著者
小林 良夫 能美 隆 下池 洋一 上野 浩志 前川 麻弥 鈴木 克裕 川本 範之 山地 松夫 佐藤 隆
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.205-215, 2003 (Released:2007-10-16)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

The purpose of this study is to estimate the amounts of kerosene poured at the scene of arson. Several analytical methods have been carried out to detect kerosene in fire debris. There is no study to compare the methods quantitatively. First we discussed comparison about several analytical methods, and got the conclusion that the most sensitive method was found to be the analysis using gas chromatography/mass spectrometry (GC/MS) after extracting by ether. The detection limit of this methed was 0.05 µg/g.The kerosene concentration of tatami had an effect on the condition of combustion. We estimated the diffusion speed of kerosene sprinkled on tatami. We conducted experiments to check the condition of tatami burning, due to the amount of kerosene. Furthermore, we showed the evidence to get fire debris from the inside not the surface to get information about the kerosene amount.
著者
佐藤 喜久一郎
巻号頁・発行日
2005

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成17年3月25日授与 (甲第3578号)
著者
小枝 壮太 佐藤 恒亮 富 研一 田中 義行 滝澤 理仁 細川 宗孝 土井 元章 中崎 鉄也 北島 宣
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.244-251, 2014
被引用文献数
19

カリブ海在来のトウガラシ'No.80'は果実の持つ非辛味性および強い芳香性の観点から,果菜類としての非辛味芳香性トウガラシ品種の育種において有望な素材である.本研究では'No.80'の非辛味性,揮発性香り成分および品種の来歴を,同様に非辛味性であるが芳香性の弱いブラジル在来の'No.2'との比較のもと解析した.両品種において <i>acyltransferase</i>(<i>Pun1</i>)の発現およびタンパク質の推定アミノ酸配列は辛味品種'Habanero'と比較して異常が認められなかった.一方,'No.80'および'No.2'の <i>putative aminotransferase</i>(<i>p-AMT</i>)コード領域には,それぞれフレームシフト変異を引き起こす 7 塩基および 8 塩基の挿入が認められた.'Habanero'と'No.80'あるいは'No.2'との交雑後代 F<sub>1</sub> および F<sub>2</sub> における非辛味性と塩基配列の挿入が連鎖したことから,両品種の非辛味性は独立して生じた <i>p-AMT</i> の変異に起因すると考えられた.さらに,両品種の分子系統解析を行ったところ,ブラジル在来の'No.2'と遺伝的に非常に近縁な関係にある'No.80'は,南米大陸に起源を持ち,カリブ海に持ち込まれたことが示唆された.芳香性の強い'No.80',芳香性の弱い'No.2'およびその交雑後代 F<sub>1</sub> の果実における揮発性香り成分を同定・定量した.'No.80'は芳香性に寄与する成分を'No.2'と比較して多量に発散していた.さらに,交雑後代 F<sub>1</sub> は揮発性香り成分の多くを中間あるいは両親以上に発散していた.以上の結果を踏まえて,本研究では多様な非辛味芳香性トウガラシ品種の育種に向けた今後の可能性について考察した.
著者
狩野 実希 浅野 充寿 松村 穣 村松 賢一 佐藤 明 大和 恒博 武居 一康 新田 順一 淺川 喜裕 牛木 真理子 高橋 雅弥 木村 知恵里
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.329-335, 2013 (Released:2014-09-13)
参考文献数
18

症例は, 67歳, 男性. 数カ月前より繰り返す失神発作を認めていた. 2010年9月, 意識消失を主訴に救急要請し, ショック状態で当院に搬送された. 心臓超音波検査で全周性の心嚢液貯留と右心系の虚脱所見を認めたため, 心タンポナーデと診断し入院した. 数日後には自然吸収されたが, その後も心嚢液の再貯留と消失を繰り返した. 心嚢穿刺により心嚢液の性状は血性であったが, 出血源の同定は困難であった. 出血源同定ならびに心タンポナーデ解除目的に試験開胸を行った. 右室前面の心筋表面より断続的に静脈性の出血がみられ, 縫合止血した. 術後, 心嚢液の再貯留なく経過した. 急激な心嚢内出血により心タンポナーデを呈することは決して稀ではないが, 本症例のように心嚢への出血と吸収が数日単位で起こり, 繰り返し心タンポナーデを引き起こす病態は今まで報告がなく, 病態機序がはっきりしなかった. 非常に稀な経過をたどった特発性心嚢内出血の症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
佐藤 啓介
出版者
日本基督教学会
雑誌
日本の神学 (ISSN:02854848)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.46, pp.31-52, 2007-09-20 (Released:2009-10-23)
参考文献数
59
著者
王 彩華 棚橋 英樹 佐藤 雄隆 平湯 秀和 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.421, pp.155-160, 2001-11-08
参考文献数
13

本研究では, K2Tで得られた高解像度パノラマレンジデータと全方向ステレオシステム(SOS)で得られた高解像度全方向画像の位置合わせとセンサの相対的な姿勢の推定について考える.本手法はまずそれぞれのパノラマ画像の縦方向のエッジヒストグラムをマッチングし, 2つのセンサーの方位角を合わせる.次に, 各方位角において, それを中心とした90°の視野角を用いて透視射影のエッジ画像を生成し, 横方向のエッジヒストグラムを生成する.これらの横方向のエッジヒストグラムをマッチングすることによってセンサの縦方向の位置と軸の傾きを推定する.実験では, シーンの状況が多少違う画像を用いて, 提案手法の有効性とロバスト性について検証した.
著者
平山 匡彦 鈴木 慎太郎 井上 広平 作元 誠司 井手 陽一 北原 敏弘 中野 正治 宮崎 長一郎 嵩下 賢 出口 法隆 佐藤 宏樹 三木 晶子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.87-94, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
3

Objectives: First steps to promote the proper use of medicines in remote islands and rural areas are as follows: (1) recognition of the profession of “pharmacist” from secondary-remote-island residents who do not have a pharmacy or drugstore or the opportunity for pharmacist contact and (2) an understanding by remote-island residents of the advantages of having a “family pharmacist.”Methods: Repeated “medicine information and consultation sessions” for secondary-remote-island residents of Japan’s Nagasaki Prefecture were held.  Residents were then surveyed for changes in awareness of or demand for pharmacists and the nature of such changes.Results: Before the information sessions, 29.7% of residents did not recognize the profession of pharmacy, but the extent of their recognition increased after information sessions were concluded.  They were asked “Who explains medicines in a way that is easy to understand ?”; more than half responded “doctors” before the information session, but after information sessions were concluded, those who said “pharmacists” increased.Conclusion: Conducting “medicine information and consultation sessions” for residents of secondary-remote islands and rural areas enabled them to understand the profession of pharmacy.  The initiatives in the present study are first steps toward promoting proper use of medicines by residents of remote islands and rural areas who use “family pharmacies/pharmacists.”
著者
佐藤 廉也 鳴海 邦匡 小林 茂
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100208, 2014 (Released:2014-03-31)

はじめに 演者らは、1945年8月までアジア太平洋地域で日本が作製した地図(広義の外邦図)の調査を継続する過程で(小林編2009など)、アメリカ国立公文書館Ⅱ(NARAⅡ)の収蔵資料の調査を重ね、同館でU-2機撮影の中国大陸偵察空中写真を公開していることを知った。地形図や空中写真の利用が厳しく制限されている中華人民共和国の地理学研究に際しては、すでにCORONA偵察衛星の写真が広く利用されてきた(渡邊・高田・相馬2006、熊原・中田2000など)。これに対しU-2機による空中写真は、高度約2万メートルで撮影されたもので、地上での解像度は2.5フィート(75センチ)といわれ、実体視も可能である。ただし、その撮影はアメリカの軍事的関心に左右され、また衛星写真と違い広範囲をカバーしないことなど、利用に際しては注意が必要である。まだ未調査の点も多いが、本発表ではここ一年間にわかってきたことを報告し、関係者の関心を喚起したい。U-2機による偵察撮影の背景 よく知られているように、U-2機はアメリカ合衆国の秘密の偵察機として開発され、当初はソ連の核兵器やミサイル開発の偵察に利用された。高空を飛行するため、その攻撃は容易でなかったが、1960年5月にソ連軍により撃墜されパイロットが捕虜になって以後、その存在が広く知られるとともに、ソ連上空の偵察飛行は停止された。当時CORONA衛星の開発が進行していたことも、この停止に関与すると考えられる(Day et al.1998)。これ以前より中華民国空軍のパイロットに訓練を施すなど、U-2による偵察の準備が開始されていたが、1962年初頭からその中国大陸上空飛行が本格的に開始された。 中華民国空軍では、すでに通常の飛行機による中国大陸の空中偵察をアメリカとの秘密の協力関係のもとで実施しており(通称「黒コウモリ中隊」による)、U-2機の偵察についてもアメリカの関与を秘匿するため特別の中隊(通称「黒猫中隊」)を創設し、アメリカ国家安全保障会議の専門グループと大統領および中華民国政府の承認のもとで偵察飛行を行った。撮影済みのフィルムはアメリカに運ばれてからポジフィルムが複製され、中華民国に戻されていたが、一時期には横田基地のアジア写真判読センター(ASPIC)で処理されたこともある(Pedlow and Welzenbach 1992: 226,229)。なお最近の台湾では「黒猫中隊」に関する公文書が公開されるようになっている(荒武達朗徳島大准教授による)。U-2機の撮影対象、写真の特色と今後の課題 以上のようなU-2機の偵察飛行については、CIAが刊行したCentral Intelligence Agency and Overhead Reconnaissance: The U-2 and OXCART Programs, 1954-1974 (Pedlow and Welzenbach 1992)が詳しい。2013年6月に新たに公開されたこのテキストにも伏せ字が残るが、核兵器開発や潜水艦の建造、飛行場やミサイル基地の偵察が主目的であった。また中印国境紛争(1962~3年)に際しても偵察を行い、インドのネルー首相に写真を提供している。ただし中華人民共和国の防空能力は徐々に向上し、1968年以降陸上の偵察は行われなくなり、電子偵察に移行する。 U-2機搭載のカメラは首振り型で、垂直写真のほかその両側の斜め写真も撮影し、いずれも各コマは進行方向に向かって長細いかたちとなる(47×22.5cm)。またフィルム・ロールは右と左に分かれている。1フライトで撮影されるコマは8000にのぼり、ロールが50本以上に達することもあり、特定の地域のコマを探し出すのに長時間が必要である。この背景としては、経度1度、緯度1度の表示範囲に分割されているNARAⅡ備え付けの標定図(マイクロフィルム)からフライトやコマの番号を知ることができても、目指す番号のコマを参照するにはフィルム・ロールの缶に記入された番号だけが頼りなので、場合によってはカンザス州の倉庫に保存されている当該フライトのロールを全部取り寄せる必要があるという事情がある。取り寄せに数日かかるだけでなく、1回の閲覧で参照できるのは10ロールにすぎない。また偵察飛行なので、雲のため地上が写っていないこともしばしばである。今後はU-2機による写真の全容を把握するためには全104のフライトの飛行ルートの図示も目指したいが、標定図のないフライトのある可能性もみとめられ、利用の条件整備には関係者の協力が必要である。なお、本発表の準備に際しては、岩田修二首都大学東京名誉教授のご教示を得た。
著者
三石 誠司 吉田 俊幸 佐藤 奨平 鷹取 泰子 市村 雅俊
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、大災害に耐えうるローカル・フードシステムの成立条件を明らかにすることである。そのため、1)米を中心とする基礎的な食料の流通・供給システムの解明、2)東日本大震災の被災地である福島県・宮城県を中心とした被災地における関係者の連携の在り方、さらに、3)諸外国におけるローカル・フードシステムの特徴などを個別事例をもとに調査した。その上で、最終的には、米国農務省が公表したローカル・フードシステムの理論的背景・実践事例の報告書を翻訳し、国際的な視点で知見を共有可能としたものである。
著者
佐藤 源貞 川上 春夫 早川 和夫 泉山 昭
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.28, no.12, pp.1007-1016, 1974-12-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
8

同軸系伝送機器に使用されるインピーダンス変成回路には種々のものが使用されている.現在, 変成回路として最も広く使用されているのが4分の1波長インピーダンス変成回路である.本稿は種々の装置に用いられる2段4分の1波長インピーダンス変成回路の特性, 特に広帯域特性を呈するものとして, その定在波比の周波数特性がWagner型およびChebyshev型の設計法について述べた.
著者
佐藤 文子 山口 浩 現代行動科学会誌編集委員会
出版者
現代行動科学会
雑誌
現代行動科学会誌 (ISSN:13418599)
巻号頁・発行日
no.24, pp.12-26, 2008

PIL(Purpose-In-Life Test)はロゴセラピーの理論に基づき実存的欲求不満を測定する心理検査である。日本版PILではPart Aの質問紙法に加えてB(文章完成法)、C(自由記述)も数量化し標準化した。原案者のクランバウら1,3)はPIL得点は年齢要因とかかわりないと述べ、すべての年齢に共通する判定基準を示している。しかし日本版ではPIL得点に年齢要因が関与することが示唆され、'93のマニュアル12)、'98の改訂版13)いずれも年齢段階別の判定基準を設定してきた。しかしこれまでは高齢者のデータが少なく、年齢に若干偏りがあったこともあり、65歳以上はT値換算ができずにいた。'08の改訂15)では高齢者群データを補充し、年齢を今まで以上に厳密に統制して妥当性を再検討した。その結果、総得点では成人群と高齢者群の間に有意差は見られなかった。他方判定基準の設定に際しては主として総得点分布から35歳未満と36歳以上の2群に分けることになった。今回はA,BC共通に2群に分けたので、テストとしてはわかりやすくなったが、妥当性検討は総得点についての統計的分析に基づくもので、年齢要因の意味的側面についてはマニュアル、ハンドブックでは十分には論じられていない。 PILデータと年齢要因との関連について検討の必要な課題を整理してみると、 ①年齢を統制しての妥当性の検討に際して、10歳刻みでそれぞれの年齢段階の総得点の有意差を検討し、いくつかの年齢群に分けて妥当性を検討したが、年齢段階と得点差の関連については、'08のマニュアルおよびハンドブックでは充分に考察されなかった。 ②判定基準の設定に際しては総得点の分布の統計的な検討に加えて臨床的経験的解釈も加味して35歳以下と36歳以上の2つの年齢群に分けたが、この区分のロゴセラピー的意味については充分に論じられていない。 ③PILの解釈はA,BCの総得点の差のみでなく、BCの下位評価項目得点プロフィールや記述内容なども考慮してなされるが、これらの側面についての年齢要因の検討はマニュアル、ハンドブックではほとんどふれられていない。 本論文では総得点に加えてPIL得点を構成している諸側面に年齢要因がどのように影響しているかを検討し、それはロゴセラピー理論の観点からどのように解釈されるかを考察する。そのためにⅡでロゴセラピー理論において年齢要因が意味・目的経験にどのようにかかわると考えられているのかをフランクルならびにロゴセラピー関連の文献から検討する。次いでⅢでこれまでのPILデータを年齢要因あるいはライフサイクル論を考慮した群間で検討し直す。具体的には、(1)'08改訂のデータの年齢段階別の結果を再検討し問題点を整理する。(2)標準化データから年齢およびライフサイクル論を考慮していくつかの群を抽出し、①PILの標準的分析、②BC・人生態度局面の類型化の比較、③一般的人生態度と過去の受容・意味づけとの関連の群による特徴をPIL-B-2およびB-4項目の内容分析から検討する。