著者
佐藤 暁
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-17, 2014

In The Origins of Analytical Philosophy, Dummett criticized the philosophy of Husserl for being a Humpty-Dumpty theory. We reconstruct this criticism into a more general argument that shows that the idea of meaning as a type entails the Humpty-Dumpty theory. In interpreting Dummett's text, we show that the criticism of the Humpty-Dumpty theory is a criticism of "associating expressions with meanings" in an attempt to explain linguistic significance, and that types are not objects, but rather equivalence relations. In addition, we demonstrate that tokens are not concrete, but theoretical objects, and thus should be distinguished from bearers of tokens, which are bare physical objects.
著者
楪 雅行 佐藤 義輝 内田 康也 田島 清司
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.862-869, 1985-12-25

The widely used dental Ag-Pd-Au alloy is frequently melted with a gas-air blowtorch, and cast by a centrifugal casting machine. In this case, the timing of casting the molten alloy is generally determined by means of the observation of its appearance at melting. There are few reports on the temperature of the molten alloy at casting. Therefore, the casting temperature of Ag-Pd-Au alloy melted with a gas-air blowtorch was measured, as well as the heating time until the start of castig. This study was scheduled to examine the effects of remelting, flux addition, and operator's experience in casting. Six operators, three well and three poorly experienced, were selected. The casting temperatures adopted by the three well experienced operators tended to rise gradually as the repetition times of melting increased. The difference between the casting temperatures at the first and the 10th melting without flux ranged from 10 to 15℃. On the other hand, the casting temperatures adopted by two poorly experienced operators of the three tended to fluctuate sharply, and no rising tendencies were observed in the casting temperatures. Flux addition in due course of heating the alloy reduced the difference between the maximum and the minimum casting temperature. The rise in casting temperature was suppressed by flux addition in the repeated melting by the well experienced operator group, resulting in about only 5℃ rise from the first to the 10th melting. The time required for heating the alloy from the liquidus to the casting temperature was nearly constant in the case of the well experienced operator group, but in the case of the poorly experienced one it fluctuated sharply, irrespective of flux utilization. Consequently, it may be said that the operator's experience and/or skill are inevitably necessary for casting Ag-Pd-Au alloy by judging the casting temperature from the appearance of the molten alloy.
著者
佐藤 雄幸 進藤 勇人 小林 ひとみ
出版者
秋田県農業試験場
雑誌
秋田県農業試験場研究報告 (ISSN:0568739X)
巻号頁・発行日
no.46, pp.59-71, 2006-03

台風15号による潮風害が、男鹿半島以南の沿岸部の水稲・大豆等において発生した。潮風害の発生は、南南西から南西風の吹走と、台風通過時から通過後の少雨が主因であった。実態調査を実施した結果、潮風は内陸部20km地点まで影響を及ぼし、水稲では穂や枝梗の白化や止葉損傷、大豆では葉身の損傷、落莢が生じた。水稲では、大幅な減収と着色・充実不足等による1等米比率が低下した。大豆では、百粒重が小さく、収量が大幅に低下した。台風の来襲時期が8月で、水稲では登熟前~中期、大豆では開花期~子実肥大期と重なったことが被害を拡大したと推察された。次年度の営農には、被害わらの影響はみられず、実収穫の大豆がある場合は保有窒素に基づいた対策を講じる。水稲の登熟は低下し千籾重は低下するが、1.9mm以上の粒厚で調整することで発芽率は90%で、種子として利用可能であった。
著者
佐藤 真理子 齋藤 紘野 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.124, 2011 (Released:2011-09-03)

【目的】日本舞踊の伝統的所作である「振(ふり)」は,日本舞踊特有の身体動作であり,舞踊表現の基本的要素として伝承されてきた.本研究では,「振」のポーズと動きにおいて,男舞と女舞の所作の違いが,和服と人体の関係性にいかなる影響を及ぼすか,明らかにすることを目的とした.【方法】被験者は現代日本舞踊T流師範を持つ22歳の女性2名.着装条件は通常の稽古時と同様,浴衣・半幅帯・足袋・下着(キャミソール・スパッツ・和装用ブラジャー・ショーツ).測定動作は,(1)「束(そく)」;両足を揃えてまっすぐに立つ,(2)「座り」;片膝を付いて座る,(3)「入れ込み」;片足の爪先の前に反対の足を入れ込んで置く,(4)「姿見」;袖を胸に当て自分の姿を見る,(5)「振り返り」;片方の肩を引いて振り返る,(6)「かけ回り」;片足を軸足にかけるようにして身体の向きを変える,(7)「すり足」;足をするように前に出し歩く,の7種の「振」とし,男舞と女舞で踊り分けた.測定項目は,(1)~(5)の静止時の衣服圧と重心動揺,及び(1)~(7)の動作時の筋電とした.【結果】重心動揺では,「姿見」において女舞の総軌跡長の値が大であった.女舞は,男舞に比べ腰を落とし膝を曲げるため,姿勢の保持が難しいと考えられる.筋放電量では,男舞で前脛骨筋と大腿直筋,女舞で腓腹筋と大腿二頭筋の値が大であり,女舞で脚部の背面の筋をより使う傾向が明らかとなった.衣服圧では,女舞の所作において,身体をねじる,腰を落とす等,女らしさを強調する曲線的な動きをとるため,総じて値の大きい傾向が示された.
著者
中嶋 瞳 三木 晶子 佐藤 宏樹 堀 里子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.360-368, 2014-06-10 (Released:2015-06-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Among the adverse effects of anticancer drugs, critical effects have attracted the most attention. However, non-critical adverse effects that lower the quality of life of cancer patients have been gaining recognition. For example, the package insert of tegafur・gimeracil・oteracil potassium (S-1) was modified and lacrimal duct obstruction was added to the list of critical adverse effects on September 25, 2012. In a similar vein, this study aimed to examine the awareness of healthcare professionals regarding the adverse effects of anticancer drugs on the eyes. A web-based questionnaire survey was administered to medical doctors and pharmacists. We received responses from 38 doctors and 123 pharmacists. Only 39.5% (15) of the doctors and 33.3% (41) of the pharmacists were aware of the adverse effects of anticancer drugs on the eyes. Among respondents who had observed these adverse effects, only 12.5% (1/8) of doctors and 11.1% (2/18) of pharmacists reported them to the authorities or the pharmaceutical companies. The results suggest that the adverse effects of anticancer drugs on the eyes should gain more recognition among healthcare professionals. Therefore, we would like to encourage them in obtaining information concerning the safety of medicines and to report all observed adverse effects regardless of their severity.
著者
大澤 智恵子 網本 和 佐藤 信一 安保 雅博 宮野 佐年
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.D0524-D0524, 2004

【目的】近年、高齢者においても食道癌根治術の適応とされる傾向がある。高齢者は呼吸機能の低下から術後肺合併症の発生率が高いと報告され、術前の呼吸理学療法は重要とされている。また、合併症の発生により術後在院日数は長期化するとの見解が一般的である。今回、術後肺合併症と術後在院日数に影響を与える要因を呼吸機能、術前理学療法の観点より分析、高齢群と若年群とで比較し、若干の知見を得たので報告する。<BR>【方法】1998年から2003年に当院で食道癌根治術を行い術前または術後から理学療法を開始した101名を高齢群(65歳以上)と若年群(64歳未満)とに分類した。さらに呼吸機能の影響を明確にするため、双方より術後肺合併症への影響が強いとの報告が多い要因である腫瘍進行度(stage)、術前アルブミン、術式(開胸・開腹・内視鏡の有無・再建経路)が同じであるペアを29組作成、それぞれ高齢群29名(男性25名、女性4名、平均年齢70.6±5.1歳)と、若年群29名(男性26名、女性3名、平均年齢56.9±4.7歳)を対象とした。高齢群と若年群において(1)%VC(2)一秒率(3)PF(4)V50/V25(5)術前理学療法を肺合併症へ影響を与える要因として、同様に(1)肺合併症(2)既往(3)術前理学療法の実施を術後在院日数へ影響を与える要因として選択した。これらよりSPSSを使用してロジスティック回帰分析を行い、各々に有意に影響を与える要因の抽出を、危険率5%の有意水準にて行った。<BR>【結果】術後肺合併症に有意に影響を与える要因として、若年群では%VC(odds比0.881)が抽出されたが、高齢群では抽出されなかった。また、術後在院日数においては若年群では術前理学療法(odds比18.597)が抽出されたが高齢群では有意な要因は抽出されなかった。<BR>【考察】若年群において肺合併症へ影響を与える要因として%VCが抽出された。これは手術時の全身麻酔により残気量が減少して無気肺が発生するが、肺活量の予備能力が大きい場合には、それを代償する能力が強く、肺合併症予防に有効であるためと考えられる。また、同じく若年群において術後在院日数へ影響を与える要因として術前理学療法が抽出されたが、術前理学療法でのオリエンテーションや退院への目的意識の形成、肺合併症からの回復に術前理学療法が有用であることが示唆された。一方、高齢群において肺合併症や術後在院日数に影響を与える要因が抽出されなかった理由として、高齢者は加齢に伴う各臓器の機能・予備能力の低下や暦年齢と身体年齢の乖離、個人差の顕性化よりわずかな負荷でも合併症のトリガーとなる可能性が高いことが考えられる。従って、高齢者は肺合併症や術後在院日数への影響要因が多様で偏りがなく、若年者と比較して術後経過の予測が困難であることが示唆された。
著者
佐藤 藍子
出版者
東京大学文学部国文学研究室
雑誌
東京大学国文学論集 (ISSN:18812139)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.115-127, 2008-05-25
著者
佐藤 孝 善本 さゆり 渡邉 俊一 金田 吉弘 佐藤 敦
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.53-60, 2007
参考文献数
24
被引用文献数
2

重粘土水田転換畑では,土壌の物理性(通気性,排水性)が悪いために,畑作物の生育が抑制され,生産性が著しく劣る場合が多い.本報では,マメ科カバークロップのヘアリーベッチによる重粘土の物理性改善効果と,ダイズの初期生育に及ぼす影響について検討した.秋田県八郎潟干拓地内の水田転換畑にヘアリーベッチを水稲立毛間に播種した.ヘアリーベッチは旺盛に生長し,根は深度約45cmまで達していた.HV区では土壌構造が発達し,特に亀裂構造が深度50cmまで形成されており,圃場の排水性は向上していた.また,HV区ではダイズの生育初期において根の吸収活性および根粒の窒素固定活性が高く維持され,生育も良くなっていた.以上の結果から,転換畑においてヘアリーベッチを前作に植栽することで,ヘアリーベッチの蒸散作用により土壌の乾燥化を促進させるとともに,根の伸長により土壌の亀裂構造(粗孔隙)および毛管孔隙が発達し,土壌の物理性が大きく改善されて,ダイズの初期生育が促進されることが明らかになった.
著者
新良 力也 西田 瑞彦 森泉 美穂子 赤羽 幾子 棚橋 寿彦 佐藤 孝 鳥山 和伸 木村 武 矢内 純太
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.73-80, 2010
参考文献数
30
被引用文献数
1

我が国の水田ではコメの生産調整のために1969年から転作が開始され、1978年に水田利用再編対策が開始されてからは、連作の回避、地力回復、村落内の負担の公平性等の理由から田畑輪換が広く実施されている。1980年以降は水田面積約2,900,000haのうち調整面積は500,000haを超え、2009年度には作物の作付けされた水田面積2,330,000haの約3分の1(710,000ha)が畑地利用されているとみられる。このような状況の中でダイズ等の収量低下が顕在化し、土壌有機物含量等の肥沃度の低下が懸念されている。しかし、連作水田とは異なり、湛水・還元環境と落水・酸化環境の繰り返しが、有機物の蓄積や分解にどのような影響を及ぼし、土壌窒素給源等をどのように変化させているか、あるいは土壌リン酸の可給性が連作水田とどのように異なっているのか等についての知見は十分整理されていない。このため、田畑輪換条件での肥沃度変動の法則性やメカニズムの解明が必要である。一方、肥沃度維持対策では、家畜ふん堆肥や緑肥等の資材施用の有効性や適正施用量についての知見が必要であり、土壌からの養分供給や土壌への蓄積を踏まえた施用方法の確立が求められている。そこで、土壌肥沃度部門と肥料・資材部門が共同で、田畑輪換水田における肥沃度の現状と関連研究の到達点を共有し、今後の展望を明らかにするため、1.田畑輪換水田の現状と土壌管理についての問題提起、2.田畑輪換水田の土壌窒素と施用有機物の挙動、3.土壌有機態窒素の実体について、4.田畑輪換土壌におけるリン酸の挙動と各種資材による供給、5.家畜ふん堆肥を利用した肥培管理、6.緑肥を利用した肥培管理の6課題でシンポジウムを開催したので概要を報告する。
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。
著者
佐藤 創
出版者
専修大学情報科学研究所
雑誌
専修大学情報科学研究所所報
巻号頁・発行日
no.76, pp.37-52, 2011-06
被引用文献数
2

QR コード(Quick Response code)は部品管理のための2次元バーコードとして開発され, カメラ付き携帯電話と結合したことによって急速に普及しました。QR コードには短縮リード・ソロモン符号による誤り訂正機能が活用されています。自らプログラムを書けるほどにその符号化・復号アルゴリズムを理解するためには, 符号理論の本を読むのが常道ですが, それはなかなか難しいことです。ここではベクトルや行列などを学習した学生が読解できるような自己完結的な解説を試み,「なぜ未知の誤りの訂正ができるのか」という基本的な問いに丁寧に答えることにしました。このテーマは「線形代数」の格好の教材であると思っています。