著者
伊澤 幸洋 宇野 彰 小嶋 知幸 加藤 正弘
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.225-233, 1998 (Released:2006-04-26)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

Brown (1979) ,Kertesz (1982) が報告したマンブリングジャルゴンに該当する特異な発話症状を呈した失語症例を経験した。症例は,発症当時 63歳の右利き女性である。本研究では発話行動のモニタリング機能,発声の意図的な運動制御という運動的な側面,コミュニケーション行動に影響を及ぼす人格的側面の以上3点を中心に本症例の発話障害の機序について検討した。その結果,聴覚的理解は良好であり本症例におけるジャルゴン症状は聴覚的フィードバックによる従来のモニタリング障害説では説明困難と考えられた。本症例におけるジャルゴン症状は,人格的側面からは,事物に対する固執傾向,焦燥感,落ち着きのない態度が結果としてジャルゴンを形成する一要因となっていると考えられた。発話機能面からは,本症例に特有の構音 (発声) 運動の抑止困難が中心的な要因になっていると考えられた。また,以上の2要因に加えて統語・意味・音韻など各水準における内言語障害の複合的要因も関与していると推測された。
著者
加藤 和夫
出版者
方言研究ゼミナール
雑誌
方言資料叢刊 (ISSN:09173277)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.139-149, 1996-11-07

金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系
著者
立澤 文見 土岐 健次郎 大谷 祐子 加藤 一幾 斎藤 規夫 本多 利雄 三位 正洋
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.259-266, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
14
被引用文献数
6 7

2 種類の主要アントシアニン(色素 1 と 2)が青色花弁のネモフィラ(Nemophila menziesii ‘Insignis blue’)およびその変異系統の紫色花弁から検出された.これら 2 種類のアントシアニンを青色花弁から単離し,化学およびスペクトル分析による構造解析を行った結果,ペチュニジン 3-O-[6-O-(シス-p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-O-[6-O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素 1)とペチュニジン 3-O-[6-O-(トランス-p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-O-[6-O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素 2)であり,色素 1 は新規化合物であった.さらに,2 種類の主要フラボノール配糖体(色素 3 と 5)と 2 種類の主要フラボン配糖体(色素 4 と 6)も青色花弁から単離され,ケンフェロール 3-(6- ラムノシル)- グルコシド-7- グルコシド(色素 3),アピゲニン 7,4′- ジグルコシド(色素 4),ケンフェロール3-(2,6- ジラムノシル)- グルコシド(色素 5),そしてアピゲニン 7- グルコシド-4′-(6- マロニル)- グルコシド(色素 6)と同定された.これら 4 種類のフラボノイドの内,色素 4 と 6 は紫色花弁からは検出されなかったことから,これらの違いにより花色が異なることが示唆された.
著者
加藤 敬太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.29-39, 2014-03-20 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25
被引用文献数
2

本稿の目的は,ファミリービジネスにおける企業家活動のダイナミズムを明らかにすることである.従来のファミリービジネス研究では,ファミリービジネスにおける保守的なガバナンス構造と戦略創造の静態的な関係性を論じてきた.本稿では,ミツカングループの事例分析から,ファミリー企業家による企業家活動と戦略創造のダイナミックな関係を明らかにする.
著者
前田 規秀 伊藤 健吾 田所 匡典 加藤 隆司 渡辺 一功 根来 民子 麻生 幸三郎 羽賀 淑子 鬼頭 正夫 Shylaja Nuguri 大木 隆史 佐久間 貞行
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.224-232, 1992

小児期発症の局在関連性難治てんかん患者24例 (側頭葉てんかん12例, 後頭葉てんかん6例, 前頭葉てんかん6例) にMRI, SPECT, PETを施行し, その病態について検討した。全体では, MRIでは14例, SPECTでは15例, PETでは20例で大脳皮質に局在する異常を認めた。側頭葉てんかん12例では, MRIで10例に側頭葉に異常を認め, 5例は側頭葉内側硬化が, 他の5例では側頭葉内側硬化以外の病変が疑われた。SPECTでは9例で, PETでは11例で側頭葉に異常を認めた。後頭葉てんかん6例では, MRIでは4例で, SPECTでは5例で後頭葉に異常を認めた。PETでは6例全例で後頭葉に異常を認め, 視覚発作を伴う4例で1次視覚中枢の異常を認めた。前頭葉てんかん6例では, MRI, SPECTでは全例異常を認めなかったが, PETでは3例で局在する異常を認め発作焦点と考えられた。PETは焦点部位の検出に極めて有用であった。
著者
武藤 久枝 加藤 孝正
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-21, 2017-03

本研究の目的は、幼児期の動的学校画(Kinetic School Drawings、 KSD)の人物像の特徴に関する実証的知見を得ることである。保育所年中児298名に対して集団でKSDを実施した。そのうち、本人、友達、先生の3者が描かれた80名のKSDを分析対象として、1)人物像の人数(友達の数、先生の数) 2)描画順位 3)活動内容 4)シンボル(花、木・草、家、蝶、ハート、魚、印) 5)スタイル(包囲、鳥瞰図、透視画、区分化、エッジング) 6)自己像の位置 7)一番大きい人物像 8)高い位置の人物像 9)自己像に最も近い人物像 10)描画水準 11)基底線と太陽について性別の出現を検討した。その結果、性差が認められたのは活動内容、シンボル、スタイルであった。女児がシンボルを描く割合は男児よりも有意に高く、その種類も多かった。また、女児の活動内容における「ブランコ・鉄棒」の出現、およびスタイルにおける透視画の出現はそれぞれ男児よりも有意に高かった。
著者
渡辺 洋介 谷川 力 神田 浩一 加藤 光吉
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.28, 2008

近年、コンピュータを利用した音響機器および分析ソフトが開発普及し、従来に比較してネズミ類の発生する超音波の分析がしやすい環境になってきた。そこで筆者らは以前データレコーダーで磁気テープに録音したねずみ類が発生する超音波コールをアナログデジタル変換した後、最近普及しているサウンド分析ソフト(アドビオ-ディション2.0)で分析した。今回は収録されたデータのうちからドブネズミとクマネズミの雄成獣が主として闘争時に発生する超音波コールの分析を試みた。同種ともそれぞれ雄3個体を同じケージに入れて供試した。その結果、発生周波数ではドブネズミは約23kHzで周波数が比較的平坦な変化であったが、クマネズミは26kHzでドブネズミに比較して周波数が高く、周波数変化も多かった。また、持続時間については、ドブネズミは約740ms、クマネズミは720msであった。しかし、両種とも超音波コールが発生する始まりは周波数が高く、終わりは低くなる傾向があった。超音波コールの時間軸を伸ばして可聴音としたものでは、ドブネズミは「ピー・ピー」という平坦な音であり、クマネズミは「ピロ・ピロ」と変化のある音に聞き取れ、両種に相違があることが認められた。
著者
小山 桂史 加藤 知生 山内 潤一郎
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2013 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp._213-1_-_213-4_, 2013-11-01 (Released:2017-06-19)

The purpose of this study was to investigate the effects of closed basket weave ankle taping on the vertical ground reaction force and ankle movement during the contact phase before the take-off in vertical jump performance. Twelve healthy young men performed a vertical jump performance on a force plate without (CON) or with ankle taping (closed basket weave technique: CBW) of the right ankle joint. Vertical jump ability was assessed using two styles of vertical jump with no arm swing: a countermovement jump (CMJ) and squat jump (SJ). From the vertical ground reaction force (GRF), maximum jump height (Ht), vertical impulse (VI), rate of force development (RFD), maximum GRF (GRFmax) during the contact phase before the take-off in jump performance were determined. Also, movement analysis, range of motion (Δ ank) and angular velocity (Vank) of ankle joint were caliculated . Ht and RFD, Δ ank, Vank were significantly lower for CBW than CON in CMJ, but not in SJ. Conversely, VI and GRFmax were not significantly different between the groups in either jump condition. These results suggest that ankle taping impairs countermovement jump performance, due to a decreased ability to rapidly develop large force and plantar-flexion motion on the ground before the take-off.
著者
加藤 久子
出版者
関東学院大学経済学部・経営学部教養学会
雑誌
自然・人間・社会 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
no.69, pp.67-106,

本稿では上に挙げたキーワードのうち、下記の3点について関東学院大学「【経済・経営学部】秋学期オンライン授業の実施方法について(8月31日送付)」に基づき、以下のように定義する。LMS(学習管理システム)manaba:授業資料、授業資料の補足説明、学習方法についての説明、小テスト(またはリアクションペーパー)を掲示し、小テスト(またはリアクションペーパー)を提出させる。オンデマンド型:音声付動画(PPT+音声、授業録画等)をstream、YouTube、Teams等を利用して配信する。双方向型(リアルタイム):Zoom等を利用してライブ配信し、ライブ授業は録画。通信環境の問題でリアルタイムでの受講が難しかった学生用にオンデマンドの配信も授業実施日内に行う。
著者
伊東 祐輝 加藤 忠 松永 岩夫
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.833-838, 1981

IFAT'81において, 測定方法とコントロール技術, いわゆる計装技術に関する出品会社数は全体の約20%, 140社程度であった.<BR>出品内容により分類すると, 測定機器が120社程度, コントロール・ステーションが50社程度, 調整装置とコントロール設備が70社程度, 研究室備品が50社程度, それにデータ処理が10余社である.<BR>展示方法は日本の下水道展などと同様, 各社夫々の趣向により, 実機によるデモンストレーションやパネル図示による説明などでPRをはかっていた.<BR>展示会場は日本の下水道展よりはるかに大規模で, 展示場も, 米国のWPCF展示会場 (1980年ラスベガス) と同様, 広くゆったりとしていた.また展示会場内での休憩場の設置や喫茶, 軽食店の配置などに, 見学者に対する配慮がうかがえた.
著者
前田 弘人 高鍋 隆一 武田 篤徳 松田 祥伍 加藤 智久
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.751-752, 2014-09-01 (Released:2015-03-01)

高品質・低コストの大口径SiCウェハの実現に向けて、高能率かつ高精度の切断加工技術の開発が求められている。切断速度と切断精度はトレードオフの関係にあるが、本研究ではワイヤーソーの高線速化を実現し、4インチの単結晶SiCインゴットに対して切断時間が4時間(6インチのインゴットを9時間で切断する速度に相当)にも関わらず、切断ウェハのSORIが約25μmという高速・高精度切断加工を実現した。
著者
杉野 安輝 三田 亮 高木 康之 加藤 誠章 大田 亜希子 奥村 隼也 長井 秀明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1572-1579, 2010-11-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
21

症例は49歳女性.高用量吸入ステロイド(フルチカゾン1000μg/日+シクレソニド800μg/日),サルメテロール吸入(100μg/日),ベタメサゾン内服(1mg/日)を中心とする多剤併用療法にても喘息コントロールが得られない重症難治性喘息であった.血清総IgE値は9(IU/mL)と低値で,明らかな通年性アレルゲンも認められなかったが,患者同意のもと2009年8月からオマリズマブ150mgを投与し,喘息症状やピークフロー(PEF)の改善を認めた.体重増加と全身倦怠感にて2回投与後に休薬したところ喘息症状が悪化した.2010年1月からオマリズマブの再投与を行い,喘息症状とPEFの著明な改善が認められた.効果は投与後約3週間持続し,6回目の投与後にはベタメサゾン内服を0.5mg/日に減量できた.オマリズマブ投与前後6ヵ月間の比較では,オマリズマブ治療により定期外受診などの喘息関連イベントは減少し,経口ベタメサゾン内服量も投与前の64%に減量できた.血清IgE低値でアレルゲンが明瞭でない重症難治性喘息に対して,オマリズマブが奏効した示唆に富む1例と考えられた.
著者
加藤 久雄 舟橋 康行
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1611-1615, 1998

When the sampled-data control systems are used, undesirable oscillations between the sampling instance are occasionally observed. Such phenomenon is called ripple. Some studies deal with this problem, and derive the conditions to achieve the ripple-free responses.<br>In this note, we consider the ripple-free tracking problem for sampled-data systems. A proof for the necessary and sufficient conditions to achieve the ripple-free tracking is given. This result also shows the necessity of the continuous-time internal model for the possibility of the ripple-free responses. The feature of our proof is that we use a new concept &ldquo;convergence to the <i>C</i><sup>&infin;</sup> class.&rdquo; We consider this concept makes discussion easier in this note.
著者
加藤 政洋
出版者
大阪市立大学文学部地理学教室
雑誌
空間・社会・地理思想 (ISSN:13423282)
巻号頁・発行日
no.6, pp.51-58, 2001
被引用文献数
1

I はじめに : (1)課題 : 1935年に編まれた『大阪市域拡張史』には、大正期に形成された大阪市街地北部に位置する豊崎町について「大小二百有余の工場軒を並べ、煤煙天を覆ふの盛況を呈し、工場都市北大阪の大を誇るの観があった」、同じく南部に位置する今宮町についても、「其の状態全く市内と異らず、人口七万五千四百余人、戸数一万八千四百を有する全国著名の大町」であると記されている。このように近代都市大阪を工業都市として表象する場合、工場と煤煙、そして戸口の規模は誇るべき特徴になる。だが、ひるがえって、当時の市政の枢要を占めていた社会事業の点からみた場合、どちらの地区も「不衛生住宅地区」や「過密住宅地区」として表象され改善されるべき事業対象であった。実際に、今宮町に位置し、現在では日本最大の「寄せ場」として知られている「釜ヶ崎」については、「五十戸の安宿が軒を並べ、之に止泊する日稼労働者五千人を超へ、社会施設の急愈々切なるものがあった」とも記されているのである。「寄せ場」には日雇い労働者のための簡易宿泊所(ドヤ)が集中的に立地しているが、さきの昭和戦前期の記述にも見られるとおり、戦前の「釜ヶ崎」には、「日稼労働者」のための「安宿」と呼ばれる日払いを原則とした「木賃宿」を指す宿泊施設が多数存在していたようである。……
著者
加藤 公道
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.278-289, 1984
被引用文献数
1 11

カキ果実をいろいろな条件下でアルコール処理して果実内のエタノール含量を変え (0.00~1.40%), それらの脱渋性及び追熟中の果実成分の変化, 炭酸ガス及びエチレン排出量の変化などを調査した.<br>1. 果実内のエタノール含量が多くなるにつれて, タンニン含量の減少が始まる時期が早くなるとともに減少速度も速くなった.ただし, タンニン含量の減少が始まるまでには一定の期間が必要であり, 20&deg;Cでは約2日であった. エタノール含量の影響は, およそ0.2%ないし0.3%以下で顕著に現れた.<br>2. 果実内のエタノール含量が多いほど, アセトアルデヒド含量も多くなった.<br>3. アルコール脱渋処理により果実のエチレン排出量が増加し, そのピーク値はエタノールガス濃度が濃いほど高かった. 20&deg;Cではエチレン排出量は処理を開始して約1日後にピーク値に達し, これに伴って炭酸ガス排出量の増加が起こり, さらに, 硬度低下及び果皮のクロロフィル含量の減少が促進される傾向が認められた.<br>4. 果肉硬度の低下速度は, 果実内のエタノール含量が0.1~0.2%以下のアルコール処理果と無処理果との間では相違がほとんど認められなかった.<br>5. 果皮のカロチノイド含量は, エタノール含量が0.03~0.20%のアルコール処理果と無処理果との間では相違がほとんどないか, または, 処理果の方がやや緩やかに増加する傾向が認められた.<br>6. 汚損果の発生はエタノール含量が約0.1%以下では少なく, エタノール含量が約0.1%以上で過湿条件, あるいは約0.3%以上でやや多かった. アルコール脱渋処理時の温度では, 低温の方が汚損果の発生が多かった.<br>7. アルコール処理による脱渋時の果実内のエタノール含量は, 脱渋性及びその後の果実の品質からみて, 10~20&deg;Cでは0.1~0.2%, 30&deg;Cでは0.2%前後が適当と判断された.