- 著者
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             本間 雄一
             
             原田 大
             
             日浦 政明
             
             成田 竜一
             
             阿部 慎太郎
             
             田原 章成
             
          
- 出版者
- The Japan Society of Hepatology
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.11, pp.615-619, 2010-11-25 
- 被引用文献数
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             1
             
             
             
          
        
        症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人のB型急性肝炎からの慢性化が増加しており,B型急性肝炎を適切に診断することは重要である.肝炎の症状が軽微な症例もあるため,Gianotti-Crosti症候群のように特徴的な症状をみた場合は注意が必要である.<br>