著者
菊地 史倫 佐藤 拓
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.135-135, 2010

日常的な葛藤場面において、嘘の内容(生起確率低の嘘・生起確率高の嘘)と嘘の露見(露見前・露見後)が弁解の効能の認知に与える影響を検討した。150人の大学生は、自分の遅刻理由を偽った弁解をするが最終的にその嘘が露見してしまう状況のシナリオを読んだ。そして、参加者は嘘露見前後に弁解を聞いたときの相手の怒り、弁解の効能(ゆるし・制裁行動)と信憑性について評定した。その結果、嘘露見前は嘘の内容に関わらず相手の怒りを低く、遅刻に対するゆるしを高く、制裁行動を低く評価した。その一方で、嘘露見後は嘘の内容に関わらず相手の怒りを高く、遅刻に対するゆるしを低く、制裁行動を高く評価した。また、嘘露見前は生起確率低の嘘よりも生起確率高の嘘の信憑性が高く評価されたが、嘘露見後は内容に関わらず信憑性が低く評価された。これらの結果から、嘘が弁解として機能するためには嘘が露見しないという前提が必要なことが示された。
著者
内藤 健 相良 慎一 佐藤 茂
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

多重衝突パルス噴流圧縮に基づく新燃焼方式エンジンについて、サイクル理論とシミュレーション検討、及び、航空機と自動車用の2つの試作エンジンによる燃焼実験を行い、以下の2つの結果が得られ、新燃焼方式の有効性を示すことができた。(1)理論とシミュレーションでは、ガソリン自己着火で50%レベルを超える熱効率の見通しを得た。(2)自動車用小型試作エンジンの燃焼実験では比較的低騒音でガソリン自己着火することが示され、かつ、従来型エンジンと同等か、それ以上の熱効率の可能性を得た。航空用の燃焼実験では、安定な燃焼を実現する方策を見出した。
著者
花田 惇史 吉田 裕一 佐藤 卓也 後藤 丹十郎 安場 健一郎 田中 義行
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.161-169, 2016
被引用文献数
4

近年,受粉用ミツバチがしばしば不足し,果実を中心に園芸作物の生産コスト増大や品質低下を引き起こしている.その解決策の一つとして,医療用の無菌ウジ増殖技術を応用して生産したヒロズキンバエについて,施設栽培作物の花粉媒介昆虫としての実用化の可能性を検討した.イチゴ,トマト,ナスおよびメロンを対象として,開花期にヒロズキンバエをハウス内に放飼し,着果率や果実形態の比較によって,各作物への受粉効果を調査した.トマト,ナスおよびメロンにおいては,明確な着果促進効果は得られなかった.一方,イチゴでは,ハエは羽化直後から盛んに花に飛来する姿が観察され,ハエ搬入前と比較して受精不良果発生率は大きく低下した.ただし,90 m2当たり400頭の搬入では品種によって効果が不十分であった.しかし,1000頭搬入した場合は,ミツバチと同等の効果が得られたことから,ヒロズキンバエはミツバチの代替ポリネーターとして十分利用可能であると考えられた.
著者
佐藤 彰洋 中村 豊 池永 全志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.346, pp.73-78, 2011-12-08

SSH総当り攻撃による被害は深刻さを増していることから,管理者にとって,その攻撃への対策は急務である.従来,管理者は,アクセスログやトラフイックから得られる情報を元にSSH総当り攻撃の発生を検出してきた.しかしながら,前者は,ネットワークに存在する全てのサーバのアクセスログを確認することは困難である.また,後者は,攻撃による被害の有無を把握できないことが問題となる.このような問題を解決するため,本稿では,フローの特徴に基づくSSH総当り攻撃検出手法を提案する.実験の結果,提案手法により通常の通信と総当り攻撃に加え,攻撃による被害の有無を高精度で識別できることを確認した.
著者
李 〓貞 佐藤 昌子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-140, 1999-09-01
被引用文献数
3

異なる織構造の布間の違いを視覚によって識別するメカニズムについて, 糸, ならびに, 製織布を用い反射光の光学的分析から検討した。試料布は、反応性染料で染色し, その糸を用いて手織機で製織し, 系統的に作製した。30試料布を実験に用いた。色は, 赤, 緑, 青, 紫のそれそれ明度の異なる2水準および1水準の黄と白で, たて糸, よこ糸の打ち込み数がそれそれ6本/cmの3種の織絹織(平織, 綾織, 朱子織)である。反射光特性を変角分光測色計, 及び, 変角光度計を用いて測定した。また、画像処理装置を用い、布表面の一定面積当たりの明部分と暗部分の面積分布を測定した。さらに, 布サンプルに対して8項目の形容詞対を用い一対比較による視覚官能評価を行った。その結果は次の通りである。1)同じ糸から織られた布であっても反射光特性は測色の規定条件において布の製織方向の影響を受ける。2)布の表面色はたて糸, よこ糸の出現頻度によって変化する。3)テクスチャーの違いは布表面の垂直面に対し受光角度を小さくするよりも大きくした方が判定しやすい。4)布の「相い-細かい」, 「厚い-薄い」などのテクスチャーの違いは表面を視るだけで反射光特性から推測しうる。
著者
李 〓貞 佐藤 昌子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-140, 1999-09-01
参考文献数
7
被引用文献数
3

異なる織構造の布間の違いを視覚によって識別するメカニズムについて, 糸, ならびに, 製織布を用い反射光の光学的分析から検討した。試料布は、反応性染料で染色し, その糸を用いて手織機で製織し, 系統的に作製した。30試料布を実験に用いた。色は, 赤, 緑, 青, 紫のそれそれ明度の異なる2水準および1水準の黄と白で, たて糸, よこ糸の打ち込み数がそれそれ6本/cmの3種の織絹織(平織, 綾織, 朱子織)である。反射光特性を変角分光測色計, 及び, 変角光度計を用いて測定した。また、画像処理装置を用い、布表面の一定面積当たりの明部分と暗部分の面積分布を測定した。さらに, 布サンプルに対して8項目の形容詞対を用い一対比較による視覚官能評価を行った。その結果は次の通りである。1)同じ糸から織られた布であっても反射光特性は測色の規定条件において布の製織方向の影響を受ける。2)布の表面色はたて糸, よこ糸の出現頻度によって変化する。3)テクスチャーの違いは布表面の垂直面に対し受光角度を小さくするよりも大きくした方が判定しやすい。4)布の「相い-細かい」, 「厚い-薄い」などのテクスチャーの違いは表面を視るだけで反射光特性から推測しうる。
著者
佐藤 泰弘
出版者
甲南大学
雑誌
甲南大学紀要. 文学編 (ISSN:04542878)
巻号頁・発行日
vol.144, pp.A8-A9, 2006-03-15
著者
佐藤 究 山下 圏 小嶋 和徳 小笠原 直人 布川 博士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.277, pp.27-32, 2014-10-24

近年,大学の情報・工学系学部においては,プログラミング演習が必須となっており,演習課題ではプログラムソースの提出が一般的である.しかし課題内容が高度になると,一つの課題に対してディレクトリ構造に依存した複数のソース,データ,ドキュメントのファイルを提出する必要がある.また,採点者にとってはこれらの提出物を実行し採点,評価を行う必要があり,それを実行可能状態にするだけで大きな手間となる。さらに本学部においては課題が合格するまでの再提出を学生に課しているため,このバージョン管理も大きな手間である.本稿では,これらを解決するための,分散型バージョン管理システムであるMercurialと統合開発環境であるeclipseをベースとしたプログラミング演習課題レポート管理支援システムの構築と,これらのベースとなるシステムの機能を有効に利用した課題管理について述べる.
著者
川口 貴之 三田地 利之 澁谷 啓 佐藤 信吾 野崎 寿信 佐野 佶房
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.575-576, 2003

各種地盤材料は0.001%程度以下の微小ひずみ域では弾性的な挙動を示し,この領域内でのヤング率は載荷速度によらないことが報告されている.そこで,5オーダーにわたる極めて広範囲な載荷速度での一連の三軸圧縮試験を実施した.この結果から,分速0.02~2.0%の載荷速度で実施したCU試験より得られる非排水ヤング率はほぼ共通な値が得られるものの,分速0.00006~0.002%で実施したCD試験より得られる応力~ひずみ関係は載荷速度に大きく依存し,クリープの影響を考慮しない限り,共通な排水ヤング率を得られないことを確認した.また,本文ではこれらの弾性ヤング率の増減を支配する因子についても議論している.
著者
佐藤 創 長坂 有 浅井 達弘 寺澤 和彦
出版者
社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 : 新砂防 = Journal of the Japan Society of Erosion Control Engineering (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.11-17, 2006-03-15
被引用文献数
4

We quantified the woody debris on the flood plain of the Appetsu River, watershed area is 287.9 km<sup>2</sup>, by Typhoon 0310, Etau. This typhoon caused heavy damage, especially in the Hidaka and Tokachi districts of Hokkaido. We established 61 study sites in the river basin and investigated the size, species, and freshness of woody debris in a sampling plot in each study site. We used aerial photographs to estimate the volume of woody debris outside the study sites. The volume of woody debris totaled 46, 260 m<sup>3</sup>. The deposits were greatest in the upper river basin in the northern area. Of the total volume, 76% originated from landslides on mountain slopes or bank erosion, and the remaining 24% was from riparian forests. Of the woody debris, 15% were conifers and the remaining 85% were broadleaf trees. An estimated 74% of the volume came from trees that were living just before Typhoon 0310 struck, and the remainder was old fallen timber. Of the woody debris, 12% of the trunks had diameters under 10 cm, 57% were 10 - 30 cm, 28% were 30 - 50 cm, and 3% were over 50 cm.
著者
伊藤 裕一 小川 登志男 田中 智基 佐藤 景一
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-6, 2016-01-29

We have developed the creating and manufacturing contents for elementary school students to convey the attractiveness of mechanical engineering. In last year, we have developed the content related to fluid dynamics. The participants made a special model glider which was like "winged seed". In this year, we have developed the content using shape memory alloy. We demonstrated the unique properties of the shape memory alloy and then the participants made the strap of the shape memory alloy in the content.
著者
鈴木 誠 高橋 一揮 梁川 和也 佐藤 洋一郎 吉田 忠義 小野部 純 村上 賢一 武田 涼子 藤澤 宏幸
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P2406-C3P2406, 2009

【目的】<BR>垂直跳び(Vertical Jump:以下、VJ)は瞬発力の測定としてスポーツ現場では簡便に実施できる測定であり、跳躍高はプロサッカー選手の脚伸展筋力と相関が高いことがWisl&oslash;ffら(2006)の報告でもなされている.しかし、これは足関節の機能的・構造的安定性が補償されてはじめて行える動作であり、同部位に障害を負うと十分なパフォーマンスを発揮することが出来ないと予想される.そこで本研究はプロサッカー選手の足関節周囲筋の力時間曲線から得られた時間的指標とVJの跳躍高との関係性を足関節障害の有無によって比較検討することである.これは、足関節に障害を負ったスポーツ選手の競技復帰に向けた理学療法介入の具体的戦略として活用できると考えられる.<BR>【方法】<BR>対象は某プロサッカーチームに所属する選手で、重症度に関わらず足関節に障害を抱えている選手(以下、障害群)4名(22.5±3.3歳)、及び特に障害を抱えていない選手(以下、非障害群)13名(23.23±2.83歳)の計17名について調査を行った.測定の前に十分な説明を行った上で実験参加の同意を得た.測定肢は非障害群の場合、右下肢とした.測定項目は足関節背屈筋の反応時間(RT)・最大トルク到達時間(Max_tq_time)・最大変化率到達時間(MaxVtime)とした.また、VJは上肢を胸部前方で組み、反動を使わず股・膝関節屈曲90°を開始肢位として測定を行った.統計学的検定として、平均値の差の検定には2標本の差の検定を行った.また、VJの跳躍高と足関節筋力指標との関係を調べるためピアソンの積率相関係数(r)を求めた.有意水準は5%未満とした. <BR>【結果】<BR>VJの跳躍高は非障害群:47.1±3.5cm,障害群:46.5±2.9cmであり、有意差は認められなかった.足関節周囲筋の時間的指標は、RT(非障害群:0.14±0.03秒, 障害群:0.14±0.02秒)、Max_tq_time(非障害群:0.70±0.20秒, 障害群:0.49±0.08秒)、MaxVtime(非障害群:0.28±0.05秒, 障害群:0.25±0.03秒)であり、Max_tq_timeにのみ有意差を認めた(p<0.05).また、VJの跳躍高と足関節周囲筋の時間的指標との相関係数は0.5~0.8であり、有意ではないが関係性が示唆された.<BR>【考察】<BR>サッカー選手にとってジャンプ動作は相手選手との競り合いの中でもしばしば見受けられる動作であり、より高い跳躍高が求められる.今回の結果より、足関節周囲筋の最大張力だけではなく、それを短時間で発揮できる能力が足部の安定性を補償し、効率の良い脚伸展筋力の伝達に利用できると思われる.よって、早期より足関節周囲筋の筋力向上に加え、反応性を意識したような理学療法のアプローチを考慮し、下肢全体の協調性を高めていくような戦略をとる必要があると考えられる.