著者
前川 曜子 佐野 みなみ 森 寛敏 三好 永作 小島 憲道 中筋 一弘 田所 誠
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第18回基礎有機化学連合討論会
巻号頁・発行日
pp.186, 2006 (Released:2008-10-05)

オルトキノイド骨格をもつ配位子は光や熱の相互作用によって金属イオンと有機ラジカルとの価数互変異性を起こすことが知られている。私どもはこのような価数互変異性によって移動可能な水素結合のプロトンを制御できないかどうか試みようとしている。そこでビイミダゾール型水素結合をもつルテニウム錯体を合成し、その光反応によって水素結合状態の変化を観測できないか実験を行っている最中である。

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著者
竹前栄治著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1983
著者
前田 ひとみ 岡本 淳子 寺本 淳子 山下 清香 山本 悌子 成田 栄子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.2_14-2_20, 1989

より行動化され易く、また、母親の意識を高めることの出来る保健指導を検討する為に、育児指導の内容や方法が異なる竜北町と熊本市の1才6ケ月児検診における母親の育児行動ならびに児の日常生活習慣の自立等の実態とそれまでに受けた指導とを比較した。 その結果、児の発達を追いながら個別性を考慮し、期間を区切って身近な目標を持たせるような指導は効果のあることが示唆された。そして、集団指導は効果的な指導の場となっており、加えて実習することによって母親自身に方法や知識が確実に習得されると思われる結果が得られたことから、項目によっては単に口述だけでなく、実習をまじえた指導がより効果的であると考えられた。一方、正常な発達過程や家族の生活形態や家族形態の影響を受け易い日常生活習慣については、指導の効果が現れにくいことが示唆された。
著者
前田 誠司 吉田 明正 笠原 博徳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.23-24, 1994-03-07

マルチプロセッサシステム上におけるFortranプログラムの自動並列処理では、従来Doall、Doacross等のレ-プ並列化が用いられている。しかし、ル-プ並列化ではループ以外の部分の並列性を抽出することができないという問題があった。この問題点を解決するために、筆者らはステートメント間の近細粒度並列処理、ループのイタレーション間の中粒度並列処埋、サプルーチン・ループ・基本プロック間の粗粒度並列処理を階層的に組み合わせ、プログラム全域の並列性を利用するマルチグレイン並列処理をすでに捉案している。本稿では、このマルチグレイン並列処理において、各階層のタスク間データ転送オーバーヘッドを軽減するための、タスク融合を用いたデータローカライゼーション手法を提案する。また、提案手法を用いた、コンパイラはOSCAR上でインプリメントされており、本稿ではその性能評価についても述べる。
著者
寺田 志保子 前田 有美恵 増井 俊夫 鈴木 裕介 伊奈 和夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.20-27, 1987-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
10 34

(1) HPLCによるカフェイン,カテキン類(5成分)の同時分離定量法について検討の結果,カラムULTRON N-C18を用い,0.1%リン酸溶液(0.1%アセトニトリル及び5% N, N-ジメチルホルムアミド含有)及びアセトニトリルによるグラジエント溶出法により精度よく分離定量することが出来た.(2) 上記方法により,同一原料からモデル製造した各種茶,台湾及び中国産鳥竜茶,市販鳥竜茶のカフェイン,カテキン類濃度を定量した.(3) 各種茶のカフェイン濃度はあまり差がなかったがカテキン類は醗酵が進むにつれて減少することから,カテキン5成分のカフェインに対する組成比率を用いて各種茶の分類が可能であった.(4) 市販鳥竜茶のリーフティーではカテキン類の組成比率が標準の鳥竜茶と類似していたが,ティーバッグ,ティードリンクスでは類似率からみてほうじ茶に近い傾向がみられた.
著者
前田 慎市 及川 陽介 星野 隆介 小原 哲郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.17-00039-17-00039, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
10

A detonation wave propagating in a straight tube (detonation tube) was reflected off the end wall of the tube, and the pressure profile produced by the propagation of the reflected shock wave was experimentally investigated. The detonation wave was initiated at the opposite end of the reflection end, and two ignition conditions were tested. First, ignition at the closed end of the tube (called as “closed ignition end condition”), where the fluid motion was negligible, was evaluated. Second, ignition at the open end of the tube (called as “opened ignition end condition”), where the burned gas flowed toward the vacuum tank attached to the detonation tube, was evaluated. Karnesky et al. (2013) suggested the empirical model in order to represent the pressure profile near the reflection end in the closed ignition end condition. In this paper, the empirical model of Karnesky et al. was modified in order to represent the pressure profile in the opened ignition end condition, and the effect of two ignition conditions on the pressure profiles was discussed. In these models, the pressure profile at the reflection end was empirically formulated by using two empirical parameters, and a uniform pressure distribution between the reflected shock wave and the reflection end was assumed. In this paper, the empirical parameters were normalized by the characteristic parameters for the propagating reflected shock wave. These parameters expressed the conditions of the combustible mixture and the length of the detonation tube. In the opened ignition end condition, the model well represented the measured pressure profile created by the propagating detonation wave and reflected shock wave in the entire length of the detonation tube because the rarefaction wave existed in the entire region behind the detonation wave, and the pressure behind the reflected shock wave had an approximately uniform distribution. Conversely, the model was applicable for a limited duration for the closed ignition end condition because a pressure gradient gradually developed behind the reflected shock wave when the reflected shock wave began to propagate in the plateau region behind the rarefaction wave.
著者
蘇日 塔拉図 外山 寛 小杉 剛 木竜 徹 林 豊彦 飯島 淳彦 前田 義信 山崎 健
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 = Transactions of the Japanese Society for Medical and Biological Engineering : BME (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.98-105, 2010-02-10
参考文献数
17
被引用文献数
2

Visually induced motion sickness is one of the detrimental effects of video images on human psychosomatic state. Several studies for alleviating this effect have been cumulated in recent years. One of the studies reported that people with high heart rate tended to be immune to the motion sickness. This fact motivated us to assume that the increase of subjects' heart rate through physical exercise before video watching could prevent them from the motion sickness. Then we investigated the effects of video exposure with such pre-exercise on the motion sickness. First we recorded psychosomatic state of 23 volunteers using the simulator sickness questionnaire (SSQ) before and after watching extremely unpleasant video images of a mountain-bike ride capable of visually inducing motion sickness. Then we classified them into nausea and non-nausea groups, based on SSQ evaluation. Subjects' heart rate in nausea group increased gradually during video exposure, while that in non-nausea group was nearly constant. By imposing a 5-minute pre-exercise on 12 subjects in nausea group before video exposure, 10 subjects became immune to the motion sickness, demonstrating that the pre-exercise would be efficient for alleviating the motion sickness. In addition subjects' heart rate in nausea group remained at a higher level during video exposure than at rest, whereas it returned to the rest level immediately after the pre-excise without video exposure.
著者
吉冨 友恭 今井 亜湖 埴岡 靖司 前迫 孝憲
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.165-168, 2008
参考文献数
3
被引用文献数
1

本研究では河川上流域の瀬・淵を対象として,児童が川をどのように観察するか(川の見方)を小学生を被験者として調査し,その結果から得られた知見をもとに,河川の生物と環境を題材としたデジタルコンテンツを開発した.開発したデジタルコンテンツは,児童の川の見方の調査実施場所で撮影された生物と環境の短編映像を素材とし,河川環境の縦横断面を表現したイラストや360度回転させながら風景全体を確認できるバーチャルリアリティ画像から,これらの素材を視聴できるようにした.また,開発したデジタルコンテンツが児童の川の見方を補完するものであるかを評価した.
著者
栗田 義幸 三枝 純 前田 智史
出版者
日本放射線安全管理学会
雑誌
日本放射線安全管理学会誌 (ISSN:13471503)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.180-185, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
8

In 2012, JAEA has established a laboratory in Fukushima-city to implement radioactivity analysis of environmental samples. Key nuclides measured in this laboratory are 134Cs and 137Cs (radiocesium). For the purpose, situation of radiocesium inflow into the laboratory building and its effects on the analyses were investigated based on the gamma-spectrometry with germanium detectors. As a result, the surface densities of radiocesium in the laboratory was found to be far below the minimum detectable activities of survey instruments routinely used for the radiation control purposes.
著者
前田 浩 宮本 洋一 澤 智裕 赤池 孝章 小川 道雄
出版者
熊本大学
雑誌
特定領域研究(C)
巻号頁・発行日
2000

固型癌のうち、胃癌、肝癌、子宮癌などの原因が細菌やウイルスによることが次第に明らかになってきた。さらに、胆管や胆のう癌、食道癌も何らかの感染症に起因する容疑が濃くなってきた。これらの感染症と発癌に共通の事象として、それが長期にわたる慢性炎症を伴うこと、また活性酸素(スーパーオキサイドやH_2O_2、あるいはHOCl)や一酸化窒素(NO)などのフリーラジカル関連分子種が宿主の炎症反応に伴い、感染局所で過剰に生成していることである。さらに重要なことは、これらのラジカル分子種はDNAを容易に障害することである。そこで本研究では、微生物感染・炎症にともない生成するフリーラジカルと核酸成分との反応を特に遺伝子変異との関係から解析した。また、センダイウイルス肺炎モデルを作製し、in vivoでの遺伝子変異におけるフリーラジカルの役割を検討した。その結果、過酸化脂質がミオグロビン等のヘム鉄存在下に生じる過酸化脂質ラジカルが、2本鎖DNAに対して変異原性のある脱塩基部位の形成をもたらした。また、上記ウイルス感染においては、スーパーオキサイドラジカル(O_2^-)と一酸化窒素(NO)の過剰生成がおこることを明らかにしたが、この両者はすみやかに反応してより反応性の強いパーオキシナイトライト(ONOO^-)となる。ONOO^-とDNAやRNAとの反応では、グアニン残基のニトロ化が効率良くおこり、さらに生じたニトログアノシンがチトクロム還元酵素の作用によりO_2^-を生じることが分かった。このONOO^-がin vivo,in vitroいずれにおいてもウイルス遺伝子に対して強力な遺伝子変異をもたらすことを、NO合成酵素(NOS)ノックアウトマウスやNOS強制発現細胞を用いて明らかにし、上記の知見が正しいことを確認した。
著者
堀池 巧 前鼻 啓史
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内サッカーにおいては、ポゼッションプレイを基盤とした戦い方をするチームがあらゆるカテゴリーを超えて増えてきている。一方、ポゼッショントレーニングの熟達に従い、試合で発現される動作とそれに伴う運動強度について定量化した報告は数少ない。ポッゼッショントレーニングの熟達による影響を調査することは、選手のポゼッションスキルを促進させるコーチングポイントを検討する上で意義があると思われる。そこで本研究は、ポゼッショントレーニングの熟達差が試合での加速および減速とそれに伴う運動強度にどのような影響を及ぼすか明らかにすることを目的とした。本研究の対象は、日本の大学サッカー選手60名であり、同チームのうち競技レベル別にファーストチームとセカンドチームに分けた。試合中のランニングパフォーマンスおよび心拍数として測定されたデータは、GPSおよび短距離無線テレメトリーを用いて収集した。ボールポゼッションとして測定された技術的パフォーマンスのデータはnotational analysisを用いて収集した。結果、ランニングパフォーマンスとボールポゼッションに関する関係は競技レベルで異なる特徴が示された。
著者
早川 宗志 楠本 良延 西田 智子 前津 栄信
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.147-157, 2015

日本では沖縄県石垣島にのみ分布する絶滅危惧IA類テングノハナIlligera luzonensis (C.Presl) Merr.の開花調査,標本調査,系統解析を行った.石垣島産テングノハナは午前中にのみ開花した.石垣島産テングノハナの花期は既報の夏開花(7-8月)ではなく,春(3-5月)と秋(10-12月)の2回開花であったため,夏開花の台湾産テングノハナとは異なった.さらに,石垣島産テングノハナはフィリピン産と葉緑体DNAの塩基配列が異なった.以上より,石垣島産テングノハナは,台湾産と花期が異なり,フィリピン産と系統的に異なることから,固有の系統群である可能性が示唆された.
著者
前田 哲汰 パナヒプル テヘラニ メヒルダド 高橋 桂太 藤井 俊彰
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2017-AVM-96, no.3, pp.1-6, 2017-02-17

我々は,サッカーなどの広大な空間を用いて行うスポーツを対象として,疎に配置した多数のカメラでシーンを撮影し,visual hull 法を用いてその 3D モデルを生成し,可視化する研究を行っている.Visual hull 法では微小なボクセルの集合によって 3D モデルを表す.扱う空間が広大かつ多数の選手が存在する場合,処理時間の削減やボクセル同士のオクルージョンの効率的な扱いが課題となる.そこで本稿では,処理時間を削減するために,8 分木構造を用いてボクセル群を多重解像度化し,内部を削りながらモデルを生成した.また,オクルージョンを明示的に扱わずに各ボクセルに対して矛盾のない色付けを可能にするために,仮想視点の角度に応じて表示色の変化をフーリエ級数で近似した.この表示色の推定において,周辺のカメラから得た色の中央値を用いることで比較的正しい色付けを行うことができた.
著者
明蔡光前等纂
巻号頁・発行日
vol.[5], 1000
著者
稲垣 郁哉 小関 泰一 財前 知典 小関 博久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101669, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】近年、体幹と下肢の運動連鎖について述べた研究は数多く報告されている。しかし、体幹と上肢の運動連鎖についての研究は少なく、中でも末梢に存在する手部と体幹機能について述べた研究はほとんどみられない。我々は先行研究により、第5 中手骨の外がえし誘導テーピングが荷重位におけるプッシュ動作時の前鋸筋活動を増加させるという報告を行った。この結果から手部と体幹に関係があることが示唆された。この現象は、荷重位のみでなく非荷重位でも観察されることを臨床上経験する。そこで今回は、第5 中手骨外がえし誘導テーピングが非荷重位におけるプッシュ動作時の前鋸筋活動と、前鋸筋作用である肩甲骨外転可動域に及ぼす影響を検証し、荷重位の結果と比較することを目的とした。【方法】対象は整形外科疾患など既往のない健常成人男性15 名(平均年齢23.9 ± 2.9 歳)とした。第5 中手骨誘導は入谷式足底板の評価に用いる第5 列外がえし誘導テーピングに類似させ、第5 中手骨頭と舟状骨間に貼付し、第5 中手骨誘導と誘導なしに分類した。テーピングは長さ8cm、張力200mgに統一し、同一験者が施行した。課題動作は、背臥位にて左肩関節屈曲90°、肘関節伸展位、前腕および手関節中間位、手指伸展位で、脊柱の棘突起が離床しない範囲での最大プッシュ動作とした。また、頭位や体幹の過度な回旋が生じた場合は除外した。被験筋は左前鋸筋とし、表面筋電図は日本光電社製多チャンネルテレメーターシステムWEB7000 を使用、サンプリング周波数は1000Hzにて計測した。肩甲骨外転可動域は肩峰の後角を指標にし、プッシュ動作時の床面からの移動量を定規にて測定した。筋電波形は、プッシュ動作を5 秒間保持してもらい、安定した2 秒間を抽出した。得られた筋電波形をキッセイコムティック社製BIMUTAS−Video for WEBにて積分値(以下IEMG)を求め、被験筋の最大等尺性随意収縮を基に%IEMGを算出した。統計処理にはSPSS Statistics 21 を用いてそれぞれ対応のあるt検定で比較検討した。なお有意水準は1%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】被験者にはヘルシンキ宣言に基づいて研究の主旨を十分に説明し、同意を得た上で計測を実施した。【結果】第5 中手骨外がえし誘導は誘導なしと比較し、前鋸筋活動が有意に増加し(平均値12.5 ± 5.8%、p<0.01)、肩甲骨外転移可動域も有意に増加した(平均値1.5 ± 0.7cm、p<0.01)。このことから、第5 中手骨外がえし誘導テーピングにより荷重位、非荷重位ともにプッシュ動作時の前鋸筋活動が増加する結果となった。【考察】本研究では第5 中手骨外がえし誘導テーピングにて非荷重位でのプッシュ動作により前鋸筋活動と肩甲骨外転可動域が増加した。このことから、第5 中手骨に対する誘導においては荷重位および非荷重位ともに前鋸筋活動に同様な影響を及ぼすことが示された。第5 中手骨は手部における外側の縦アーチに関与し、手部の支持性に寄与することが考えられる。手部の支持性向上は、上肢帯のユニットの安定性を高め、肩甲胸郭関節を安定させる前鋸筋の活動が向上したと考える。足部機能は骨盤を含めた下肢ユニットに影響を与えることが報告されており、足部と同様に、末梢部である手部機能も、上肢ユニットに影響を及ぼすことが考えられる。このことは、発達に伴う上肢の役割が荷重位から非荷重位へと移行していく現象と深く関わるものと推察される。つまり、荷重位における手部と体幹部の間には運動連鎖が存在し、この動きが非荷重位においても反映していると考えられる。【理学療法学研究としての意義】第5 中手骨誘導が荷重位、非荷重位において前鋸筋活動に同様な影響を及ぼすことが示唆された。臨床においては手部を含む上肢に対する理学療法は非荷重位で展開されることが多く、本研究は手部からの運動連鎖を把握するとともに、上肢の理学療法を行う上での新たな展開になるのではないかと考えられる。今後は、第5 中手骨誘導における手関節、肘関節などの各関節機能に着目し、より正確な運動連鎖を検証していく必要があると考える。
著者
宮前 智一 細川 太郎 土谷 友利 前原 充 西岡 賢一 兵井 純子 鈴木 康文
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.21-32, 2004-09-30
被引用文献数
2

力学に関する学生実験やこども達への演示教材としてパチンコの玉を転がす滑走台を製作した。長さ2mのカーテンレールをベニヤ板に打ちつけたものである。」三の速さ(Vm>2m/s)は, 玉がレール上の特定の場所を通過するときに発する電気信号の時間間隔を記録することによって測定した。レールの先端に発射台を取り付け, そこから飛んだ玉の飛距離を測定した。レールの途中にもう一つの玉を置き, 玉どうしの衝突についても演示や測定を行った。これらの測定で求めた玉の運動エネルギーを力学的エネルギー保存の法則に照らして比較考察した。また衝突における運動量についても考察した。これらの考察によって, "慎重に測定した結果からは, 従来の物理教材で無視されがちな効果が見える" ことが例示できた。この教材は, 用い方を選ぶことで, 大学生, 高校生, 中学生, 小学生それぞれに力学現象への興味と有意義な理解を与えるものである。