著者
加藤 和哉
出版者
山口大学
雑誌
山口大学哲学研究 (ISSN:0919357X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.149-162, 1998

In this essay I argued the concept of person which underlies some ethical issues today, such as moral justification of abortion, euthanasia of heavily disabled infants, etc. Michael Tooley, for example, argued that only those self-conscious are the 'person' who has full moral right to live. The argument has received much criticism (in Japan) that it presupposes a very narrow idea of a human being, namely person as rational self-conscious agent, which comes from John Locke or Immanuel Kant. The criticism on the other hand emphasizes the relational aspect of a human being and argues that, even if a fetus itself is not a 'person', he/she is for some others, such as his/her parents, a human being which must be morally protected. 1 point out that the 'relational aspect' of a human being is not supposed to consist in that being itself, but only in the concrete concern that others have to that being, because what the being itself is does not matter there. As a result, the anti-personal theory seems only to accept the case where a human being has nobody to have a concrete relation to him/her or the case where a human being is not treated as such by others. I hint at a more' fundamental problem that there is no other way to talk about a human being itself than as a self-conscious agent.
著者
加藤 拓也 稲本 万里子 小長谷 明彦
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

源氏絵とは,『源氏物語』を題材とした絵画の総称である.源氏絵の絵師には土佐派をはじめ狩野派,岩佐派,など多数の流派があり,各流派独自の個性がある.これまでに見つかった作品にはどの流派の絵師が描いたかわからないものがあり,美術史の専門家たち中でも意見が分かれている.そのため新たな知見から流派を判断する手法が望まれる.近年,深層学習の一種である畳み込みニューラルネットワークの画像分類能力の向上は著しく,一部の分野では人間よりも高いという報告もある.深層学習では特徴量がデータから学習されるため,これまで人間が発見していない特徴量に基づく分類をすることが期待できる.本稿では,深層学習による物体検出手法を用いて顔を自動認識し,畳み込みニューラルネットワークにより流派を推定する.5分割交叉検証を行った結果,96.5%の精度で分類することに成功した.
著者
加藤 希 常見 泰暢 藤本 英男 長舩 哲齊
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.49-55, 2010-09-30

本研究は文部科学省・科学研究費補助金・基盤研究(C)2010年度、第22500644号の援助によって行われた。
著者
榊 剛史 那須野 薫 柳原 正 那和 一成 古賀 光 加藤 芳隆 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本稿では、より充実したドライブ体験を実現するために、ソーシャルメディアから地域イベントを抽出する手法を提案する。特に、前もって参加要旨を掲載する予告型の地域イベントに着目し、同時にイベントにいるユーザの参加状態も抽出することで、「今」「そこで」しか味わえないドライブ体験を提供する。
著者
賀数 いづみ 加藤 尚美 金城 忠雄
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.48-56, 2003-03
被引用文献数
1

本研究は、低体重児の出生要因を明らかにし、助産師としてどのような支援ができるか検討することを目的とした。調査対象は1998年1月から2000年3月に沖縄県のNICUをもつA病院で出生した児912例中の低体重児211例である。A病院での低体重児出生は、28.9%を占めていた。調査内容は、妊娠中の記録、分娩記録から、既往産科歴、分娩時の母子の状況等である。結果、早産による低体重児が76.8%であった。早産児は出産時においても児のアプガースコアも低いなどリスクが大きいといえよう。早産の原因は、前期破水によるものが多くあるが、その原因は明らかではない。また、分娩が開始した状態での母体搬送が73.1%であり、早産防止のための異常の早期発見、予防が重要である。助産師は特に妊産婦のケアーの専門家として、あらゆる施設に保健指導要員として常置し妊婦に対して、原因となる要因が回避できるような保健指導をしていきたい。This research found out of low birth weight (LBW) infants 'birth factor, and aimed at examining what kinds of supports can be performed as a midwife. The subjects of this study were 211 low birth weight infants out of 912 new born babies in A hospital which have the NICU of from January, 1998 to March, 2000. The % of LBW was 28.9%. The contents of this investigation the situations of the previous obstetrics history such as pregnancy record, labor & delivery record. A result of a premature delivery depending on LBW infants was 76.8% .Moreover, the low birth weight's Apgar score was also low. The cause of the LBW is not clear although a cause has many factors depended on premature rupture of membranes. Furthermore, maternal transfer in the state where the delivery began is 73.1%, and the early detection of the premature delivery is important to prevention. Especially a midwife wants to carry out the health care consultant in every institution risk factors of LBW as a health professional. Every pregnant woman can receive a health services.
著者
松野 隆幸 西田 祐也 米森 健太 李 想 向田 直樹 加藤 直輝 Myo MYINT 山田 大喜 Nwe Lwin KHIN 見浪 護
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00242-17-00242, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
24

A variety of robots has been studied and developed for undersea exploration. One of the applications for undersea exploration is mining of undersea resources such as methane hydrate and rare metal by Autonomous Underwater Vehicle (AUV). To extend active duration time of the robot in the sea, a system through which the AUVs recharge autonomously batteries is a key technology. Our reseach group has confirmed in a pool environment the dual-eye visual servoing system made a pole attached to the vehicle dock into a hole. This experiment simulates situation where the vehicle approaches recharging station under deep sea. But previous studies were conducted with ROV (Remotely Operated Vehicle) that is controlled by remote computer instead of human operator. In those experiments, power cables affected performance of control accuracy. Therefore the performance of visual feedback with AUV named Tuna-Sand2 that is compeletely indepent from cables or wires and has a general structure of modernized AUV system, has been verified to confirm the practicability of dual-eye dockig system.
著者
加藤 幸治
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.318-339, 1993
被引用文献数
3

本稿の目的は, 仙台市を事例として, 地方中枢都市におけるソフトウェア産業について, とくに事業所の性格・取引構造に注目し, 当該地域における展開と機能的特徴を, 実態に即して明らかにすることである. ソフトウェア産業の地方展開, なかでも地方中枢都市でのそれは, 域内の産業の「高度化」につながるとともに, 経済的中枢管理機能の分散の前提とみられている高次サービス機能の集積を促進するものであるとして, 政策立案者などの視点からは積極的な評価をあたえられていた. しかし, 今回対象とした仙台におけるソフトウェア産業の実態は, そうした「期待」を裏付けるものとはいいがたい. その取引構造の特質をみる限り, 仙台のソフトウェア産業はもともと受託計算の割合が高く, 後進的で, 技術的には低位にあり, 周辺的性格が強かった. 加えて, 80年代のソフトウェア産業におけるソフトウェア開発中心へという構造変化によって事業所の地方展開が促進されたことで, 周辺性は再編・強化された. 仙台のソフトウェア産業は,依然として, 技術的に低位にあって, 低次部門を担っているだけではなく, 東京資本の進出にともない「域外支配」が強化され, また東京からのコストダウン, リスク分散を目的とした外注利用の増加により, 下請として従属的性格を強めている. 東京一極集中構造の是正, 多極分散型国土の形成・促進の役割を果たすと期待されているソフトウェア産業の地域的展開ではあるが, 仙台市におけるその「成長」をみる限り, そうした「成長」も, 実際には, 企業内地域間分業の下に枠づけられたもので, 既存の地域構造, 地域間関係の下に組み込まれ, その再生産・強化に寄与している側面が強い.
著者
加藤 信朗
出版者
中世哲学学会
雑誌
中世思想研究 (ISSN:03872971)
巻号頁・発行日
no.33, pp.p1-25, 1991
著者
樋口 雄介 加藤 修雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.732-739, 2016-09-20 (Released:2017-09-20)
参考文献数
38

タンパク質–タンパク質間相互作用(Protein–Protein Interactions: PPI)の制御が興味を集めている.特にマルチクライアント型(複数のPPIの相手をもつ)タンパク質が関与するPPIの選択的な制御には小分子による制御が有効である.遺伝子knockout/knockdown手法は,関与するすべてのPPIを消失させ,有効な知見の取得にはつながらない.マルチクライアントタンパク質には,マルチドメイン型(複数のPPIサイトをもつ)とシングルドメイン型(単独のPPIサイトしかもたない)があるが,後者の代表例として,細胞内シグナル伝達経路を制御している14-3-3タンパク質が知られる.本稿では,主に天然のフシコッカン型ジテルペン配糖体とその半合成誘導体による14-3-3タンパク質の機能制御について概説する.