著者
小川 亮 坪井 一晃 栗原 聡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

重大な社会問題である交通渋滞において,渋滞解消のための効果的な信号制御手法の確立が切望されている.信号制御に関する研究は多数あるが,交通量に関する情報の潤沢な利用を前提とするものも多い.しかし,現実では多くの交差点で交通量を取得できないといった制限がある.そこで,群知能手法の一種であるフェロモンコミュニケーション法を用い,取得できない情報を補完し,効果的に信号機制御を行う手法を提案する.
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.269-289, 2008-03

明治以降の電信電話の発展において道路の利用は不可欠の重要性を有しており、電信と電話の道路占用には1890年に制定された電信線電話線建設条例によって法的保護が与えられ、逓信省は道路へ自由に電柱を建設することができた。しかし、それは道路行政を管掌する内務省の道路監督権限の侵害にあたり、道路交通の障害となる電柱も多かったため、内務省は1919年に成立した道路法で電信電話の道路占用に関する優遇措置を撤廃し、1936年および42年の内務逓信両省協定によって電信線電話線建設条例の問題点を全面的に解消した。
著者
松原 聡 Satoshi MATSUBARA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p91-99, 1986-11

サイトカイニン活性をもつ多くのプリン誘導体は, 人間の細胞培養において抗腫瘍作用など重要な生理作用を持っていることが知られている。一方, このような物質は種々の食品材料植物に, サイトカイニンあるいはtRNAの微量塩基として含まれていることが報告されている。本研究では, たけのこの煮汁に含まれているサイトカイニンについて, n-ブタノール分画, イオン交換樹脂カラム, セファデクスカラムを用いて分画し, 植物培養細胞の増殖を生物検定として調べた。その結果, たけのこの煮汁には数種のサイトカイニンが含まれていることがわかった。そのうちの水溶性サイトカイニンを, さらにペーパークロマトグラフィー, バリウム沈殿, 酵素分解などによって調べた結果, たけのこの煮汁に含まれている水溶性サイトカイニンはゼアチンのリボチドであると考えられる。煮汁には約20μMのゼアチンリボチドに匹敵する活性が含まれていることがわかった。
著者
北原 聡
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.71-86, 2008-09

戦間期の日本では、外資系自動車会社である日本フォード、日本GMによる自動車製造および全国的道路改良による道路状況の改善を背景に、貨物自動車の利用が大都市圏から地方へと拡大した。迅速かつ機動的な戸口から戸口への輸送という鉄道輸送には無い特徴をもつ貨物自動車は、輸送時間と輸送費の点で鉄道より優れていたことから、鮮度の維持が欠かせない生鮮食料品の輸送などに活用され、鉄道の補助輸送のほか鉄道と並行する輸送にも進出して、短距離輸送を中心に国有鉄道と自動車の競合が発生した。貨物自動車輸送業は車両1台を所有する小規模経営が一般的で、荷主の指示により随時随所で輸送を行う貸切営業が大宗をしめ、貨物自動車の急増に伴う競争の中で、輸送業者は種々の営業努力を行いつつ経営を成り立たせていた。
著者
松原 洋子 石川 准 菊池 尚人 立岩 真也 常世田 良 松原 聡 山口 翔 湯浅 俊彦 青木 千帆子 池下 花恵 植村 要
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

視覚障害等により印刷物の読書が困難なプリント・ディスアビリティのある学生の修学支援では、資料のデジタル化とICTインフラの活用が有効である。しかし日本の高等教育機関の図書館では対応が進まず、大学図書館の情報アクセシビリティに関する研究の蓄積も乏しかった。本研究では、大学等の高等教育機関における読書環境のアクセシビリティについて、公共図書館や海外事例を参照しながら制度・技術の両面から総合的に検討した。その結果、印刷物のデジタル化では未校正データの提供も一定有効であること、電子図書館サービスにおいてはコンテンツの形式以上にウェブアクセシビリティが重要であること等が明らかになった。
著者
馬場 正剛 鳥海 不二夫 榊 剛史 篠田 孝祐 栗原 聡 風間 一洋 野田 五十樹 大橋 弘忠
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

災害時においては、避難場所等の情報を素早く得ることが重要である。ソーシャルメディアは新聞やテレビよりも素早く情報を得ることができ、その一つとしてTwitterがある。災害時では飛び交っている様々な情報の分類が必要がある。本研究においては、東日本大震災時にTwitterで共有された情報をネットワーク構造によって分類し、そのクラスタリングの評価を行った。
著者
栗原 聡 菅原 俊治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

局所的な情報に基づいて自律的に動作する多数のエージェントにて構成されるマルチエージェントシステムを構築する際に,システムをボトムアップに構成する手法と,トップダウンに構築する手法とを融合させる方法の創出を目的とし,両者を競合させて動的平衡状態とする方法を提案した.そして,次世代知的交通制御システムを題材として,渋滞状況予測手法と信号機制御手法を提案し,両手法を効果的な融合を実現させることに成功した
著者
佐藤進也 福田 健介 菅原 俊治 栗原 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.14, pp.69-81, 2007-09-15
被引用文献数
1 6

文書に現れる語をノードとし,出現位置が近接しているものどうしをリンクで結び付けることにより得られる共起ネットワークでは,意味的関連性を有する語どうしがクラスタ構造と呼ばれる稠密な相互のつながりを形成している.本論文では,時間経過にともない文書が生成されていく,いわゆる文書ストリームから共起ネットワークを構成し,そこでクラスタ構造が生成される様子を調べた.その結果,共起ネットワークを(相対的に)古い語彙からなる部分と新しい語彙からなる部分に分けたとき,後者において,クラスタの出現という構造上の変化が,実社会の出来事などに起因する語の出現頻度の増大(バースト)に関連していることが明らかになった.In word co-occurrence networks, where two words appearing close to each other in documents are connected by a link, a group of relevant words forms a densely connected subnetwork called a cluster. In this paper, we analyze the process of emergence of the structure in co-occurrence networks generated from document streams. The analysis reveals that, if we restrict our scope to the subnetwork mostly consisting of (relatively) new words, we can associate emergence of the structure with the increase of word occurrence rate (bursts) that arises from real world events.
著者
寺松 寛明 大和 浩 姜 英 賀好 宏明 久原 聡志 大宅 良輔 伊藤 英明 黒田 耕志 松嶋 康之 佐伯 覚
出版者
The University of Occupational and Environmental Health, Japan
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.341-351, 2022-12-01 (Released:2022-12-05)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Little is known about the factors related to return to work (RTW) in patients with peri-operative lung cancer (LC). This study aimed to investigate whether pre-operative physical performance is associated with early RTW in patients with peri-operative LC. A total of 59 patients who wished to resume work after lung resection surgery were included and were divided into three groups: early RTW (within 14 days after discharge), delayed RTW (within 15–90 days), and non-RTW (failure of RTW within 90 days). The early RTW group had significantly lower scores on the modified Medical Research Council dyspnea scale (mMRC) and significantly higher scores on the Euro Quality of Life 5-Dimension 3-Level (EQ-5D-3L) than the non-RTW group. Multivariate logistic regression analysis showed that EQ-5D-3L scores were significantly associated with early RTW, and mMRC scores and knee extensor strength tended to be associated with early RTW. Better pre-operative quality of life, mild dyspnea, and greater lower limb muscle strength tended to be associated with early RTW in patients with peri-operative LC.
著者
宮城島 慶 松井 敏史 小原 聡将 三ツ間 小百合 田中 政道 輪千 督高 小林 義雄 長谷川 浩 神﨑 恒一
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.260-268, 2015-07-25 (Released:2015-08-13)
参考文献数
24
被引用文献数
4 1

目的:2011年に提唱された医療・介護関連肺炎(NHCAP)ガイドラインに従い高齢者肺炎の治療を行い,入院前後の介護度悪化にかかる予後規定因子を検討した.方法:2012年4月から2013年3月にかけて杏林大学付属病院高齢診療科で肺炎の治療を行った112名(平均年齢:86.8±5.5歳,男/女:72/40名)を対象に,退院後にNHCAPガイドラインに従い,市中肺炎(CAP)(29名)とNHCAP(83名)に,NHCAPは更に耐B群(耐性菌リスク無)とC群(有)に分類した.介護度は入院前後にJABCスコアで判定し,肺炎治療後2段階以上のADL低下または死亡を転帰悪化とし,各肺炎群の臨床的特徴と,転帰について評価を行った.結果:NHCAP患者の入院日数はCAP患者に比べて長く(CAP vs. NHCAP:21日vs. 33日,p=0.02 by Mann-Whitney U test),肺炎重症度であるADROPスコアが高値で(CAP vs. NHCAP群:2.45±0.87 vs. 2.88±0.80点,p=0.02),誤嚥を有する頻度が高かった(42.9% vs. 89.2%,p<0.0001).一方,B,C群間ではこれらの項目の程度は同等であった.また各肺炎群における死亡例の頻度に差はなかった.いずれの肺炎群でも入院前後で全体のJABCスケールは悪化し(CAP群,p=0.002;NHCAP-B群,p<0.0001;NHCAP-C群,p=0.01,Wilcoxon順位検定),特にNHCAP-B群では,全体で1ランク低下していた.死亡例を含む2ランク以上の介護度悪化者はCAP群37.9%に対し,NHCAP群は43.8%であった.年齢,性別,入院時JABCスコアで補正したロジスティック回帰分析を行ったところ,NHCAP(CAPに対し相対危険度6.2,95%CI 1.2~32.2,p=0.03),血清アルブミン2.5 g/dl未満(7.8,95%CI 1.7~35.7,p<0.01)が介護度悪化に関与した.一方ADROPスコアや誤嚥の有無は入院による介護度悪化に関与しなかった.結論:NHCAP自体が,栄養状態を反映する血清アルブミン低値とともに,入院による介護度悪化の危険因子であった.NHCAP症例は入院治療で肺炎が軽快しても介護度が悪化する可能性が高く,そのような予後予測を念頭に置いて診療を行う必要がある.
著者
林 祐介 吉原 聡 吉田 久雄 見川 彩子 林 明人 藤原 俊之
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11613, (Released:2019-11-22)
参考文献数
28
被引用文献数
1

【目的】人工膝関節置換術(以下,TKA)術後患者における術後早期膝関節可動域が自立歩行獲得期間および在院日数に及ぼす影響を検討した。【方法】TKA 術後患者78 例を対象とした。年齢とBody Mass Index,術後4 日時点の膝関節可動域(自動・他動屈曲,自動・他動伸展),運動時痛と歩行時痛(Visual analogue scale),炎症所見(血清C 反応性蛋白)と術後7 日時点の膝関節伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーター)を評価し,在院日数および自立歩行獲得期間に与える影響を重回帰分析(ステップワイズ法)にて検討した。【結果】重回帰分析の結果,在院日数および自立歩行獲得期間に有意に影響する因子は,それぞれ自動膝屈曲可動域と年齢,および自動膝屈曲可動域と自動膝伸展可動域が抽出された。【結論】TKA 術後患者において,術後早期の自動膝関節可動域の拡大は,自立歩行獲得期間および在院日数の短縮に影響を与える可能性がある。
著者
桑原 聡 金井 数明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1109-1115, 2007-10-01

はじめに 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は進行性に,上位および下位運動ニューロンに系統変性を来す代表的な神経難病である。その臨床症状の特徴として,筋萎縮とともに線維束性収縮(fasciculation)が挙げられる。線維束性収縮は古典的に下位運動ニューロン徴候とされてきたが,多くの神経原性筋萎縮性疾患の中で実際に広範な線維束性収縮を認めるものはALSのみであり,脊髄性筋萎縮症,頸椎症性筋萎縮症や軸索変性型ニューロパチーにおいて,線維束性収縮は稀にしかみられない。このことは線維束性収縮が筋萎縮性疾患の中でALSにかなり特異的に生じており,ALSにおける運動ニューロン死に関与している可能性を示唆している。 線維束性収縮は運動単位(運動神経軸索)の自発発射により生じる1)。したがって,ALSにおける軸索興奮性は増大していることが推定される。ほかに線維束性収縮を特徴とする代表的疾患として,Isaacs症候群と多巣性運動ニューロパチーが挙げられる。Isaacs症候群は軸索の電位依存性Kチャネルに対する自己抗体が原因であることが確立されており,この疾患でみられる線維束性収縮やミオキミアは,Kチャネルの機能低下に起因する軸索の自発あるいは反復発射である2)。K電流は基本的に外向き(outward)の電流であり,陽イオン(K+)が軸索外に出ることにより膜電位は過分極側に偏位する。すなわちK電流は,軸索興奮性にとって抑制性のコンダクタンスであるといえる。多巣性運動ニューロパチーにおける線維束性収縮のメカニズムは明らかではないが,病変部軸索の静止膜電位が脱分極側に偏位していることが仮説として提唱されている3)。軸索の自発発射を来す興奮性増大のメカニズムとして,①Naチャネル(特に持続性Naチャネル;下記参照)の活性化,②Kチャネルの機能低下,③静止膜電位の脱分極側への偏位,などが挙げられ,ALSにおける軸索興奮性にどのメカニズムが関与しているかが注目されてきた。 1990年代に英国国立神経研究所のHugh Bostockにより開発された,threshold tracking法を用いた軸索機能検査法は,1990年代後半から臨床応用が広まり,NaあるいはKチャネル機能を含めた軸索特性を非侵襲的に評価することが可能になった4,5)。この手法は,これまでパッチクランプなどの観血的な方法でしか得られなかった軸索イオンチャネルに関する情報を,簡便に得ることができる画期的な手法として普及しつつあり,英国,日本,豪州などの研究グループにより多くの報告がなされるようになっている6)。本稿ではこの方法を用いてALSにおける軸索興奮性の変化について,これまでに得られた知見について概説する。結論を先に述べると,ALSでは持続性Na電流の増大と,K電流の減少という2つの軸索特性の変化が存在し,相乗的に軸索興奮性を増大させて線維束性収縮の発生に関与していると考えられる。
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡 Okada Yoshiyuki Takeshi Sakaki Fujio Toriumi Kosuke Shinoda Kazuhiro Kazama Itsuki Noda Masayuki Numao Satoshi Kurihara
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-9, 2013-03-11

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, classify the way of diffusion in four categories, and reapper the real diffussion by using this new model.
著者
間嶋 寛紀 赤井 純治 茅原 一也 中牟田 義博 松原 聡
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.138, 2003 (Released:2004-07-26)

新潟県青海・糸魚川地域のヒスイ輝石岩中にはヒスイ輝石岩形成以降に形成された二次的な脈が多く存在し,ここからはSrを主成分とする鉱物が多く産したが,蓮華石もその一つである 蓮華石(rengeite)Sr4ZrTi4 (Si2O7) 2O8は新潟県西部,青海・糸魚川地域の蛇紋岩メランジ中に含まれるヒスイ輝石岩から発見された(Miyajima et al.,2001).蓮華石は単斜晶系に属し,格子定数はa=13.97(1),b=5.675(7),c=11.98(1)Åである. 今回新潟県青海町産白色ヒスイ輝石岩を調べている中で二次的な脈の中から蓮華石様鉱物を見出した。肉眼あるいは双眼実体顕微鏡下では淡灰色から暗青灰色の色を示し長さ1mm以下の脈状集合体または長さ0.2mm以下の短柱状自形結晶をなして産する.共生鉱物は脈を埋めて産するソーダ沸石と,初生的に形成されたジルコンである.ヒスイ輝石は0.5mm以下の自形から半自形で,しばしば脈状に著しい破砕を受けている.この蓮華石様鉱物の短柱状の形態はこの試料以外ではほとんど見られず,他の試料では蓮華石は放射針状の結晶集合体をなすことが多い.本試料は偏光顕微鏡下では濃青色から淡褐色の強い多色性を示すものと,多色性を示さないものとがあり,短柱状の単結晶の柱面に平行にzoningしているものが多い.通常の薄片の厚さではわからないが,イオン研磨により極めて薄くした薄片ではクロスニコルでバンド状の組織が認められることがある.この蓮華石様鉱物は非常に小さいため,イオン研磨にて試料を作り,透過型電子顕微鏡で解析した.EDSによる定量分析では組成はSiO2=23.0,TiO2=28.3,Fe2O3=0.4,SrO=41.3,ZrO2=6.7,Nb2O5=0.4 wt.%という値が得られた.電子線回折では蓮華石のd001周期が2倍の位置に回折スポットを示し,いくつもの回折パターンの特徴から蓮華石の多形,斜方晶系相と解釈される.Auを標準としたEDパターンの解析から,この鉱物の格子定数はa=14.0,b=5.7,c=21.9Åである.この斜方晶系単位格子は,輝石,角閃石等と類似の,単斜晶系単位格子が格子レベルでの双晶を作った格子関係にある.高分解能像では双晶構造に対応する像が解像される.なお,蓮華石の原構造ともいうべきperrierite (Ce,La,Ca,Sr)4FeTi4 (Si2O7) 2O8,chevkinite(Ce,Ca,Th)4(Fe,Mg) (Ti,Mg,Fe) 4(Si2O7)2O8には斜方晶系の報告はされていない.この蓮華石様鉱物については現在ガンドルフィーカメラ,XMA他でさらに検討中である.
著者
渡部 真志 二宮 怜子 近藤 総一 鴨川 賢二 冨田 仁美 藤原 聡 奥田 文悟 岡本 憲省
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10714, (Released:2020-04-24)
参考文献数
18

要旨:症例は41 歳男性.習慣的に行っていた頸部回旋直後に後頸部痛を自覚した後,ふらつき,呂律困難,右半身の脱力が順に出現した.意識はJCS 1 で,右同名半盲,構音障害,右片麻痺,左上下肢の運動失調がみられた.頭部MRI,DWI で左小脳と左視床内側に急性期脳梗塞を認めた.頭頸部MRA ならびに造影CT にて右椎骨動脈解離による動脈原性塞栓症と診断した.脳血管撮影では左回旋位で右椎骨動脈の血流の途絶がみられた.撮影中,右頸部回旋時に後頸部痛を生じた.左椎骨動脈に狭窄性変化と右回旋位で血流の途絶を認めた.検査後から一過性の浮動感が出現した.翌日の頭部MRA にて新たに左椎骨動脈解離を認めたため,両側椎骨動脈解離によるbow hunter 症候群(BHS)と診断した.抗血小板剤内服と頸部硬性カラー装着にてBHS に関連する症状は速やかに改善した.頭蓋頸椎移行部における椎骨動脈解離を疑って脳血管撮影を行う際には,頸部回旋により新たな動脈解離を来す恐れがあることに最大限の注意を払うべきと考える.
著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.3P1NFC00a1, 2018-07-30

<p>東日本大震災時Twitterなどのソーシャルメディアが重要な情報源として積極的に利用された.一方でTwitter利用にはデマが拡散してしまうなどの問題がある.我々はこれまでデマ収束を行うための前段階として情報拡散モデルを構築し, デマの拡散メカニズムの同定を目指してきた.CHIDRIは本年で卒業とのことより,これまでの研究成果から得た知見をまとめ,今後の情報拡散制御手法構築へ向け考察を行う.</p>