著者
石綺 孝義 鈴江 清吾 入倉 勉
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.10, pp.2054-2056, 1985-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
3

Reaction of 2, 3, 4, 5-tetrafluoro-1-nitrobenzene [4] with N-(ethoxycarbonyl)piperazine in aqueous ethanol gave 4-(4-ethoxycarbonyl-1-piperazinyl)-2, 3, 5-trifluoro-1-nitrobenzene [5] in 89% yield, which could be quantitatively converted into its 2-cyclopropylamino derivative [6]. Malonate [7] prepared from [6] and diethyl ethoxymethylenemalonate in 73% yield, was cyclized in the reaction with acetic anhydride and conc. sulfuric acid, accompanying elimination of the nitro group, to give [8] in 41% yield. Saponification of [8] gave quinolonecarboxylic acid [3] which possesses potent antibacterial activity both in vivo and in vitro, in 92% yield.
著者
肴倉 宏史 成岡 朋弘
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.28, 2017

筆者らは、有害金属負荷を低減した焼却主灰の土木資材化について検討を行い、含有量の比較的高い落じん灰やボイラー灰等の主灰との混合回避や、エージングにより溶出抑制を図る等の提言を行ってきた<sup>2)</sup>。さらに本報告では、焼却残渣中の有害金属等の由来を探るため、厨芥類や紙・布類といった各可燃物が焼却残渣中の各元素に占める寄与率の推定を試みた。その結果、可燃物の灰化物の元素組成は調査対象施設で採取した全ての焼却残渣から求めた元素組成と良い相関が得られた。有害金属の由来として、Pbはビニール・樹脂類が68%、Cdは木・竹・わら類とゴム・皮革類がそれぞれ38%、29%を占める等の結果となった。
著者
倉島 一喜 鍵山 奈保 石黒 卓 春日 啓介 森本 康弘 小澤 亮太 高野 賢治 磯野 泰輔 西田 隆 河手 絵理子 細田 千晶 小林 洋一 高久 洋太郎 高柳 昇 柳沢 勉
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.483-489, 2020-07-20 (Released:2021-02-07)
参考文献数
19
被引用文献数
4

現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では50 歳以上で低酸素血症を認めた段階で他疾患に適応のある抗ウイルス薬の投与が推奨されている.しかし治療が必要となる重症化因子についての検討は少ない.今回COVID-19 により入院した患者で抗ウイルス薬による治療を必要とした群と経過観察のみで改善した群を後方視的に検討し,抗ウイルス薬が必要となる臨床所見について検討した.まず当院に入院した49 例のCOVID-19 感染患者について,A 群:無症候性病原体保有者,B 群:症状あり,ウイルス肺炎像なし,C 群:ウイルス肺炎像あり,呼吸不全なし,D 群:ウイルス肺炎像あり,呼吸不全あり,に分類した.C 群は無治療で軽快し,D 群では抗ウイルス薬治療が行われた.重症度と相関した背景因子と症状は年齢,合併症の有無,喫煙歴,発熱,下痢であったが,治療を必要としたD 群に特徴的な所見は喫煙歴のみであった.次に重症度と相関した臨床検査値はPaO2,リンパ球数,D-dimer,AST,CK,LDH,CRP,PCT,ferritin であったが,多変量解析で治療必要群と有意に相関した検査値はリンパ球数,CRP,ferritin となった.両群を区別するカットオフ値をROC 曲線より求めると,リンパ球数1,200/μL 以下,CRP 2.38mg/dL 以上,ferritin 394ng/mL 以上となった.画像所見では,抗ウイルス薬治療を要しなかったC 群と要したD 群とを最もよく区別する所見は浸潤影の有無だった.以上よりこれらの重症化因子は呼吸不全への進展を考慮すべき臨床指標になると思われた.また喫煙歴,リンパ球数1,200/μL 以下,CRP 2.5mg/dL 以上,ferritin 400ng/mL 以上,CT 上の浸潤影の5 つをリスク因子として選ぶと発症からPCR 陰性化までの日数と強い相関を示した(p<0.0001).
著者
板倉聖宣著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2011

1 0 0 0 白菜のなぞ

著者
板倉聖宣著
出版者
仮説社
巻号頁・発行日
1994
著者
高橋 啓悟 白井 祐介 鍋倉 賢治
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.371-381, 2020-10-01 (Released:2020-09-16)
参考文献数
49

This study aimed to elucidate the effects of exercise intensity on stretch-shortening cycle (SSC) function of the lower limbs after cycling. Ten male triathletes performed a cycling graded test to determine the ventilatory threshold (VT) and two hopping-cycling (30 min of cycling at 90 or 110% VT)-hopping tests. The two hopping-cycling-hopping tests performed in random order. Power output (PO), heart rate (HR) and rate of perceived exertion (RPE) were monitored throughout the 30-min cycling. Blood lactate concentrations (BLa) were measured in order to assess metabolic stress. The SSC function was calculated as the ratio of the jump height to the time spent in contact with the ground (reactive strength index [RSI]). PO, HR and RPE values during cycling at 110%VT was higher than at 90%VT (p < 0.01). BLa value after the cycling at 110%VT was higher than at 90%VT (90%VT: 2.4±1.0 vs. 110%VT: 5.9±2.8 mmol/L, p < 0.01). Regardless of the cycling exercise intensity, the RSI significantly decreased after the cycling exercise (p < 0.01). The RSI remained decreased at 15 min after the cycling exercise (p < 0.05). These results demonstrated that the SSC function decreased after cycling. Exercise intensity during cycling is likely to have no effect on the decrease in SSC function.
著者
飯倉 拓也 松田 哲 大竹 千尋 草間 淳 飯塚 奈々 小澤 万純 河方 知裕 堀内 康志 齋藤 大嵩 長谷川 陽子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.57-65, 2019-03-29 (Released:2019-03-28)
参考文献数
33
被引用文献数
1

概要:今回,上唇可動量の過剰によるガミースマイルに対し,口唇移動術を行い,1年の経過を追い,良好な結果が得られたので報告する。症例は過度な歯肉露出を主訴に来院した24歳の女性である。全身状態は良好,歯肉に炎症を認めなかった。笑った際に上顎前歯部で8 mmの歯肉露出を認め,口腔内検査所見およびX線写真検査所見より上唇可動量の過剰によるガミースマイルと診断した。治療方針:口唇移動術に先立ち,組織の切除を行わない可逆的試験処置を行った。1週間経過観察を行い,口唇移動術を実施することを決定した。治療経過:口唇移動術は上唇小帯を保存することにより,術後の左右非対称を防止できる改良型口唇移動術を行った。術後,口唇の運動制限を指導した。1週間後の抜糸時には,疼痛,腫脹,皮下出血を認めた。1ヶ月後には症状は消失し,笑った際の歯肉露出は上顎前歯部で8 mmから1 mmに改善し,口唇の非対称性などの合併症も認めなかった。1年間の経過観察を行い,後戻りも認められず,経過は良好で満足度は高かった。考察:過度のガミースマイルは審美的な問題となる。ガミースマイルに対する治療法は様々あり,口唇移動術は適応可能な症例や長期予後に関して議論の余地がある。可逆的試験処置を行うことにより予知性を高めることができ,的確な診断のもと行えば,補綴や外科矯正と比較して,治療期間,侵襲の点などで優れた治療法であると考察する。
著者
小倉 剛 野中 由美 川島 由次 坂下 光洋 仲地 学 織田 銑一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.7-14, 2001 (Released:2018-05-04)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

沖縄島に移入された雌のジャワマングースについて,雌の繁殖状態と体サイズの関係を検討し,性成熟に達する際の体サイズを確認した。また,妊娠個体と乳汁分泌個体の捕獲結果および生殖器系臓器の大きさの周年推移から,繁殖周期を推定した。その結果,頭胴長が240mm以下の雌の多くは性的に未成熟で,成長が早い個体では,頭胴長が255mmの頃に春機発動が始まり,性成熟には頭胴長が265mmの頃に達するものと推察された。体重を指標にした場合,体重が約230g以下の雌は性的に未成熟で,最も小型の個体では,体重が230g〜240gの頃に春機発動に入り,体重が265gになる頃には性成熟に到達すると考えられた。また,沖縄島の雌の多くは,2月から交尾期に入り,4月から9月までを主な出産期とし,授乳期は11月頃まで続くものと考えられた。妊娠雌の捕獲の推移は一峰性で,ほとんどの雌は年一産と考えられた。また,非繁殖期と考えられる12月から1月にも,少数個体によって繁殖活動が行われている可能性が示唆された。妊娠個体が捕獲された期間をもとに算出した妊娠率は32.3%であった。1腹産子数は2頭まれに3頭と推定された。胎盤痕の数より,同時に4頭あるいは5頭の着床が可能と考えられたが,胎盤痕の痕跡の程度と胎子数が3頭以下であったことより,4頭以上が着床しても全てが出産に至らない確率が高いことが示唆された。
著者
西原 彰宏 新倉 貴士
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.46-59, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
13

デジタル変革により流通機能の脱構築が進行している。これを受けた小売現場では,多様な流通ビジネスモデルが展開されている。こうしたビジネスモデルを背後に,消費者には様々な機能を兼ね備えたモバイルアプリが提供されている。消費者に提供される製品カテゴリーの総合性と提供される機能の統合性を軸にすると,多様なモバイルアプリの競争的な類型化が可能になる。マス・マーケットを対象とすると,製品カテゴリーの総合性と機能の統合性を高く保持するリーダー型のモバイルアプリの存在が見いだせる。逆に個のマーケットを対象とすると,それらの軸の逆方向に,市場特化型のモバイルアプリと機能特化型のモバイルアプリが見いだせる。本稿では,それぞれの流通ビジネスモデルを反映するモバイルアプリの競争類型を念頭におき,モバイルアプリに期待される買物のスマートさと買物の楽しさを中心にモバイルアプリの利用実態とその認識に関する調査結果を報告する。
著者
坂本 元子 杉浦 加奈子 香川 芳子 池上 幸江 江指 隆年 倉田 忠男 斎藤 衛郎 鈴木 久乃 八尋 政利 吉池 信男
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.311-317, 2001-10-10
被引用文献数
5 1

食品に含有する栄養成分についての表示が国際的な流れの中で, 急速に, また複雑な形で市場に出回ってきている。そのため, 厚生労働省では「栄養成分表示基準制度」を平成8年に発足し, 国民の普及啓発がすすめられている。食品表示制度の発足と市場にあふれる食品表示情報に対し, 消費者はどのような対応をし, どのように活用しているのか, さらに表示の内容, 方法, それに対する意識について調査をし, 消費者の現状について検討した。表示があることは約70%の人が認知しているが, 毎日の使用はまだ低率である。表示栄養素のニーズは, 主要栄養素を中心に女子ではエネルギー, 脂肪が多く, 男子ではミネラル類が多い。しかし, 日本人に不足している栄養素, カルシウムや鉄分, 過剰なもの, 脂肪やコレステロールについては表示へのニーズが高く見られた。表示の活用目的では男女, 年齢を問わず, 健康上の理由や食べ物に注意が必要なときが多く, 健康意識の高まりや健康維持のために使用を目指す人が多く, とくに高齢者層に多く見られている。栄養成分表示の利用について主要なポイントは,「自分の必要量がわからない」ために, どれくらいとっていいかが不明であるという指摘が見られた。今後の表示内容・方法の検討に重要な示唆となるであろう。
著者
石井 大輔 柳 哲雄 佐々倉 諭
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.217-236, 2014-11-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2 3

赤潮の発生規模や発生状況を評価できる指標として提案された赤潮指数をはじめとする赤潮基礎データセット(1979―2004年)をもとに,瀬戸内海における赤潮関連情報の経年的な変動傾向や赤潮優占群の海域特性について検討評価を行った。瀬戸内海(大阪湾以外)と大阪湾における赤潮指数の時間変動特性を解析した結果,瀬戸内海(大阪湾以外)における赤潮指数の長期変動は1990年付近を極小とした増減傾向を示す一方,大阪湾のそれは約30年間顕著な減少傾向を示すことが判明した。また,瀬戸内海(大阪湾以外)では主に全天日射量,大阪湾では陸域からの寄与が大きい栄養塩濃度が赤潮指数の長期変動を決める要因であることを示唆する結果を得た。さらに,赤潮構成種ごとに整理した分類群別(珪藻群・非珪藻群・複合群)の赤潮指数から算出した赤潮優占率をもとに,瀬戸内海(大阪湾以外)および大阪湾における赤潮の卓越群について調べた結果,瀬戸内海(大阪湾以外)では全般的に非珪藻群が優占する一方,大阪湾では非珪藻群から珪藻群へ長期的に優占群が遷移するパターンが確認された。
著者
小倉 康嗣
出版者
三田社会学会
雑誌
三田社会学 (ISSN:13491458)
巻号頁・発行日
no.18, pp.3-23, 2013

1. 第二の近代としての高齢社会と「エイジングの発見」2. 「隔離された経験」=「抑圧されたものの回帰」としての老・病・死と「生きる意味」3. <より深い次元での再帰性>を媒介する<人生後半の意味地平>4. <<経験>のデモクラシー>へ : コメンテーターからの問いかけに応答しつつ特集 : 老・病・死の社会学 : 「生きる意味」の在処
著者
坂倉 又吉
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.217-221, 1968

共同精米, 共同酒母, 受託びん詰, 共同製造, そして合併と多くの経験を重ねた筆者は,"きれいごとの協業" の非を訴え, 相互信頼の上にたつ合併こそ合理化への道であると述べている。また, 単なる機械化でなく, 真に必要なのは, 無駄のない, 危険のない合理的な作業であると。
著者
吉田 展也 竹内 操 菊池 利也 嶋倉 道郎
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.266-275, 1996-04-01
参考文献数
43
被引用文献数
11

チタンは軽くて生体親和性や耐腐食性に優れているため,従来の歯科用金属に代わるものとして補綴領域でも注目され,鋳造冠や金属床の分野においても実用化されつつある.このチタンの性質の1つとして,表面の酸化被膜を介して高分子材料と強固に接着するということもあげられる.この性質をうまく硬質レジン前装冠に応用すれば,従来の機械的維持装置をレジン前装部から除き,審美性を高めることも可能である.今回はそのための基礎的実験として,接着と密接に関係するといわれている濡れに着目し,種々の処理を行ったチタン表面に対する金属接着性プライマーおよび蒸留水の接触角を測定することにより,濡れを良くする表面処理方法を検討した.
著者
佐倉 由泰
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集 <文化コミュニケーション学科編> (ISSN:02880555)
巻号頁・発行日
no.30, pp.191-214, 1996-03-01

ArticleStudies_in_Humanities_C30: 191-214(1996)
著者
米地 文夫一 一ノ倉 俊一 神田 雅章
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.49-63, 2013-11

筆者等は「北上平野にとって、南部北上山地西縁は東方の異界との境界として生き続けてきたという時空間認識」を賢治が持っていた、という仮説を立て検証を行なった。賢治が北上平野に対する南部北上山地を、中国の平野に対するチベット高原(賢治のトランスヒマラヤ高原)に見立てたその背景には、この地域がかつて大和朝廷勢力軍事首長下の西の平野、奥六郡に、東のエミシの地、閉伊が対峙した時代があり、アテルイや安倍貞任などの伝説や、様々な郷土芸能、祭礼などにその歴史が変容し伝承されてきたことがある。たとえば、南部北上山地西縁部に位置する兜跋毘沙門天像を祀る寺社の配列は東方に対する結界であり、その西方は谷権現(丹内社)信仰などを持つ異界となる。しかし西側が設けたこの結界はむしろ、後々東側の西に対する結界となった。賢治もその結界は中立的な境界線というより、むしろ異界の始まりであると感じていた。