著者
佐藤 健次
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.545, 2017 (Released:2018-04-19)

CERNのLEPは電子・陽電子の衝突型加速器で、1989年に運転が開始されたが、運転当初から、偏向電磁石の磁場の奇妙な変動に悩まされていた。1995年になって、この磁場変動は、電車がジュネーブ駅を発着するときに発生することが判明した。ただし、ジュネーブ駅には、フランス国鉄の直流電車TGVと、スイス国鉄の交流電車CFFとが発着するが、磁場変動は前者の電車で発生していた。両者の違いは、コモンモードノイズは、直流電車で大きく、交流電車では小さいことで説明される。
著者
田中 博之 篠原 悦子 佐藤 光利 石井 敏浩
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-6, 2016 (Released:2016-06-13)
参考文献数
22

Objective: The aim of this study was to review cautionary statements regarding hypersensitivity to drugs with a moiety similar to sulfonamide on Japanese package inserts.Methods: From approved drugs listed as of March 2015, we selected those with a moiety similar to sulfonamide and examined their therapeutic categories, together with the presence or absence, location, and wording of cautionary statements regarding usage, and matters pertaining to a history of drug hypersensitivity that was not limited to sulfonamide, on the package inserts.Results: We extracted 73 drugs (65 components) that included a moiety similar to sulfonamide.  Their therapeutic categories were diverse, and 39 (53.4%) had cautionary statements about hypersensitivity caused by a moiety similar to sulfonamide.  Among these 39 drugs, the cautionary statements were located in different sections (Contraindication 31, Careful Administration 4, and Important Precautions 4).  The cautionary statements showed differences in wording according to the individual drugs or positions.  For 10 of the drugs, information pertaining to a history of drug hypersensitivity not limited to sulfonamide was provided.Conclusion: Medical staff should recognize that package inserts are not standardized with regard to cautionary statements about hypersensitivity caused by moieties similar to sulfonamide, and that it is necessary to predict or judge the likelihood of cross-hypersensitivity reaction to such moieties on the basis of their chemical structure.  In addition, it is necessary to carefully observe the clinical condition of individual patients who are receiving drugs that have a moiety similar to sulfonamide.
著者
佐藤 圭
出版者
秋田大学史学会
雑誌
秋大史学 (ISSN:0386894X)
巻号頁・発行日
no.61, pp.12-30, 2015-03
著者
佐藤 茉莉恵
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.100-107, 2016-09-30 (Released:2016-10-22)
参考文献数
32

目的:本研究は,高齢者において甲状軟骨部皮膚牽引が嚥下運動にどのような影響を及ぼすかを調べる目的で行った。 方法:嚥下リハビリテーション外来受診中である65歳以上の患者18名を対象とした。検査方法は嚥下造影検査とし,被験食品は40%W/Vバリウム液5 mlを中間のとろみに調整したものを使用した。検査は90°座位,頸部中間位で側面から撮影した。被験者に,検査者が指で前上方に甲状軟骨部の皮膚を最大量牽引した状態でバリウム液を摂取させ,牽引していない状態と舌骨位置,舌骨運動,食道入口部開大時間および開大量の比較を行った。 結果:舌骨運動において,牽引時に挙上前進時間の短縮,および停滞時間の延長がみられた。また,舌骨位置は牽引により安静位・嚥下反射終了位で前上方向へ,嚥下反射開始位・最大挙上位で上方向へ有意に変化した。嚥下反射開始から嚥下反射終了までの舌骨移動量は牽引時のほうが有意に小さかった。食道入口部開大時間と食道入口部開大量は,牽引時のほうが有意に大きかった。 結論:甲状軟骨部皮膚牽引により嚥下反射開始時の舌骨の位置が上方に変位し,最大挙上位までの移動距離が短くなった。運動距離の短縮は,同じ筋力でもより短い時間で最大挙上位に達することを可能にし,挙上時間の短縮にも寄与したと考えられる。嚥下障害患者において,甲状軟骨部皮膚牽引という外力を加えることで舌骨挙上を代償的に補償できる可能性があると考えられた。
著者
佐藤 泉
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.71-80, 2005-01-10 (Released:2017-08-01)

松本清張が一九五八年に発表した「黒地の絵」は、暴力をそれに先立つ第一の暴力への反応として描いている。この物語は、北九州の米軍キャンプの近くでおこった黒人兵士の女性に対する性暴力を、それに先行するアメリカ社会内部の人種差別という第一の暴力への反応として描き出す。つまり暴力は絶望の表現として描かれる。しかし、女性に向けられる暴力は反差別とは無関係である。動機と表現との間の関係は拡散している。次の暴力として、被害女性の夫による復讐が描かれるが、復讐を遂げたときすでに犯人の黒人兵士は戦死体となっており、復讐は無意味化され、夫も絶望する。暴力の連鎖を、絶望の連鎖としてとらえるこの作品は、反差別、反暴力を企図しているが、しかし差別的な表象体系にとらわれた表現によってその企図は挫折している。その挫折じたいが暴力の自己内向の一表現となっている点で興味深い。
著者
佐藤 廉也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.351-371, 2020-09-01 (Released:2023-02-19)
参考文献数
41
被引用文献数
4

森の資源に依存して暮らす人びとが生涯を通じて植物知識をいかに獲得していくのかを検討するために,エチオピアの焼畑民マジャンギルを対象に植物知識を測るテストを実施し,その結果を性・年齢に注目しつつ分析した.テストは植物名の知識,樹木利用知識,樹木の断片から樹木名を同定する能力,というレベルの異なる3種を設定した.その結果,植物名と利用知識では,10歳代には急激に,20歳代以上には緩やかに,年齢とともに得点が増加する傾向が認められる一方,生業の性分業に由来すると推測される知識量の性差がみられた.同定テストでは,30歳代までは年齢が高くなると得点も高くなる傾向があるのに対し,40歳代以上では逆に年齢と得点に負の相関が認められ,知識のレベルによって獲得・維持パターンが異なるという結果が得られた.以上の結果と生業活動に関する情報を合わせ,植物知識が生業活動と密接に関連しつつ獲得・維持されるという示唆が得られた.
著者
山下 三平 阿野 晃秀 丹羽 英之 森本 幸裕 佐藤 正吾 深町 加津枝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00156, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
43

本研究はグリーンインフラの一つである雨庭のデザインに役立つ知見を得るために,伝統的な枯山水庭園である京都の相国寺裏方丈庭園を対象とした雨水収支の実測評価を試みた.また新しい雨庭のデザインと維持管理に寄与する提案を行った.実測評価の主な知見は以下のとおりである:1) 本庭園は京都の100年確率日雨量推定値を上回る307.5mmの雨水を貯留だけで流出抑制できる.2) 本庭園は増水時に平均82.7%,最小でも57.8%,減水時は平均32.7mm/h,最小でも14.1mm/hで浸透できる.3) 本庭園には短期の集中的強雨と長期の分散的弱雨のいずれの降雨パターンにも対応する高い浸透機能が確認される.4) 砂礫地質で10-15cmの径を含む構成が,高い浸透機能の持続に寄与すると推察される.
著者
佐藤 和喜
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.62-74, 1987-05-10 (Released:2017-08-01)

万葉から古今への変容において重要なのは、繰り返し表現が論理的な表現に改められていくことであり、これによって律調も五七調から七五調に転換していくと見ることができる。歌経標式はこの和歌史の変容に自覚的であったようであり、万葉的な五七調の歌に基づいて比喩論を展開するとともに、音韻論において、繰り返しを主な方法とする五七調の歌を否定的に捉え、論理的な表現をしている七五調の歌を称揚している。これは歌経標式が歌を記載されたものとして分析・鑑賞しているからであると言うことができる。
著者
横田 賢祐 近藤 靖史 佐藤 誠 芹川 真緒 秋元 孝之 長井 達夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2016 (Released:2017-10-31)

「ヒートショック」とは急激な温度変化により血圧が急変し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす現象のことである。特に、冬期に暖房で暖められたリビングから気温の低い脱衣所や浴室へ移動し、肌を露出した際にリスクが高く、住宅内の温度差を小さくすることがリスク緩和として有効であると考えられる。本研究では、戸建て住宅モデルを数値流体解析により検討し、断熱改修等により断熱性能を向上した場合の冬期の入浴時におけるヒートショック緩和について検討を行う。
著者
佐藤 元英
出版者
中央大学政策文化総合研究所
雑誌
中央大学政策文化総合研究所年報 (ISSN:13442902)
巻号頁・発行日
no.17, pp.79-91, 2014-08-26

The main objective of this paper is to clarify the reason why the military convention between Japan and Thailand was made, and why the Japanese Government did not declare war against the American Government. From Kota Bharu, Japanese troops were to strike southward down the Malayan west coast to seize Singapore, gateway to the resources of the Netherlands East Indies, from the British Empire in Southeast Asia. the resources of the Netherlands East Indies. Japanese forces headed for Singapore needed to violate Thailand's neutrality at Singora (Songkhla), a strategic port north of Kota Bharu on the Gulf of Siam, in the Kra Isthmus area of southern Thailand. The entire southern operation was premised on the violation of international law with respect to two major powers (the United States and Britain) and a minor but diplomatically active third power,Thailand. Fully aware of these operational imperatives, and uncertain if Thailand would enter the war on Japan's side rather than Britain's, Emperor Hirohito and Foreign Minister Togo removed from the imperial proclamation of war rescript the clause on respect for international law.
著者
佐藤 未央子
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.136-151, 2016-05-15 (Released:2017-05-15)

映画監督の小野田吉之助が作中で撮る映画「人魚」の機能と、吉之助また女優グランドレンの動向の相関性に焦点を当てた。観客を没入させる一方で見る主体と対象との間に隔たりがある装置として水族館と映画館は類似する。「人魚」のプリンスと人魚がその隔絶を越えて結ばれたように、吉之助もグランドレンとの交情に惑溺、映画と現実を混同したうえブルー・フィルムを製作する。映像の視覚美に加え、フィルムへの触覚的な接し方も人魚の比喩を用いて表された。映画的な視覚性を持ちつつ肉体を持つ人魚が泳ぐ水族館は物語の象徴として機能した。「人魚」は本作のプロットを方向づけており、吉之助において映画と人魚への欲望は一体となっていた。本作は「見る」ことの誘惑から、触覚、嗅覚を刺激する〈肉塊〉の歓楽に達する動態を映画の存在論に沿って描いた作品であると論じた。
著者
則本 哲郎 柳原 延章 佐藤 教昭
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.90-94, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
9

近年スポーツ界では,微弱電流刺激治療がスポーツ選手のケアやコンディショニングの分野まで実施されている.本研究では,頸椎から仙椎に通電する微弱電流刺激が自律神経バランスにどのような影響を与えるか検討した.被験者は各群,健常成人27名で,通電群(40.8±17.7歳)及び非通電群(コントロール群)(37.7±18.9歳)であった.ウエアラブルバイオセンサ(小型携帯用心電計)を用いて,自律神経バランス測定を行った.2元配置分散分析の結果,自律神経バランス測定パラメータ7項目の内,6項目で治療前後の主効果に有意差が認められた.治療有無の主効果は2項目(相対的交感神経活動度と交感神経/副交感神経領域比)で有意な低下が認められた.治療有無×治療前後の交互作用は副交感神経機能パラメータの2項目(安静時平均心拍と内在活力)で有意差が認められた.以上の結果より,頸椎から仙椎における微弱電流刺激は自律神経バランス,特に副交感神経機能を高める可能性が示唆された.
著者
窪川 徹 佐藤 光将 平田 祥洸 宮内 音好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.95-100, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

〔目的〕加齢臭やアロマセラピーなど,においに関しては両側面がある.本研究の目的は体臭対策として理学療法士に香りがあった場合の賛否とその理由を調べることと,アンケート項目との関連を調べることである.〔対象と方法〕理学療法士役の学生に石鹸の香りのミストを付け,トランスファー介助動作を行わせた.患者役の男女学生にその印象と日頃のにおいに関してのアンケートを行い,関連を調べた.〔結果〕男性81.8%,女性51.6%がミストに肯定的で,理由は「清潔感がある」が多く,否定的な理由は「無臭がいい」が多かった.ミストの賛否とアンケート項目には関連はみられなかった.〔結語〕ミストには肯定的であっても,理学療法士に香りがあることには否定的な意見もあり様々であった.臨床現場に受け入れられる香りの探求が課題である.
著者
那須 義次 枝恵 太郎 富沢 章 佐藤 顕義 勝田 節子
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.77-85, 2016-07-05 (Released:2019-04-25)
参考文献数
31

日本で初めてコウモリのグアノを摂食するチョウ目ヒロズコガ科の3種,アトウスキヒロズコガMonopis crocicapitella,スカシトビイロヒロズコガ(新称)Crypsithyrodes concolorellaとウスグロイガNiditinea tugurialis,およびメイガ科の1種,カシノシマメイガPyralis farinalis,が記録された.アトウスキヒロズコガは越野(2001)によりMonopis sp.とされていたもので,今回学名が判明した.本種はキチン食性が強いと考えられた.スカシトビイロヒロズコガは日本新記録種であった.今回の調査においてケラチン食性が強いと考えられる種がコウモリのグアノから発生しなかったのは,グアノがコウモリの餌である昆虫の細破片からなり,主にキチン質であるためと考えられた.また,グアノから発生するヒロズコガ類の個体数が比較的多かったことから,グアノの分解者としてヒロズコガ類は重要であることが推測された.
著者
佐藤 千鶴子
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.80, pp.33-40, 2012-03-31 (Released:2014-01-25)
参考文献数
23