cognitive organization in morphological properties is directly related to the intensity of the predispositions. No appreciable interaction is found between the T-R and predispositions conditions.<br>3. The level of the cognitive organization in content properties is considerably influenced by the interaction of the predispositions with the T-R conditions: the level of the cognitive organization in content properties markedly increases, when the receiver's role is assigned to the subject having higher familiarity with a certain referent, or having deeper interest in it.<br>4. As to these results above-mentioned, some differences between morphological and content properties in the cognitive structure were discussed: it was suggested that the morphological index may reflect the general activation level of individuals, while the content index may reflect the specific psychological mechanism (such as defensive resistance to communication) of individuals who expect to receive certain information.
著者
丹沢 秀樹 佐藤 研一 熱田 藤雄 高原 正明
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

口腔悪性腫瘍は多段階的に発癌すると考えられているが、具体的モデルは提唱されていない。大腸癌では遺伝子的発癌モデルのもとにAPC遺伝子による集団検診も検討されている。口腔癌発生の具体的遺伝子モデルを求めることができれば遺伝子的スクリーニングも可能と考えられる。この場合に使用する遺伝子の候補として、発癌過程の早期に異常を起こすと言われているAPC遺伝子は非常に有望と思われる。我々は既に、口腔癌においてAPC遺伝子異常を高率に報告し、腺癌の癌抑制遺伝子と考えられていたAPC遺伝子が、実は、口腔扁平上皮癌においても重要な役割を果たしている可能性を世界で初めて報告した。本研究において、(1)口腔悪性腫瘍の組織分化度とAPC遺伝子異常の関係、(2)口腔内腫瘍発生部位別のAPC遺伝子異常率、(3)前癌病変におけるAPC遺伝子異常の検出率等を調べた。その結果、APC遺伝子は(1)分化度の高い腫瘍におけるほうが分化度の低い腫瘍におけるよりもその異常率が高く、(2)口腔内のどの部位においても悪性腫瘍発生に関与している可能性があり、(3)前癌病変の代表である白板症においては約8%の異常が検出され、この異常率は推定される白板症の癌化率とほぼ一致していた。今後の課題としては、APC遺伝子異常が癌化の結果なのか原因なのかを考察するために、(1)APC遺伝子周囲のマイクロサテライト領域を調べる、(2)さらに多くの前癌病変を調べる、(3)口腔癌に伴った前癌病変を調べる等が考えられる。また、臨床診断への応用も試みる段階になってきたと考えている。
著者
佐藤 成基
出版者
茨城大學政経學會
雑誌
茨城大学政経学会雑誌 (ISSN:02865734)
巻号頁・発行日
no.74, pp.27-43, 2004-03
著者
千葉 剛 佐藤 陽子 小林 悦子 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.96-106, 2017-04-25 (Released:2017-05-09)
参考文献数
9
被引用文献数
11

平成27年4月に事業者の責任により機能性表示ができる機能性表示食品制度が施行された.施行後1年が経過した時点における機能性表示食品の認知度および利用実態について消費者2,060名,医師515名,薬剤師515名を対象にアンケート調査を行った.機能性表示食品を認知している人は消費者81%,医師93%,薬剤師98%であった.しかしながら,その特徴を正しく理解していた人は消費者16%,医師23%,薬剤師44%であった.機能性表示食品を利用したことのある消費者は12%であり,治療目的に利用,通院中,医薬品を併用している人がいたが,医師・薬剤師へ相談している人は僅かであった.一方,医師・薬剤師において,患者から機能性表示食品の利用について相談を受けたのは約8%であり,利用が原因と思われる健康被害の相談を受けたのは約2%であった.
著者
小林 悦子 佐藤 陽子 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.107-112, 2017-04-25 (Released:2017-05-09)
参考文献数
12
被引用文献数
5

高齢者においては健康食品の利用率が高く,利用による被害を避けるためにも適切な情報提供が重要である.近年,情報提供手段としてインターネットが活用されているが,高齢者に対する健康食品の情報提供手段としてインターネットが適切であるか検討した.インターネット調査では,健康食品の情報源,入手経路のいずれにおいてもインターネットの利用率が高かった.一方,紙媒体調査では情報源,入手経路のいずれにおいてもインターネットの利用率は低く,テレビ,新聞,雑誌などメディアに加え専門職や友人などの情報の利用が高く,知人などを介して入手している人も多かった.これらの結果より,普段インターネットを利用していない高齢者に対しては,専門職などとのコミュニケーションを介した情報提供が必要であると考えられた.
著者
山川 肇 佐藤 真行 杉浦 淳吉 福岡 雅子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.2-2, 2010

本稿では、販売包装に関する小売事業者の2Rの取り組みとして肉の袋入り販売を取り上げ、その先進事例の実態と容器包装の発生抑制効果について考察した。その結果、1)袋売りの対象となる肉はさまざまであり、袋の種類も事業者により違いがある、2)手間の増加があるという店舗もあったが大きな問題となっておらず、一方、コスト減や顧客増のメリットも見られる、3)鶏・モモ肉の場合、袋入りの売上割合は15~30%であり、すでに一定程度、消費者に受容されている、4)買うことはあるが毎回は購入しない主な理由は、安売りのときだけ買う、まとめ買いのときのみ買う、売り切れが多い、などであることがわかった。また5)今回の測定サンプルでは、真空パックを除き、袋包装の包装資材重量は2g前後、トレイ包装では6g前後となり、さらにごみ処理される包装ごみの削減率を試算したところ、1パックあたり6~52%となった。
著者
佐藤 雅彦 中村 豊郎 沼田 正寛 桑原 京子 本間 清一 佐藤 朗好 藤巻 正生
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.274-282, 1995-03-25
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

和牛がなぜおいしいかを解明する一助のために,銘柄牛とされる5種類の和牛の香気および呈味成分について検討した.理化学的分析の結果は以下のとおりである.<br>(1) 赤肉部の分析では,ペプチドの分子量分布,ヒスチジン関連ジペプチドおよび核酸関連物質に銘柄による顕著な差は認められなかった.全アミノ酸量およびグルタミンは飛騨牛で多く,松阪牛で少なかった.<br>(2) 脂質の分析では,いずれの銘柄牛もほとんどHPLCにおける保持時間(Rt)55分以降にピークが存在し,そのピークパターンは類似していた.脂質の融点は,神戸牛,米沢牛および松阪牛で低く,前沢牛および飛騨牛で高かった.<br>(3) 加熱香気分析では,加熱後の牛肉試料中の脂質含量に差はないが,回収された香気画分の量,香気画分中の窒素化合物において前沢牛が多く,香ばしいことが予想された.また,官能基別分類では,酸類,アルコール類,アルデヒド類,ケトン類に銘柄による相違が認められ,これらは脂質に由来する化合物の差が現れていると考えられた.
著者
鈴木 岳之 郭 伸 佐藤 薫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

神経炎症を惹起する細胞として、ミクログリアに焦点を当てた。In vitro条件下でミクログリアを活性化処理し、そこから放出される内因性因子を解析した。その結果、活性化ミクログリアよりグルタミン酸が放出され、神経毒性を示すことを明らかにし、この過程にATPが関与することも示した。このグルタミン酸の放出作用はグルタミン酸トランスポーター機能変動を介する作用であることを明らかにした。また、疾病治療にリンクする知見として、抗うつ薬であるパロキセチンがミクログリアの活性化を抑制する知見を得た。これは、神経疾患に対する新たな治療アプローチを示すもので、今後の薬物治療戦略の確立に貢献できる研究成果である。
著者
野村 幸弘 佐藤 慎一 森 秀晴 遠藤 剛
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.106-116, 2008-06-10 (Released:2012-08-20)
参考文献数
24

イソシアナート末端ポリウレタンと2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物 (シリル化剤) から, 新規なアルコキシシラン末端ポリウレタン (シリル化ポリウレタン) を合成した。シリル化剤は, 3-アミノプロピルトリアルコキシシランとアクリル酸エステルとの共役付加反応で合成した。得られたシリル化ポリウレタンの粘度は, アクリル酸エステルと反応させていない3-アミノプロピルトリアルコキシシランから誘導したシリル化ポリウレタンに対して低くなった。得られたシリル化ポリウレタンの硬化速度及び接着強さを比較したところ, シリル化剤のエステル部位のアルキル基が短いほど, 硬化が速いことが分かった。また, 引張せん断接着強さ及び接着性がシリル化率の影響を受け, シリル化率60%以上の条件では, シリル化率が低いほど接着性が高くなる傾向にあった。さらに, シリル化ポリウレタンの硬化触媒として, 三フッ化ホウ素-モノエチルアミン錯体 (BF3-MEA) とジブチルスズジメトキシド (DBTDM) の性能比較を行った。その結果, DBTDMに比較して, BF3-MEAは触媒活性が高いこと及びシリル化ポリウレタン硬化物の熱安定性を低下させないことが分かった。以上のことから, シリル化ポリウレタンは湿気硬化型接着剤のベースポリマーとして, またBF3-MEAはシリル化ポリウレタンの効果的な硬化触媒として利用できることが分かった。
著者
臼井 昭子 佐藤 克美
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.129-132, 2017-04-01 (Released:2017-03-06)
参考文献数
9

美術科では言語活動を取り入れた鑑賞学習が重視されてきている.一方で,作品提示機器が充実していないなどの課題を抱えている.そこでインタラクティブな機能を持つ鑑賞用教材“D-FLIP Paintings”を開発した.本稿では,それを用いた鑑賞学習が意見の交流を喚起し新しい気付きをもたらすかについて明らかにするため,高校生6名2グループを対象に鑑賞の学習を行った.そして,生徒の発話を可視化した共起ネットワーク図や発話回数等を分析・考察したところ,インタラクティブな機能が意見の交流を活性化し新しい気付きをもたらした可能性があることがわかった.
著者
茂庭 仁人 湯藤 潤 本江 環 進士 靖幸 永原 大五 高橋 亨 林 学 佐藤 直利 鹿野 泰邦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.555-560, 2008-06-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
20

症例は49歳,女性.2006年4月に急性下壁心筋梗塞を発症し右冠動脈(#2)にシロリムス溶出ステントを留置した.術後の抗血小板療法としてアスピリン100mg,チクロピジン200mgを投与開始した.6カ月後の確認冠動脈造影ではステント内再狭窄を認めなかったが,遅発性ステント血栓症予防のため,アスピリン,チクロピジンは継続投与していた.2007年3月,月経による大量出血をきたし,意識障害を主訴に救急外来を受診.Hb 3.5g/dLと高度な貧血を認め頭部MRIでは多発性脳梗塞を認めた.輸血やエダラボン点滴など保存的に治療し,軽度の構音障害が残存したものの軽快退院となった.抗血小板薬投与中の出血性合併症はしばしば経験するが,月経出血による重篤な合併症の報告は稀である.閉経前の女性に対する抗血小板療法中には慎重な観察が重要であると考えられた.
著者
佐藤 真理子 伊豆 南諸美 熊谷 伸子 小出 治都子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.219, 2015 (Released:2015-07-15)

【目的】袴は、前後2枚の台形状の布を縫製した構造で、古くは神代における“穿裳(はきも)”から転じたとされ、日本書紀にも記載のある、和服の一種である。本研究では、伝統的所作時に袴着装の果たす役割を、生体データより検討し、運動機能性の観点から袴の再評価を目指す。【方法】実験1:被験者は健康な若年男子6名(20.0±1.2才、体育会剣道部所属)。実験着は袴、現代パンツ、下着(ブランク)の3条件とし、剣道の礼法に基づく所作時の重心動揺を計測した。実験2:被験者は健康な若年女子8名(22.6±1.8才、書道歴平均9年)。実験着は短パン、袴の2条件とし、正座及び椅座で、毛筆書字を行わせた。同一文字を同一スピードで書かせた際の、体幹と上肢の筋電図を計測した。【結果】実験1:剣道の試合前の姿勢として定められている蹲踞の際、袴着用時の重心動揺総軌跡長が小さい傾向を示した。実験2:毛筆書字における筋電図測定では、袴着用時の筋活動量が、脊柱起立筋で有意に小さかった。実験1,2より、伝統的所作時における袴着用が、身体の動揺を抑え、姿勢保持を補助する役割を果たしていると明らかになった。ウエストから腰にかけて締める前紐と後紐、腰部を後方から圧する腰板が寄与していると考えられる。なお本研究は、科研費26350082(基盤C:袴の機能性研究-世界に発信する”Hakama is cool”-)の助成を受けて行った。
著者
佐藤 喜一 POLPATHAPEE Sunanta PEERAVUD Sumet ANTARASENA Soontorn
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.733-739, 1990

タイ国における頭頸部悪性腫瘍の実態を, わが国の国立がんセンターの研究資料と比較し興味ある結果を得たので報告した. いずれも1985年度の調査で, タイでは総数835 例, わが国では, 1, 353例であつた. タイでは口腔癌が圧倒的に多く46.83%であり, 次いで上咽頭癌22.63%, 咽頭癌14.85%の順であつた. わが国では口腔癌が33.85%で, 喉頭癌30。38%, 上顎洞癌11.30%の順であつた. これらはX2検定で有意であつた. 罹病者は男性が女性の2倍から3倍にみられたが, わが国の男性はタイ男性に比較して1.5 倍高い罹病率であつた. 口腔癌のうち舌癌は第1位であるが, タイでは頬粘膜, 歯齦, 口唇癌が多かつた. これはタイの人々が生の煙草やbetelを好んで噛む習慣のためと考察した. 上咽頭癌がタイに多く, これに対し喉頭癌と上顎洞癌がわが国に多い点について若干の考察を加えた.