著者
岡本 伸弘 増見 伸 水谷 雅年 齋藤 圭介 原田 和宏 中村 浩一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.523-527, 2015 (Released:2015-09-03)
参考文献数
25
被引用文献数
1

〔目的〕栄養状態の観点から,大腿骨頸部骨折患者の歩行能力の推移と到達水準を明らかにすること.〔方法〕入院時の栄養状態を3群に区分した.各群における歩行能力の推移の検討は,Friedman検定後に多重比較検定を行った.また,歩行自立水準に到達した時期を調査した.〔結果〕歩行能力の推移について,通常栄養群は入院時から入院4週目まで増加した.低栄養リスク群は入院時から入院8週目まで増加した.低栄養群は入院時から入院6週目まで増加した.また,歩行自立に到達した時期は,通常栄養群は入院4週目,低栄養リスク群は入院8週目,低栄養群は到達しなかった.〔結語〕栄養状態に関わらず,歩行能力は回復するが,入院時に低栄養の場合は,歩行自立が遅れることが示された.
著者
原田 眞澄 谷本 満江
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.131-135, 2006-06-16
被引用文献数
1

乳幼児期は基本的な生活習慣を確立していく段階であるが,夜遅くまで起きている習慣がつく子どもが急増してきている。保育所・幼稚園などでも園児の夜ふかしが問題視され,保育者は家族に早寝早起きするよう働きかけてはいるが,期待した成果が得られていないのが実状と思われる。早寝早起きの意義は大きく理想ではあるが,時代的背景を考慮すると限界も感じてしまう。それよりも,家族がおかれている環境の中で実現可能なことから改善していくという柔軟さも必要なのかもしれない。そこで,現代の子育てにおいて,子どもに少しでも良質な睡眠を提供するための手立てとはどのようなものかを検討したいと考えた。岡山県の保育所・幼稚園の5〜6歳児260名を対象に,2週間連続の睡眠リズムと就寝時の過ごし方に焦点をあてて,質問紙によるアンケート調査を実施した。睡眠リズムは週末に崩れやすく,就寝時までの過ごし方はテレビやビデオから光刺激を多く受けている特徴が明らかになった。今後は,こうした点にも着眼した保健指導を行う必要性が示唆された。
著者
原田康也 辰己 丈夫 楠元 範明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.20, pp.41-48, 2000-02-18
被引用文献数
8

「教育の情報化」という名のもとに、学校教育の現場を中心として「教科教育の情報化」と「情報(科)の教育」が混交した議論が多く見られるが、この二つは厳密に区別すべき概念である。しかし、実際の授業実践においては、「(情報倫理も含めた)情報の教育」において「教科教育の情報化」に習った授業実施計画ならびに実践手法が有効である。例えば、大学における今後の情報リテラシー教育においては、教科教育における情報化に際して常套的に用いられる手法である内容主導の授業実施計画を「情報の教育」に応用することが有効である。Educational restructuring will proceed as across-the-board exposure of network literacy at all levels of formal education in Japan. However, information-oriented modernization of school education should be discussed in several distinct terms. First, education/learning of (newly established subject) information should be distinguished from multimedia-based approach to existing subjects such as language, science and math. Second, discussion of how best utilize multimedia for education/learning of a well-established topic should be distinguished from reviewing and renovating course material and curriculum to adapt to information-oriented society. However, for media-literacy education at college freshmen levels can employ contents-driven approach that are commonly used in language and other subjects to expose students to the network-based collective collaborative working environment in a way that would help them cultivate an attitude toward critical thinking.
著者
本間 雄一 原田 大 日浦 政明 成田 竜一 阿部 慎太郎 田原 章成
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.615-619, 2010-11-25
被引用文献数
1

症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人のB型急性肝炎からの慢性化が増加しており,B型急性肝炎を適切に診断することは重要である.肝炎の症状が軽微な症例もあるため,Gianotti-Crosti症候群のように特徴的な症状をみた場合は注意が必要である.<br>
著者
原田 智仁 土屋 武志 二井 正浩 中本 和彦 田中 伸
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

地歴相関カリキュラムに関しては,①地誌的構成を基本に文化圏の通史を組み込む地歴相関,②世界史構成を基本に系統地理を組み込む地歴相関,③比較文化の視点から世界史と地理を関連付ける地歴相関,④既存の地理・歴史の枠組を超越する多学問的地域研究,の4つの相関の論理を明らかにした。歴史総合カリキュラムに関しては,①グローバルヒストリーの視点による歴史の総合,②タテとヨコの大観学習による歴史の総合,③歴史家体験活動という学習方法による歴史の総合,の3つの総合の論理を明らかにした。
著者
坂本 信介 崔 梗ろく 原田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.71-72, 1993-03-01

近年、論理合成の技術が実用的になるにつれ、ハードウェア記述言語は、ハードウェア設計の全工程に探く関わる設計ツールの中心的な存在として認められるようになってきた。また様々な設計ツールが開発されるにともなって、ハードウェア記述言語の標準化が行なわれている。VHDL(VHSIC Hardware Description Language)はIEEEの標準ハードウェア記述言語で、シミュレータへの入力記述や仕様記述のために開発された言語である。SFL(Structured Function Language)は同期回路を記述の対象とした論理合成指向の言語であり、PARTHENONシステムのもとでシミュレーションと論理合成ができる。本研究はVHDLの記述を入力とする論理合成を可能にするために、VHDLの抽象構文木を走査することによるSFLへの変換を設計し試作したものである。そのためのVHDLサブセットを提案し、変換処理を考察する。
著者
原田 優也
出版者
沖縄国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

デジタル・ネットワークの登場により、娯楽産業の伝統的商業活動は大きく変容した。世界的ITネットワーク網の拡大により国境を越えた違法ダウンロードの蔓延など企業は新たな経済問題に直面している。本研究は日本製娯楽ソフトを対象とする違法ダウンロード後(ポスト違法ダウンロード)消費行動モデルを構築し、日本製娯楽ソフトの人気と不正利用が多いアジア市場において流通現場の視察や違法ダウンロード経験者に対するヒアリング調査などを実施した。
著者
原田 正純 花田 昌宣 宮北 隆志 富樫 貞夫 羽江 忠彦 下地 明友
出版者
熊本学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、被害実態の広がり(医学的側面のみならず社会的側面から)の把握に努め、現在の課題を明らかにすることを課題としており、病いを社会的なものとしてとらえ医学的な疾患学・症候学あるいは病像論から解き放ち、社会環境の中に位置づけ直す試みを通して、改めて被害実態を明らかにしたものである。[健康・医療・生活問題班]では、御所浦地区での全戸調査と数次にわたる集中的ヒアリングを実施、水俣病に対する忌避観の強さとその急速な変貌を明らかにできた。また、熊本学園大学水俣学現地研究センターを利用しての医療相談を定期的に実施し、若い世代の医療的側面での調査も実施し研究発表をしてきた。[地域社会・福祉問題班]水俣社協との協力のもと、住民意識調査の実施、住民との対話の機会を持ち調査の結果をさらに検討し、報告書を作成した。[被害補償と環境再生問題班]では、水俣地域の社会的アクターを中心に地域戦略プラットフォームづくりのワーキンググループを定期的に開催し、具体的な提言書を作成した。毎年1月には、水俣市において水俣病事件研究交流集会を本研究プロジェクト参加者のみならず、全国各地の研究者ら100名近くの参加で開催し、研究成果の発表および討論を掘り下げ、水俣学研究のアリーナ形成をはかることができている。これらを通して、水俣病被害が社会的広がりを持つこと、今なお係争課題が数多く残されており社会運動も継続していること、それらを踏まえた地域づくりの方向性を示すことができた。これらの研究成果は、研究代表ならびに分担者によってモノグラフィックな研究論文や報告書の形で随時発表されている。
著者
原田 奈美
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.17-22, 2003-02-15

ITエンジニアの「メンタルヘルス」が問題になっている.人的資源はプロジェクトマネジメントにおいて非常に重要であり,スキルをもったメンバーが十分に能力を発揮することが,プロジェクト成功の鍵である.そのためには,プロジェクトマネージャー自身がITエンジニアの心の状態(メンタルヘルス)についての知識をもち,良好な状態を保つよう対策を取らなくてはならない.しかしながら,メンタルヘルスやメンタルケアについて,IT業界の特性を考えた取組みが足りないように思われる.本稿では,ITエンジニアのメンタルヘルスの現状と原因,対策としてのメンタルケアについて述べる.さらに,プロジェクト管理領域の一つとして,PM自身がメンタルケアの必要性を認識し,この分野の知識を持つこと,貴重な人材を失わないための取組みについて提言する.
著者
原田 伸一朗
出版者
情報ネットワーク法学会
雑誌
情報ネットワーク・ローレビュー (ISSN:24350303)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.14-27, 2022-12-15 (Released:2022-12-23)

本稿は、コンピュータグラフィックス(CG)を用いて制作された画像の児童ポルノ該当性が争われた訴訟を手がかりに、CGで描かれた人物の実在性・本人特定性といった被侵害主体の認定に関わる法理を検討したものである。被写体児童の実在性を要求する日本の児童ポルノ規制においては、児童本人を特定できない場合に、児童の実在性をどう立証するかという手法に課題がある。さらに、ディープフェイク、バーチャルヒューマンなど、現実の姿態と見紛うほどに写実的な画像・動画をCGで表現する技術の発達により、画像・動画上の表象そのものから、描かれた人物の実在性を立証することがより困難となっている。そのような状況を踏まえ、CGによる人物表現の法的評価に関する本訴訟の射程と今後の課題を指摘した。
著者
坪井 貴司 原田 一貴 中村 匠 大須賀 佑里
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.226-229, 2022 (Released:2022-07-16)
参考文献数
13

小腸上皮内に存在する小腸内分泌L細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: GLP-1)は,インスリン分泌を促進し,食欲を抑制する.このGLP-1分泌は,消化管管腔内の様々な物質や血中に含まれる神経伝達物質やホルモン,さらには腸内細菌叢が産生する様々な代謝物などによって制御されているが,その詳細な制御機構は不明である.そこで本稿では,特にアミノ酸や腸内細菌代謝物などがGLP-1分泌に及ぼす影響について紹介する.