著者
河本 大地 豊田 大介 二階堂 泰樹 高 翔 佐藤 絢香 松村 歩美 谷口 空 西山 厚人
出版者
奈良教育大学次世代教員養成センター
雑誌
次世代教員養成センター研究紀要 (ISSN:21893039)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.157-166, 2016-03-31

本稿は、2015年に国が公開した新たなツールである地域経済分析システム(RESAS(リーサス))を、授業で活用するための提案である。RESASを活用することによりどのような授業を行うことができるのかを、中学校社会科(地理的分野)の場合について検討した。①調べ学習としての活用、②授業の入口としての活用、③問題解決学習としての活用の3つについて、計5つの授業案を提示している。検討の結果、RESASの活用はいわゆる「ビッグデータ」をもとにグラフや地図等を容易に作成できる点が大きなメリットとなることがわかった。使い方次第で、知識一辺倒の授業をひと手間で大きく変化させる、強く視覚に訴える授業を構成することができる。また、生徒自らが調べる対象に興味をもって向かうことができる。しかし、教材として用いるには、授業における様々な工夫が必要である。RESASにおける表示の改善も望まれる。
著者
石原 友明 建畠 晢 佐藤 知久 砂山 太一 石谷 治寛
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、芸術のデジタル・アーカイブに関して、さまざまな特定の機関や部局が全データを統御する集中管理型モデルではなく、各大学や機関・専攻等の個々のエージェントが資料を個々に管理しながら、そこで生成される芸術資源を横断的に活用しうるような「分散型芸術資源アーカイブ」の可能性を探究するものである。具体的には、理論的・技術的検討をもとに、ブロックチェーン技術を活用した分散型芸術資源アーカイブの実装と検証実験と、アーカイブの持続的成長に必要な人的・組織的なエコシステムに関する実践的検討を行うことによって、諸機関の独立性を維持しつつ成長する、来るべき芸術資源アーカイブの可能性を展望する。
著者
小髙 桂子 藤田 淳子 佐藤 雄紀
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.179-184, 2021 (Released:2021-05-31)
参考文献数
26

【緒言】筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)の患者の難治性疼痛に対し,フェンタニル貼付剤を導入し,患者の苦痛緩和に有効であった症例を経験したので報告する.【症例】75歳男性.2010年ごろより歩行困難,全身の疼痛を自覚し,2013年にALSと診断された.2019年に胃瘻造設・気管切開となり,全身痛にモルヒネ塩酸塩を1日6回使用していたが効果不十分であったため,フェンタニル貼付剤を導入することで安定した疼痛緩和が可能となった.【考察】ALSの疼痛緩和に対するモルヒネの有効性は確認されている.しかしながら投与経路・投与法の煩雑さや効果の切れ目による苦痛の自覚という問題点もあり,フェンタニル貼付剤はその欠点を改善できる可能性がある.

3 0 0 0 OA 鎔造化育論

著者
佐藤信淵 著
出版者
神習舎
巻号頁・発行日
vol.上, 1873
著者
吉村 浩一 佐藤 壮平
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.87-105, 2014-10

映画やアニメーションに滑らかな動きを知覚する理由を説明するのにいくつか異なる説がある。知覚心理学的観点から,われわれはこの問題に対し,仮現運動説に焦点を当てて検討する。2013年 8月 25日に著者らが計画して法政大学で研究会を開催したことが,本研究の出発点となった。研究会にはパネリストとして,知覚心理学者以外に,アニメーション教育に携わるアニメ映画制作者や画像工学者も招いた。われわれが主張した最重要な論点は,Braddick(1974)による,仮現運動を短いレンジと長いレンジに分けるべきだとする主張である。彼の考えを受けて,映像研究者のAnderson & Anderson(1993)は,映画における動きの知覚は,長いレンジではなく短いレンジの仮現運動によって生じると主張した。しかしながらこの二分法は,知覚心理学分野ではその後批判され,短いレンジの仮現運動の代わりに一次運動という新しい概念が提案されている。にもかかわらずわれわれは,一次運動と短いレンジの仮現運動がほぼ共通する処理であるとの証拠を指摘し,映画やアニメーションにおける動きの知覚は短いレンジの仮現運動によると結論づけた。最終節では,研究会において発言したパネリストや参加者による多くの示唆に富むコメントを引用した。
著者
小林 和央 風間 一洋 吉田 光男 大向 一輝 佐藤 翔 桂井 麻里衣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.5, pp.310-321, 2022-05-01

本論文では,オルトメトリクスで用いられる論文評価指標の時系列ベクトル表現から検知したバーストの有無や期間・回数などのバースト特性から,多様なユーザによって生み出された論文の評価について多面的に分析する.実際に,2年間のソーシャルメディアの論文言及データから論文言及人数,CiNii Articlesの検索ログから論文閲覧人数を求め,それらの時系列変化から言及バーストと閲覧バーストを検知した.次に,論文とそのバースト特性の関係を,言及バーストと閲覧バーストの対応,閲覧人数の順位,論文の書誌情報,検索語,時系列変化を用いて分析した.その結果,閲覧人数では特定の専門分野の研究者や学生向けよりも,ソーシャルメディア上の情報拡散の影響を強く受けた一般的なユーザ向けの論文がより上位にくることと,ソーシャルメディアの情報拡散と学術イベントが引き起こすバースト特性は異なることがわかった.最後に,バースト特性を用いて,ユーザ属性に応じた学術情報検索を実現する可能性について検討する.
著者
佐藤 文香 千田 有紀
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は錯綜するフェミニズムの現状を整理し、「第二波フェミニズム」の思想的意義と達成、そして限界を考察しようとするものである。「第二波フェミニズム」を、改めて日本の歴史的文脈のなかに位置付けて理解し、その成果と課題を理論的・実証的に明らかにしたうえで、フェミニズムの新たな歴史叙述を模索していく。世代間の差異を強調した単線的な進歩史観を問い直し、日本のフェミニズムの評価を再検討することを目指す。
著者
佐藤 隆一 藤本 司 向山 正孝 大滝 博和 佐藤 知樹
出版者
The Japan Academy of Neurosonology
雑誌
Neurosonology:神経超音波医学 (ISSN:0917074X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.175-178, 2000-11-30 (Released:2010-10-14)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

Cerebral blood flow changes during and after indirect moxibustion stimulation at the acupuncture point HO-KU (L-14), which is located between the thumb and index finger, were measured by transcranial Doppler ultrasound (TCD) . The mean blood flow velocities (Vm) of the right middle cerebral artery (MCA) in 10 normal subjects were measured continuously during and until 15 minutes after the stimulation. The Vm showed 2 peaks, at 1 minute after and 7 minutes after the stimulation. The extent of change in flow velocity was 23% at the first elevation and 20 - 26% at the second elevation. The second elevation of the flow velocity continued until 15 minutes after the stimulation. The heart rate increased at the first elevation and then returned to its previous level, but did not change at the second elevation. To evaluate vascular reactivity, a hyperventilation test was done before and after the examination ; it showed normal vascular reactivity at both points. The second elevation seemed to be induced by the effect of moxibustion. Vascular reactivity remained normal and no significant vascular diameter changes seemed to occur. From our results, a significant increase of cerebral blood flow is induced by indirect moxibustion stimulation.
著者
小林 和央 風間 一洋 吉田 光男 大向 一輝 佐藤 翔
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.2020_007, (Released:2020-04-17)
参考文献数
31

学術論文等の評価指標として,従来は論文の被引用数が用いられてきたが,近年ではオルトメトリクス(Altmetrics)などのソーシャルメディア上の反応を用いる方法も提案されている.本論文では,オルトメトリクスに用いられるような,インターネット上の論文に関するユーザの行動から求める論文検索サービス上の閲覧人数やソーシャルメディア上の言及人数などの論文の重要性を表す基本指標とは別に,論文がどの程度普遍的なものとして扱われているかを示す普遍度を用いて,論文の特性を分析する手法を提案する.実際に,2 年間のCiNii Articles の検索ログとソーシャルメディア上の論文の言及データを用いて,同一の論文集合に対する論文の閲覧と言及の違いや特性を分析すると同時に,提案指標の妥当性を検証する.
著者
木村 容子 佐藤 弘 伊藤 隆
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.394-398, 2016 (Released:2017-03-24)
参考文献数
20

呼吸器症状の漢方治療では五臓の「肺」だけでなく他の臓腑にも着目する。ストレスが関与した慢性咳嗽に八味地黄丸が有効であった2症例を経験した。症例1は25歳女性。会社のストレスによる胸の苦しさを伴い,腹診で心下痞鞕も認めたため半夏厚朴湯を処方したが効果不十分。腰の重だるさがあり八味丸に転方して咳が軽快した。症例2は42歳女性。数年間の不妊治療が背景となってゆううつ感,のどのイガイガ・つまり感が出現し,半夏厚朴湯や麦門冬湯を使用したが効果不十分。腰痛があり八味丸に転方したところ咳が改善した。両症例で小腹不仁はみられなかった。ストレスによる気うつが慢性化して気虚,特に腎虚に進行して出現する咳は,半夏厚朴湯の効果が乏しく,補腎薬である八味地黄丸が有効であると考えられた。罹患期間が短く,高齢者でない場合は,腹証で小腹不仁が必ずしも認められない。腎による咳では腰部の張りや痛みに着目することも大切である。
著者
尾崎 朋文 森 俊豪 坂本 豊次 于 思 湯谷 達 竹中 浩司 佐藤 正人 米山 榮 前岡 弘子 北村 清一郎
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.103-110, 2000-03-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
29

先天性胸骨裂孔 (以下胸骨裂孔) の出現状況や胸骨の厚さを遺体で調査するとともに、生体での画像所見から、胸骨裂孔の有無および〓中穴での体表から胸骨後面までの距離を調べ、〓中穴への安全刺鍼深度を検討した。その結果、51遺体中の1例に胸骨裂孔が認められた。裂孔は第4肋間の高さにあり、形状はほぼ円形、直径は胸骨外面で9mmで、固い結合組織で埋められていた。21遺体での胸骨の厚さは9-15mmの範囲で平均は11.5±2mmであった。生体31例の〓中穴での体表一胸骨後面間距離は11-31mmの範囲で、平均は18.8±5mmであった。これらの結果から、仮に胸骨裂孔が存在しても、〓中穴への刺鍼では、極端な痩せ型を除いて10mmまでは、刺入鍼が心臓に達する可能性はなく、安全と考えられた。
著者
取替 恵 佐藤 生一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】現在,日本人における漬物の摂取頻度の減少がみられる。本研究では,産学連携事業の一環として名古屋市西区にある(株)ほった様より漬物の提供を受け,漬物を使ったパンレシピを開発し,漬物離れしている人々に再度関心を持ってもらうことを目的とした。</p><p>【方法】ピザやサンドイッチ等と漬物を組み合わせ,試作を行ったが,味や見た目を検討した結果,最も相性が良いとの結論に至ったカレーパンで官能評価を行った。試作の結果,生地に対して,しば漬けと福神漬けは12%,紅しょうがは8%加えることとした。またカレーフィリングにはたくあんを使用し,16%加えることとした。対象者は,本学学生栄養士専攻24名,製菓専攻9名,教職員11名とした。漬物の摂取頻度,居住形態,好きな漬物については,自記式質問紙を用いて調査した。カレーパンの味と見た目の官能評価については,良いと思った順に1位,2位,3位と順位をつけ,順位和を基に分析を行った。</p><p>【結果および考察】漬物の摂取頻度は学生に比べ,教職員が最も高く,居住形態は「その他」と答えた人が栄養士専攻と教職員にみられたことから,居住形態が若者の漬物離れに関係しているのではないかと推察される。好きな漬物については,たくあんが一番好まれたことから,スーパー等で入手しやすいからではないかと推察される。味の評価では製菓専攻のみ,しば漬けが有意に好まれ,見た目の評価ではどの対象からも,紅しょうがと福神漬けが好まれる傾向であった。味と見た目の評価の結果から,漬物とカレーパンは合うことがわかった。今後もパン,洋菓子,和菓子と相性の良い漬物や食材を発見し,レシピ開発につながり,漬物が身近なものと感じていただけたら幸いである。</p>