著者
加藤 雄樹 井村 誠孝 黒田 嘉宏 大城 理 南部 雅幸
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.23-30, 2012-02-10 (Released:2012-07-13)
参考文献数
15

Recently, in order to achieve the prevention or early detection of diseases, many studies have been carried out to measure physiological information in everyday life. The purpose of this study is to develop the mat-type device to measure physiological information fro6m the sole. ECG (Electrocardiogram) and PPG (Photoplethysmogram) that are the indices of the cardiovascular system were adopted as physiological information. ECG is measured by conductive coupling without using the paste and capacitive coupling that is able to obtain ECG and PPG with socks. PPG is obtained by measuring the reflected light to incident infrared light at periphery. PWV (Pulse wave velocity) which is the index of the arteriosclerosis is able to be calculated from ECG and PPG. The subjective experiment reveals that the developed system can measure ECG and PPG. In addition, the system can measure ECG and PPG in case of wearing socks. Moreover, by simultaneous measurement of blood pressure, PWV was calculated by the developed system and the good correlation was found between PWV and blood pressure. In addition, the experiment showed that the PWV were changed with the blood pressure changes due to exercise. Therefore, result of this experiment showed this system has the potential to monitor the condition of cardiovascular system, and suggested the possibility to estimate the blood pressure without compression by the cuff.
著者
加藤 信一 高崎 金久 斎藤 裕 松木 敏彦 西山 享 行者 明彦
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究は、代数群、リー代数またはそれに関連する対称空間、概均質ベクトル空間やヘッケ環等の上で定義される様々な特殊関数を主に表現論の立場から研究したものであり、整数論、数理物理学等と関連した多くの成果が得られた。加藤はヘッケ環の表現を調べ、その「双対」がどの様に与えられるかを決定した。また、数理物理学にあらわれるR行列の新しい例をヘッケ環を用いて与え、これを使って可積分系のq類似である量子化されたクニズニク=ザモロヂコフ方程式を考察、この方程式とマクドナルド差分作用素の関係を明らかにした。斎藤は対称行列のなす概均質ベクトル空間の数論的研究を行い、そのゼータ関数を具体的に決定した。そしてそれらのジーゲル保型形式の研究への応用等を論じた。行者は概均質ベクトル空間の研究を表現論、D加群の理論と関連して研究した。特に一般化されたヴァーマ加群の既約性と概均質ベクトル空間のb関数の関係を調べ、代数群、リー代数の無限次元表現論の研究において概均質ベクトル空間の理論が有効に適用できることを示した。松木は表現の記述に必要な、代数群の旗多様対の対称空間に関連する軌道分解について研究し、また球部分群についても考察した。西山はリー超代数のユニタリー表現論を研究した。特にハウによる双対対の理論の超代数版を用いて、各種の古典的リー超代数の既約ユニタリー表現をフォック空間上に実現して、その性質を調べた。高崎は数理物理学にあらわれる微分方程式、非線型可積分系を研究した。特にそれら方程式、可積分系の対称性を考察の対象として、体積保存微分同型群、無限次元リー代数等との関わりを調べた。
著者
米井 嘉一 石井 裕正 楠原 正俊 若林 剛 神谷 利明 加藤 真三 土屋 雅春
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.615-619, 1983
被引用文献数
1

ボリビア共和国サンファン移住地の居住者484名(日系人300名,ボリビア人184名)を対象とし,その血清につきB型肝炎ウイルス(HBV)の抗原・抗体について検索した.成人では,HBs抗原は日系人の7.1%に認められたが,ボリビア人には認められなかった.HBs抗体は日系人で45%,ボリビア人で27%にみられた.これに対し小児では,HBs抗原の陽性率は日系人で10%であったが,ボリビア人では全く認められなかった.HBs抗体陽性率は日系人24%,ボリビア人3.8%であった.<BR>次にHBs抗原陽性の日系人26名について検索したところ,HBe抗原は成人(11名)の9.1%に陽性であり,小児(15名)では53%に陽性であった.これに対してHBe抗体は成人では91%,小児では40%に陽性であった.これらのHBs抗原subtypeは,adw型80%,adr型20%であった.
著者
松葉 敬文 佐藤 淳 蔵 研也 加藤 大輔 村上 弘
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.81-84, 2011 (Released:2012-03-29)
参考文献数
10

健康な右利きの歯科医師21名に対し,リスク(risk)状況および不確実(ambiguity,またはuncertainty)状況において不快画像刺激と中立的画像刺激を呈示し,3TのfMRI装置を用いて脳機能画像解析を行った.fMRI装置内で被験者が行う課題にはBalloon Analogue Risk Task(BART)課題を利用した.被験者が直面している課題の確率を事前に告知している状況をリスク状況,確率を全く告知していない状況を不確実状況とした.結果,不快画像刺激により不確実な状況では扁桃体と線条体(被殻)が有意に賦活し,リスク状況では前帯状皮質の活動が有意であったが扁桃体の賦活は確認されなかった.この結果は,リスク状況では不確実状況と異なり,扁桃体の活動を抑制するような機能が働いている可能性を示唆するものである.
著者
加藤 暁生 平田 八郎
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.75-80, 1990-04-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1) ナマコ (アカナマコ) の活動日周性を調べるために, ナマコの底面縁周性を活用した移動記録装置を作成した。2) ナマコの活動速度は低温区 (12~17℃) で平均49.6±2.8m・d-1と活発であったが, 高温区 (18~25℃) では平均21.6±6.3m・d-1と不活発であった。なお, 最高活動速度は16℃区の52.3m・d-1であった。3) ナマコのリズムパターンは, 水温12~17℃では双峰型 (日中54%: 夜間46%) を, また, 水温18~25℃では単峰型 (昼間12%: 夜間88%) を示す傾向が伺えた。4) そのように異なるリズムパターンの発現は, 代謝量の増減に伴う摂餌時間帯の増減によるものと推察した。
著者
丸山 純一 桶 隆太郎 村社 智宏 石井 正宏 檜山 郁夫 加藤 剛久 梅澤 康昭 佐藤 達弥 高橋 通 山下 紘正 谷岡 健吉 千葉 敏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.J136-J141, 2018 (Released:2018-09-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

3D偏光フィルタ方式を採用した8K-3D IPS液晶ディスプレイを開発した.近年,医療分野では,カメラとディスプレイにより医師の目をサポートする技術の開発が進んでいる.今回われわれは,立体視による奥行感の把握が可能な,内視鏡/顕微鏡手術向け「3D対応8K手術システム」の実現を目的に,3D偏光フィルタ方式8K-3D液晶ディスプレイの開発に取り組んだ.55インチ8K IPS液晶パネルの採用により,高精細,高画質な立体視を可能とした.手術室のレイアウトを考慮し,視距離1.0~1.5 mの範囲で使用することを目標に3D偏光フィルタを設計した結果,3D視野角8.6゜の範囲で3Dクロストークのない立体視を可能とした.本論文では,同ディスプレイの開発におけるポイントについて報告する.
著者
加藤 涼太 田中 健一 小寺 正明 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第41回ケモインフォマティクス討論会 熊本
巻号頁・発行日
pp.1P02, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
10

化合物の物性を予測する手法の一種に、定量的構造物性相関(QSPR)がある。QSPRでは、物性既知の化合物を用いて化合物の構造と物性値の間の関係を統計的手法でモデル化する。QSPRの入力として化学構造から計算した記述子を用いる場合、その中に予測に必要な情報が含まれない可能性や、3次元構造の考慮が難しいという問題が挙げられる。そこで、本研究では記述子を計算することなく原子の3次元座標値と原子番号を入力とする統計手法を開発した。前処理で座標系の統一等を行った各原子の座標値と原子番号を再帰型ニューラルネットワーク(RNN)の入力として用いモデルを構築した。 オクタノール水分配係数に関して、記述子を用いる既存の手法と比較し、提案手法の予測精度が優れていることを確認した。今後、データセットの形式による影響の除去、複数の立体配座の考慮により、より汎用な手法になると期待される。
著者
三重野 雅/村瀬 博文/深瀬 秀郷/福栄 克浩/土岐 光伸/永山 裕/笠原 邦明/玄間 美健/小田 浩範/大森 一幸/前田 静一/加藤 元康/磯貝 治喜/原田 尚也/平 博彦/有末 眞 ミエノ タダシ/ムラセ ヒロフミ/フカセ シュウゴウ/フクエイ カツヒロ/トキ ミツノブ/ナガヤマ ヒロシ/カサハラ クニアキ/ゲンマ ヨシタケ/オダ ヒロノリ/オオモリ カズユキ/マエダ セイイチ/カトウ モトヤス/イソガイ ハルキ/ハラダ ナオヤ/タイラ ヒロヒコ/アリスエ マコト MIENO Tadashi/MURASE Hirofumi/FUKASE Shugoh/FUKUEI Katsuhiro/TOKI Mitsunobu/NAGAYAMA Hiroshi/KASAHARA Kuniaki/GENMA Yoshitake/ODA Hironori/OOMORI Kazuyuki/MAEDA Seiichi/KATO Motoyasu/ISOGAI Haruki/HARADA Naoya/TAIRA Hirohiko/ARISUE Makoto
雑誌
東日本歯学雑誌
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.227-232, 1993-12-31

Generally, the repositioning and fixation of fragments in the treatment of jaw fractures is performed based on proper occlusion conditions of the upper and lower jaws. However, the treatment of fractures of the mentally and physically handicapped pose a number of problems caused by lack of patient comprehension and cooperation. In this paper, we present two cases of mandibular fracture of handicapped patients, whose closed reduction and fixation was impossible. In these cases, open reduction and ridged fixation of fragments was carried out with screw and plate without intermaxillary fixation. Problems of the treatment of jaw fracture of mentally and physically handicapped patients were discussed.
著者
加藤 勇夫 越島 一郎
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.65-84, 2018 (Released:2018-10-16)
参考文献数
34

日本社会が現在の生活の質を維持し、今後、深刻化する少子高齢化社会に対応するためには、既存社会システムの破壊と再生(革新)による労働生産性の向上と、この革新を支えるイノベーターの育成が急務である。また、イノベーターの育成には、プログラムを機敏にマネジメント(機敏に意思決定)するための基盤となるマネジメント方法論として、リーン&アジャイルプログラムマネジメントの開発と実施が必要であると考えている。本稿では、このリーン&アジャイルプログラムマネジメントを実現するために、これまでのイノベーションプロセスを再考し、イノベーターが革新を完遂するためのマネジメントフレームワークを提案する。
著者
加知 範康 加藤 博和 林 良嗣 森杉 雅史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.558-573, 2006
被引用文献数
2

本研究では,生活環境質(QOL)が高い都市空間構造を実現するための居住地立地誘導の方向性を見いだす指標として,都市内各地区における居住から得られる生活環境質の評価指標を「余命」を尺度として定義する.定義した指標を用いて財政的持続性および社会的公平性制約下での都市全体の生活環境質最大化問題を定式化し,さらに,これを都市の居住地立地施策に適用するために,生活環境質を市街地維持費用で除した社会的費用効率(S値)を用いた撤退・再集結地区選定の枠組みに展開する.本手法を実際の地方都市に適用した結果,生活環境質自体は中心部より郊外部の方が高いものの,S値は市街地が拡大する前の既存集落部で高くなり,分散集中型への誘導が望ましいことが示される.
著者
加藤 政洋
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

本研究は、昭和23(1948)年7月に公布され、その後、昭和34(1959)年2月に一部改正された「風俗営業(等)取締法」ならびに同法の各都道府県における施行条例を素材にして、「文化」を制度化する力学を明らかにし、その帰結である地理的変奏に関して文化地理学的な検討をくわえるものである。風俗営業あるいはそれを取り締まる法令については、これまで文化地理学の研究対象として取り上げられることがほとんどなかったものの、実のところそれらは地域の文化と密接に関わっている。というのも、そもそも「風俗」とは特定の時代の地域や集団に固有の慣習であり、仮にそれらが近代以降の国家スケールの法令によって一律に取り扱われるところとなるならば、自ずとスケール間・地域間の矛盾が発現し、実状に沿わぬ改変が強制されるなどして、文化の様態も(少なくとも表面的には)変化を余儀なくされるだろう。本発表では、風俗営業取締のなかでも花街に照準した条文とその解釈に焦点を絞り、法令制定の背後に潜む意図を踏まえつつ、都道府県レヴェルで地域の遊興文化に及ぼした影響を明らかにしてみたい。いくぶん結論を先取りして述べるならば、GHQの介入を受けた東京都の条例を、それと知らず他府県が雛形として援用したことで、花街における遊興文化――「お座敷あそび」――は奇妙なかたちで制度化/地域化されるのだった。
著者
辻 裕之 遠藤 繁之 原 茂子 大本 由樹 天川 和久 謝 勲東 山本 敬 橋本 光代 小川 恭子 奥田 近夫 有元 佐多雄 加藤 久人 横尾 郁子 有賀 明子 神野 豊久 荒瀬 康司
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.563-569, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
11

目的:人間ドックにおける尿潜血の意義を検証する.方法:2011年2月からの1年間に虎の門病院付属健康管理センター(以下,当センター)人間ドックを受診した16,018例(男性10,841例,女性5,177例)について尿潜血の結果を集計し,推算糸球体濾過値(以下,eGFR)との関連を検討した.次に2008年から2011年の4年間に当センター人間ドックを受診したのべ58,337例(男性40,185例,女性18,152例)について,腹部超音波検査で腎・尿路結石,またその後の検索を含めて腎細胞がんおよび膀胱がんと診断された例について,受診時の尿潜血の結果を検討した.結果:年齢を含めた多変量解析を行うと,尿潜血とeGFR低値との間には有意な関係を認めなかった.また,超音波上腎結石を有する場合でも,尿潜血陽性を示すのはわずか18.5%に過ぎなかった.さらに,腎細胞がん例で8.3%,膀胱がんでも28.6%のみに尿潜血は陽性であった.結論:人間ドックにおいて尿潜血は従来考えられていたより陽性率が高いが,少なくとも単回の検尿における潜血陽性は,CKDや泌尿器科疾患を期待したほど有効には示唆していないと考えられた.今後,尿潜血陽性例の検索をどこまで行うのが妥当なのか,医療経済学的観点も加味した新たな指針が望まれる.
著者
亀谷 哲治 津吹 政可 日暮 勝之 加藤 正 本多 利雄
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 27 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.176-183, 1985-09-07 (Released:2017-08-18)

The stereocontrolled synthesis of steroid side chain has been developed. The major interest has been forcused on the synthesis of the side chain of ecdysone as well as crustecdysone from 20-oxosteroid via furan derivatives. Reduction of the olefin (21) over palladium-carbon afforded the (20S)-20-furylsteroid (22), stereoselectively, whose hydrogenation over rhodium-alumina, followed by ruthenium tetroxide oxidation and treatment with methylmagnesium bromide, gave the triols (28) and (29) having an ecdysone-type side chain, respectively. The stereoselective reduction of the lactone (33) as a key reaction to give the δ-lactone (35) and the γ-lactone (36), under various conditions has also been investigated. Grignard reaction of both lactones with methylmagnesium bromide led to the synthesis of the tetraol (37) possessing a crustecdysone side chain. The total synthesis of 2-deoxycrustecdysone (3) has also been achieved by application of the above method.