著者
三好 隆行 石原 克之 中村 和哉 古賀 秀徳
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.277-282, 2006-10-20
被引用文献数
3

フライ調理によるポテトチップス中の抗酸化成分およびその含有率の変化について検討した。1.ジャガイモをフライ調理してポテトチップスにするこ[table]とでL-アスコルビン酸,クロロゲン酸等の抗酸化化合物は乾燥重量当たりの含有量では減少し,調理による損失が確認されたが,湿重量当たりの含有量では水分が減少することによる濃縮効果により生イモ時の約2倍に高められた。2.ポテトチップスの水溶性画分を限外ろ過し,各画分のDPPHラジカル消去活性を比較したところ,分子量3,000〜20,000の中分子画分において収量は少ないが非常に高い抗酸化活性があることが確認された。褐変度が高く,メラノイジンによるものであると考えられる。3.また分子量3,000未満の低分子画分はもっとも収量が多く,総抗酸化活性の91%が認められた。分子量3,000未満の低分子画分の抗酸化活性はメラノイジンとクロロゲン酸によるものと確認された。4.市販されているジャガイモフライ製品19品種のDPPHラジカル消去活性を調査したところ,生芋タイプのポテトチップスにおいて高い活性が認められ,加工度の高い成型タイプでは低めの傾向であった。
著者
中西 洋喜 小笠原 克久 沼田 亜紀子 野口 新 吉田 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.637, pp.9-15, 2001-02-16
被引用文献数
1

軌道環境保全という観点から, 故障衛星がスペースデブリとなって漂いつづけるという問題は今後ますます深刻になっていくと考えられ, これらを回収する技術が求められている.ロボットアームを搭載した無人衛星によって、故障した衛星を回収・軌道外投薬することが議論されている。この場合, ターゲットが協力的(姿勢安定, グラプルフィクスチャー装備)であることが要求されるが, 故障衛星にそのようなことを望むことはできない。本論文では, 非協力衛星を協力化させる衛星回収システム"The TAKO-Flyer"を提案する.The TAKO-Flyerはターゲットに多関節グリッパー"TAKO-Gripper"を用いてソフトに抱きつき, その姿勢を安定化させ, ロボット衛星により回収が可能となるような機能を提供する.
著者
武田 佐知子 池田 忍 脇田 晴子 太田 妙子 堤 一昭 井本 恭子 千葉 泉 福岡 まどか 三好 恵真子 宮原 暁 住村 欣範 深尾 葉子 生田 美智子 松村 耕光 藤元 優子 宮本 マラシー 竹村 景子 中本 香 藤原 克美 古谷 大輔 村澤 博人 鷲田 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の成果は大きく分けて二つある。一つは、従来のカタログ的な着衣研究ではなく、個別地域の具体的な文脈から引き離さず、着衣、身体、女性の関係を読み解くための共通の枠組を構築し、ローカルな視点とグローバルな視点の接合によって開ける多様性のなかの着衣研究の可能性を提示したことである。男性身体の周縁に位置づけられた女性身体の可変性、着衣による身体のイコン化と増殖現象、共同体による着衣身体の共有と変換、ジェンダー秩序のなかで受容される女性身体の意味とその操作、そして既存の共同体の集合的に実践や意識/無意識が、視覚表象と深く関わり相互交渉がなされていることを明らかにした。二つめは、日本では「着衣する身体の政治学」と題し、タイでは「着衣する身体と異性装-日・タイの比較-」と題した国際シンポジウムを開催し、単に抽象的、モデル的に着衣研究の事例を理解するのではなく、現場に即した肌に触れる知を通して、実践知と暗黙知を提示したことである。
著者
三木 哲郎 上島 弘嗣 梅村 敏 小原 克彦 田原 康玄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

多因子疾患の感受性遺伝子に関する長期縦断疫学研究を行った。これまでの断面的解析から同定された肥満、2型糖尿病、高尿酸血症の感受性遺伝子が、これら疾患の新規発症とも関連することを明示した。断面解析からは、ATP2B1が高血圧感受性遺伝子であることを突き止めた。ノックアウトマウスを用いた検討から、ATP2B1は細胞内カルシウム濃度および血管収縮性の亢進を介して血圧上昇を来していることが明らかとなった。
著者
梶原 克教
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究において発見できたのは、アフリカ系およびカリブ系の文化が修辞法の面において強く示す傾向が、先進的技術革新を通じて広く環大西洋にみられるようになった文化的側面と緊密な親近性を持つという点であった。それは、言語における形体的修辞法と、身体が示す擬態性との、さらにはサンプリングテクノロジー等により可能となった反復性との関連においてである。すなわち、地理的・人種的・民族的に後進的とされるアフリカ・カリブ系の文化が、先進テクノロジーと強い親近性を示し、新たな文化的潮流を生み出していることが立証できたのである。
著者
石川 裕一 宮城 匡彦 松本 知子 渡邊 奈津子 東條 靖 廣井 直樹 久保木 幸司 芳野 原 坪田 貴也 吉原 克則
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.2552-2554, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

34歳,女性,7月に起立困難で入院.心エコーにて著明な右心不全を認め,急激に呼吸状態の増悪を来たした.スワンガンツカテーテルにて全身血管抵抗低下を伴った高心拍出性心不全の所見を呈し衝心脚気と診断.フルスルチアミン投与したところ24時間以内に循環動態の改善が認められた.衝心脚気の原因として本人が2月から始めた健康食品ダイエットが原因と考えられた.現在では稀な疾患ではあるが,短期間で重症化し致命的な経過を辿る事がある為,注意が必要であると考える.
著者
吉原 克彦 池田 良成 飯塚 祐二 山下 満男
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第18回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.15-16, 2004 (Released:2004-09-01)

パワーデバイスにおける半導体チップと絶縁基板の電気的配線は、現在アルミワイヤーによる ワイヤーボンディングが主流であるが、半導体パッケージの小型化,薄型化,大容量化にともなう 電流密度及び熱密度の増大により、新たな配線方法が必要になってきている。我々は、ワイヤーボンディングに代わる新たな配線方法としてリードフレーム配線を用い、その放熱効果を温度実測と電気-熱連成解析により検討を行ったので報告する。
著者
蔭山 哲也 根本 啓次 篠原 克也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.311-312, 1994-09-20

人工現実感システムの多くは仮想空間を映像情報だけで表現している。しかし映像情報と音響情報の双方を組み合わせることで、システムの利用者に映像情報だけでは伝えきれない臨場感を与えることができる。本稿では人工現実感スキーシステムの音響生成について述べる。以下、本システムで呈示する効果音について述べ、本システムのような分散システムにおける音響生成の問題点について述べる。最後に、音響生成モジュールの実装における上記問題点への対処について述べる。
著者
村野 多可子 青木 ふき乃 脇 雅之 椎名 幸一 石原 克己 小俣 友紀子
出版者
鶏病研究会
雑誌
鶏病研究会報 (ISSN:0285709X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.171-180, 2001-02-25
被引用文献数
6

市販Salmonella Enteritidis(SE)不活化油性アジュバントワクチン(SEワクチン)の生産性に及ぼす影響と有効性について検討した。採卵鶏5銘柄を各々100羽づつ供試し,各銘柄の50羽に104日齢でSEワクチンを肩部皮下接種した。その後,474日齢まで体重,飼料摂取量,産卵諸性能,抗体価を経時的に調査した。生産性に及ぼす悪影響は各銘柄とも接種後1週以内に最も顕著に認められたが,回復状況は銘柄により異なり,銘柄4のように初期産卵まで影響が継続するものもあった。抗体の産生性と持続性は銘柄により大きく異なり,銘柄1はピークも低く,持続性も悪かったが,銘柄3は調査終了時でも高い値を示した。さらに475日齢に各銘柄のワクチン接種群と無接種対照群の各々8羽にSE ZK-2a株のリファンピシン耐性株を経口接種により攻撃した。その結果,拝菌数は銘柄2,3,5で,調査日によりワクチン接種群と無接種対照群の間で有意な差が認められたが,肝臓,脾臓,卵巣,卵管における生菌数は各銘柄とも明らかな差はみられなかった。以上の成績からSEワクチンの使用にあたっては,鶏の銘柄によってワクチン接種に対する応答の異なることを考慮する必要のあることが示唆された。
著者
笠原 克昌 鳥居 祥二 小澤 俊介 清水 雄輝 増田 公明 さこ 隆志
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

LHCf実験はCERN LHC加速器を用いて,超高エネルギー宇宙線(UHECR)に匹敵するエネルギー領域で超前方に発生する粒子(ガンマ線=光子,中性子)のスペクトルを観測する.これにより宇宙線実験で使われているモンテカルロ(MC)シミュレーションで用いられる核相互作用モデルの検証を行い,UHECR の謎の解明に役立てるのが目的である.LHCfは2009年末に450GeV+450GeV衝突,2010年に3.5TeV+3.5TeV衝突の観測に成功した.これらは実験室系換算で4.3・10^<14>eVと2.6・10^<16>eVにそれぞれ相当する.MCのモデルとしてDPMJET(v3.04),PYTHIA(v8.145),QGSJET II(v03),SIBYLL(v2.1)およびEPOS(v1.99)を検証した.この全く未知の領域でのスペクトルは予想から全く外れている訳ではなかったものの,これらのどのモデルも実験結果を満足に再現するレベルには遠いことが判明した.光子のスペクトルは多くのMC モデルよりソフトな様相を呈し,ハドロンはハードな様相を呈している.また,LHCの他の実験(ATLAS,CMSなど)の中心領域での擬ラピディティ(η)分布の結果と合わせると,全てのモデルはLHC 領域で破綻すると言ってよい.DPMJETは低エネルギー領域では非常によいモデルであるが,LHCf での光子スペクトルはデータよりかなりハードである.η分布はLHC領域で突然データからずれる.PYTHIAはLHCのη分布を再現するように調整されたものを用いたが,光子についてはDPMJET と同じ様相を呈する.これらのことは,数年後に期待されるLHCの最高エネルギーでの実験を行い,破綻の傾向を調べ,モデルの検証行うことが重要なこと,新たなモデルの構築が必要なことを示している.
著者
梶原 克教
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

イングランド、アイルランドから、カリブ海諸島を経て北アメリカにまで広がる英語圏の文化、とりわけ植民地主義以降の文化を、環大西洋圏文化として位置づけ、そこに見られる共通性として、おもに以下の2点が挙げられることを立証することができた。(1) 1960年代以降の当該文化圏文化においては、形式・媒体を通じて伝えたい意味を表現するのではなく、特定の形式・媒体自体を利用すること自体に重点が置かれている点。(2) 表現形式において俗に身体性と呼ばれるものが、言語においては「比喩的」次元と異なる「形体的」次元と関係がある点。
著者
林田 理惠 上原 順一 藤原 克美 堀江 新二 藤原 克美 堀江 新二 カザケーヴィチ マルガリータ
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

大阪大学外国語学部ロシア語専攻における過去7年間のロシア語検定試験試行結果を分析.学習者の技能別・問題内容別習得度と各年次教育カリキュラムとの相関性を調査・考察し.本学教育システムに適合し得る「国際基準」に準拠した(CEFR基準A1~B1の3レベル)文法・語彙.読解.聴解.作文.口頭発話の5領域の総合試験を作成.本学「授業支援システムWebCT」をLMS(学習管理システム)として活用した試験実施システムを開発.またパフォーマンステストにおける本学独自の客観評価法を確立した
著者
福田 育弘 神尾 達之 桑野 隆 後藤 雄介 高橋 順一 原 克
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

各人がそれぞれのフィールドにおいて近代の飲食行為を文化現象として考察した。福田は、おもにフランスと日本において、共に食べることに価値を見出す<共食の思想>の在り方を、歴史的な社会的背景をふくめ学際的に考察した。とくに、日仏の文学作品における共食の表象を研究し、それぞれの社会で、個人にとっての飲食の意味を重要視する<個食の快楽>が、<共食の思想>にあらがいながら形成されてきたことを明らかにした。ロアルド・ダール『チャーリーとチョコレート工場』(1964)は、2005年にティム・バートン監督によって映画化された。神尾は、子供向けのファンタジーとして読まれているダールの原作から表向きはいわば排除されていたチョコレートのセクシュアルな意味合いは、バートンの映画で回帰する。本研究では、この回帰のプロセスをチョコレートの表象の変化として考察した。桑野は、ロシア・アヴァンギャルドと社会主義リアリズムにおける飲食の表象を比較した結果、後者は豊かな飲食のイメージを捏造しているのに対し、前者では独特の日常生活観や革命観も関連して飲食の表象が乏しいことが改めて確認した。後藤は、ラテンアメリカの「喰人」表象が西欧とラテンアメリカの関係性において、今日のポストコロニアル的なものへと変化していったことを明らかにした。高橋は、わたしたちの社会の変容にとって重要なキー概念としての歓待の概念を研究した。歓待の概念は人類と生活世界(Lebenswelt)についての新たな視点の基礎となるものである。現在、高橋は歓待の哲学的な基礎について考察を行っている。原は、「お袋の味」言説を起点に、大量生産消費文化と家族制度イデオロギーという視点から20世紀米国の食をめぐる表象構造を批判的に分析した。以上の研究から、近代における飲食の問題性が学際的に浮き彫りになった。
著者
藤原 克美
出版者
大阪外国語大学
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13431382)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.257-278, 1999-03

Ранее в статьях за 1997г. было уже написано о деятельности и особенностях учреждений АО ≪Концерн ≪Ростекстиль≫, созданного на основе бывшего государственного учреждения РСФСР. Оно еще выполяет функцию, которую в свое время исполняло бывшее министерство, но постепенно сокращается еговлияние на отдельные предприятия и промышленность в целом. С другой стороны, в последние годы наблюдается ≪давальческая≫ система, в которой производственное предприятие перерабатывает сырье давальца и возвращает ему готовый продукт (ткань), полученный при переработке этого сырья и получает при этом деныи, затраченные на переработку. Важным моментом этой системы является отсутствие оборотных средств на предприятиях. Такая схема используется и внутри ≪Ростекстиля≫, и между посредниками, и производственными предприятиями. Эти посредники-коммерческие Фирмы, изначально торгующие только хлопком, сейчас, благодаря ≪давальческой≫ системе, проникают в текстильную и в легкую промышленность, при этом выкупая пакеты акций известных, но плохо работающих предприятий, и тем самым, в особенности крупные посредники внедряются в текстильную промышленность. В представляемой статье приведен пример АО ≪Текстильной Фирмы ≪Контекс≫. В 1997 году ≪Контекс≫ стал владельцем АО ≪Камыщинский комбинат≫ и благодаря этому на комбинате налажено регулярное производство. У них сейчас хорошие отношения. К сожалению, такие благоприятные отношения не всегда обеспечиваются при ≪давальческой≫ системе. Так же подвергается глубокому осуждению то, что ≪давальцы≫ навязывают предприятиям ≪кабальные≫ условия-низкую плату. Кроме того, и посредникам трудно реализовать отечественные текстильные изделия или одежду на рынке. Поэтому не ясно, намерены ли посредники-давальцы полностью владеть господствующими акциями текстильных предприятий и вложить в них капитал или нет. Но известна борьба нового посредника с ≪Ростекстилем≫ по поводу, например, получения госзаказа по межправительственному контракту на покупку хлопка из Узбекистана, и расхождение мнений о необходимости государственной поддержки.