著者
高井 昌吏 谷本 奈穂 石田 あゆう 坂田 謙司 福間 良明 村瀬 敬子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ポピュラー・カルチャーのなかで形成される戦争の表象を、ジェンダーの視点から考察した。たとえば、男らしい戦争イメージの形成では、『男たちの大和』『連合艦隊』などの映画、さらに「大和ミュージアム」や知覧という観光、あるいはプラモデルなどが大きく絡んでいる。女らしさやこどもらしさについては、むしろ『ガラスのうさぎ』『火垂るの墓』などの児童書・アニメの影響が大きい。こうした点を考慮し、それぞれの戦争(沖縄戦、原爆、空襲など)が社会的に受容されるうえで主に寄与したポピュラー・カルチャーに着目し、それらを横断しながら構築される戦争イメージについて分析した。
著者
奥田 亮 川上 正浩 坂田 浩之 佐久田 裕子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-14, 2010-01-31

大学生活にさまざまな意義を認めるためには,大学に適応し充実感を感じることが重要であると考えられる。そこで本研究では,先行研究を踏まえて,1回生から4回生までを対象に大学生活充実度尺度を実施し,その因子構造について検討した上で,大学生活充実度が学年ごとにどのように異なるのかについて,縦断,横断を含めた複数の観点から分析を行った。まず大学生活充実度尺度については,因子分析によって"フィット感","交友満足","学業満足","不安"の4 因子が抽出された。そして複数年度の1〜4回生の横断および縦断データから,4回生時に充実度全般が最も高まることが明らかになった。一方,1〜2回生にかけては充実度にほとんど変化が見られず,2〜3回生にかけては部分的に充実度が高まるという結果と,ほとんど変わらないという結果の,相違する二つの結果が得られた。今後はさらにデータを集積し,上記の結果を再検討することや,大学生活充実度に学年差をもたらす要因を詳しく検討していくことが課題とされた。
著者
坂田 奈々絵
出版者
上智大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

シュジェールの文書についての読解をすすめると同時に、シュジェールや同時代人たちの祭儀とそれにまつわる装飾観について、当時の資料を参照し、研究を進めた。加えてビザンツから擬ディオニュシオス文書がどのような形でパリへと伝播したのかという点について、主に翻訳史と祭儀における聖歌について着目した研究を行い、それを早稲田大学の中世ルネッサンス研究所にて発表した(6月)。またシュジェール研究の現在の世界的状況についてのまとめを、西洋中世学会にてポスター発表し(同月)、意見交換や幅広い交流の場を得た。8月から9月にかけて、イル=ド=フランス及びノルマンディ地方のゴシック建築群、またクリュニー修道院をはじめとしたブルゴーニュ地方のロマネスク-ゴシック過渡期における修道院建築/思想についての実地調査を行った。またそれと並行して、先の「祭儀」と「装飾」の関係性を中心とし、パリにて資料収集を行った。同時に、先年度に教父研究会にて発表した、サンドニ修道院における擬ディオニュシオス文書の受容とシュジェールのテキスト分析について資料等で補完し、雑誌『パトリスティカ』にて発表した。また12月には教父研究会・上智大学共生学研究会が共催する三日間にわたるシンポジウム「闇-超越と認識」の企画、運営をおこなった。3月には彼の同時代人であるクレルヴォーのベルナルドゥスの「清貧」に対する思想との対比について、単に「財貨」の問題だけではなく、そこには「祭儀」をそのようなものとして見るかについての違いがあったのではないか、と仮定し、原典と補助的な先行研究に基づいた研究を進めた。その結果については、美学会東部会にて発表、意見交換を行った。
著者
小坂田 文隆
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.146, no.2, pp.98-105, 2015 (Released:2015-08-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

脳は,ニューロンが多段階の階層構造をもつ複雑な生体情報処理システムである.この情報処理システムの中核を担うのは神経回路であり,神経回路の破綻は神経・精神疾患における様々な機能障害を引き起こす.我々は,狂犬病ウイルスの経シナプス感染能を利用した新規神経回路解析法を開発してきた.G欠損狂犬病ウイルスベクターは,①投射ニューロンを逆行性に標識できる,②特定のニューロンに入力する細胞群を標識できる,③神経接続と細胞形態との対応付けができる,④神経接続と回路機能との対応付けができることなどから,神経回路の構造と機能を解析する強力なツールとして急速に普及し始めている.本稿では,G欠損狂犬病ウイルスを用いた経シナプストレーシング法,ウイルス作製方法および哺乳類脳への適用方法を紹介する.

2 0 0 0 OA 強心薬

著者
坂田 泰史
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.540-545, 2012 (Released:2013-10-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
原田 諭 須賀 涼太郎 鈴木 健介 北野 信之介 坂田 健吾 藤本 賢司 中澤 真弓 小川 理郎 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.797-805, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
15

新型コロナウイルス感染症拡大により対面による実習は中止となった。新たな教育手法としてVR動画を活用した遠隔シミュレーション実習を実施した。目的:VR動画を活用した遠隔実習と,従来実施していた実技を伴う対面実習における知識の教育効果を比較検討した。方法:2020年度シミュレーション履修者4年生82名(VRあり)を対象にVRゴーグルを使用して10想定の動画を視聴させ,救急救命士国家試験と同等の筆記試験を実施した。比較対象は,2019年度シミュレーション履修者4年生68名(VRなし)とした。結果:A問題はVRなし群が有意に高かった。D問題はVRあり群が有意に高かった。一般問題はVRなし群が有意に高かったが,状況設定問題はVRあり群が有意に高かった。結論:一般のシミュレーション実習は,A問題でみる一般医学的知識の向上に有用であり,VR動画を活用した実習は,一般のシミュレーション実習より状況設定問題の知識向上に有用であった。
著者
坂田 宏
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.11-16, 2010 (Released:2010-09-01)
参考文献数
18

小児における咽頭炎・扁桃炎の原因菌として重要なA群溶血性連鎖球菌に関する以下の点ついて解説した. 1) 診断における迅速検査キットと細菌培養の差, 2) 治療におけるセファロスポリン薬5日間投与の評価, 3) リウマチ熱および急性糸球体腎炎などの非化膿性合併症, 4) 反復性感染症にする最近の知見
著者
坂田 宏志 岸本 康誉 関 香奈子
出版者
兵庫県森林動物研究センター
巻号頁・発行日
no.3, pp.26-38, 2011 (Released:2017-11-16)

・兵庫県のツキノワグマの自然増加率や個体数の推定を、階層ベイズモデルを構築し、マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定した。・推定モデルは、出没情報件数、捕獲数、捕殺数、標識放獣数とその再捕獲数などの管理業務から体系的に得られるデータをもとに構築し、ブナ科堅果類の豊凶の影響を補正するモデルとした。・自然増加率は堅果類の豊凶によって変動するが、平均して20%前後と推定され、凶作の年でも減少していた可能性は低いと推定された。・個体数は、順調な増加傾向にあり、2010年当初の段階で、中央値で650頭程度(90%信頼限界では300~1,650頭程度)であると推定された。
著者
坂田 俊文 惠多谷 雅弘 吉村 作治 近藤 二郎 長谷川 奏 坪井 清足
出版者
Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.41-53, 1997-12-25 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

Previously unknown ancient remains were detected in the Memphite necropolis of Egypt by the analysis of satellite data. As one of the result, a brick architecture with a small pyramid of the new kingdom was discovered at Dahshur which is some 20km south from Giza. It was the first discovery in Egypt using this new method. This study is being done in cooperation with Tokai University Research & Information Center and The Egyptian Culture Center of Waseda University.The main purpose of this study is to detect undiscovered pyramids in Egypt with the aid of satellite remote sensing technology and ecological analysis of the Egyptian dynastic period. Satellite remote sensing technology is expected to be a powerful tool for a wide range observation in the field of archaeological study. Multiple satellite data, i. e., Landsat-TM, SPOT-PAN, SPOT-XS, KVR-1000, JERS 1-SAR, EERS 1-SAR and maps based on archaeological research, were used for this study. The discovery of the remains was made in the process of the study. The result of this study clearly shows that satellite remote sensing technology is a very useful in archaeological observation.
著者
松田 恭典 山本 隆嗣 坂田 親治 西澤 聡 家根 由典 徳原 大豪
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8, pp.1531-1536, 2021 (Released:2022-02-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1

49歳,男性.双極性感情障害の既往あり.自殺企図にて降圧剤数種を大量に内服し救急搬送された.初診時より低血圧,高熱,腹痛を認めたが,症状は速やかに改善した.食事を再開すると症状が増悪するため,下部消化管内視鏡と注腸造影を施行したところ,上行結腸下部から回腸末端にかけて多発する不整形潰瘍を認め,著明な狭窄を呈した遠位回腸が描出された.保存的加療による治癒は望めないと判断し,手術を施行した.遠位回腸約75cmにわたり非連続性の壁肥厚と狭窄を認めたため,同範囲を一括切除した.術後27日で軽快退院した.病理組織所見では,粘膜は潰瘍化し,粘膜下層から筋層上層まで広範な線維化を認め,うっ血する毛細血管や静脈も認められたが,切除標本のいずれの部位にも血栓や動脈狭窄は認められなかった.よって,降圧剤の大量内服に起因するnon-occlusive mesenteric ischemia(NOMI)により生じた,粘膜障害とその深層の線維性狭窄であったと判断した.
著者
筒井 俊春 坂槙 航 前道 俊宏 坂田 淳 鳥居 俊
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.253-259, 2023-06-01 (Released:2023-05-10)
参考文献数
26

The purpose of this study was to determine the developmental pattern of swing speed in youth baseball players between 6 and 14 years old. A total of 1213 baseball players performed toss batting. Swing speed was measured with a specialized accelerometer. In addition, 618 of the 1213 players were measured for total fat free mass by using Inbody770. In study1, Regression analysis was performed on the relationship between chronological age or height and swing speed, and the extreme values were calculated. Then, an allometric equation based on height was also used to estimate the relative growth of swing speed and total fat free mass and to compare the difference of relative growth patterns between swing speed and total fat free mass in study2. Swing speed was strongly related to both chronological age and height, with cubic regression for the relationship with chronological age and linear for the relationship with height. The regression equation obtained for chronological age was solved and found that developmental rate was maximal at approximately 10.25 years old. Allometric analysis showed that the developmental pattern of swing speed differed from that of fat free mass, with a temporary decline in developmental rate from 153.6 cm to 160.9 cm. Based on the results of this study, further research in youth baseball players would be expected to identify the factors causing sluggish development of swing speed as well as to develop an exercise program for improving batting ability.
著者
坂田(柳元) 麻実子
出版者
一般社団法人 日本女性科学者の会
雑誌
日本女性科学者の会学術誌 (ISSN:13494449)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-12, 2021-03-12 (Released:2021-03-12)
参考文献数
50
被引用文献数
1

T細胞リンパ腫の一つである血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 (angioimmunoblasitc T-cell lymphoma: AITL)を研究テーマに、ゲノム異常、病態解析、トランスレーショナルリサーチに取り組んできた。本論文では、AITLに関する著者の研究と関連分野の研究について、総説する。
著者
西間木 彩子 三輪 陽介 鈴木 亮 桑原 彩子 横山 健一 佐藤 範英 高山 信之 坂田 好美 池田 隆徳 佐藤 徹 吉野 秀朗
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1550-1554, 2011 (Released:2013-02-21)
参考文献数
15

特発性好酸球増多症候群(idiopathic hypereosinophilic syndrome; IHES)は, 全身臓器に好酸球浸潤を伴う疾患であり, レフレル心内膜炎合併は心不全の増悪や心筋症様変化を伴い予後不良である. われわれは, 心臓MRIで治療効果を評価し得たレフレル心内膜炎合併HESの1例を経験した. 症例は33歳, 男性. 紅斑, 下痢, 末梢神経障害を主訴に来院した. 来院時, 好酸球の増加が認められた. 入院時の心電図で前胸部誘導のR波が減高していた. 心臓MRIで左室壁運動障害と心筋中層から内膜側にかけて, 遅延造影像が認められ, 心筋生検で好酸球の浸潤が確認されたため, レフレル心内膜炎と診断された. 各種検査でIHESに起因して発症したと判断され, プレドニゾロン(predonisolone; PSL)の投与が開始された. 心臓MRIで遅延造影効果が強くみられた心室中隔基部で壁運動の低下が残存し, 淡く認められた部位や造影効果のない部位は壁運動低下が改善傾向であった. レフレル心内膜炎の心臓MRIに関する報告は散見されるが, 遅延造影効果についての報告はほとんどなく, 心臓MRIの遅延造影が心機能予後予測や治療効果判定に有用である可能性が示唆された, 興味ある症例と考えられたので報告する.
著者
早瀬 良 坂田 桐子 高口 央
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.135-147, 2011 (Released:2011-03-08)
参考文献数
47
被引用文献数
2 1

医療機関では,安全で質の高い医療サービスの提供が求められている。そのためには,医療機関のスタッフが,職種の異なるスタッフと協力することや,自発的に役割外行動に従事することが不可欠である。本研究の目的は,社会的アイデンティティ理論に基づき,看護師が安全で質の高いサービスを提供する心理過程について検討することである。調査対象者は看護職者217名であった。分析の結果,以下のことが示された。(1)自分の職種に誇りを感じることと同僚から尊重されることの両方が職種アイデンティティを増加させ,職種アイデンティティは協力行動を増加させた。(2)また,同僚から尊重されていることは役割外協力行動を増加させた。(3)さらに,職種アイデンティティは職種間協力行動を増加させ,病院アイデンティティは病院への定着意志を増加させた。以上の結果から,安全で質の高いサービスを提供するためには,看護師が職種と病院の両方に同一視することが有益である可能性が示唆された。
著者
坂田 千鶴子
雑誌
東邦学誌 = Journal of Aichi Toho University (ISSN:02874067)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.71-78, 2003-06-30
著者
坂田 幹宏 木曽 朋顕
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.560-565, 2014 (Released:2015-12-17)
参考文献数
37