著者
前田 耕太郎 花井 恒一 佐藤 美信 升森 宏次 小出 欽和 松岡 宏 勝野 秀稔 野呂 智仁 本多 克行 塩田 規帆 遠藤 智美 松岡 伸司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1496-1499, 2011-11-20

【ポイント】 ◆フルニエ症候群は会陰部,外陰部に発生する激症壊死性感染症で,急速に進行する予後不良な疾患である. ◆多くは糖尿病やアルコール中毒などの合併症を持ち,肛門周囲膿瘍などの直腸肛門・泌尿器科疾患に起因する. ◆早期診断,早期の壊死部除去,十分な排膿,ドレナージ,適切な抗菌薬投与,栄養管理が必要である.
著者
前田 卓也 増田 喬子 河本 宏
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.1066-1073, 2016

<p>がんに対する免疫療法,特にがん抗原特異的T細胞療法は現在大変注目されている。しかし,がん抗原特異的T細胞を充分量までの増幅することは技術的に困難であるという大きな問題が残されている。筆者らはiPS細胞技術を応用してこの問題を解決しようとしている。がん抗原特異的T細胞からiPS細胞を樹立し,そのiPS細胞をT細胞に再分化させれば,同じTCRを発現するT細胞を多量に得ることができる。筆者らはこの方法を用いて,がん抗原特異的なT細胞の再生に成功した。再生T細胞は元のT細胞に匹敵する抗原特異的キラー活性を示し,白血病細胞を殺傷した。将来的には様々ながん抗原特異的T-iPS細胞をHLAハプロタイプホモドナーから樹立し,バンク化することを構想しており,臨床応用を目指している。</p>
著者
松井 祥悟 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.1874-1884, 1995-08-15
参考文献数
12
被引用文献数
4

本論文では、並列型(parallel)および漸次型(incremental)ガーベジコレクションの基本アルゴリズムである相補型ガーベジコレクタ(Complementary Garbage Collector)の提案およびその評価を行う。このアルゴリズムは、増分更新型(incremental update)とスナップショット型(snapshot-at-begiming)という2つの基本アルゴリズムを相補的に組み合わせたものである。ゴミの回収効率の良さと正当な(無矛盾な)実装の容易さという両者の長所を併せ持つ。このアルゴリズムは、現在広く便用されているスナップショット型アルゴリズムを代替する。この型を基本アルゴリズムとしている現存の並列型および漸次型ガーベジコレクションに直ちに応用できる。Complementary Garbage Conectorを並列型mark-and-sweep法および潮次型mark-and-sweep法に組み込み、評価を行った結果、ゴミセルの回収効率は一括型GCと同程度まで改善されることが確認された。これにより実行速度、実時間性(無停止性)が改善された。
著者
前田英作
雑誌
情報処理学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.624-640, 2007
被引用文献数
1
著者
前田 繁一 Shigekazu Maeda
出版者
松山大学
雑誌
松山大学論集 (ISSN:09163298)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.45-84, 2005-04
著者
事柴 壮武 浦辺 幸夫 前田 慶明 篠原 博 山本 圭彦 藤井 絵里 森山 信彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】膝前十字靭帯(anterior cruciate ligament;ACL)損傷はストップやジャンプ着地動作,サイドステップカッティング(sidestep cutting;SSC)動作で多く発生している。一般的に"Knee-in & Toe-out"という下肢アライメントの組み合わせが,マルアライメントの代表的なものとしてあげられる。SSC動作の筋活動について,Xieら(2012)はストップ期において大腿四頭筋に対するハムストリングの比(H/Q比)は,側方移動期よりも低値を示したとしている。また,ACL損傷のリスクである膝関節の過度の外反を制動するためには,大腿四頭筋とハムストリングの同時収縮をタイミングよく行う必要がある。よって,ACL損傷のメカニズムや予防を考慮すると,筋活動量だけでなく筋活動のタイミングを検討することは重要であると考える。SSCは足部運動との関連が示されており,足部の外側接地(Dempseyら,2009)や後足部での接地(Cortesら,2012)がACL損傷のリスクになるとされている。しかし,足部の方向(Toe-out)とSSCの関連を調べたものはみあたらない。本研究は,Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に及ぼす影響を検討することを目的とした。仮説は,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いとし,さらに筋電位ピーク到達時間が遅延するとした。【方法】対象は下肢に整形外科的疾患の既往がない,健常な女性バスケットボール選手6名(年齢20.0±1.4歳,身長158.0±3.5cm,体重49.3±5.3kg,競技歴9.3±5.3年)とした。対象は5m離れた地点から最大努力速度で助走し,軸脚の左脚で踏み切り,右90°方向へSSCを行った。その際,着地条件として足部Neutral(条件N)と足部Toe-out(条件TO)の2条件を設定し,3試行ずつ実施した。なお,反射マーカーを対象の左下肢8ヶ所に貼付し,ハイスピードカメラ(フォーアシスト社)5台を用い,サンプリング周波数200HzでSSCを撮影した。撮影した映像を動作解析ソフト(Ditect社)に取り込み,DLT法で各マーカーの3次元座標を求め,膝関節屈曲,外反角度を算出した。本研究ではSSCを足部接地から膝関節最大屈曲位までのストップ期,膝関節最大屈曲位から足部離地までの側方移動期の2期に分割し,各期の膝関節最大外反角度を分析に用いた。筋活動の記録には表面筋電図(追坂電子機器社)を用いた。被験筋は外側広筋(VL),内側広筋(VM),大腿二頭筋(BF),半膜様筋(SM)とした。筋電図は生波形からRMS(root mean square)に変換して解析した。本研究ではVLとVMの活動量の平均値を大腿四頭筋の活動量,BFとSMの活動量の平均値をハムストリングの活動量とした。Initial contact(IC)を基準(0)とし,筋電波形の振幅がピークに達する時間をピーク到達時間と規定した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,広島大学大学院保健学研究科心身機能生活制御科学講座倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号1327,1335)。対象に本研究の趣旨を十分に説明し,書面にて同意を得た。【結果】膝関節最大外反角度はストップ期の条件Nで7.0±3.8°,条件TOで8.8±5.5°であった。側方移動期の条件Nで4.6±3.9°,条件TOで7.9±5.4°であり,条件TOで有意に高値を示した(p<0.05)。H/Q比はストップ期の条件Nで0.33±0.08,条件TOで0.33±0.13であった。側方移動期の条件Nで0.67±0.22,条件TOで0.48±0.12であり,条件TOで有意に低値を示した(p<0.05)。各筋のピーク到達時間は,条件NでVMは119.9±49.1msec,VLは114.3±49.6msec,SMは102.1±76.1msec,BFは175.4±79.5msecであった。条件TOでVMは145.2±26.2msec,VLは151.9±24.8msec,SMは88.6±62.6msec,BFは194.1±58.8msecであった。条件TOでVMのピーク到達時間が有意に遅延していた(p<0.05)。【考察】本研究の結果より,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して,側方移動期の膝外反角度が高値となり,H/Q比が低値を示した。膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いことは大腿四頭筋優位となりACL損傷のリスクが高いことを示している。さらに,VMのピーク到達時間の遅延を認めた。また,有意差はなかったもののSMのみピーク到達時間がNeutralよりも早期であった。VMは内側ハムストリング(SM)と協同して内側機構の支持に働き,膝関節の安定性に関与している(Myerら,2005)。したがって,内側安定機構であるSMとVMのピーク到達時間のずれは,過度の膝関節外反の制動を困難にしていることが考えられる。【理学療法学研究としての意義】Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に与える影響を明らかにすることは,ACL損傷メカニズムを解明する一助になるだけでなく,スポーツ現場やリハビリテーション場面において,ACL損傷の予防につながると考える。
著者
石原 利員 稲垣 大 五十嵐 伊勢美 北野 知之 前田 憲志 新里 高弘 瀬崎 良三 臼田 正恒
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.724-727, 1984

血液ろ過中の循環血液量をヘマトクリツトを指標としてプログラム制御するため, 循環血液量連続測定装置, マイクロコンピコータ, 補充液注入装置から構成される循環血液量自動制御装置を試作した。ヘマトクリツトは, 血液および限外ろ液の電気抵抗率から, Geddes, Gramらの式を利用して計算し, これから循環血液量変化を求めた。制御アルゴリズムは制御対象の動作遅れを一次遅れ+むだ時間で近似し, フイードバツク制御とフイードフオワード制御を併用して設計した。本装置を用いて臨床試験を行なつたところ, 血液量を設定した値の3%以内に維持する事ができた。また, 一時的にフイードバック制御を停止して実際の血液量と設定値間に偏差を生じさせた後, 再びフィードバック制御を開始した場合に於ても血液量は速やかに設定値に収束してむり, 安定した循環血液量の制御を行うことができた。
著者
矢尾 浩 金井 達徳 岐津 俊樹 前田 誠司 矢作 満
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.205-206, 1996-03-06

ビデオサーバでは、ストリームの連続性の保証だけではなく、一定数のストリームを供給するために必要となるディスク数とバッファメモリ量といったコスト面や、新ストリームの再生要求に対する応答時間等の操作性も性能評価の重要な指標となる。我々は数百~数千のクライアントに対し同時に映像ストリームを供給可能なマルチメディアサーバ「スマートストリーマ(以下SS)」を開発している。SSは、単純なVODサービスだけではなく、多数の映像データを切替えながらアクセスするオンラインショッピングや映像検索などのサービスでの利用を想定しているため、特に応答時間の短縮が重要課題である。本稿ではSSの制御ソフトウェアについて報告する。
著者
関 なおみ 貞升 健志 甲斐 明美 中島 由紀子 渡瀬 博俊 上田 隆 前田 秀雄 小林 一司 石崎 泰江 広松 恭子 岩下 裕子 本 涼子 神谷 信行 栗田 雅行 田原 なるみ 長谷川 道弥 新開 敬行 林 志直
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.238-250, 2015

<b>目的</b> 2014年 8 月,代々木公園が感染地と推定されるデング熱が発生した。これに対し,東京都の各担当部署が関係自治体と協力して対策を講じた。本経験は公衆衛生活動として他自治体や関係機関に共有すべき貴重な事例であると考え,報告する。<br/><b>方法</b> 8 月26日~11月 5 日に東京都が国内感染のデング熱流行に対して実施した対策について,1)リスクコミュニケーション・情報共有,2)患者への対応,3)蚊への対策,4)検査対応,の 4 分野について経過をまとめ,得られた結果について分析を行った。患者の疫学情報については2014年第 1~44週保健所受理分を対象とした。デング熱の国内感染が疑われる患者の血清および蚊検体の検査は東京都健康安全研究センターで実施した。<br/><b>結果</b> 都庁内に設置されたデング熱専用相談電話窓口に寄せられた相談件数は3,005件であった。東京都が実施した報道発表回数は,患者届出受理数および専用相談電話実績について39回,蚊の対策について 9 回であった。<br/> 東京都における国内感染症例は108件(男性62.7%,年齢中央値31.1(3~77)歳)で,2014年 第35~44週に報告されており,第36週がピーク(35件)となっていた。推定発症日の分布は 8 月 9 日~10月 7 日,推定感染日の分布は 8 月 3 日~10月 3 日であった。このことから,7 月下旬には代々木公園内にデング熱ウイルスに感染した蚊が複数生息していた可能性が示唆された。<br/> 代々木公園で週 1 回実施された蚊の調査(全11回のべ200トラップ)で捕集された蚊の総数は1,152頭で,種の同定においてヤブカ属が73.7%(856頭)であった。ヤブカ属を対象としたデングウイルス検査では,9 月 2 日,9 月 9 日,9 月16日分について陽性となった。<br/> デング熱の国内感染が疑われる患者の血清241件について確定検査を実施し,うち78件が陽性(国内感染症例73件,輸入症例 5 件)となった。ウイルスが検出された国内感染症例の血清および蚊検体の遺伝子解析では,すべて血清型 1 型 遺伝子型I型であり,全株の相同性が埼玉県在住の初発患者から分離されたウイルスの遺伝子配列と99%以上一致し,都内で感染したデング熱患者の原因ウイルスは単一のデングウイルスであった可能性が高いと考えられた。<br/><b>結論</b> 2020年のオリンピック,パラリンピック開催を予定している東京都としては,デング熱をはじめとした蚊の媒介する輸入感染症の国内発生について対策の強化が必要と考えられた。
著者
前田 倫
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.654-660, 2017

<p>区域麻酔・神経ブロック時の抗血栓療法(抗凝固薬・抗血小板薬)の休薬は,血栓予防には短期間が望ましいが,出血・血腫予防には十分な休薬が望ましい.この相反する問題解決のために2016年12月,日本ペインクリニック学会・日本麻酔科学会・日本区域麻酔学会が共同で,抗血栓療法中の区域麻酔・神経ブロックの日本版ガイドラインを作成した.手技と出血性素因により,高・中・低リスク群に分類した上で,各薬剤の休薬期間を設定しているが,休薬による血栓形成より出血予防を優先している.合併症が極めてまれであるため,DOAC(direct oral anticoagulant)も含めエビデンスに乏しいが,抗血栓療法の休薬基準がない本邦の現状から脱する一つの道標としての意義があり継続的な内容改訂が望まれる.</p>
著者
日本糖尿病学会糖尿病関連検査の標準化に関する委員会 桑 克彦 岡橋 美貴子 佐藤 麻子 難波 光義 前田 士郎 村上 正巳 目黒 周 西尾 善彦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.336-339, 2021

<p>HbA1cの測定を外部の検査機関に委託した場合,測定値が低値になることがある.その理由として,全血の検体を冷蔵で搬送,保存した場合に,老化した赤血球ほど溶血しやすいことが挙げられる.全血の検体を長時間にわたって冷蔵保存した後に採血管を遠心し,その赤血球層を用いてHbA1cを測定する方法(HPLC法の一部,免疫法の一部および酵素法の一部)では,溶血の影響を受けにくいEDTA採血管を使用することが推奨され,血糖検査用のNaF入り採血管の使用は望ましくない.</p>
著者
近藤 有輔 高原 里奈 毛利 広野 高木 牧人 前田 理 岩佐 豪 武次 徹也
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.64-69, 2019
被引用文献数
2

<p>原子クラスターは自由度が高いために多くの構造異性体を持つ.通常の理論研究では,その最安定構造の探索と続く電子物性解析が主であったが,近年の理論化学的手法の発展により,安定構造間の異性化反応や,異性体を含めた触媒活性の研究が可能になってきた.本研究では,金,銀,銅のクラスターを対象として安定構造および異性化反応経路,およびNO解離の触媒反応経路の探索を行いその比較を行った.異性化反応の計算からは,金と銀に比べると銅は異性化反応の障壁が高く,これはバルクのモース硬度と同様の傾向を示していた.NO解離反応の触媒作用に関しては,金と銀は障壁が高い一方で,銅は障壁が低く,安価で豊富な元素による触媒の可能性があることが分かった.</p>