著者
一林 亮 本多 満 鈴木 銀河 渡辺 雅之 野口 晃司 豊田 幸樹年 田巻 一義 籾山 浩一 原 規子 吉原 克則
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.593-601, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
14

目的:東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020)に向けて,東京国際空港の利用客数の増加とともに,救急対応の質が求められる。われわれは空港における救急需要増加に対する方策を検討した。対象と方法:2014〜2015年にかけての空港からの搬送者を対象として東京消防庁の救急隊記録から,活動内容の解析を行った。結果:救急隊活動時間と空港内での活動時間を比較すると到着-接触時間,収容-出発時間が長く,国際線における収容-出発時間が延長し,2015年で17分を要した。考案:救急隊活動時間延長には救急医療体制に問題があると考えられる。到着-接触時間延長は空港の導線に問題があり,その間にfirst responderとしての職員の教育や空港内救急救命士などの介入が有用と考える。結語:東京2020に向けて救急活動における共通の課題として空港周辺医療施設,空港関係者で情報共有や対策作成が必要である。
著者
石原 克之 川端 克司 鈴木 信孝 關谷 暁子 上馬塲 和夫 川島 拓也 中出 祐介 許 鳳浩 麦田 裕之 佐久間 塁 古賀 秀徳
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-40, 2014

じゃがいもには葉酸が含まれており,じゃがいもを原料とするポテトチップスには,フライ調理することにより濃縮され,じゃがいも以上に葉酸が含まれている.葉酸は胎児の先天性疾患の予防から若い女性へ積極的な摂取が勧められているビタミンである.また葉酸は,循環器疾患の危険因子として知られるホモシステインの血中濃度を下げる効果が期待されている.そこでポテトチップスの経口摂取におけるヒトへの葉酸の吸収および血中ホモシステイン濃度について検討した.<br> その結果,ポテトチップス摂取後の血清中の葉酸濃度は摂取 1,3,6 時間後に有意に増加し,摂取 3 時間後にはビタミン B<sub>6</sub> も有意に増加した.また,血漿ホモシステイン濃度は摂取 6 時間後に有意に減少した.<br>
著者
福井 淳一 井上 健太郎 向出 裕美 尾崎 岳 道浦 拓 徳原 克治 岩本 慈能 坂井田 紀子 植村 芳子 權 雅憲
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.223-229, 2014-04-01 (Released:2014-04-12)
参考文献数
10

症例は65歳の女性で,下血を主訴に前医受診し高度貧血を認めた.上部・下部内視鏡にても原因不明の消化管出血に対し,造影CTを施行し小腸に強い造影効果を伴う腫瘤を認めた.当院にて小腸カプセル内視鏡およびダブルバルーン小腸内視鏡を施行し,下部空腸に20 mm大のびらん・delleを伴う粘膜下腫瘍様の腫瘤を認めた.消化管出血を伴う空腸gastrointestinal stromal tumorと診断し腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査所見および免疫組織化学検査所見では中間悪性型の小腸glomus腫瘍であった.消化管原発glomus腫瘍は比較的まれで,そのほとんどが胃原発である.小腸glomus腫瘍は本邦では報告がなく英文報告でも2例しか報告されていない,極めてまれな疾患である.
著者
西原 克敏
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1410, pp.192-195, 2007-10-01

私たちの会社は静岡市を拠点に、北海道から沖縄まで全国で消費者金融の事業を展開しています。静岡の方はもちろん、地方にも当社の存在を知る方がいらっしゃるかもしれません。最近は、消費者金融への法規制が強化され、事業金融の強化という業務の見直しも進めています。 しかし、改革が軌道に乗る前につまずきました。9月14日に民事再生法の適用を申請せざるを得なくなった。
著者
小野 尚哉 江藤 史哉 島田 徹 笹原 克夫 桜井 亘 鷲尾 洋一
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.179-186, 2014 (Released:2014-11-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

平成23年台風第6号に伴う豪雨によって発生した深層崩壊について,その発生場の地形・地質的特徴を整理し考察を行った。まず深層崩壊発生箇所とその周辺の微地形について,航空レーザ測量データを基に地形判読を行い抽出した。この地形判読を行った範囲に対して地表踏査を実施し,地形・地質と変状を記載した。その結果,小島地区の深層崩壊は,山頂緩斜面下方の岩盤クリープ地形が分布し侵食前線が位置するエリアで生じており,付近には褶曲や断層などの劣化帯が分布していることが判った。また,付加帯である四万十南帯の砂岩泥岩互層が分布する小島地区とその周辺においては,深層崩壊跡地などの大規模斜面変動地形が広く,かつ数多く確認され,層理面構造が流れ盤となっていないものの,節理等の亀裂系の発達等により岩盤の緩みが進行した範囲で生じていることが判った。
著者
奈良岡 聰智 小川原 正道 川田 敬一 土田 宏成 梶原 克彦 水野 京子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.189-200, 2013

本研究は,各国の駐日大使館の立地,建築様式,およびその機能について解明することを目的としたものである,駐日大使館については研究の蓄積が浅いため,まずは建築史料,外交文書など,一次的史料やデータを収集することを通して,今後の大使館研究の基盤を構築することを目指した。また,それらの史料情報を得るにあたって,旧華族への聞き取り調査を行った。特に研究対象としたのは,重要な外交上のパートナーであったアメリカ,フランス,およびベルギーの3国である。本研究を通じて,大使館が両国の外交関係を「象徴」する存在として,重要な機能と特徴的な建築を有していたことが確認された。
著者
春名 匡史 板野 哲也 立花 孝 田中 洋 信原 克哉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】Wind-up期である,踏み出し脚の膝が最も高く挙がった時点(以下KHP:Knee Highest Position)における体幹アライメントや身体重心位置が,early cocking期である踏み出し脚接地時(以下FP:Foot Plant)に影響を及ぼすといった報告が散見される。しかし,この点を定量的に検討した報告はほとんど見当たらない。そこで今回,KHPにおける体幹アライメント・身体重心位置が,FPの体幹アライメントに実際に影響を与えるか否かを定量的に検討した為報告する。【方法】対象は,踏み出し脚の膝を軸脚側の上前腸骨棘より挙上して投球を行った様々な競技レベルの野球選手55名とした(年齢9-30歳)。左投手は右投手に変換して分析を行った(以下左右は右投手を想定して記載する)。KHPにおける上半身重心位置,骨盤左回旋・後傾角度,体幹伸展・右側屈角度の5つの変数群と,FPの骨盤左回旋角度,体幹伸展・右側屈角度の3つの変数群に対し,正準相関分析を行った。なお,重心位置と体幹・骨盤角度では単位が異なる為,変数は標準化を行った。上半身重心位置は合成重心法により算出した点の,水平面上における軸脚足部長軸方向の位置を,つま先方向を正として求め,軸脚足部長軸の長さで規格化した。骨盤運動はカメラ座標系に対する骨盤座標系の回転を,体幹運動は骨盤座標系に対する胸部座標系の回転をそれぞれオイラー角で表現した。有意水準は5%とした。【結果】正準相関分析の結果,第1正準変量では,正準相関係数がr=0.656(p=0.002)で,正準負荷量は,KHPの変数群では上半身重心=-0.017,骨盤左回旋=0.518,骨盤後傾=-0.915,体幹伸展=0.963,体幹右側屈=0.007であり,FPの変数群では骨盤左回旋=0.072,体幹伸展=0.914,体幹右側屈=-0.268であった。KHPの体幹屈曲伸展,骨盤前後傾,骨盤回旋,上半身重心,体幹側屈の順に,FPにおける体幹伸展への影響度が高かった。第2正準変量以下は正準相関係数が有意でなかった。【結論】本検討の結果より,KHPにおいて体幹がより伸展位,骨盤がより前傾位であると,FPの体幹伸展が大きくなると考えられた。しかし,有意な正準相関係数が認められ,正準負荷量が高値であったものは,FPの変数群では体幹伸展のみであった。FPでの不良動作として頻繁に述べられる,「体の開き」を表すと考えられるFP骨盤左回旋等は,KHPによる有意な影響はみられなかった。つまり,KHPによるFPへの影響は,定量的には限定的であった。この為,実際の臨床において,KHPの影響によりFPの不良な体幹アライメントが生じていると考える時は,慎重な検討が必要である。
著者
梅原 克彦
出版者
公立大学法人 国際教養大学 アジア地域研究連携機構
雑誌
国際教養大学 アジア地域研究連携機構研究紀要 (ISSN:21895554)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-25, 2015-06-30 (Released:2018-04-27)

筆者が本学に着任した2012年1月当時、東南アジア諸国からの観光客誘致についての問題意識は、秋田県内でほとんど共有されていなかった。本稿は、「行動するシンクタンク」として設立された東アジア調査研究センターの一員として行った、東南アジア諸国とりわけタイからの観光客誘致に関する調査成果について整理、記録するとともに、その過程で明らかになった課題等について論じるものである。まず、観光客誘致のターゲットとしての東南アジアの観光市場と仙台市の先進事例を参考に、タイ、シンガポールで行った聞き取り調査成果を踏まえて、「ASEAN諸国との観光交流促進について」行った政策提言について論じる。次いで、タイからの観光客誘致に向けて実施され、筆者も参加したタイ商談会と、タイ旅行業協会による秋田調査について紹介する。また、これらの成果によって実現した本県知事によるトップ・セールス及び観光セミナーと、タイ国際航空チャーター便による東北一周ツアーについて論じる。最後に、今後の東北地方全体の広域連携を見据えて、「街道」コンセプトを全面に押し出したツアープラン等、幾つかの具体的提言を行う。
著者
小原 克博
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.3-23, 1998-07-06 (Released:2017-07-18)

本論文は、フェミニズム思想およびフェミニスト神学と対話しつつ、特にジェンダーの視点から伝統的な神理解の再解釈を試みる考察である。第1章では、最近の英訳聖書において、父なる神という伝統的理解が見直されつつある状況を考慮しながら、聖書が男性中心的であるという批判を解釈学的にどのように受けとめることができるかを論じる。第2章では、フェミニスト神学によって批判されている男性中心的神理解が、「神の像」という概念を媒介にして人間論にまで拡張されていることを考察する。第3章では、聖書的伝統の中には、父なる神、唯一神論という定型的理解に収まらない多様な神理解があることを論述する。第4章では、家父長制的拘束からの解放を模索するフェミニスト神学の試みを類型的および解釈学的に検討する。第5章では、フェミニスト神学の成果が日本の文化の中で、どのように受容されるべきかを示唆する。
著者
原 克
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

20世紀は科学の時代ではなく「科学神話」の時代である。本研究ではこうした科学情報の神話構造を暴きだすことを目指した。身体と科学の関係については身体表象三部作(各単著『美女と機械』『気分はサイボーグ』『身体補完計画』)によって、情報処理機械と人間精神の関係については単著『サラリーマン誕生物語』によって、家電品とモダンライフの関係については単著『白物家電の神話』によって、科学技術と大衆の総覧的関係については単著『20世紀テクノロジーと大衆文化2』によって、それぞれ科学神話の構造を分析した。
著者
西原 克成
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.130-145, 2013

<b><b>今日の医学には環境エネルギーとミトコンドリアのエネルギー代謝と動物の生体力学エネルギーの三者が欠落している.そのため組織免疫系の発生や難病の発症のしくみも皆目見当もつかない.著者はこれらの三者のエネルギーを臨床医学に導入して「顔と口腔の医学」を創始し,多細胞動物の統一個体の統御系を細胞内小生命体のミトコンドリアの視座から研究し,細胞病理学に代ってミトコンドリア病理学を樹立し,難病発症のしくみを究明した.難治性の免疫病も悪性腫瘍も精神疾患もともに,環境エネルギーや生体力学エネルギーの不適によって口・喉・腸</b><b>内</b>の常在性微生物が白血球に感染し顆粒球に変容して全身の血液中をめぐって播種し,種々の器官の組織群の細胞内感染症で起こる疾病で,不顕性の日和見感染症状が,生活様式の激変で劇症化したことを明らかにした.常在性の腸内微生物の脳のニューロンの細胞内感染症が精神神経疾患で,それ以外のあらゆる組織の細胞群に発症した細胞内感染症による疾患が免疫病である.そしてこれらの腸内微生物が多重複合汚染した細胞内感染症が全身のあらゆる組織の細胞群に発症し,ミトコンドリアによる細胞増殖の負の制御系が荒廃した症例が癌である.したがって三つの疾病の治療法はすべて同じである.ミトコンドリア活性免疫治療法を実施するとともに,ミトコンドリア共鳴診断法にて有効と判断されるものを投与してこれらの難治性疾患を治癒に導く事が出来たのでそれらの症例を報告する</b><b>. </b>
著者
奈良岡 聰智 小川原 正道 川田 敬一 土田 宏成 梶原 克彦 水野 京子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集 (ISSN:21878188)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.189-200, 2013 (Released:2017-08-10)

本研究は,各国の駐日大使館の立地,建築様式,およびその機能について解明することを目的としたものである,駐日大使館については研究の蓄積が浅いため,まずは建築史料,外交文書など,一次的史料やデータを収集することを通して,今後の大使館研究の基盤を構築することを目指した。また,それらの史料情報を得るにあたって,旧華族への聞き取り調査を行った。特に研究対象としたのは,重要な外交上のパートナーであったアメリカ,フランス,およびベルギーの3国である。本研究を通じて,大使館が両国の外交関係を「象徴」する存在として,重要な機能と特徴的な建築を有していたことが確認された。