著者
大塚 忠義 藤澤 陽介 佐藤 政洋
出版者
公益財団法人 損害保険事業総合研究所
雑誌
損害保険研究 (ISSN:02876337)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.33-56, 2016-02-25 (Released:2019-05-17)
参考文献数
8

現在、アクチュアリー科目を設けている大学・大学院は増加している。しかしながら、我が国のアクチュアリー専門職団体と大学の関係は限られた大学への教員の派遣にとどまっており、欧米では資格試験に際し大学になんらかのクレジットを与えていることと比較すると著しく希薄である。 一方、アクチュアリー志望者のアクチュアリー教育を行う機関に対する評価には大きな差はないものの、大学が最も高い。今後大学で教育を受けたアクチュアリー志望者は増加していき、大学がアクチュアリー教育に関する主要な教育機関になっていくと予想される。 アクチュアリー志望者が得られる教育機会は限られており、アクチュアリー職への就職を希望する学生にとって、大学でのアクチュアリー関連講座は重要である。また、大学での質の高い講座は、学生のアクチュアリー学への興味の喚起につながり、アクチュアリー志望者の増加に寄与する。 今後、若年人口が減少していくなかで、会計士など他の専門職と競合しながら、アクチュアリーの増加ひいてはアクチュアリー学の発展のために、大学における教育機会の拡大は必要条件といえる。
著者
新井 園枝 佐藤 満
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.3-21, 2011-02-28 (Released:2015-04-04)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

平成17年地域間産業連関表は,公式には平成7年表以来,約10年ぶりの公表となった(平成12年表は試算地域間表として個人作成).地 域産業連関表は地域振興・活性化の定量分析を行う上で欠かせないツールであり,平成17年表についても全都道府県で作成されているが,ここでは経済産業局管区の9地域区分による地域間産業連関表の作成方法と分析事例(ケーススタディ)を紹介 し,より一層の理解と啓蒙の一役を担えれば幸いである.
著者
望月 祐志 中野 達也 佐藤 伸哉 坂倉 耕太 渡邊 啓正 奥脇 弘次 大島 聡史 片桐 孝洋
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.132-136, 2021 (Released:2022-03-17)
参考文献数
32
被引用文献数
2

We have been developing the ABINIT-MP program for fragment molecular orbital (FMO) calculations over 20 years. In 2021, the Open Version 2 series has started for large scale systems consisting of more than ten thousand fragments. This letter describes the current status of ABINIT-MP, including the speed-up as well as the situation of distributions over supercomputing facilities in Japan.
著者
手塚 和佳奈 佐藤 和紀 三井 一希 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45067, (Released:2021-10-21)
参考文献数
8

本研究は,GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備された学校で1人1台の端末を活用した実践を先行実施していた小学校教師の情報モラル指導に対する負担感・困難さを検討することを目的に,半構造化インタビューを実施した.その結果,【A 情報モラル指導のタイミングの難しさ】【B 情報モラルの指導形態に関する迷い】【C 端末の活用場面に即した指導だけでは補えない指導内容】【D 情報モラル指導に対する教員間の考え方や進度の調整】【E 情報モラルに関する個別指導】【F 児童間のオンラインでのやりとりの観察】の6種類が確認できた.
著者
新谷 勝広 秋山 友了 雨宮 秀仁 竹腰 優 佐藤 明子 太田 佳宏 三宅 正則
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.417-422, 2020 (Released:2020-12-31)
参考文献数
25

山梨県における早生の主要品種である ‘日川白鳳’ に替わる品種の育成を目的に交雑を実施し, ‘甲斐トウ果17’ を育成した.‘甲斐トウ果17’ の収穫始め期は ‘日川白鳳’ とほぼ同時期である.果実重は298 gとなり, ‘日川白鳳’ と同程度の大きさとなる.果汁は対照品種と同様に多であった.核割れの発生はかなり少なく, ‘日川白鳳’ より栽培しやすいと考えられる.果皮の着色の型は,一様に着色しやすいべた状である.成熟に伴う果肉硬度の推移は収穫始め日が2.4 kgであり,日数の経過とともに低下し,2016年は16日後に2.0 kg,2017年は18日後に1.9 kgとなった.収穫後オーキシン処理した果実の果肉硬度は処理9日後には0.4 kgとなり,エチレン生成量は処理1日後より急激に増加した.DNAマーカーにより肉質の確認を行ったところ,硬肉モモであることが明らかとなった.これまで知られている硬肉モモは,成熟が進んでも果肉が硬く,普通モモとはまったく異なる食感を有している.遺伝的に硬肉モモでありながら果肉が柔らかくなる品種についての報告は ‘甲斐トウ果17’ 以外にない.‘甲斐トウ果17’ は ‘日川白鳳’ およびその後に成熟する品種の代替え品種としての普及が期待される.
著者
吉本 好延 大山 幸綱 浜岡 克伺 明崎 禎輝 吉村 晋 野村 卓生 佐野 尚美 橋本 豊年 佐藤 厚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.245-251, 2009 (Released:2009-05-28)
参考文献数
14
被引用文献数
8 4

[目的]本研究の目的は,在宅における脳卒中患者の転倒の有無と,入院中の身体機能との関連性を調査し,入院中から在宅での転倒予測が可能かどうかを検討した。 [対象]入院中に歩行可能であった脳卒中患者79名であった。[方法]身体機能の評価として,Brunnstrom Recovery Stage,片脚立位時間,10 m歩行時間などを発症から3ヶ月以降(発症から身体機能評価までの平均期間111.1 ± 19.6日)に測定し,退院後1年間の転倒状況は,郵送法を用いたアンケート調査を行い,入院中の身体機能との関連性を検討した。[結果]転倒者は50名(63.3%)であった。転倒群は,非転倒群と比較して,Brunnstrom Recovery Stage,麻痺側片脚立位時間,非麻痺側片脚立位時間,麻痺側膝関節伸展筋力,非麻痺側膝関節伸展筋力,Barthel Indexの項目が有意に低値であった(p<0.05)。10 m歩行時間の項目は有意に高値であった(p<0.05)。ロジスティック解析の結果,麻痺側片脚立位時間は最も重要な転倒関連因子(オッズ比:0.902,95%信頼区間:0.829~0.981)であると考えられた。麻痺側片脚立位時間3.5秒をカットオフ値とした場合,感度86.0%,特異度69.0%であった。[結語]在宅における歩行可能な脳卒中患者の転倒予測として,入院中の麻痺側片脚立位時間の測定が有用である可能性が示唆された。
著者
佐藤 暢人 岩井 和浩 狭間 一明 京極 典憲 細井 勇人 溝田 知子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.346-351, 2013 (Released:2013-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
4 6

症例1は69歳の男性で交通外傷にて搬送され,腹腔内遊離ガスを認めたが,腹部症状を伴わず,経過観察を行った.入院後,発熱と炎症反応の亢進を認めた.症例2は40歳の女性で腹痛にて搬送され,腹腔内遊離ガスを認めた.症例3は90歳の男性で発熱と呼吸不全にて搬送され,精査目的の画像検査で腹腔内遊離ガスを認め,腹部に圧痛を伴った.症例4は86歳の男性で肺癌多発転移の疼痛管理目的に入院中,精査目的の画像検査で腹腔内遊離ガスを認め,腹部に圧痛を伴った.4症例とも,消化管穿孔を否定できず,手術を施行したが,術中所見で消化管穿孔を認めず,特発性気腹症と診断した.症例5は50歳の女性で肝血管腫の経過観察のCTで腹腔内遊離ガス像を認めた.腹部所見は軽度で炎症所見も認めず,特発性気腹症と診断して経過観察を行い,症状の増悪なく退院に至った.比較的まれな特発性気腹症の5例を経験したので検討を加えて報告する.
著者
佐藤 治雄 狩屋 桂子 前中 久行
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.109-112, 1996-03-29
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

時代及び年齢成長にともなう身近な景観や生活の変化が住民にどのように認識評価されているのかを把握する目的で,琵琶湖湖岸2集落(滋賀県中主町野田,能登川町乙女浜)でアンケート調査を実施した。生活体験の変化パターンは調査項目により様々であったが,牛の飼育など2,3の項目を除き,両調査地間に大差はなかった。また,五右衛門風呂に入った,自家用車があるなど多くの項目で高度成長期を境に急激な変化があった。過去の大規模事業として圃場整備,内湖の干拓,河川改修などをあげる人は若年齢層より高齢層の方が多かった。調査結果には生活体験,景観の変化が大規模事業の進捗など社会情勢の変化と密接に関連しつつ現れている。
著者
阿南 智顕 菊池 薫 一條 俊浩 岡田 啓司 佐藤 繁
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会・九州沖縄産業動物臨床研究会
雑誌
産業動物臨床医学雑誌 (ISSN:1884684X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.154-160, 2016-03-15 (Released:2016-10-02)
参考文献数
15

子牛に対するグリセロール投与の効果を明らかにする目的で,絶食した子牛と下痢症のために衰弱した子牛にグリセロールを1回経口投与し,エネルギー補給効果と衰弱症状の改善効果を検討した.その結果,投与群では投与量(50 ~ 200mℓ)および投与方法(カテーテル,哺乳ビン)にかかわらず,投与後に血糖(Glu)が上昇して遊離脂肪酸(FFA)が低下する傾向が認められた.Gluはカテーテルおよび哺乳ビン投与牛ともに,200mℓ投与牛で投与後2時間にピークを示して12時間まで持続し,Glu上昇とFFA低下の程度や持続時間は,投与量が増えるに伴って大きくかつ長い傾向がみられた.このことから,2 ~ 4カ月齢子牛に50 ~ 200mℓのグリセロールを投与すると,量依存性にGluが高値を示し,エネルギー補給効果のあることが明らかにされた.一方,野外の下痢症子牛を対象としてグリセロール200mℓ のカテーテルでの経口投与による衰弱症状と糞便性状の改善効果を検討した結果,活力の低下や消失,起立困難や歩様蹌踉などの衰弱症状は,投与翌日に11頭中10頭で活力が向上し,3頭で起立困難と歩様蹌踉の改善傾向がみられた.糞便性状は投与翌日に11頭中3頭で色調,8頭で性状,また,3頭で臭気に改善傾向がみられた.このことから,下痢症により衰弱症状を呈した子牛に対してグリセロール200mℓ をカテーテルで経口投与することは,下痢症からの回復を早める手段として有効であることが示唆された.
著者
佐藤 美樹 荒木田 美香子 金子 仁子 三輪 眞知子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.121-133, 2020-02-15 (Released:2020-02-22)
参考文献数
32

目的 本研究の目的は,幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度(Family Empowerment Scale for Parents with Toddlers,以下FES-P)を開発し,妥当性と信頼性を検討することである。方法 まず,先行文献の検討と専門家への面接調査に基づき,尺度原案を作成した。次いで,全国の1~3歳児を持つ親800人(男性400人,女性400人)を目標回答数とし,インターネットを活用した構成的質問調査を実施し,FES-Pの妥当性と信頼性を検証した。さらに,再テスト法による再現性と安定性を検討した。結果 回答の得られた825人(男性412人,女性413人)を分析対象とした。因子分析の結果,5因子26項目で各因子の解釈が可能な最適解を得た。5つの下位因子は「家族との関係性」,「育児の効力感」,「地域とのつながり」,「親役割達成感」,「サービスの認知と活用」からなることが確認された。モデルの適合度は,GFI = .878,AGFI = .852,CFI = .943,RMSEA = .044と良好な適合値が得られ,構成概念妥当性が確認された。Cronbach's α係数は尺度全体で.96,下位因子では.85~.92であり,十分な内的整合性をもつと判断された。また,FES-P総得点とFamily APGER Score(r = .562, P<.001),育児感情尺度の肯定感(r = .620 P<.001),特性的自己効力感尺度(r = .318 P<.001)との間には正の相関が認められた。再テスト法による級内相関係数は,尺度全体でr = .876,下位因子ではr = .794~.876であり,安定性と再現性が確保できた。結論 本研究では,26項目,5つの下位因子からなる一定の妥当性および信頼性を有するFES-Pが開発された。5つの下位因子は相互に関連する構成概念であり,「育児の効力感」と「親役割達成感」は個人的なエンパワメントに関する項目,「家族との関係性」と「地域とのつながり」は他者との関係性に関する項目,「サービスの認知と活用」は社会資源に関する項目で構成されていた。
著者
佐藤 和紀 三井 一希 手塚 和佳奈 若月 陸央 高橋 純 中川 哲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45019, (Released:2021-09-14)
参考文献数
24

GIGA スクール構想の標準仕様にしたがってICT 環境が整備され,1人1台の端末を活用している学級へのICT 活用に関する児童と教師への調査から,導入初期の児童によるICT 活用と教師の指導の特徴を検討した.その結果,児童は1人1台の情報端末を日々の活動の中で,さまざまなアプリケーションを組み合わせて活用しながらクラウド上でコミュニケーションを取っていたこと,教師は学校内の情報端末の活用については指導できるが,家庭学習については自治体のルールや情報モラルの観点から指導できていないことが特徴として挙げられた.

3 0 0 0 OA 地質学

著者
佐藤伝蔵 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1898
著者
中澤 高志 川口 太郎 佐藤 英人
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.181-197, 2012-09-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
6

本稿では,ある大学の卒業生に対するアンケート調査に基づき,東京圏に居住する団塊ジュニア世代の居住地移動について分析する.団塊ジュニア世代を含む少産少死世代は大都市圏出身者の比率が高い.そのため結婚までは親と同居する例が多く,特に給与住宅への入居機会が少ない女性においてその傾向が強い.結婚後,持家の取得に向かう居住経歴を辿ることは,多産少死世代と共通していた.夫婦のみの世帯や子どもが1人の世帯が結婚後の比較的早い段階で集合持家を取得する傾向にあるのに対し,子どもが2人以上の世帯では第2子が誕生した後に戸建持家を取得する傾向にある.大学卒業以降の対象者の居住地の分布変動は少ない.これは,居住経歴の出発点が東京圏内に散在している上に居住地移動の大半が短距離であり,外向的な移動と内向的な移動が相殺しあっているためである.都心周辺に値頃感のあるマンションが供給されている状況でも,郊外に居住する対象者は多い.郊外に勤務先を持つ対象者は,通勤利便性を重視して勤務地と同一セクターに居住地を選択する傾向にある.少産少死世代は親も同じ大都市圏に居住している場合が多いため,親との近居を実現できる可能性が高い.対象者でも結婚後に親と近居する傾向が明瞭にみられた.
著者
佐藤 郁哉
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.20-29, 2019

<p> 研究論文の質という問題について英国の研究評価事業を「反面教師」的な事例として検討していく.研究の質を論文の掲載誌の格付けと同一視するような風潮は,世界大学ランキングへの関心の高まりや研究業績に基づく各種補助金の傾斜配分政策などにともなって,日本でも近年傾向としてあらわれている.本稿ではこのような「論文掲載至上主義」的な傾向が,学術研究の劣化をもたらすだけでなく次代の研究者を育成するシステムの基盤をも掘り崩してしまう可能性について指摘する.</p>
著者
佐藤 重穂 濱田 哲暁 谷岡 仁
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.S1-S5, 2018 (Released:2018-02-13)
参考文献数
13

四国地域の野外で観察されたサンジャク Urocissa erythrorhyncha の記録をとりまとめた.アジア大陸原産のカラス科に属するサンジャクは飼育個体の逸出に由来すると考えられる個体が四国西部で2000年から記録されており,2017年までに33件の記録が収集された.観察された環境は二次林が多く,針葉樹人工林と農耕地でも確認された.2015年と2016年には幼鳥と巣立ちビナが観察された.本種は四国西部に定着し,低地の広い範囲に生息していると考えられた.
著者
阿尻 雅文 佐藤 修 町田 勝彦 斎藤 功夫 新井 邦夫
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.505-511, 1997-07-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
55 67 32

本研究では, PETのケミカルリサイクルの可能性を明らかにすることを目的とし, 超臨界水中におけるPETの分解反応の特性を検討した.PETは超臨界水条件下 (温度673K, 圧力40MPa) では5分間で完全に加水分解し, 反応時間12.5分では純度97%のテレフタル酸が収率91%で回収できた.反応温度は, PETの分解速度, テレフタル酸の回収率に大きな影響を与え, 573K (40MPa) とすると, 90%以上のテレフタル酸回収に90分を要した.超臨界水中での実験で, 圧力が反応に与える影響を検討したところ, 高圧条件に保つことで, 熱分解の進行による変性残渣や二酸化炭素の生成, すなわちテレフタル酸からの脱炭酸が抑制されることが明らかになった.
著者
松岡 紗代 三木 晶子 佐藤 宏樹 堀 里子 澤田 康文
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.592-598, 2012-09-10 (Released:2013-09-12)
参考文献数
9
被引用文献数
5 5

Non-steroidal anti-inflammatory drug (NSAID) patches tend to be prescribed in larger amounts than are actually used and surplus patches are often kept at patients' homes. Improper use of these patches without the advice of healthcare professionals might result in serious adverse effects. This study investigated patients' opinions and requests regarding the prescribed amount of NSAID patches, and their intended use of surplus patches. A web-based questionnaire survey was conducted on patients who had been prescribed NSAID patches within the previous year. There were 618 respondents. Patients who described the amount of patches prescribed as “just the amount needed" and “quite or somewhat excessive" amounted to 41%and 40%of the respondents, respectively. Forty-three-percent of respondents had at some time requested a larger prescribed amount or an additional prescription. Sixty-four-percent of them received the prescription they requested. Also, 61 % of respondents had unused NSAID patches at their homes, and many of them intended to use these patches as they felt necessary. Patients who believed that NSAID patches do not induce side effects amounted to 24%, while 54%of patients had at some time suffered symptoms possibly due to systemic or local side effects of NSAID patches. Considering the above results, healthcare professionals should provide suitable and sufficient information about NSAIDs patches to patients, and take steps to minimize the numbers of unused patches remaining at the patients' homes in order to avoid improper use of NSAID patches and to reduce medication costs.