著者
中岡 和代 立山 清美 倉澤 茂樹 丹葉 寛之 高畑 進一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.151-162, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
13

本研究の目的は,自閉スペクトラム症(以下,ASD)児の食に関する行動を測定する尺度である「食に関する行動質問紙」の妥当性と信頼性を検討することであった.3〜18歳のASD児を対象に保護者に回答を求める調査を実施し,分析対象者は384名であった.ASD児の平均年齢は9.8±4.2歳,性別は男児301名,女児82名,未回答1名であった.因子分析の結果,5因子42項目となり,因子は【偏食】,【不器用・マナー】,【食への関心・集中】,【口腔機能】,【過食】と命名された.Cronbachのα係数は全体で0.930,5因子において0.781〜0.923であり,「食に関する行動質問紙」の構成概念妥当性,内容的妥当性,信頼性(内的整合性)が確認された.
著者
倉田喜弘編
出版者
日本芸術文化振興会
巻号頁・発行日
1991
著者
藤村 幹 冨永 悌二 新妻 邦泰 麦倉 俊司 坂田 洋之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

もやもや病は小児や若年成人に多い原因不明の脳血管障害であり、基礎病態として病的異常血管網発達あるいは代償的な側副血行路を含めた血管新生能を内在する特有の疾患である。本研究は、もやもや病における内因性多能性幹細胞に着目し、血行再建術後の血管新生における多能性幹細胞の役割について検証する。さらに、もやもや病に対して日常診療で汎用されている抗血小板剤シロスタゾールを用いて内因性幹細胞由来の血管新生を誘導することにより血行再建術の効果を促進するという新しい試みである。細胞移植という手段によらず間接血行再建術からの血管新生を誘導する手法の開発により、もやもや病の治療成績の飛躍的な向上が期待できる。
著者
福井 花央 片山 修一 後藤 隆文 中原 康雄 大倉 隆宏 人見 浩介 青山 興司
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.1096-1100, 2018-08-20 (Released:2018-08-20)
参考文献数
13

卵巣広汎性浮腫massive ovarian edema(以下MOE)は正常の卵胞構造を有したまま,間質の浮腫により卵巣腫大を呈するまれな病態である.我々は女児に発症したMOEの2例を経験したので報告する.症例1は9歳,女児.主訴は食思不振,嘔吐,腹部腫瘤.下腹部正中から右側に,10 cm大の腫瘤を認めた.MRIで骨盤内腫瘤の被膜下にMOEに特徴的な所見であるネックレスサインと呼ばれる多数の小囊胞構造を認めた.術中所見では右卵巣が捻転しており,腫瘍や壊死の可能性を考え付属器切除術を施行した.症例2は4歳,女児.主訴は腹痛,嘔吐.MRIでネックレスサインを認めた.画像,臨床経験から術前にMOEと診断し,腹腔鏡下右卵巣捻転解除術および固定術を施行した.女児の急性腹症ではMOEの可能性を念頭におくべきである.
著者
平塚 健太 吉田 整 大家 佑貴 倉本 祐里 田宮 高道
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1079, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】脳卒中片麻痺患者の歩行パターンの一つにExtension Thrust Pattern(以下,ETP)がある。ETPの改善策として装具の調整が多くなされるが,それのみでは改善できないことも少なくない。そこで今回,装具療法と機能的電気刺激(以下,FES)を併用してETPに対して介入を行った。【方法】症例は50歳代。男性。脳梗塞(右延髄内側)。左片麻痺。介入時評価は,Stroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS):35点。SIAS-下肢Motor(以下,SIAS-m):1-1-0. Functional Ambulation Categories(以下,FAC):1と歩行に介助を要する状態であった。発症当日より段階的に理学療法介入を行った。発症4週後にはSIAS:48点,SIAS-m:4-3-1.7-item Berg Balance Scale(以下,7-item BBS):20点。10m歩行:15.8秒。Timed Up and Go Test(以下,TUG):21.8秒,T-caneと油圧制動継手付Ankle Foot Orthosis(以下,AFO)を使用下でFAC:3と運動機能の向上が認められた。しかし,下腿三頭筋のModified Ashworth Scale(以下,MAS):2と筋緊張の亢進が認められた。加えて,川村義肢社製Gait Judge System(以下,GJS)を測定した。底屈モーメントはLoading response(以下,LR)時の底屈モーメント平均値(以下,FP):5.9Nm.Pre swing(以下,Psw)時の底屈モーメント平均値(以下,SP):5.1Nmであった。なお,LR~Mid Stance(以下,Mst)に底屈モーメントが出現し,ETPを認めた。この時期より,ETPに対して装具療法とFESの併用療法を開始した。FESには帝人ファーマ社製歩行神経筋電気刺激装置ウォークエイド(以下,WA)を用いた。介入内容はKnee Ankle Foot Orthosis(KAFO)およびAFO装着下にて歩行練習や部分練習を行い,セラピストがWAをPsw~Mstにかけて足関節背屈筋群に対して電気刺激を与えた。介入時間は40~60分/日とし,4週間介入を行った。評価項目は,SIAS,SIAS-m,MAS,7-item BBS,10m歩行,TUG,FAC,GJSによる底屈モーメント平均値とした。【結果】介入後の結果は,SIAS:49点,SIAS-m:4-4-2,下腿三頭筋MAS:2,7-item BBS:22点,10m歩行:11.7秒,TUG:15.9秒,FAC:4,GJSによる底屈制動モーメント平均値:FP;10.3Nm,SP;7.1Nmと向上が認められた。下腿三頭筋のMASは数値に変化のない範囲で筋緊張軽減が認められた。さらにLR~Mstに出現していた底屈モーメントが減少し,ETPの軽減を認めた。【結論】ETPの原因として前脛骨筋の筋活動の関与(田中ら,2014)や足関節底屈筋の痙縮の有無(Perry,2010)が報告されている。それに伴う歩行中のロッカー機能の破綻がETPの出現に関与していることが考えられる。油圧制動継手付装具はロッカー機能の改善に寄与し,ETPの改善が期待されるが,本症例においては装具のみでは改善が困難であった。WAを併用することによって前脛骨筋の電気刺激による下腿三頭筋の相反抑制効果や立脚期までの電気刺激によりロッカー機能における下腿の前傾を促せることができ,ETPの改善に寄与したものと捉える。FESとの併用により装具療法で得られるロッカー機能の再構築が効率的に行える可能性がある。
著者
湯沢 友之 佐倉 統 湯沢 友之 佐倉 統 湯沢 友之 佐倉 統
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-17, 2022-09

科学コミュニケーターとしての訓練を受けてない研究者が科学コミュニケーションを行なう場合,しばしば困難に直面するが,それは聴衆の背景知識への配慮が足りないからであると考えられる.本論文ではこの点について,大学院での教育内容だけでは不十分であり,博物館などで実施されている科学コミュニケーター養成プログラムがそこを補っているという仮説を設定し,養成プログラム修了生を対象として非専門家にどのような配慮をするように認識が変化したのか,半構造化インタビューによって検証した.その結果,修了生は,非専門家への配慮が重要であるという意識を明確化しており,エンターテインメント的な要素を付加するなどの意識変容が生じていたことがわかった.さらに大学院での自然科学系の専門教育では,非専門家を聴衆とするコミュニケーション・スキルは重視されておらず,これが非専門家を対象とする科学コミュニケーションに負の影響を与えている可能性が示唆された.この点について補足的な追加調査を行った結果,研究重視型大学院における研究者養成教育が非専門家を対象としたコミュニケーションに抑制的に働いている可能性が示唆された.しかしこの点については,さらに調査が必要である.
著者
会田 真衣 福間 理子 長谷川 潤一 西村 陽子 本間 千夏 佐治 正太 古谷 菜摘 美馬 康幸 倉崎 昭子 近藤 春裕 仲村 将光 鈴木 直
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.561-564, 2021 (Released:2021-12-10)
参考文献数
4

【目的】新型コロナウイルスワクチンに関する妊婦の不安,情報に関する問題を明らかにすること. 【方法】2021年6月,妊婦健診受診中の妊婦に,コロナウイルス感染症に関するアンケート調査を行った. 【結果】総回答数は284で,74%の妊婦はPCR検査を受けたいと回答し,妊婦にワクチン接種ができることを知っていたのは70%であった.実際,ワクチンを受けたいと考える妊婦は40%,受けたくない妊婦の82%は副作用を懸念していた.53%の妊婦はそれなりに情報収集していると回答し,情報源としてはテレビやWebが多かった.医療機関の情報提供は半数以上の妊婦に普通であると評価された. 【結論】コロナ禍における妊婦は感染を不安に思い,自らの抗体保有の状態を把握したいと考え,免疫獲得を希望していた.一方,ワクチンに対する不安を抱える妊婦も少なくなく,適切なテレビ,医療機関などを介した情報提供が必要である.
著者
渡辺 大登 柗本 真佑 肥後 芳樹 楠本 真二 倉林 利行 切貫 弘之 丹野 治門
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.1564-1573, 2022-10-15

自動プログラム生成(APG)の実現を目指し,生成と検証に基づく自動プログラム修正(APR)を転用した手法が提案されている.APRはバグを含むソースコードをすべてのテストケースに通過するように全自動で改変する技術である.APRを転用したAPGでは,初期状態のソースコードを未実装,つまり複数のバグが含まれていると仮定し,ソースコードの改変,評価,選択を繰り返してソースコードを目的の状態に近づけていく.一般的なAPRでは改変ソースコードの評価指標として,テストケース通過数がよく用いられる.この指標は単一バグの修正を目的とした場合には問題にならないが,複数バグの修正時にはコード評価の表現能力不足という問題につながる.よって,初期状態に複数バグの存在を仮定するAPGにおいては,解決すべき重要な課題である.そこで,本研究ではAPGの成功率改善を目的とした多目的遺伝的アルゴリズムの適用を提案する.また,多目的遺伝的アルゴリズムによる高い個体評価の表現能力を利用した,相補的なテスト結果の2個体を選択的に交叉する手法も提案する.評価実験として,プログラミングコンテストの問題80問を題材に提案手法の効果を確かめた結果,成功率の有意な向上を確認した.
著者
名倉 泰三 八村 敏志 上野川 修一
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-14, 2004 (Released:2005-03-04)
参考文献数
35

アレルギー発症と腸内細菌叢に関する疫学的調査から, ヒト腸内に生息するBifidobacterium やLactobacillus などの乳酸菌がアレルギーの予防に寄与することが推測される. 乳酸菌はTh1免疫応答を亢進させることで, アレルギー発症に関わるTh2免疫応答を抑制することが報告されている. 難消化性オリゴ糖の摂取は, 腸内に住み着いている乳酸菌, 特にBifidobacterium を増殖させることがよく知られている. 我々は, オリゴ糖の一種であるラフィノースがTh1/Th2応答に与える影響について, 卵白アルブミン特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウスを使って調べた. トランスジェニックマウスへの卵白アルブミン経口投与によって誘導された腸管膜リンパ節細胞のIL-4産生や血中IgE上昇は, ラフィノース添加食によって有意に抑制された. ラフィノース食によって培養可能なマウス盲腸内細菌の菌数変化が認められなかったため, この免疫応答の変化に関係する腸内細菌の種類は不明であるが, ラフィノースの摂取は, 経口抗原によって誘導される不利益なTh2応答を抑制することが示唆された.
著者
市倉 隆 福留 厚 松峯 敬夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.610-615, 1984-05-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
20

われわれは最近,膵炎に起因すると思われる脾静脈血栓症を伴ったDouble pylorusの1手術例を経験したので報告した. 症例は41歳の男性で,長年の飲酒歴を有する. 28歳頃より左季肋部から背部の疼痛をくり返し,昭和57年5月9日,下血および心窩部痛を主訴に当院内科に入院した.胃X線検査,胃内視鏡検査,選択的腹腔動脈造影など諸検査の結果,脾静脈血栓症による左側門脈圧亢進症,糖尿病,難治性胃潰瘍, Double pylorusの診断にいたり,胃潰瘍に対する内科的治療が無効のため,昭和57年9月8日開腹手術を施行した.手術所見では術前診断に加えて慢性膵炎の所見を認めた.脾剔を行い,また胃切除に際し,冠状静脈を損傷したため胃全剔を施行した.切除胃の病理組織学的検索によると, Pseudopylorusの部位では粘膜筋板の消失,筋層の断裂,円形細胞浸潤,強い浮腫と線維化がみられ,幽門前部の潰瘍が十二指腸球部に穿通してDouble pylorusが形成されたと考えられた. 本症例では, 1) 膵炎, 2) 膵炎由来の脾静脈血栓症による左側門脈圧亢進症, 3) 膵炎由来と思われる糖尿病,の3者が胃潰瘍の発生,増悪,難治性に重要な影響をおよぼしたと推測され,この因果関係を中心に若干の考察を加えた.
著者
朝倉 伸司 佐々木 廉雄 足助 雄二 渡辺 弘規 加賀 誠 清水 ひろえ 川田 松江 播磨 晋太郎 長濱 裕 松田 道生
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.947-953, 2009-12-28 (Released:2010-01-27)
参考文献数
19

透析施行に際して動脈―静脈吻合を設置すると,その局所でのblood accessは高ずり応力の存在する動脈系から中あるいは低ずり応力が働くと考えられる吻合部遠位側(心臓側)へと移行するため,吻合部周辺での血栓形成の機序は必ずしも単純ではないと考えられる.さらにPTA(percutaneous transluminal angioplasty)による圧ストレスが血管内壁上で血液凝固線溶機構にどのように関連しているか,あるいは動脈硬化病変が血栓形成にどのように影響するか等については,十分に検討されてきていないのが現状である.今回,われわれはPTA施行前後の当該シャント部位での血液凝固線溶関連因子の変動を検討し,血栓形成の初期に形成される可溶性フィブリン(soluble fibrin, SF)が15例中4例が著明に上昇していることを見出した.また,SFとともにトロンビン―アンチトロンビン複合体(thrombin-antithrombin complex, TAT)も上昇していたが,SFとは相関を示さず,両者の上昇は異なる反応によるものと推定された.SFはフィブリンモノマー1分子に対しフィブリノゲン2分子が結合した3分子複合体であることが示されており,そのフィブリンモノマーの中央に位置するE領域に接合している1対のalpha C globuleがトロンビンにより切断,遊離されることにより,alpha鎖(96-97)に存在するRGDドメインがフィブリンモノマーのE領域表面に露呈されること,また,これが細胞膜に存在し,フィブリノゲン受容体(fibrinogen receptor)として働くα5β1インテグリンおよびビトロネクチン受容体(vitronectin receptor)であるαvβ3をも巻き込みながら細胞伸展を促進することをわれわれはすでに報告しており,SFが単に血液凝固亢進を示す分子マーカーであるだけでなく,血管壁への血小板の強力な接着に貢献することが明らかになった.SFが著明に上昇していた4例(SF著明上昇群)では動脈硬化の指標であるpulse wave velocity(PWV)がSF非上昇群に比し有意に上昇していた.またSF上昇群は非上昇群に対しシャントトラブルの年間発生率が高いことから,SFの上昇はPTA後の血行動態,ことに血栓形成機序の解明ならびにシャントトラブル発生とその予後の予想に有用な分子マーカーとなることが期待される.
著者
内山 奈穂子 宮澤 法政 河村 麻衣子 花尻(木倉) 瑠理 合田 幸広
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.130, no.2, pp.263-270, 2010-02-01 (Released:2010-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
14 16

Thirty-two psychotropic substances were listed as designated substances (Shitei-Yakubutsu, 31 compounds and 1 plant) in Japan by the Pharmaceutical Affairs Law in April 2007 for preventing the abuse of these substances. Subsequently, other psychoactive compounds were also added to this category, 40 substances (classified as 12 tryptamines, 17 phenethylamines, 3 piperazines, 6 alkyl nitrites, 1 diterpene and 1 plant) are controlled as designated substances as of July 2009. However, new designer drugs are still distributed in illegal drug market according to the results of our annual survey. This study presents the analysis of four newly distributed designer drugs detected from two products, which were purchased from October 2008 to February 2009 in Japan. As the results of NMR, GC-MS and LC-MS analyses, three phenethylamine derivertives, 1-(2-fluorophenyl)-N-methylpropan-2-amine (N-Me-2-FMP), 1-(2,5-dimethoxy-4-isopropylsulfanylphenyl)propan-2-amine (ALEPH-4) and 1-(2,5-dimethoxy-4-nitrophenyl)propan-2-amine (DON) and a tryptamine derivative, N-ethyl-5-methoxy-N-propyltryptamine (5-MeO-EPT), were detected. N-Me-2-FMP and 5-MeO-EPT were newly identified in this study. Additionally, ALEPH-4 and DON were found as novel illegal drugs distributed in Japan.
著者
鵜飼 幸太郎 雨皿 亮 坂倉 康夫
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.519-532, 1995-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
18

通年性鼻アレルギーの患者21例を対象に, 甜茶エキスキャンディー (甜茶エキス120mg/日) を4週間連続経口投与し, その有効性, 安全性および有用性について検討を行った。全般改善度は, 投与2週目, 4週目で「中等度改善」以上が35.0%, 最終全般改善度は,「中等度改善」以上が47.6%を示した。副作用は認められず, 有用度は「有用」以上が47.6%であった。症状別改善度では, くしゃみ発作, 鼻汁, 水性分泌量, 鼻誘発試験および鼻汁中好酸球数で, 統計学的に有意な改善が認められた。以上の結果より, 甜茶エキスキャンディーは通年性鼻アレルギーに対して有用であると考えられた。
著者
笠巻 純一 宮西 邦夫 笠原 賀子 松本 裕史 西田 順一 渋倉 崇行
出版者
日本健康行動科学会
雑誌
Health and Behavior Sciences (ISSN:13480898)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.45-56, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
42

This study aimed to clarify the correlation between snacking behavior and psychological stress in female university students and thereby contribute to health support measures. A questionnaire survey was conducted to examine household living arrangements, snacking behavior (consumption of confectionery and snacks), and psychological stress stemming from interpersonal relationships or the demands of study, etc. of students from four universities in Japan. The survey was conducted yearly for 3 years (following multiple sections of the population from the first to third year), and 81 female students were valid respondents. Interpersonal stress scores were positively and significantly correlated with several items of snack frequency scores by time of day and snack frequency scores by situation (i.e., snacking alone, with friends, before/after classes or other events, and instead of a meal). In their first year, the students with high interpersonal stress showed a high total frequency of snacking in the morning, in the afternoon, or at night or snacking alone, which was more common among students living alone. In their second year, the students with high interpersonal stress showed a higher frequency of snacking alone. In their third year, the students living alone and with high interpersonal stress showed a high total frequency of snacking in the morning, in the afternoon, or at night; before or after classes or other events; and instead of a meal. It was found that the higher the degree of personal stress among female university students, the higher the frequency of their ingestion of confectionery and snacks.
著者
大喜多 祥子 花﨑 憲子 和田 淑子 倉賀野 妙子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.9-17, 2015 (Released:2015-03-06)
参考文献数
28
被引用文献数
2

ビスケットの品質・嗜好性に及ぼすパラチノースの影響を検討するために,砂糖と置換するパラチノースの代替率を様々に変えたビスケットを調製し,生地の物性,焼成品の形状・官能評価,保存時の吸湿性を比較した。その結果,パラチノース溶液で調製した湿グルテンは砂糖に比べて圧縮時の応力値,エネルギー値ともに大きかった。ビスケット生地でも同様であった。したがって,生地調製時に形成されるグルテンの性状の相違が,生地物性に反映したと推察した。パラチノースは生地焼成時に垂直方向に大きく膨張させるため,焼成品は直径が小さく,厚さが大であった。パラチノースのみのビスケットは甘味が弱く,硬く,外観・甘味・風味が好まれず,総合的に好ましくないと評価された。パラチノースの代替率を60%にすると嗜好性が顕著に改善し,50%にすると砂糖のみの製品と変わらない嗜好性評価を得た。パラチノースのビスケットは,砂糖のビスケットに比べ水分活性が低いことから,保存性や物性変化の面で利用効果が期待できた。
著者
藤倉 稜 角 康之
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1849-1856, 2018-06-27

本稿では,発話が場所に埋め込まれることによる言霊共有システムの提案をする.日常生活の中で,人は独り言や他人との会話など発話を常に行っている.その中で記録される発話もあれば,何事もなくその場だけで終わる発話も存在する.そこで本研究では,人間が移動時に行う発話に着目し,それを HoloLens を使用して場所に埋め込んで記録することで,その場所に来た他人に感動や気づき,知識などを共有するシステムを提案する.これにより,今まで共有されることのなかった体験の共有と新たな知識の流通を目指す.
著者
熊倉 勇美
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.15-20, 2012-03-31 (Released:2013-04-02)
参考文献数
7

脳血管障害などに起因する摂食・嚥下障害の患者は, (1) 低栄養・脱水, (2) 誤嚥性肺炎, (3) 窒息など, によって生命を脅かされる。また, 止むを得ず経管栄養などを選択すると, 口から食べる楽しみが奪われ, (4) QOL が低下する。言語聴覚士 (ST) は, 摂食・嚥下機能の回復, QOL の向上などに関わるリハビリテーションチームの一員であるが, 最近では高次脳機能と「食べること・飲み込むこと」に関連した問題にも取り組んでいる。中でも高齢者や認知症患者, さらに高次脳機能障害患者の食の問題 (ペーシング障害や拒食などからもたらされる栄養失調, 誤嚥性肺炎など) がトピックスとして取り上げられている。本稿では, 高次脳機能障害の中から半側空間無視の 2 症例を挙げ, 治療経過を紹介した。最後に, ST の立場から高次脳機能障害と摂食・嚥下障害に関して, 今後の展望と, 取り組むべき課題について論じた。