著者
古賀信憲
雑誌
JJPEN
巻号頁・発行日
vol.16, pp.973-977, 1994
被引用文献数
1
著者
久保田 彰 古川 まどか 藤田 芳史 八木 宏章
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.113, no.3, pp.101-109, 2010
被引用文献数
2 3

根治切除可能な進行頭頸部扁平上皮癌に対する化学放射線同時併用療法 (CRT) の毒性および効果に関連する因子を検討した. stage IIIとIVの115例に対する放射線の中央値は66Gy (58-70) で, 化学療法は5FUの1,000mg/m<SUP>2</SUP> を4日間の持続点滴とcisplatinの60mg/m<SUP>2</SUP> の2コース同時併用を行った. grade 3以上の粘膜炎はN0が13%でN1-2は59%と有意差を認めた. 治療の完遂率はN0が87%, N1-2が82%で有意差はなかった. 経過観察期間の中央値は42カ月 (5.8-91) で3年生存率 (OS) は66%, 3年progression free survival率 (PFS) は55%であった. OSで有意差を認めたのはstage IIIの86%とIVの57%, T0-2の78%とT3-4の62%, N0-1の83%とN2の53%, adjuvant chemotherapy (nedaplatin/UFT) ありの77%となしの50%, 舌の33%と中咽頭の77%であった. PFSで有意差を認めたのは, T0-2の72%とT3-4の49%, CRの77%とPRの53%, 舌の22%と下咽頭の58%, 中咽頭の66%, 喉頭の53%であった. 多変量解析ではT3-4, N2, adjuvantなし, 舌がOS, PFSと有意に関連する独立した危険因子であった. 根治切除可能な進行頭頸部扁平上皮癌のCRTは有用である. adjuvant chemotherapyの追加でCRTの治療成績をさらに向上する可能性があるが, 舌癌は不良で他の治療を検討する必要がある.
著者
池田 陽一 久保田 彰 古川 まどか 佃 守
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.264-270, 2002-06-10
被引用文献数
2

頭頸部癌1次治療後に肺転移検索目的で行う胸部単純X-p検査の意義を検討した。1次治療後の胸部画像検査は,1~6カ月ごとの単純X-pと,1年に1~2回のCT検査を行っている。1987年以降当科を受診した遠隔転移および重複癌のない頭頸部癌新鮮例655例中,局所制御後に肺病変が出現したものは27例(4.1%)あり,23例が単純X-pで,4例がCTで発見された。その内訳は転移性肺癌22例,原発性肺癌5例であった。肺病変判明までの期間は平均23.0M(カ月)(1.9~90.9M)で,肺癌判明後の生存期間は平均11.5M(0.3~57.6M)で,5年生存率は0%であった。Wilcoxon法で生存率の有意差検定を行うと,良好な予後を認めたのは組織別にみた腺様嚢胞癌のみで,他はすべて有意差を認めなかった。以上より,1次治療後の単純X-pで肺転移,原発癌を発見しても予後不良であり,手術・放射線により明らかな延命は認められなかった。胸部単純X-p検査の再考とともに,治療については外来化療などQOLに配慮することが重要であると考えられた。
著者
郡司 篤晃 古川 俊之 橋本 廸生 養老 孟司
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

ヒトの特性を行動科学的な立場から解析し、先進国の社会構成の安定性を論じ、高齢化に伴う様々な変化を、経済問題、生産構造、包括的生活様式や価値観、生死観にいたる広範な視野から捉え、将来の破局や予兆を推定した。(1)日本の医療システムの研究で、健康寿命の概念を提案した。また寝たきり率の地域差の調査、医療実態の日米比較などでは、医療・ケア・ニードに大きな差がないことが分かった。医療費のマクロ分析では、日本の医療費に見られる地域差と医療費の国際比較により、国民皆保険制度下ではサービスの購入量は需要者がほとんど決定するもとであること、わが国の医療は需給者の両側面から、根本的な構造改革と意識改革が急がれることを明らかにした。(2)日本的身体観の変遷は、医学の将来に重要な影響をもつ問題で、学問的・系統的に扱うべく、中世以降から近代社会の身体観から西欧的身体観に至る幾つかの側面から研究を行っている。客観として外界を捉えるのは脳、捉えている意識自体は主観という矛盾が生じるが、これが身体問題の基本である。ケアとキュアの分離は、そこでの態度の違いに起因する。この4月には、東京大学総合資料館にて、プラスティネーション標本の展示を行う予定で、成人全身4体、全身断面5体、臓器などを多く含め、展示に対する一般人の反応をアンケートなどの調査で確かめる。(3)医療費高騰と病院建築に注目して日本の医療の後進性を系統的に調査した。現代の医療の実態はゲリラ戦に譬えられる。ゲリラが、超大国の軍隊を翻弄するように、正規軍同士の戦闘における理論は成り立たず、ランチェスターの法則は変形されて、正規軍の損耗は組織の大きさに比例する。これが先進国の医療費高騰の重要な素因である。詳細は、冊子体報告書および総括班報告書に記載した他、多数の論文・著作として発表した。
著者
古川 誠之
出版者
西洋中世学会
雑誌
西洋中世研究
巻号頁・発行日
no.2, pp.161-178, 2010
被引用文献数
1
著者
山本 雅人 小笠原 寛弥 鈴木 育男 古川 正志
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1184-1191, 2012-10-15

2011年3月11日に発生した東日本大震災の際,携帯電話などの通信手段が途絶えた中で平常通り機能していたTwitterでは,災害情報や避難地情報などについての情報伝播が活発に行われた.本稿では,東日本大震災発生後のTwitterにおけるリツイートをベースとした情報伝播ネットワークを作成し,震災時のネットワークを分析することで,多くのユーザが関心をもち,より緊急性の高い話題の情報伝播の様子について分析する.そして,観光分野や災害時におけるTwitterでのリアルタイム情報発信の可能性について言及する.
著者
古瀬 蔵 相田 満 山田 太造
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.10, pp.1-8, 2012-10-05

『古事類苑』 は日本の前近代の諸事象を記した類書形式の百科事典である.本稿では, 『古事類苑』 の全 30 部を検索対象とするために構築した,全文テキストと抜粋テキストを併用した全文・抜粋検索版データベースについて述べる.抜粋テキストは総目録,書名,解説,索引から成る.全文・抜粋検索版データベースは, 2012 年 8 月にインターネット上で公開され,現在, 『古事類苑』 の 26 部を検索対象としている.Kojiruien is an encyclopedia, which contains cultural, political, commercial, and other numerous matters of pre-modern Japan, citing plenty of books and documents. Aimed at searching all 30 parts of Kojiruien, we implemented a new database system by integrating extracted data into our previous full-text database. This paper describes our new database system, especially concerning extracted data, which consists of catalogue table of contents, book titles, abstracts, and index terms. Our new database has been available on the Internet since August 2012, and its search scope currently covers 26 parts of Kojiruien.
著者
河津 弘二 槌田 義美 本田 ゆかり 大田 幸治 緒方 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫 古閑 博明 松尾 洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-29, 2008-02-20

本研究は,地域における一般高齢者向けの,介護予防を目的とした運動プログラム「長寿きくちゃん体操」の紹介をするとともに,地域主体での教室運営による運動プログラム介入前後の身体機能面と精神活動面で変化がみられたことを報告する。教室の対象は,老人クラブの21名(74.1±3.7歳)で,期間は3ヶ月問であり,教室は他機関の健康運動指導士が運営した。身体機能面の変化に対し,教室の前後で,10m全力歩行,開眼片脚立ち,握力,長座位体前屈,Timed Up & GO Test (TUGT),6分間歩行を評価した。また,日常生活活動や精神活動の変化に対し,アンケート調査で,主観的健康観,FallsEfficacy Scale (FES), MOS Short-Form-36-Item Health Survey (SF-36),グループインタビューを実施し,また痛みの変化ではNumeric Rating Scale (NRS)を実施した。結果は,身体機能面で,10m全力歩行,TUGT,6分間歩行,握力で有意な改善を認めた。また,精神活動面は,主観的健康観で有意な変化を認め,他項目でも改善傾向があった。地域リハビリテーションでの介護予防教室に対し,ポピュレーションアプローチでの間接的な運動プログラムの提供により,心身の変化の可能性を示唆したと考えられた。
著者
古谷 勝美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性
巻号頁・発行日
vol.100, no.525, pp.37-42, 2000-12-15

本報告は高い信頼性を必要とする大型システムの開発・設計・運用に携わるシステム技術者の立場から述べられている小論である。現在高機能大規模なシステムは殆ど例外なくコンピュータで制御されているが、これらのシステムに共通した問題点は稼働し始めたら停止しては困ると云う要求が強い事で、高信頼度システムとは先ずノン・ストップと云う条件を満たさなければいけないものなのである。少時の停電や誤動作なら自己修復してしまったりフェィル・セイフと云うソフト絡みの機能で処理しなければならない。システムの信頼性は部品の場合と少し尺度を変えて考えないといけないことがあるので、この見地からシステムの信頼性を論じて見たい。今日迄の所論を要約して一稿に取り纏めて御報告した。
著者
安本 潔 神代 龍吉 麻生 重仁 石井 邦英 村岡 晴雄 古寺 重喜 赤司 隆裕 古賀 郁利子 浜田 隆臣 鈴木 宏 上野 隆登 佐田 通夫 安倍 弘彦 谷川 久一
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2590-2595, 1988
被引用文献数
4

急性肝炎および劇症肝炎例において血清亜鉛値, 尿中亜鉛排泄量を測定し, 同疾患にみられる低亜鉛血症の機序について検討した. 対照とした健常人例の血清亜鉛値は, 84.0±12.2μg/dl (M±SD) で, 劇症肝炎例では46.0±16.0μg/dlと低値を示し, 有意 (p<0.001) な差がみられた. 急性肝炎例での急性期血清亜鉛値は74.8±12.0μg/dlで, 健常人例よりも低値であつた. 1日尿中亜鉛排泄量は健常人例0.4±0.14mg/日であり, 急性肝炎例1.2±0.5mg/日, 劇症肝炎例2.4±0.6mg/日と高値を呈し, 健常人例に比べ共に有意 (p<0.001) な差がみられた. 急性肝障害での血清亜鉛の低下の原因の一つに, 同疾患にみられる低アルブミン血症および高アミノ酸血症により, 亜鉛とアミノ酸との結合が多くなり, 尿中亜鉛排泄量の増加が関わるものと推察した.
著者
土屋 好古
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ロシア第一次革命を、伝統的な帝国的統治と「長期の19世紀」という時代の大きな要素であった国民形成との相克という観点から考察した。第一に、日露戦争の失敗の中で、専制体制を批判する左派自由主義の人びとは、明治維新後立憲体制を構築し国民国家となった日本を一つのモデルとしたこと、第二に彼らの構想は、「性と民族の別なき四尾選挙」に基づく市民的国民形成を志向するものであったこと、などを明らかにした。