著者
齊藤 雄大 佐藤 文雄
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.G3O1222-G3O1222, 2010

【目的】理学療法・作業療法学生の臨床実習では様々なストレスを受ける機会が多く、指導者は学生の心身の健康状態を把握し、過度なストレスにならないよう管理すべきである。しかし、これまでストレス管理は指導者の経験と、実習生とのコミュニケーションに依存されることが多く、経験の浅い指導者や、指導者・学生間の人間関係が構築されていない場合、適切になされていないことが多くあったものと思われる。そこで客観的な数値を示すことができる検査法を用いてのストレス管理について、その有用性、利用方法などを検討することを本研究の目的とした。<BR>【方法】対象は2008年4月から2009年10月までに当院での臨床実習を修了した学生12名(23.5±3.1歳)、このうち理学療法学生10名、作業療法学生2名、男性7名、女性5名であった。方法は、被験者のおかれた条件により変化する一時的な気分・感情の状態を測定できるという特徴を有するProfile of Mood Stats検査(以下:POMS)を、実習開始日、毎週末、及び実習終了1週後に行い、感覚尺度(緊張・不安:以下TA、抑うつ・落ち込み:以下D、怒り・敵意:以下AH、活気:以下V、疲労:以下F、混乱:以下C)毎に標準化得点に換算した。当院では実習期間によらず3週目に初期発表、4週目に中間成績評価、最終週に最終発表を行っている。被験者の実習期間は7週~9週とばらつきがあったため、6週目以降は最終発表の日程を基準とし、開始時、1週目、2週目、初期発表、中間評価、5週目、最終発表前週、最終発表、終了後としてデータを扱い、一元配置分散分析及び多重比較検定を行った。有位確率は<U>p</U><0.05とした。<BR>【説明と同意】参加する学生に対し、本研究の目的と方法、個人情報の守秘義務に関して十分な説明を行い、参加・不参加の選択権を与えた。また途中で不利益なく参加の取りやめが可能であることを伝えた上で同意を得た。なお結果を本研究及びストレス管理にのみ利用し実習の成績に影響することはないこと伝えた。<BR>【結果】一元配置分散分析の結果、TA、D、V、F、Cにて有意差が認められた。多重比較検定の結果は、TAは終了後が最低値で開始時・1週目・2週目・初期発表・5週目・最終発表前週との間に有意差が認められた。Dは終了後が最低値で1週目・2週目・初期発表・5週目・最終発表前週との間に有意差が認められた。Vは最終発表前週が最低値で1週目との間に有意差が認められた。Fは最終発表前週が最高値で開始時・最終発表・終了後の間に、また2週目が2番目に高値で終了後との間に有意差が認められた。Cは終了後が最低値で1週目・2週目・初期発表・中間評価・5週目・最終発表前週との間に有意差が認められた。AHは常に低く変化の傾向は認められなかった。<BR>【考察】POMSの感覚尺度のうち、TA、D、AH、F、CはNegativeな尺度で、高値を示すほどストレスが高いものと捉えられる。このうちTA、D、F、Cでは終了後がもっとも低値を示し、実習中との有意差が認められることが多かった。このことから実習中の学生は常に何らかのストレスを抱えていることが予測できる。このなかでD、Cは標準化得点の平均値にて初期及び最終発表前週に向け漸増し、その後落ち着く傾向が認められているため、発表に向けての評価及びそのまとめ作業を行う過程で、抑うつ・落ち込み・混乱が伴うことが窺える。またTAは開始時が最も高く、その後はD、Cと同様の傾向が認められているため、実習開始に対して緊張・不安が強いことが予測される。TA・Dに関しては終了後と5週目に有意差が認められず、Cにおいても標準化得点の平均値が低下していることから、他の時期との有意差が認められているわけではないが、初期発表を終えた安堵感や、指導者からの中間評価によるストレスの緩和が窺える。Fに関しても初期及び最終発表前週と他の時期との有意差が認められており、精神的・身体的に疲労・ストレスが高まっていることが予測される。一方Positiveな尺度であるVに関しては、1週目が最も高く、最終発表前週に向け徐々に低下していく傾向が見られ、1週目と最終発表前週との間に有意差が認められている。緊張とともに活気を持って実習に望むが、ストレスの蓄積とともに活気が低下していく様子が窺える。<BR>【理学療法学研究としての意義】今回の結果から実習中を通して常に高いストレスを受けていて、その中でも初期及び最終発表の準備の負担が強いことが窺えた。あわせて実習終了後に、実習中のストレスとなった要因・ストレスの緩和に役立った要因に関してのアンケートを行ったが、その結果や上記の中間評価後にストレスが緩和している傾向から指導者の指導の重要性が窺えた。今後はどの時期にストレスが強いかを明確にしていくこと、どの時期にPOMSを実施していくべきかを検討すること、POMSの結果からどう指導に結び付けていくかを検討することが必要と考える。
著者
榊原 香代子 村元 雅之 藤田 恭明 上原 恵子 金原 真紀 佐藤 由美子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.331, 2011 (Released:2012-02-13)

症例は78歳男性。上行結腸癌、十二指腸浸潤に対し平成22年8月16日に結腸右半切除術、十二指腸合併切除術が施行されている。組織学的進行度が_III_bと進行していたため、FOLFIRIによる術後補助化学療法を継続中であった。嘔気嘔吐の副作用はなく食事摂取は良好に保たれていたが徐々に低アルブミン血症が進行し、ついに2.0g/dlとなり下肢浮腫を伴ったため平成23年1月11日に栄養介入目的で入院となった。投与カロリーは軟食1000cal、免疫強化経腸栄養剤750cal、PPNで210cal、脂肪乳剤200calに加え、L-グルタミン製剤2.7gを併用した。1月12日に測定した血清Zn値は17μg/dlと著明に低下しており、亜鉛欠乏症から蛋白合成不全を引き起こしていたと考え、Zn含有胃潰瘍治療剤の投与を1月18日から開始した。血清Zn値の上昇に伴い徐々に血清アルブミン値は上昇し、浮腫も消失して1月29日軽快退院となった。 今回我々は亜鉛欠乏症が原因と思われた低アルブミン血症の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
著者
佐藤 瞭平 中野 秀洋 宮内 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.414, pp.7-12, 2015-01-26

本稿では,無線センサネットワークにおける効率的なフラッディング手法について考える.我々が過去に提案しているカオスニューラルネットワークを用いた手法を基として,個々の無線センサノードのバッテリー残量を考慮した手法の改良を行う.数値実験を行い,提案手法の有効性を確認する.
著者
佐藤信夫著
出版者
現代書館
巻号頁・発行日
1992
著者
善甫 啓一 岡田 みずほ 松本 武浩 本村 陽一 佐藤 洋
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

入院患者や非介護者が夜間にベッドから転落する事故が絶えないことから,ベッド上の人の姿勢・位置推定,寝返りを検出し,転倒原因となる姿勢時の感知技術が望まれる。また,プライバシーにも配慮するために,本研究では熱画像を用いた見守り技術を目指す。ベッド上で正常に眠っている状態を定義し,熱画像上で逸脱した特徴量を持つ状態の検出により,寝返りや起き上がりなど転落へ繋がるイベントの検出を行った。
著者
佐藤 幸雄 熊代 克巳
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.61-69, 1985-12

セイヨウナシの葉やけ発生要因と考えられる気孔運動機能の鈍化が,他の果樹にも認められるかどうかを知るため,ナシ,リンゴ,モモ及びブドウを用いて,葉の比較蒸散量及び蒸散抵抗を調べた。得られた結果の概要は次のとおりである。1.葉齢の進行にともなう気孔運動能の鈍化は,葉やけの発生しやすいナシ「バートレット」が最も著しく,6月下旬にすでにその微候が認められ,7月中旬から急速に進行した。しかし葉やけの発生が認められないモモ「缶桃5号」は,8月下旬においてもなお気孔の運動機能が鋭敏であった。ブドウ「コンコード」は,8月上旬以降に機能鈍化が認められたが,「バートレット」ほど顕著ではなかった。またリンゴ「ふじ」も8月上旬以降に機能鈍化の微候を示したが,その程度は比較的軽かった。2.ナシの品種別比較では,「バートレット」の機能鈍化が最も著しかった。「新水」は7月中旬に「バートレット」と同程度の機能鈍化を示したが,それ以降はさほど進行しなかった。また「幸水」は,8月中旬以降に急速に機能鈍化が進行し,9月上旬には「新水」とほぼ同程度となった。3.夏季の高温乾燥条件下における着生葉の蒸散抵抗は,「缶桃5号」が最も高く,次いで「ふじ」,「コンコード」,「幸水」,「新水」,「バートレット」の順に低下し,「バートレット」が最低であった。またいずれの果樹も新梢の基部葉は先端部葉に比べて低かった。4.葉やけ発生率と気孔の運動機能との関係をセイヨウナシについて調べた結果,発生率の高い品種ほど機能鈍化が著しい傾向がみられた。しかし「プレコース」のみは機能鈍化が著しかったが,葉やけ発生率は低かった。
著者
佐藤 知正
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.49, no.439, pp.401-409, 1983-03-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
6

音響ホログラフィとソナーを融合させた三次元音響撮像法「ホログラフィック・ソナー撮像法」を提案した。これはFMチャ-プ音を対象物に照射し、反射音波を記録し、これにパルス圧縮および開口合成の処理をおこなって三次元映像を得るものである。この撮像方式での撮像性能を解析し、撮像装置の設計手順を明らかにした。また、空中音響実験によって、本撮像方式の撮像性能解析の妥当性と三次元撮像の可能性を示した。
著者
楠元 桂子 佐藤 亨至 三谷 英夫
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:0021454X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.311-321, 1996-08
参考文献数
23
被引用文献数
19

顎整形装置の顎骨成長に対する効果を評価する方法として側面頭部X線規格写真による重ね合わせや線・角度計測値の比較等が一般的に用いられているが.成長変化の様相を詳細に評価することは難しい.そこで, 本研究では上・下顎骨各部の変化を客観的かつ視覚的に評価するため, 上・下顎骨各部の標準成長および成長速度曲線を作成した.次に, 上顎後方牽引装置(ヘッドギアー)および下顎後方牽引装置(チンキャップ)の顎骨成長に対する影響について評価を行った.結果は以下の通りであった.1. 9&acd;17歳に至る女子の上顎骨前後径(A'-Ptm'), 下顎骨全体長(Cd-Gn), 下顎枝高(Cd-Go)および下顎骨体長(Go-Pog')の標準成長曲線および成長速度曲線が作成された.2. ヘッドギアー群では, 上顎骨前後径のSDスコアは装置適用中は減少し, その後増加する傾向を示したが, 標準曲線と有意差は認められなかった.3. チンキャップ群では, 下顎骨各部の成長速度は装置適用中有意に低下したが, その後成長は加速され, 適用前と成長終了時のSDスコアに差は認められなかった.成長のピークは平均より約1年遅くなった.以上のことから, 顎整形装置は顎骨の成長様相に影響を与えることが示唆された.本研究で作成した上・下顎骨の標準成長曲線および成長速度曲線は顎整形装置の効果の評価法として有効であると考えられた.
著者
祐川 励起 山道 祥郎 久米田 哲 佐藤 功二 西山 和彦 池野谷 達雄
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.156-163, 1988-04-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

東北歯科大学解剖学教室所蔵の乳歯列期から永久歯列期までのインド人頭蓋101顆を歯牙の萠出状況により5期に分けた。そして, 口蓋各部位を計測して各期ごとの平均値と1期から5期の成長率を求めて口蓋の成長変化を推定した。さらに, 口蓋を構成する上顎骨口蓋突起の長さと口蓋骨水平板の長さについいては相関関係も調べた。切歯骨口蓋部の長さと前方口蓋の幅はそれぞれ中切歯もしくは犬歯の萠出により変動するが, 最終的に1期から5期で1.01倍と1.08倍の成長率であった。上顎骨口蓋突起の長さ, 骨口蓋の長さそして歯槽突起の長さは大臼歯の萠出に伴って増大し, 最終的に1期から5期で1.57倍, 1.37倍さらに1.42倍の成長率であった。口蓋骨水平板の長さと幅, さらに後方口蓋の幅は比較的スムーズに成長し最終的に1期から5期の成長率はそれぞれ1.40倍, 1.27倍さらに1.23倍であった。以上の結果から, 口蓋の形態は成長に伴って前後に長くなることが分かった。特に, 口蓋の後方部の成長には大臼歯の萠出が関与していると思われた。さらに, 上顎骨口蓋突起の長さと口蓋骨水平板の長さはすべての期で相関係数が負であったことから, 互いに口蓋の長さを一定に保つような関係にあると思われた。
著者
佐藤 芳彦 SATO Yoshihiko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
言語と文化・文学の諸相
巻号頁・発行日
pp.145-183, 2008-03-21

近代イギリス予算制度成立史研究の一環として,名誉革命(前後)期(1640年代から1714年アン女王の死まで)を考察対象として扱った拙稿1)においては,当該期における財政面での「立憲体制」の成立過程を総括的に論じることを意図したので,わが国において研究史が殆ど欠落している当該期における具体的な予算の審議過程2)については,冊子体での史料的制約もあり,殆ど全く言及しえなかった。本稿では,(その後に知った)Web上で利用しうる史料3)を利用して,近代イギリス予算制度の完成期(1860年代末)における予算の審議過程に至る歴史的・段階的な位置如何という観点から,「王政復古」Restoration期,とりわけ,その中でも「第二次オランダ戦争」Second Dutch War期(1665年~1667年)に限定して,(1)イングランド議会における予算の審議過程,及び(2)そのような審議過程を経て制定されたいわゆる「援助金及び議定費」法 Act of 'aids and supplies' において初めて導入されてくる4) 「借入及び割当条項」の内容を具体的に明らかにすることにしたい。
著者
松塚 ゆかり 水田 健輔 佐藤 由利子 米澤 彰純
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度の研究目的は、マクロデータを用いて学生と高度人材の国家間移動と移動を規定する要因を分析することであり、課題中心的観点から理論、定量、定性研究を組み合わせて以下を遂行した。1.理論研究: モビリティーを軸に、公共財政論、人的資本論、規模の経済性理論、国際流動化論、移民論等の基礎文献を収集・整理し、共用ドライブ上で研究メンバー間で共有するとともに、定量研究のための仮説を整えた。2.定量研究: (1) 学生と高学歴者の国家間移動データをUNESCO:UISとOECD移民データベース(DB)等から、(2) 経済力、雇用、所得格差等の経済指標をWorld Development Indicators等から、(3) 就学歴、大卒収益率、高等教育費公私負担率等の教育指標をEducation at Glance等から収集、統合・加工した後、各国が提供するデータで補強し、高等教育をめぐるモビリティーとその規定要因を分析するためのデータベース(Database for Higher Education Mobility〈DHEM〉)を構築した。DHEMは研究メンバーの専門と関心を軸に複数にデータセット化し、専用ドライブで共有して分担分析した。さらに、平成30年度の計画研究である個票データの収集を試行し、DBの具体的設計を終えた。3.定性研究: 平成30年度の米国現地調査に向けて上記の定量及び理論研究の成果を参考に、訪問候補の政府機関と大学の情報収集、調査プロトコールと質問項目の作成を進めた。4.研究成果の公開: 全米比較国際学会でのパネル会議開催の申請が採択され、同学会で上記の理論研究、定量研究の成果を発表した。 発表件数: 7件、研究論文: 1件、図書: 1件
著者
渋尾 欣弘 佐貫 宏 李 星愛 吉村 耕平 田島 芳満 古米 弘明 佐藤 愼司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.100-109, 2017-05-01 (Released:2017-05-01)
参考文献数
15

近年,治水整備目標を超える規模の豪雨が増加傾向にあり,それに伴う水災害も深刻な問題となっている。これからの都市流域の浸水対策には,既存の治水施設や観測記録などの情報を効果的に活用していくことが求められており,特に浸水予測モデルが果たす役割は大きい。沿岸部低平地に都市部が広がるわが国においては,河川洪水,都市氾濫,沿岸部における高潮・高波などが複雑に都市浸水に影響し合うため,これらの事象を適切に評価しうるモデルが必要である。本稿では総合治水対策が進む鶴見川を対象に,河川・下水道・氾濫・海岸の各要素がシームレスに結合されたモデルを適用し,遊水地・雨水管理設備情報や時空間精緻なレーダー雨量等のデータを統合的に活用した,高度化された浸水対策への取り組みについて解説する。
著者
竹永 勇治 縄田 雅裕 坂田 信行 瀬沼 勝 渡辺 泰三 佐藤 忠司 土佐 哲也
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.204-206, 1991
被引用文献数
1

The removal of pyrogen using immobilized histidine by a batchwise method was investigated. The pyrogen adsorption depended on ionic strength and was influenced by the shaking speed. The concentration of pyrogen in liquid phase decreased to less than 0.1 ng/cm<SUP>3</SUP> from 20 ng/cm<SUP>3</SUP> by batchwise adsorption with the immobilized histidine when the ionic strength was lower than 0.10 mol/dm<SUP>3</SUP>. This indicates that pyrogen could be removed practically by batchwise adsorption.
著者
金本 郁男 井上 裕 守内 匡 山田 佳枝 居村 久子 佐藤 眞治
出版者
日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.96-101, 2010-02-28
被引用文献数
3

野菜サラダ(キャベツ,オリーブ油,酢)と米飯の摂取順序を変えた時に食後の血糖値とインスリン値のプロファイルがどのように変化するのかを確認するため,10名の健常成人において試験を行った.その結果,米飯摂取後に野菜サラダを摂取した場合と比較して,米飯摂取前に野菜サラダを摂取した場合には,食後20, 30, 45分での血糖上昇値(ΔC)は有意に低下し(<i>p</i><0.01),最高血糖値(ΔC<sub>max</sub>)に到達する時間は約40分遅延した(<i>p</i><0.01).ΔC<sub>max</sub>は平均21%低下し,食後0∼120分までの血糖値上昇曲線下面積は,平均39%低下した.血清インスリン値は血糖値とパラレルに推移し,食後のインスリン分泌が節約できる可能性が示唆された.以上より,野菜サラダは米飯よりも先に摂取するほうが食後の血糖上昇を抑制するために有効であることが示された.<br>
著者
佐藤 真理子 熊谷 伸子 小出 治都子
出版者
文化学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

袴は,前後2枚の台形状の布を縫製した構造で,腰部と脚部を覆い,前布の襞,後布の腰板,前後二重に締める紐を特徴とする和服の一種である.本研究では,袴を,日本発のクールなファッションとして広く世界に発信することを目指し,市場に関する現状調査,マンガにおけるイメージ分析,日本と海外での意識調査,機能性・快適性評価,伝統的所作における役割分析を行った.その結果,袴は,新しい和のモードとしての可能性を有する.着心地の良い機能的な民族衣装であることが明らかとなった.
著者
佐藤 髙司
出版者
共愛学園前橋国際大学
雑誌
共愛学園前橋国際大学論集 = Maebashi Kyoai Gakuen College ronshu (ISSN:2187333X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.115-122, 2015

本稿では、母語を日本語とする児童生徒への方言教育には、方言の保存継承を目的とするもの、共通語教育を目的とするもの、言語教育の基礎づくりを目的とするものの三つがあることを述べ、そのうちの言語教育の基礎づくりを目的とする方言教育の小学校における具体的指導案例(単元例)を提示する。国立国語研究所主催の学術国際フォーラム「日本の方言の多様性を守るために」は、平成22(2010)年12月18日(土)に開催された。このフォーラムでは、4人のパネリストが各言語・方言が置かれている現状を報告し、ことばの多様性を守ることの重要性について、パネルディスカッションが行われた。本稿はこのパネルディスカッションから多くの示唆を得た。本稿では、母語を日本語とする児童生徒への方言教育のうち、言語教育の基礎づくりを目的とする方言教育について論じる。言語教育の基礎とは、様々な言語を様々な言語体系としてとらえることができる感覚やセンスのことである。言語教育の基礎づくりとは、その感覚やセンスを磨くことである。この言語教育の基礎づくりを目的とする方言教育には、日常使用している日本語を用いて行うことができるために、低年齢の子どもから対象に行うことができるという最大の利点がある。本稿で示す指導モデルは、小学校の低・中・高学年の3学年からなる。低学年では、方言かるた遊びを通して、自分自身が使用している言語が一つの言語体系であり、その他にも異なる言語体系が存在することを無意識のうちに感覚として意識させるねらいがある。中学年では、低学年において無意識的に感じた異言語体系を作為的にその存在を意識させるねらいがある。高学年では、地元の方言かるたをつくる活動を通して、自方言を一つの言語体系として明確に意識させるねらいがある。研究ノート
著者
陣門 泰輔 佐藤 治雄 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.397-402, 2000-05-20
被引用文献数
10 5

本研究では森林表土の持つポテンシャルを評価し, その利用法を検討することを目的とした。大阪府茨木市のアベマキ林, モウソウチク林, 千早赤阪村のシイ林, 泉佐野市のコナラ-アオモジ林, 兵庫県西宮市のアカマツ林の森林表土を荒廃地のモデルとした土壌基盤に播きだし, 活性炭素混入, 施肥, 土壌基盤・マサ土との混合, コバノミツバツツジの追加播種などの追加処理を行い, 全木本発芽個体の消長, 高さ・葉張りを追跡調査した。どの森林表土からもアカメガシワなどの先駆木本種の発芽がみられ, 成長を続けた。森林表土播きだしが荒廃地における早期の植生回復に有効であり, 施肥によってより早期の植生回復が望めることがわかった。