著者
森本 光昭 辻 義明 原 靖 古閑 敦彦 牛島 正貴 田口 順 吉村 文博
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.163-168, 2005-02-01
被引用文献数
5

患者は68歳の女性で,主訴は腹部腫瘤.身体所見では左側腹部に弾性硬,可動性良好な約15cm大の腫瘤を認めた.腹部CT所見では胃小彎側前壁に接して11.5×9.0cmの腫瘍を認めた.手術所見では腫瘍は約15cm大,胃体中部小彎側に一部癒着し胃体部前壁に騎乗していた.腫瘍および胃部分切除を行い,腫瘍は完全切除された.摘出標本では腫瘍は13.5×10.0×9.0cm凹凸不整,弾性硬で,大部分は出血壊死を伴う嚢胞性腫瘍であった.病理所見では紡錘形腫瘍細胞が密に錯綜して増殖していた.免疫組織染色にてKIT(CD117), CD34, Vimentinが陽性,Desmin, S-100 proteinが陰性のためGISTと診断した.術後1年たった現在,再発の兆候はない.
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.118, pp.13-18, 2007-06-21

本論文では,移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ,模擬結果を変えずに移動体間の同期及び模擬コストを低減し実行性能向上を図る,道路交通向け動的タイムステップ制御方式を提案する.本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果,酷い渋滞状態がなければ従来方式の約2〜3倍の性能向上が実現できることが確認できた.
著者
尾崎 敦夫 松下 和隆 白石 將 渡部 修介 古市 昌一 佐藤 裕幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.1-12, 2007-08-15

我々は計算機クラスタ環境上において、航空機、艦船、車両等を主対象とする移動体シミュレーションの高速化手法である、動的タイムステップ制御方式(DTSS: event aware Dynamic Time Step Synchronization method)をすでに考案している。しかし、問題が大規模になった場合には、1 つの計算機上でも多数の移動体を高速に模擬することが求められる。本論文では、移動体が道路網上を移動する道路交通シミュレーションを取り上げ、模擬結果を変えずに移動体間の同期および模擬コストを低減させて実行性能向上を図る、道路交通向け動的タイムステップ制御方式(DTSS-RT: DTSS for Road Traffic simulation)を提案する。本方式を災害シミュレータの代表例であるロボカップレスキューの道路交通サブシミュレータへ適用した結果、ひどい渋滞状態がなければ従来方式の約 2~3 倍の性能向上が実現できることが確認できた。We have already proposed DTSS (event aware Dynamic Time Step Synchronization method) for speeding up moving objects (MOs) simulation, e.g. aircraft, ships, vehicles and so on, in a computer cluster environment. However, speeding up the simulation for a number of MOs on a single processor is required as well, when the problem size is enlarged. In this paper, we propose DTSS-RT (DTSS for Road Traffic simulation), which can speed up the simulation by reducing the simulation cost of each MO and synchronization cost between MOs without changing the simulation result. For evaluating DTSS-RT, we employed a road traffic sub-simulator of RoboCupRescue simulation. The results show that the performance of the simulation based on DTSS-RT is improved approximately 2~3 times over that of the conventional method except when the situation includes a heavy traffic jam.
著者
池田 徳彦 吉田 浩一 本多 英俊 永田 真一 林 和 坪井 正博 土田 敬明 古川 欣也 奥仲 哲弥 平野 隆 中村 治彦 加藤 治文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.612-617, 2002
被引用文献数
2

内視鏡的蛍光診断は中心型早期肺癌,扁平上皮化生などの気管支微小病変の診断に有用と報告されている.当院では肺癌治療前,喀痰細胞診異常,術後の経過観察など600例に本検査を施行,合計997部位を生検し,組織診断と蛍光診断の診断率を評価した.癌病巣では白色光,蛍光に差を認めなかったが,蛍光診断で病巣の進展を客観的に把握し得た.化生病巣においては白色光では発見困難で蛍光でのみ診断された病巣は全体の約40%を占め,蛍光診断の有用性が示唆された.また,喀痰細胞診異常症例に蛍光内視鏡を併用することにより病変の局在同定率は白色光単独の場合の59%から72%へと上昇した.簡易型の蛍光診断装置(System of Autofluorescence Endoscope, SAFE, Pentax)は従来より用いられてきたLight Induced Fluorescence Endoscope(LIFE,Xillx)と同程度の診断能を有すると考えられた.中心型早期肺癌の治療戦略の一環として蛍光診断と超音波内視鏡検査を併用することにより浸潤範囲と壁深達度を正確に評価し適正治療を選択することが行われている.蛍光診断は特別な前処置も必要とせず,従来の内視鏡検査と併用することにより,日常検査の精度向上が期待でき,適応はますます拡大するものと思われる.一方,ラマン分光の応用やOptical Coherence Tomography(OCT)の出現は内視鏡診断にoptical biopsyという新たな進歩をもたらすであろう.
著者
古田 東朔
出版者
国語学会
雑誌
国語学 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
no.19, pp.82-92, 1954-12
著者
古牧 徳生
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.101-115, 1999-03-04

本稿では,「自己決定」の根底にある人間の特質としての「自由」がいかなる意味を持ち,いかなる構造をしているかが考察される。ここでは「自由」はカント的に「道徳法則」による「自律」のうちに捉えられる。そしてこの「自律」が成立する構造が「選択」という観点から考察され,「自律」の成立のためには「道徳法則へ向かう選択」と共に「道徳法則へ向かわない選択」も認められねばならないことが主張される。ここから「自由」とは本来的には,「道徳法則」である「尊厳」を実現せしめるための手段であるが,そのためには「道徳法則」へ向かわない可能性も保証されていなければならないことが示される。そこでこの「本来的自由」と「非本来的自由」を区別するために,「自由」には必然的に「差別」が必要とされることが説明され,さらに「差別」の否定によってもたらされる現代の「自己決定」社会の混乱が指摘される。
著者
古山 浩志 八塩 仁 江村 恒一 井上 郁夫 遠藤 充 星見 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.67-72, 1999-07-15

蓄積された大量の映像データから所望の映像を高速に検索するための方式として、予め音声チャンネルから音声認識によりメタデータを自動生成しておき、このメタデータに対して入力したキーワードの検索、特定シーン映像を頭だし再生する映像検索システムを試作した。メタデータ生成部では、入力音声からCV/VCラティスの時系列データを生成し、メタデータとしてMPEG2-TSストリーム中にPESパケットとしてVideoとAudioのPESパケットとともに多重化する。メタデータ検索部では、DPマッチングを用いてCV/VCラティスを時系列データとし、入力キーワードとの照合処理を行うことにより検索を行う。ニュース番組を想定した文を対象として検索実験を行った結果、約80%の検出率を得た。
著者
小嶋 秀樹 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.43-44, 1991-02-25

自然言語の"情報の部分性"は,伝達の効率性(efficiency)を保証するものであると同時に,曖昧性(ambiguity)の原因でもある.効率性と暖昧性は表裏一体であり,これらは同音性や多義性などの言語現象としてテキスト表層に現われている.テキストの解釈過程には,その表層に明示された構文的な情報だけでなく,次にあげる情報が必要となる.a)知識:世界に関する知識b)文脈:先行文脈=テキストの先行部分の解釈結果経験文脈=解釈者のもつ過去の経験テキストの解釈結果は,文脈にただ追カロされるだけなく,文脈を(過去にさかのぼって)変化させる力をもっている.本稿では,文脈を構成する要素の意味内容を意味ネットワーク(つまり知識)上の活性パターンによって表現する方法を提案し,これに基づいたテキスト解釈過程-とくに暖昧性の解消過程-をモデル化する.本モデルでは,文脈の要素の意味内容や要素間の関係に暖昧性を内在させ,各要素を意味ネットワーク上でパターン的に相互作用1)させることによって,漸進的(incremental)2)な曖昧生の解消を実現している.
著者
古田 東朔
出版者
福岡女子大学
雑誌
文芸と思想 (ISSN:05217873)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-19, 1955-07-01
著者
古場 裕司 畑中 綾子 横山 織江 村山 明生 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.285-292, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
参考文献数
12

医療における安全・質の向上は, ここ数年世界的に重要なテーマとして認識されつつある. 本研究では, 日本における医療の安全・質向上のための法制度設計の参考とするため, 米国の医療制度に関して, 特に安全・質向上に関する法システムの検討を行った. 国内文献調査及び現地ヒアリング調査を通じて, 政府機関, 病院団体, 質改善機関, 消費者団体など連邦及び州 (ニューヨーク州) レベルで活動する様々な関連機関の安全・質向上活動に関して, システムとしての全体像を把握し, その上で, 日本との比較整理を行い, 日本における今後の制度設計における示唆を得た. 具体的には, 事故報告制度と情報開示からの保護, 医師の資格管理制度, 医療の質評価と情報公開などに関する制度のあり方について焦点を当てた.
著者
武田 富美子 古賀 徳子
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄国際大学人間福祉研究 (ISSN:13483463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.115-124, 2005-09-01
被引用文献数
1

筆者の一人は、教職総合演習において、環境問題をテーマに「学びの即興劇」を実践してきた。それを中学・高校で活用するために他のテーマに応用したいと考え、同教科に参加型学習を取り入れているもう一人の筆者に合同演習を呼びかけた。彼女は、「平和の文化」を身につける方法として「学びの即興劇」に関心を持ち、合同演習が実現した。そのねらいを「教師となった時におこるであろう問題を、即興劇を通して擬似的に体験することで、自分なりの考えをもつきっかけとすること」とし、「いじめ」「非行」「不登校」「学級崩壊」を劇の題材にした。学生たちは想像力を働かせ、登場人物の思いを言葉にし、とまどいや苛立ち、怒りを身体で表現した。教育の諸問題を解決するために、教師が生徒や親の視点をもつことは重要であり、「学びの即興劇」はその有効な手段のひとつと考えられた。また、問題を平和的に解決するための学習として効果的であった。