著者
萩原 克幸 HAGIWARA Katsuyuki
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = BULLETIN OF THE FACULTY OF EDUCATION MIE UNIVERSITY. Natural Science,Humanities,Social Science,Education,Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.307-315, 2017-03-31

近年、小学校におけるプログラミング教育が注目されており、今後、授業への導入が検討される段階にある。本稿では、その参考となる実践例として、著者が小学校で実施してきたロボットプログラミングの授業を紹介した。また、そこで蓄積されたアンケート結果の分析より、プログラミング教育の教材としてロボットプログラミングが非常に優れていることを示すとともに、小学校における授業の定着化に向けた今後の課題について考察した。
著者
水尾 愛 大島 由子 今西 亮 北田 祐二 笠原 道子 橋崎 文隆 和田 晴太郎 松永 雅之 高井 進 大沼 学 翁長 武紀 萩原 克郎 真田 良典 浅川 満彦
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.77-80, 2009-03
参考文献数
16
被引用文献数
1

生体内の酸化ストレスを評価する一般的な生体指標である尿中8-hydroxyguanosine(以下,8-OHdG)量を国内飼育下の9頭のニシローランドゴリラにおいて定量した。検査対象個体に原虫感染が認められたが,臨床症状は観察されなかった。全個体の8-OHdG値(ng/mg creafinine)の範囲は4.3〜193.1,各個体の中央値の幅は6.8〜52.4であった。原虫陽性と陰性個体との8-OHdG値の比較を行い,有意差は認められなかった(>0.05)。
著者
小林 喜平 郡司 敦子 村上 洋 矢ざき 貴啓 佐藤 正喜 桑原 克久
出版者
日本大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

高齢者の咀嚼機能は一般的に歯の喪失に伴い低下する。ことに無歯顎者で著しく,総義歯の状況により十分な回復ができず,結果的に食物摂取,栄養確保が困難になる。咀嚼機能レベルに応じて適切な食物摂取が容易かつ確実に行なえるよう噛み易さを考慮し,食物の硬さを調整して栄養バランスの採れた一連の献立を提供し,それを利用しながら個人へ行なう食事指導は健康管理面からも効果的である。そこで可及的に同一食品を用いて普通食,刻み食,五分粥食,三分粥食,ミキサ-食へと展開させた一連の献立群に栄養学的検討を加え,総義歯患者の食事指導に役立つ展開食の開発を試みたところ以下のような結果を得た。1.60歳代前半の高齢者を対象とした展開食に超軟性食の三部粥食を追加検討したところ,(1)各献立とも各栄養素充足率は満たされ.(2)ビタミン類は調理損失をみこしており過剰傾向であり.(3)蛋白質の確保に1700kcal,70gを設定したので一般成人の理想値より多く.また豆・豆製品は各展開食に多く,三部粥食では芋類と砂糖が多い傾向であった。2.高齢者の嗜好の多い和食タイプに,食事選択範囲を広げる目的で洋食タイプを加えて比較検討したところ,(1)各栄養素充足率では,和食タイプ,洋食タイプとも同様の傾向であり,(2)食品群別充足率では,それぞれ異なる傾向がみられ,食品の選択に工夫を要すること,ならびに類似タイプの献立を連続摂取を避けることが示唆された。3.展開食の臨床応用の前準備として,65歳代,70歳代,80歳代を考慮し栄養摂取の観点から展開食構成を調整する際の問題点を検討するため,特別栄養護施設入所者を対象に5日間の昼食の喫食率としてグループ別残菜調査を検討したところ,(1)残菜率は15%から20%の範囲にあり,(2)献立により傾向は異なり,嗜好,盛りや味付け,固さや量,個人の全身状況,咀喝状況などの影響が示唆された。
著者
桑原 克也 高橋 まさみ 大堀 智也 三木 静恵
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.58, pp.85-89, 2011-12-01 (Released:2013-01-25)
参考文献数
11

群馬県では,施設キュウリのネコブセンチュウの防除対策として,フスマを用いた土壌還元消毒 (以下フスマ還元) が普及しているが,十分な防除効果が得られない事例があった。そこで,低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒 (以下エタノール還元) およびフスマ還元による下層土のネコブセンチュウに対する防除効果について,2009年と2010年の圃場試験により検討した。2010年試験でのフスマ還元後の土壌では,深さ20cmまでしかジピリジル反応を示さなかったのに対し,エタノール還元処理後では深さ50cmの土壌までジピリジル反応を示し,下層土まで還元状態が維持されていることが確認できた。2009年試験でのフスマ還元後の表層ではネコブセンチュウ第2期幼虫は検出されなかったが,深さ20cm以降の土壌層で検出され,栽培終了時にネコブセンチュウ密度が著しく増加した。一方,エタノール還元処理後では2か年とも深さ50cmまでの土壌層からは検出されず,栽培終了時でのネコブセンチュウ密度の増加はわずかであった。2か年の試験ともエタノール還元の防除価は,フスマ還元の防除価より高かった。よって,低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒法では,下層土壌まで還元状態を維持しており,下層土のネコブセンチュウに対して安定的な防除効果があると考えられた。
著者
五十嵐 裕美 伊藤 博 一林 亮 坪田 貴也 吉原 克則 小泉 雅之 佐藤 秀之 山崎 純一 池田 隆徳
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.S2_5-S2_10, 2012

症例は60歳代の男性, 未治療の高血圧の既往があり, 国内線の飛行機内で心肺停止となった.客室乗務員が自動体外式除細動器(AED)を装着し1回作動後に心拍が再開し, 羽田着陸後, 当センターに緊急搬送された.AEDの記録では心室細動(VF)を呈していた.JCSII-10, GCS E4V2M4, 瞳孔3mm大で左右差なく, 血圧212/mmHg, 脈拍111/分であった.心電図は洞調律で, V<sub>4~6</sub>誘導でstrain T波が認められた.脳保護目的で低体温療法が3日間施行された.復温後に意識状態は回復し, 神経学的後遺症は認められなかった.ACh負荷冠動脈造影で4-AVが完全閉塞となり, 冠攣縮性狭心症と診断された.心臓電気生理学的検査(EPS)でVFが誘発されたこともあり, 植込み型除細動器(ICD)が植え込まれ退院となった.2010年1月より当センターは羽田空港の航空会社と救急医療連絡会を行っている.同年10月に新国際線旅客ターミナルが開設し, 旅客数の増加が見込まれる.迅速な応急処置と救急処置で救急の輪が成立し, 社会復帰が可能となった症例であったので報告する.
著者
吉岡 正和 山本 正之 藤井 秀樹 松本 由朗 菅原 克彦
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1034-1039, 1985
被引用文献数
4 6

肝細胞癌(HCC)リンパ節転移の特徴を知る目的で,胆管細胞癌(CCC)を対象として1972~1981年の10年間における日本病理剖検輯報を集計し,統計学的検討を加えた.HCC 12,459例,CCC 2,048例の内,リンパ節転移はHCC 33.3%, CCC 67.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.血行性転移と播種はHC C59.4%, CCC 78.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.HCCにおいては,肝硬変併存9,679例(77.7%)と非併存例を比較すると,リンパ節転移率(24.6%, 43.4%),血行性転移と播種率(59.4%, 78.6%)は,共に肝硬変非併存例に高かった(p<0.01, p<0.01).リンパ節転移の広がり方としては,共に,領域リンパ節転移がなくて領域を越えたリンパ節に転移のある例がHCC 42%, CCC 34%にあり,肝臓の頭,尾方への拡大では,HCCはCCCに比べ頭方へ広がる率が高いが,領域リンパ節にのみ転移が止る場合,HCC, CCC共に大部分の症例で尾方への拡大であった.
著者
笹原 克夫 海老原 和重 門間 敬一 石橋 晃睦
出版者
社団法人 日本地すべり学会
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.17-24, 1996-09-15
被引用文献数
1

AEパラメーターによる斜面の変形・破壊挙動を評価する手法を確立するために, 一面せん断試験と模型斜面の崩壊実験を行った。その結果せん断仕事率やせん断ひずみの速度と, AEエネルギーレイトやAEイベントレイトの間に線形関係が確認された。<br>これらのAEパラメーターを福囿式などに用いることにより, 斜面崩壊発生予測が可能であると考えられた。
著者
梅原 克彦
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-25, 2015

筆者が本学に着任した2012年1月当時、東南アジア諸国からの観光客誘致についての問題意識は、秋田県内でほとんど共有されていなかった。本稿は、「行動するシンクタンク」として設立された東アジア調査研究センターの一員として行った、東南アジア諸国とりわけタイからの観光客誘致に関する調査成果について整理、記録するとともに、その過程で明らかになった課題等について論じるものである。まず、観光客誘致のターゲットとしての東南アジアの観光市場と仙台市の先進事例を参考に、タイ、シンガポールで行った聞き取り調査成果を踏まえて、「ASEAN諸国との観光交流促進について」行った政策提言について論じる。次いで、タイからの観光客誘致に向けて実施され、筆者も参加したタイ商談会と、タイ旅行業協会による秋田調査について紹介する。また、これらの成果によって実現した本県知事によるトップ・セールス及び観光セミナーと、タイ国際航空チャーター便による東北一周ツアーについて論じる。最後に、今後の東北地方全体の広域連携を見据えて、「街道」コンセプトを全面に押し出したツアープラン等、幾つかの具体的提言を行う。
著者
福原 克治 松木 容彦 南原 利夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.208-212_1, 1985-04-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
18
被引用文献数
3 4 3

HPLCによる食品中のテオブロミン, テオフィリン及びカフェインの同時分析法を確立した. これらの精製を行うため, 茶及びインスタントコーヒーについては蒸留水で抽出した後, さらにクロロホルムに転溶した. また, ココア及びチョコレートについては蒸留水と四塩化炭素を用いることにより, 簡便に油脂の除去と同時に抽出を行うことができた. HPLCの測定条件は, カラムにFLC-ODSを, 移動相に水-アセトニトリル (150:10) を用いた. 本法によるこれらの食品からの回収率は88~92%であった.

1 0 0 0 OA 人魚について

著者
菅原 克也
出版者
東京大学比較文学・文化研究会
雑誌
比較文学・文化論集 (ISSN:0911341X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.86-95, 1991-06-10
著者
福田 晋久 辻 真太朗 谷川原 綾子 西本 尚樹 小笠原 克彦
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.505-511, 2015 (Released:2015-06-20)
参考文献数
31

This study aims to grasp the target area of the literature on ontology and to apply it in radiological technology. We used Google scholar to search the literature containing the keyword “ontology”. Our search identified and extracted 162,381 words from 29 manuscripts and used the 8,706 nouns excluding duplicates as individual variable. Using a cluster analysis, we categorized the documents to one of the following five classifications: (1) “Systematization of vocabulary by text mining”, (2) “Hierarchy of language information”, (3) “Conceptualization of situation”, (4) “Standardization of lexical information”, and (5) “Visualization of the concepts related to the problem”. We propose that the terminologies in (2), (4), and (5) cluster can be used in radiological technology field.
著者
小原 克博
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-23, 1998

<p>本論文は、フェミニズム思想およびフェミニスト神学と対話しつつ、特にジェンダーの視点から伝統的な神理解の再解釈を試みる考察である。第1章では、最近の英訳聖書において、父なる神という伝統的理解が見直されつつある状況を考慮しながら、聖書が男性中心的であるという批判を解釈学的にどのように受けとめることができるかを論じる。第2章では、フェミニスト神学によって批判されている男性中心的神理解が、「神の像」という概念を媒介にして人間論にまで拡張されていることを考察する。第3章では、聖書的伝統の中には、父なる神、唯一神論という定型的理解に収まらない多様な神理解があることを論述する。第4章では、家父長制的拘束からの解放を模索するフェミニスト神学の試みを類型的および解釈学的に検討する。第5章では、フェミニスト神学の成果が日本の文化の中で、どのように受容されるべきかを示唆する。</p>
著者
櫛原 克哉
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.574-591, 2015

本稿は, 社会生活への適応に困難を感じたために, 精神医療機関を利用した経験のある人々の語りを考察した. 近年の精神薬理学や臨床心理学的治療の拡充を受け, 精神医学においては従来の心理的・内面的な要因を対象とした治療に代わり, 患者の脳を中心とする生物学的要因や可視的な行動の矯正といった「フラット」な領域の治療が推進されている. N. Roseは, このような管理技術の浸透を, 精神医学の統治の「フラット化」の現象として指摘する.<br>統治のフラット化を被治療者の観点から考察すべく, 筆者は医療機関への通院経験がある6名を対象にインタビュー調査を実施した. その結果, 「全人格型の語り」と「場面型の語り」の2類型が導出された. 「全人格型の語り」は心理学的な因果関係の文脈から過去との連続性を有する自己を導出するのに対し, 「場面型の語り」は現在属する社会環境内で問題となる思考や行動を限局的に調整しようと試みる断片的な自己という性質を有した.<br>2つの語りは, 精神医学の治療構造の分裂を反映し, 医学のフラット化が不均質に浸透したことにより, 治療対象となる自己も分裂して生起することが確認された. このことから, 精神医療における統治により, 社会環境に適合的な自己が「フラットに」産出される一方で, 心理学的な主題に回帰して「精神の深部」を参照するような自己が, フラットな統治を下支えし治療の求心力として作用していることが示唆された.
著者
辻 真太朗 福田 晋久 谷川原 綾子 西本 尚樹 本間 勝美 小笠原 克彦
出版者
Japanese Society of Radiological Technology
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.186-193, 2015

<i>Purpose:</i> In 1994, Japanese Society of Radiological Technology (JSRT) constructed the lexicon in the field of radiologic technology. However, recently, latest lexicon is not updated yet. The purpose of this article is to compare the terminologies in clinical medicine with the others and to consider reconstructing the lexicon in the radiological technology. <i>Materials and Methods:</i> Our study selected three categories from the database of the academic society. These three groups were Clinical medicine (hereafter CM, 167 societies, includes JSRT), Psychology / Education (hereafter P/E, 104 societies), and Comprehensive synthetic engineering (hereafter CSE, 40 societies). First, all societies were surveyed to know whether there were any lexicon in their official website. Second, these terminologies were surveyed on the following criteria: (a) Media of lexicon, (b) Number of terms, (c) File type of lexicon, (d) Terms translated into English, (e) Way of searching terms, and (f) Number of committees of the terminology. <i>Results:</i> Lexicon in CM, P/E, and CSE had 20, 4, and 7. Compared with P/E and CSE, CM showed the following trends: (a) used electronic media frequently, (b) stored large number of terms (about 5,000 to 11,000), (c) enabled to download frequently, and (d) used the alphabet and Japanese syllabary order frequently. <i>Conclusions:</i> Compared with the lexicon of P/E and CSE, terminology in CM tended to adopt the electronic media of lexicon and to have large number of terms. Additionally, many lexicons were expressed in English terms along with Japanese terms. Following massive lexicon of SNOMED-CT and RadLex, it is necessary to consider applying the web-based term searching and an ontological technique to the lexicon of radiological technology.
著者
金崎 彰三 原 克利 河野 正典 糸永 一朗 加来 信広 藤川 陽祐 津村 弘
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.665-667, 2009-09-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
8

咳嗽により発症した腹直筋血腫の1症例を経験したので報告する.症例は77歳男性,糖尿病の既往歴があった.肺炎による激しい咳嗽後に右上腹部の疼痛と腫脹が出現した.超音波検査にて腹壁膿瘍が疑われたが,CTにより腹直筋血腫と診断し得た.保存的加療により症状は軽快した.3カ月後のCTでは血腫は著明に縮小しており,経過は良好である.