著者
加藤 重広
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大学文学研究科紀要 (ISSN:13460277)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.97-155, 2007-07-10
著者
上山 剛 吉賀 康裕 土居 正浩 吉田 雅昭 平塚 淳史 福田 昌和 加藤 孝佳 文本 朋子 松崎 益徳 清水 昭彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.3, pp.S3_88-S3_95, 2012 (Released:2013-09-25)
参考文献数
5

症例は54歳,女性.発作性上室性頻拍に対して心臓電気生理学的検査を施行した.逆伝導の最早期心房興奮部位は左側後壁であり,減衰特性は認めなかった.再現的な頻拍の誘発・停止が可能であり,正方向性房室回帰性頻拍と診断した.経大動脈的逆行アプローチにて施行したアブレーションでは離断に難渋し再伝導を繰り返した.14回目のアブレーションにより副伝導路は通電開始直後に離断され,以後の再伝導は認めなかった.イソプロテレノール負荷による再伝導も認めず,最終離断から60分以上経過した時点でATPによる評価を行った.ATP10mg急速静注により房室結節を介する逆伝導のブロック後に副伝導路を介する室房伝導の一過性出現を認めた.副伝導路の出現はATP投与時のみに認めるため,アブレーション困難と判断し,追加通電は施行せずに初回セッションを終了した.逆行性副伝導路は約1カ月後にインセサント型頻拍となって再発した.再セッションは経中隔弁上アプローチで行い副伝導路の恒久離断に成功した.
著者
加藤 篤志
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.6, pp.73-82, 1993-06-05 (Released:2010-04-21)
参考文献数
8
被引用文献数
1

A concept called “co-dependence” is proposed as describing the social relationships in the modern age. This concept, originally conceived in the field of therapy of addictions, can be available as a sociological concept which presents a model of social relationships. However, this concept is partially problematic for applying to the field of sociology because it is originally conceived in the field of clinics. It will be necessary to solve these problems for the further application of this concept in the theory of social relationships.
著者
加藤 淳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.252-256, 2023-04-15
著者
桑原 恵介 金森 悟 鈴木 明日香 渋谷 克彦 加藤 美生 福田 吉治 井上 まり子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.23-007, (Released:2023-06-08)
参考文献数
26

目的 本邦の公衆衛生専門職大学院は疫学,生物統計学,社会行動科学,保健政策・医療管理学,産業環境保健学を基本5領域に据えて教育を行ってきたが,その現状と課題に関する知見は乏しい。そこで,帝京大学大学院公衆衛生学研究科を教育活動事例として,公衆衛生学修士課程(Master of Public Health, MPH)での教育の現状と課題,改善案をまとめることとした。方法 MPH教育の目標と授業科目の記述には,帝京大学大学院公衆衛生学研究科2022年度履修要項を参照した。課題と改善案は,同研究科での各領域の担当教員から意見を抽出し,要約した。活動内容 疫学では問題の本質を定式化して,データを収集・評価し,因果効果について推定できるように,討議を含む講義が行われきたが(計8科目),新たな公衆衛生課題への応用や技術革新へのキャッチアップの担保が課題である。生物統計学ではデータと統計学を理解し,解析を実践するための講義・演習が行われてきた(計9科目)。課題としては学生の理論の理解と講義難易度の設定,新しい統計手法の教材不足が浮かび上がった。社会行動科学では人間の行動を理解し,課題解決に向けて行動するための講義・演習・実習が行われてきた(計8科目)。課題としては,様々な行動理論の限られた時間内での習得,多様なニーズとの乖離,実践で役立つ人材育成が示された。保健政策・医療管理学では世界や地域の課題を発見・解決するために,政策や医療経済的視点も交えて講義・演習・実習を行ってきたが(計19科目),グローバル人材の輩出や行政実務者の入学不足,合理的・経済学的思考やマクロ経済的変化の認識の不足が課題である。産業環境保健学では産業・環境による影響と対策を法律・政策も含めて理解するための講義・演習・実習を行ってきた(計9科目)。課題としては最新技術や環境保健,社会的に脆弱な集団等のテーマの充実が挙げられた。結論 帝京大学でのMPH教育の振り返りを通じて,時代に即したカリキュラム編成,多様な学生,求められる知識・技能の増加,実務家の実践力醸成といった課題に対処していくことが,次世代の公衆衛生リーダーの育成に向けて重要であることが示唆された。こうした課題を解決していくために,公衆衛生専門職大学院での教育内容を全体像の視点から定期的に見直し,改革を行う不断の努力が求められよう。
著者
小幡 斉 加藤 順子
出版者
関西大学出版部
巻号頁・発行日
2010-03-20
著者
加藤 哲弘 Tetsuhiro Kato
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.64/65, no.4/1, pp.119-139, 2015-05-20
著者
高本 亜希子 池中 良徳 杉本 真夕 岩野 まな美 福島 聡 一瀬 貴大 中山 翔太 高橋 圭介 加藤 恵介 石橋 弘志 石塚 真由美 有薗 幸司
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.17-27, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1

In this study, we determined the concentration of seven neonicotinoid insecticides and 13 of their metabolites in 46 bottled greentea beverages, and estimated the daily intake of neonicotinoids in adults and children from these drinks. Liquid chromatography coupled with electrospray ionization tandem mass spectrometry (LC–ESI/MS/MS) analysis revealed that six neonicotinoids and two metabolites were detected in bottled green-tea beverages, and the 50th percentile concentration indicated dinotefuran > thiacloprid > clothianidin > imidacloprid > thiamethoxam > acetamiprid > N-desmethyl-acetamiprid > thiacloprid-amide. The concentration and composition profile of neonicotinoids in bottled green-tea beverages were different between brands; however, no significant differences were observed among manufacturing sites. The concentration of acetamiprid in bottled green-tea beverages was significantly correlated with that of N-desmethyl-acetamiprid. A significant relationship between concentrations of thiamethoxam and clothianidin in bottled green-tea beverages was also observed, suggesting those neonicotinoids are metabolized during the tea leaves cultivation period. The daily intake for neonicotinoids in both adults and children from consumption of bottled green-tea beverages was < 2.1% when compared with the acceptable daily intake (ADI) of neonicotinoids.
著者
弓削 朝子 馬場 久衛 加藤 敬子 宮脇 映子
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.59-68, 1974 (Released:2010-10-08)
参考文献数
39
被引用文献数
1

乳歯環状う蝕とその歯垢中のレンサ球菌, 特にStrep. mutansとの関連性を追求するために3歳児の無う蝕児29名と環状う蝕歯牙保有児30名について歯垢中のレンサ球菌並びに歯垢の酸産生力の比較を行ない, また両者の関連性について検討した。その成績は, 歯垢中の全レンサ球菌数の平均値は環状う蝕児群は無う蝕児群より極めて高い値を示した。また, Strep. mutansの検出率並びに全レンサ球菌に対する比率において, 環状う蝕児群は有意に高い値を示し, Strep. sanguisでは逆に無う蝕児群の方が高い値を示した。歯垢を糖加培地に培養した場合に環状う蝕児群の方が強い酸産生力を示した。またう蝕の程度並びに歯垢の酸産生力とStrep. mutansの比率および菌数との間に正の相関々係がみられた。歯垢を培養した糖加培地にはStrep. mutansの増殖とともにpHの低下がみられた。
著者
加藤 裕治
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.270-285, 1998-09-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
22

本稿は明治初期に活躍した二人の新聞記者, 成島柳北と福地源一郎の西南戦争をめぐる報道態度と (新聞) 報道言説に着目し, 「中立的 (ニュートラル) な視点」に基づいて事実を伝達すると想定されている「客観的報道言説」が, 「文学的定型 (物語) に基づく言説」を拒絶する地点で可能になったことを指摘する。その上で, そうした報道言説に含まれているパラドックスの可能性と隠蔽の問題を, タックマンによる「枠組」の概念に基づきながら検討し, こうした「中立的な視点に基づく事実によって出来事を知らせること」を指向しつつ誕生した「客観的報道言説」が, 実際には不可能であることを指摘する。
著者
加藤 忠史 笠原 和起 窪田 美恵
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

カナダのケベックブレインバンクおよび国内の福島医科大学ブレインバンクより供与を受けた、双極性障害患者および対照群死後脳由来視床ブロックより作成した脳切片の解析を進めた。抗カルレチニン抗体染色を用いて視床室傍核を同定し、抗COX(チトクロームc酸化酵素)抗体および抗SDH(クエン酸脱水素酵素)抗体を用いた二重染色により、ミトコンドリアDNA由来蛋白質が減少している細胞を同定した。その結果、試料のpHが高い場合には検討が可能であったが、試料のpH低下に伴ってCOX陰性細胞が増加することが示唆された。そこで、抗8-OHdG抗体を用いて、酸化ストレスについても検討を行うこととし、染色を行った。8-OHdG様免疫反応性は細胞質に局在し、主にミトコンドリアDNAの酸化を反映していると考えられた。染色の結果、患者の視床室傍核において見出されたCOX陰性細胞は8-OHdG強陽性である一方、試料pHの低下に伴って見られるCOX陰性細胞は8-OHdG陰性または弱陽性であった。COX陰性・8-OHdG陽性細胞が、ミトコンドリア機能障害を反映する可能性が考えられた。また、視床室傍核特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスの作成を進めた。また、mtDNA変異蓄積によって神経細胞の形態がどのように変化するかについて調べるため、ミトコンドリア移行シグナルを持つ制限酵素を発現させ、これを発現させることによりmtDNA欠失が生成されることを確認した。
著者
竹内 孝治 加藤 伸一 田中 晶子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.117, no.4, pp.274-282, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
49
被引用文献数
5 5

消化管は種々の食餌性あるいは薬剤性の刺激に絶えず露呈されるという過酷な環境下にある.このような状況下においても, 消化管の粘膜恒常性は種々の機能変化およびそれらを調節する生体内因子により構成されている“粘膜防御機構”によって通常維持されている.内因性プロスタグランジン(PG)は消化管の粘膜防御機構において司令塔的な役割を演じており, 中でもPGE2が最も重要であると考えられている.本稿では, 消化管におけるPGE2の粘膜保護作用に関連するEP受容体および機能変化について, 種々の選択的なEP作動薬およびEP受容体欠損マウスを用いて得られた著者らの成績を中心に紹介する.外因性PGE2の塩酸·エタノールおよびインドメタシン誘起胃損傷に対する保護作用はEP1作動薬によって再現され, 逆にEP1拮抗薬の存在下では消失する.内因性PGE2はマイルド·イリタントによる適応性胃粘膜保護作用においても重要な役割を果たしているが, この現象もEP1拮抗薬によって完全に消失する.PGE2による胃粘膜保護作用は胃運動抑制と機能的に関連しており, この作用もEP1作動薬によって同様に認められる.しかし, カプサイシンによる神経性胃粘膜保護作用はEP2およびIP受容体との関連性が推察されている.一方, 十二指腸におけるPGE2による保護作用は重炭酸イオン分泌と機能的に関連しており, これらの作用はEP3およびEP4作動薬によって再現される.同様に, インドメタシン小腸傷害もEP3およびEP4作動薬によって抑制され, 機能的には腸運動抑制および粘液分泌亢進に起因する腸内細菌の粘膜内浸潤の抑制と関連している.PGE2による粘膜防御の詳細な発現機序については不明であるが, 胃における保護作用は主としてEP1受容体を介して, また十二指腸および小腸における保護作用はEP3およびEP4受容体を介して発現するものと推察される.
著者
加藤 克 山本 一博
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.571-576, 2020 (Released:2020-12-14)
参考文献数
15

高齢化に伴い心房細動(atrial fibrillation: AF)患者は増加し,2050年にはAF有病率が1.1%(103万人)を超えるとされている.AF患者の心原性脳塞栓発症率は年間約5%と高く,90%以上が左心耳由来である.心原性脳塞栓はアテローム血栓性脳梗塞に比べ,梗塞巣が広く重篤化しやすく死亡率や介護度も高くなる.したがってAF患者の治療に際しては抗凝固療法の適応の有無を評価することが推奨される.一方,脳卒中のリスクが高く長期的に抗凝固療法が推奨される患者のうち,出血リスクの高い患者への対応に苦慮することも少なくない.このような患者に対する長期的抗凝固療法の代替として,WATCHMAN左心耳閉鎖デバイス(left atrial appendage closure: LAAC)が2019年9月に日本でも保険適用となった.本稿ではLAACの適応,術前後の流れや併用薬,さらには今後の期待と課題について概説する.
著者
上野 健爾 加藤 文元 川口 周 望月 新一 高崎 金久 桂 俊行 木村 弘信 山田 泰彦 江口 徹 森脇 淳 加藤 和也 吉田 敬之 三輪 哲二 丸山 正樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2002

上野のグループは複素単純リー代数をゲージ対称性に持つ共形場理論(WSWN モデル)とアーベル的共形場理論を使ってモジュラー函手を構成し、このモジュラー函手から構成される位相的場の理論の性質を解明した。また、共形場理論で登場するモジュラー変換を記述するS行列が種数0のデータから完全に決まることを示した。さらに共形場理論の応用として4点付き球面の写像類群のNielsen-Thurston分類を考察し、この分類が正整数n≧2を固定したときに量子SU(n)表現から決定できることを示した。加藤文元のグループはこれまで提案されている中では一番広い意味での剛幾何学の建設を推進し、モジュライ空間の幾何学のもつ数論的側面を代数幾何学的に極限まで推し進めた。望月新一は代数曲線とその基本群との関係およびabc予想の定式化を巡って、代数曲線のモジュライ理論に関する今までとは異なる圏論的なアプローチを行い、函数体や代数体の被覆や因子の概念の圏論的に一般化して捉えることができるFrobenioidsの理論の構築、エタール・テータ函数の理論の構築など、今後のモジュライ理論のとるべき新しい方向を示唆する重要な研究を行った。さらに、モジュライ空間の代数幾何学的・数論幾何学的研究で多くの新しい成果が得られた。無限可積分系の理論に関しては、高崎金久のグループは種々の可積分系を考察し、モジュライ空間がソリトン理論でも重要な役割をしていることを示した。また、パンルヴェ方程式とモジュライ空間との関係、無限次元代数と関係する統計モデルの考察、旗多様体の量子コホモロジーに関して種々の重要な成果が得られた。本研究によってモジュライ空間が当初の予想以上に深い構造を持ち、また数学の基礎そのものとも深く関わり、その理解のためには、さらに数学的な精緻な道具を作り出していく必要があることが明らかになった。また、そのための準備やヒントの多くが本研究を通して明らかになった。