著者
小倉 正平
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
Journal of the Vacuum Society of Japan (ISSN:18822398)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.219-226, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
40

Thermal desorption spectroscopy (TDS) is an important technique for investigation of adsorption, absorption, and desorption behaviors of atoms and molecules on surfaces. We briefly summarize the general procedure of TDS in surface science studies, and then we introduce our recent study of hydrogen transport across a Pd-Au alloy surface measured by TDS as an example. By combining the TDS data with other surface analysis, we found that hydrogen penetrates and desorbs through a site related to surface Pd atoms. We also demonstrate a molecular cap effect of CO, where a small amount of CO adsorption greatly changes the hydrogen absorption and desorption behavior by blocking the entrance and exit site.
著者
中沢 一雄 原口 亮 芦原 貴司 難波 経豊 戸田 直 山口 豪 井尻 敬 高山 健志 五十嵐 健夫 倉智 嘉久 池田 隆徳
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_208-S4_215, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
27

実世界に起きる現象はきわめて複雑であり, 理論的にその振る舞いを解析したり, あるいは記述したりするのは容易なことではない. 特に, 心室細動に代表される致死性不整脈のような複雑な心電現象を, 単純なモデル化や数式化により理解することは困難である. コンピュータシミュレーションおよび可視化は, その複雑なメカニズムの整理や直感的な理解のためには有効な手段である. 心臓の電気的特性は, 多種のイオンチャネルが複雑に関連しながら機能して決定される心筋細胞の電気活動, さらにそれらの心筋細胞が3次元的に配列し有機的に協調・連携した臓器というように階層性を持ったシステムの特性として決定される. したがって, 不整脈現象をより正確に理解するには, 心臓をシステムとして捉える工学的視点が要求され, 心臓の電気現象の各階層(イオンチャネル/心筋細胞/心臓)を統合して考える必要がある. 国立循環器病研究センターを中心に進められているプロジェクトでは, スーパーコンピュータを用いた高速大規模計算技術, コンピュータグラフィックスによる表示, 医用画像処理など, さまざまな工学的技術が含まれている. 心臓モデルを用いたコンピュータシミュレーションを中心に, われわれの研究グループにおける一連の不整脈研究を示す.
著者
原田 靖彦 村田 誠 松本 あかね 加藤 大三 八木 哲也 矢口 貴志 吉川 剛典 武市 拓也 秋山 真志 山口 洋平 小山 大輔 寺倉 精太郎 西田 徹也 清井 仁
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1641-1646, 2019 (Released:2019-12-27)
参考文献数
15

骨髄移植後に再発した骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病患者(47歳,男性)に臍帯血移植を実施した。生着前に広域抗菌薬不応の発熱性好中球減少症および全身性の有痛性結節が出現した。皮膚生検と血液培養で糸状菌を認め真菌血症と診断,さらに培養コロニーの検鏡,質量分析,塩基配列決定からFusarium solaniによる播種性感染症と確定診断した。Liposomal amphotericin B(L-AMB)5 mg/kg/日の投与により熱型と皮疹は改善し始めた。Day19に生着し,皮膚急性移植片対宿主病stage3は外用ステロイド剤で寛解した。Day38にvoriconazoleへ変更したところFusarium感染症は増悪した。その後はL-AMB計19週間の投与で治癒した。生着前の播種性Fusarium感染症は極めて予後不良である。本症例では,好中球の生着に加え,速やかな確定診断,適切な抗真菌薬の選択,その十分量かつ長期間の投与,ステロイド剤全身投与回避などが功を奏したと考えられた。
著者
横倉 雅幸
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.272-314, 1992-12

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
丹羽 建一 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第52回, no.人工知能と認知科学, pp.151-152, 1996-03-06

媒質を伝播する信号は、途中の様々な要因のために元の信号と比較すると一般に大きく変化する。この変化の要因は様々であるが、一般には非線形な効果を含んでいると考えられる。例えば人の循環器を伝播する脈波について考えると、大動脈における波形は動脈を伝播するに伴って変形し、上腕動脈より末梢に近い橈骨動脈で観測されるような波形に変化する。この場合、人の血管系を伝達していく過程を非線形伝達関数による変形ととらえることができる。このような信号の変化について、伝達関数を推測し、元の信号を同定することは医学的にも重要なことである。このような信号変化の推定は、信号の伝達してきた系を一つのフィルタとみれば、未知のフィルタによって変形した信号を元の信号に戻すような逆フィルタを構成することに相当する。本研究の目的は、この変化した信号から元の信号を導く逆フィルタをニューラルネットワークの汎化学習能力によって獲得し、その結果からネットワークのもつ学習効果について考察する。本研究ではコンピュータシミュレーションによる予備的な実験について報告する。

1 0 0 0 OA 小倉市誌

著者
小倉市 編
出版者
小倉市
巻号頁・発行日
vol.上編, 1921
著者
梶山 岳士 菊地 幸大 小倉 渓 宮下 英一 鉄地川原 護 渡瀬 宏 長井 洋介 高島 英男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J41-J46, 2018-01-01 (Released:2017-12-21)
参考文献数
14

フルスペック8K SHVの高データレートな信号を圧縮記録する装置を開発した.8K SHVの映像パラメータの最上位を満たすフルスペック8K SHVは,8K解像度,120Hz,12bit階調,広色域,ハイダイナミックレンジを兼ね備えた超高臨場感映像であり,非圧縮映像のデータレートは144 Gbpsに達する.本装置は,画像圧縮に8K解像度,12 bit階調のデータ処理が可能な拡張JPEG方式を採用し,新たに開発した少ない計算量で高精度に符号量を予測制御する技術の適用により,番組制作車両で使用可能な装置サイズを実現した.圧縮したデータを記録する媒体は,並列化したSSDの転送速度を保証する仕組みの導入により小型化を実現した.入出力I/Fはケーブル1本でフルスペック8K SHVを伝送可能なU-SDI規格に対応している.試作装置は4Uラックサイズに収めることに成功し,フルスペック8K SHVカメラ映像の収録実験において良好な記録再生動作を確認した.
著者
高田 喜朗 辻野 嘉宏 都倉 信樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.290-298, 1997-02-15

ヘルプシステムやWWW(World Wide Web)など 計算機アプリケーションのいくつかの分野でハイパーテキストを利用したシステムがよく見られるようになってきている.ここでは 大量の情報(文書)が個別に提供され それらをユーザが効率良くアクセスできるように検索のためのメニューとその間のリンクを構築する問題を考える.ユーザが効率良くアクセスするためには 操作の手間が平均的に小さいことが必要になる.また キーワードとそれからアクセスできるページの集合(カテゴリ)は意味的に対応づけられ ユーザが目的のページを検索するのに途中のメニューで迷わないようにしなければならない.本論文では 与えられたキーワードとカテゴリの関係を保つリンク構造すべての中から平均アクセス時間が最小なリンク構造を求める効率の良いアルゴリズムを示す.
著者
永島 早苗 岩倉 良子 真壁 法子 渡部 ひとみ 野々村 美穂 古賀 美紀
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.23-26, 2005 (Released:2019-08-21)
参考文献数
4

小豆を用いて冷めても不快感や重たさを感じない安定性のある温罨法を作製し,快適性および持続性を検討した.対象は健常男女40例で無作為に小豆パック群20例とバスタオル群20例の2群に分けた.従来のバスタオルを利用した温罨法に比べ,小豆を使ったものは皮膚温,快適性,重量感において勝っていた.終末期の患者,腹部膨満感のある患者には小豆を使った温罨法が適しているが,加熱時間や貼付部位の考慮が必要と思われた.
著者
倉重 真明
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.96-103, 2015-08-15 (Released:2017-07-11)
参考文献数
5

平成27年3月9日,兵庫県淡路島で,精神障害者による殺人事件が起きた。病状不安定なため家族は心配し,警察や保健所などの関係機関に,何度も相談していた。過去にも,同様なケースは多く見られる。悲惨な事件を繰り返さない為には,「事件がなぜ起きて,なぜ防げなかったのか」を振り返り,対策を練る必要がある。何よりも,事件を未然に防ぐことが大切である。筆者は,26年間の往診の経験から,関係機関と連携した精神科医による往診が,有効な解決策の一つであると考えた。当事者と家族の困難時に寄り添い,不安を軽減し,状況に応じて判断を下すのは,現行法上,精神科医にしかできない仕事である。危機介入しても,すべての事件を防げるわけではないが,数は減らせるはずである。そのためには,無理のないシステムを作り,実践することこそ重要であろう。そこで,筆者のクリニックにおける往診の取り組みを報告すると共に,手上げ方式による,精神科往診輪番事業を提案した。
著者
森田 とわ 山口 智史 小宅 一彰 井上 靖悟 菅澤 昌史 藤本 修平 飯倉 大貴 田辺 茂雄 横山 明正 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ea0348, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 膝蓋骨骨折や膝蓋腱断裂,大腿四頭筋断裂などでは,膝伸展筋の機能不全によって歩行時に膝折れを呈し,膝伸展位保持が困難になる.この膝折れを防止するために,膝伸展位保持装具(以下,膝装具)が使用されることがある.支持性の良い膝装具は膝伸展筋力を代償するだけでなく,他の関節周囲筋の筋活動を変化させる可能性がある.しかしながら,膝装具使用時の歩行時筋活動量について言及された報告はない.本研究では,膝装具が歩行時の下肢筋活動量へ及ぼす影響を検討した.【方法】 対象は健常成人9名(年齢:24.4±2.8歳,身長:1.73±0.04m,体重61.2±6.3kg)とした.課題は20m/minに設定したトレッドミル上での膝装具装着および非装着の2条件の歩行とした。膝装具は,両側支柱付きのニーブレース(アルケア株式会社)を使用し,十分な練習後に装着非装着での歩行,装具装着での歩行の順番で課題を行った. 表面筋電図の測定には,筋電図記録用システム(Delsys社)を使用した.記録筋は,両側下肢の大殿筋(GM),内側ハムストリングス(MH),大腿直筋(RF),ヒラメ筋(SOL),前脛骨筋(TA)とした.電極は,筋腹上に能動筋電を貼付し,サンプリング周波数は1kHzで記録した.また,両側の母趾球部と踵部にフットスイッチを貼付し,歩行周期の特定および時間距離因子(重複歩幅,歩行率,立脚期割合)の算出をした.得られた筋電図波形は、全波整流後30歩行周期分を加算平均して平滑化した後,フットスイッチの情報から,立脚相と遊脚相に分け,それぞれの積分値(μVs)を算出した.また歩行時の重心動揺を計測するため,小型加速度計(ワイヤレステクノロジー社)を使用した.加速度計は,第三腰椎棘突起部に伸縮ベルトで固定し,サンプリング周波数60Hzで記録した.加速度データは,10歩行周期分のデータを加算平均し平滑化した後,時間で2回積分し変位を算出した.その変位から1歩行周期における左右移動幅を算出した.統計解析は,装具の有無による各筋活動量と時間距離因子,重心動揺の違いを検討するため,対応のあるt検定を用いた.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 所属機関の倫理審査会により認可され,事前に全ての対象者に研究内容を説明し,同意を得た.【結果】 装具着用により,装着下肢の立脚相においてGM,MH,RF,TAの筋活動量が有意に減少した.装具着用側の立脚相における各筋の平均積分値は(装具あり条件、装具なし条件)で,GM(6.33μVs,7.98μVs),MH(4.22μVs,5.39μVs),RF(1.43μVs,1.80μVs),TA(2.71μVs,3.53μVs)であった.一方,SOLについては,装具あり条件7.79μVs,装具なし条件7.88μVsで統計的有意な差を認めなかった(p=0.783).遊脚相においては,いずれの筋でも筋活動量に有意な差を認めなかった.また,装具非装着側の立脚相および遊脚相においては,いずれの筋でも装具着用の有無による有意な筋活動量の差を認めなかった.時間距離因子については,装具着用の有無による有意な差を認めなかった.重心の左右移動幅は,裸足歩行17.7cm,装具歩行23.8cmで装具装着により有意に増加した.【考察】 膝装具は,膝伸展筋以外の筋活動量も減少させることが示された.GM,MH,RFの筋活動量の減少は,膝装具によって体重支持に必要な筋活動が代償されたためだと考えられる.重心の左右移動幅が増大したが,これは膝関節を伸展位に保持したことにより,下肢を振り出すために生じた体幹側屈や分回し歩行などの代償動作が影響していると推察される.分回し歩行では,初期接地において通常より底屈位での接地になり,このことが,荷重応答期におけるTAの筋活動量が減少につながった可能性がある.また,立脚相のSOLにおいては,有意な変化を認めなかったことから,SOLの役割である下腿が前方へ倒れていく速度の制御に必要な筋活動は,膝装具によって影響をうけないと考えられた.しかしながら,本研究においては各関節の関節運動に言及することはできないため,今後,三次元動作解析装置などを用い検討する必要があると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 膝装具を使用することにより,膝関節周囲筋だけでなく股関節や足関節の筋活動量も減少することが示唆された.膝装具を適用する際には,他の下肢筋の負荷をも軽減できる一方で,筋力低下の誘引にもなると考えられ,十分な配慮が必要である.
著者
草間 幹夫 岸 豊子 星 健太郎 名取 恵子 松本 玲子 生田 稔 亀卦川 昭宗 酒井 英紀 榎本 昭二 倉林 亨
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.631-636, 1997-11-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
19
被引用文献数
3 3

下顎歯肉癌に対する手術は, 従来より区域切除を主体として行われ, 良好な治療成績が得られているが, それを基本としつつ患者のQOLを考慮し辺縁切除の適応の拡大に努めてきたので報告した。下顎骨吸収深度 Grade2 (骨体部, 下顎管上の骨吸収) で, 骨吸収様式が平滑型 (Pressure type) の症例までは下顎辺縁切除が可能であった。腫瘍の軟組織進展範囲別では頬側進展型に原発巣再発の頻度が高く, 区域切除の適応が多かったが, 下顎歯肉癌全体で術前治療後の縮小手術は14.9%に行われた。画像診断特に Dental CTにより, 下顎下縁の保存に関する判断が容易となった。
著者
笹倉 栄恵
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.160-165, 1970-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
2

Comparative studies on top note (the first impression of scent) of eleven kinds of black tea sold on the market were carried out. Aroma patterns were obtained by cryogenic vapor phase chromatography and acceptability was judged by organoleptic test. Correlation between prices and acceptability was also discussed. Comparing aroma patterns with acceptability of eleven kinds of black tea sold on the market, it was con cluded that linalool, n-pentanol, iso-pentanol, acetaldehyde, dimethylsulfide and ethylacetate contributed to the acceptable top note of black tea. It also was made clear that flavor-enriched black tea was easily recognized by cryogenic vapor phase chromatography because its aroma pattern was distinctively different from that of no-flavor-enriched black tea. The prices do not always guarantee the acceptability of black tea.
著者
園田 聡 野澤 康 倉田 直道
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.710, pp.873-881, 2015 (Released:2015-05-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

This study analyses the creation of public spaces in residential land readjustment project located at the west area of Kita-Konosu Station. The analysis clarifies, 1) the significance of site planning, construction of the facilities which contribute to the securing of revenue and development of design guidelines, 2) the establishment of the residents' management organization for public space, and the flexible memberships for that organization and various programs for community. These are major features at the stage of development and usage of public spaces. And these features for improving spatial efficiency are based on a close cooperation with relevant players.
著者
加藤 正博 米倉 育男 小川 威彦
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1-2, pp.25-30, 1947-07-30 (Released:2010-11-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1