著者
新井 直子 砂見 緩子 高橋 幸子 斉藤 倫代 伊藤 文子 加藤 志保子 堀内 裕子 寺山 範子 後藤 一雄
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.26-32, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
11

臨床現場では, 手洗い後に手を拭いたペーパータオルで洗面カウンター表面環境の水滴を拭き取る行為が日常的にみられる. 本研究では水滴拭き取り行為による手指の汚染の可能性を, ATP (Adenosine Tri Phosphate : アデノシン三リン酸) を用いて検証することを目的とした. 対象は看護学生および教職員13名とし, 無菌手袋を装着した状態で, 流水手洗い後にペーパータオルで洗面カウンター表面環境の水滴を拭き取る前後の手袋表面 (手掌・指先・指間) のATPを測定し, 拭き取り前後のATPの比較, 拭き取り後のATPと実験環境のATP, 使用したペーパータオルに関する関連を検討した. その結果, 手掌・指先・指間いずれも拭き取り後にATPが有意に増加し, 洗面カウンター表面環境の水滴を拭き取る行為は, 手指の汚染を引き起こす可能性を示唆した. 手袋表面と測定環境のATPおよびペーパータオル枚数に相関は認めなかった. 本結果は, 手洗い後の水滴拭き取り行為に注意喚起を促すものである.
著者
堀尾 強 河村 洋二郎
出版者
歯科基礎医学会
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.524-532, 1988

姿勢の違いが咀嚼運動に及ぼす影響を明らかにするために, 被験者16名につき坐位および仰臥位の2つの異なった姿勢における咀嚼運動パターン, その運動パターンと食品のテクスチャーとの関係を調べた。姿勢を坐位から仰臥位へ変化させることにより咬筋筋電図の振幅が減少し, 最終嚥下までの咀嚼回数, 咀嚼時間が増加した。また, 姿勢変化による咀嚼回数, 咀嚼時間の増加の割合は食品の硬度による差はあまりなく, 食品の付着性, 粘着性の大きい食品では仰臥位における増加率が小さくなる傾向があることが明らかとなった。各食品のテクスチャーと咀嚼運動の関係については, 付着性, 粘着性というテクスチャーを有する比較的軟らかいガム, チーズの咀嚼時には咀嚼筋筋電図の振幅や放電持続時間および咀嚼回数, 咀嚼時間が増大し, 咀嚼運動は食品の硬度ばかりでなく, 付着性, 粘着性の影響も強く受けることが見いだされた。<BR>本実験から坐位と仰臥位における咀嚼パターンの相違に及ぼす影響は食品のテクスチャーによって異なることが示唆された。
著者
堀埜 一成 東 昌樹
出版者
日経BP
雑誌
日経ビジネス = Nikkei business (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.2053, pp.70-73, 2020-08-17

新型コロナウイルスの流行により、かつてない逆風に外食産業が翻弄されている。低価格イタリアンのメニューや店づくりに科学の視点を持ち込んだ先駆者も苦境に立つ。どう生き抜こうとしているのか、解決策を聞いた。
著者
佐々木 貴浩 佐藤 宏喜 古内 孝幸 竹中 能文 佐久間 正祥 堀 眞佐男
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.926-930, 2005-04-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
18
被引用文献数
1 4

乳癌胆管転移の1例を経験した.症例は56歳,女性.平成9年左乳癌(TlN0M0)で乳房部分切除,腋窩郭清を施行.病理診断は浸潤性乳管癌 硬癌,リンパ節転移陰性,切除断端癌陰性で残存乳房照射50Gyとtamoxifen 20mg 5年間の補助療法を行った.乳癌術後5年5カ月,肝機能障害発症,画像診断上,中下部胆管が著明な狭窄を呈し,胆管癌の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的には粘膜直下より漿膜,膵に浸潤した腺癌が認められ,既往の乳癌の組織像に類似しているところから乳癌の胆管転移と診断した.乳癌の転移による胆管狭窄は肝十二指腸間膜リンパ節転移による報告例が散見される程度で本症例の如き胆管転移は極めて稀である.
著者
池内 桃子 山口 貴大 堀口 吾朗 塚谷 裕一
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.181, 2008

シロイヌナズナの優性変異体<I>rotundifolia4-1D</I>では、細胞数が長さ方向特異的に減少して葉が短くなる。この仕組みを明らかにするために、我々は原因遺伝子である<I>ROT4</I>遺伝子の機能を調べている。<I>ROT4</I>は、6.2kDaの低分子タンパク質をコードしている。その機能領域が、C末端側のROTUNDIFOLIA4-LIKE/DEVILファミリーに共通の領域付近にあることは既に判明していたが、詳細な機能領域は同定されていなかった。また、その領域が切り出されているのか否かを示す知見は、今までに得られていなかった。今回我々は、まず<I>ROT4</I>のコード領域をN末端側およびC末端側から削り込んだものを過剰発現させ、その表現型を調べることにより、機能に必要十分な領域の絞り込みを行った。また、生体内における分子内プロセシングの有無を調べるために、まずROT4:GFPおよびGFP:ROT4融合タンパク質を過剰発現させ、表現型からその機能を評価した。その上で、免疫ブロッティング法を用いて、発現したタンパク質のサイズを調べている。上記の解析およびタグを用いた他の解析に基づき、ROT4の分子機能について議論する。
著者
池内 桃子 山口 貴大 堀口 吾朗 塚谷 裕一
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.108, 2009

<I>ROT4 (ROTUNDIFOLIA4)</I>は、陸上植物に広く保存された、機能未知の低分子タンパク質をコードする遺伝子である。シロイヌナズナにおいては、<I>ROT4</I>単一の機能欠損変異体は表現型を示さないが、その過剰発現体では、側生器官を構成する細胞が長さ方向特異的に減少するほか、背丈の矮小化、花柄基部やトライコーム基部の組織が突出するといった多面的な表現型を示す。また,根の短小化が今回新たに見出された。このように、<I>ROT4</I>は植物の発生において重要な機能を担っていると示唆されるが、その分子機能はほとんど明らかになっていない。<br> そこで我々は、まず<I>ROT4</I>の各種deletionシリーズの過剰発現体を作出し、その表現型を調べた結果、 32残基からなる領域が機能に必要かつ十分であることを同定した。この領域は、分子内プロセシングを受けて切り出されることなく機能しているということが、GFPとの融合タンパク質を用いたこれまでの実験から示唆されており、現在その確認を進めている。また、HSP-Cre/Lox系を用いてGFP:ROT4をキメラ状に発現する形質転換体を作成したところ、GFP:ROT4が発現しているセクターにおいて自律的な表現型が観察された。さらに、葉柄-葉身境界の位置がずれる興味深い表現型も見出された。これらの解析の結果を総合し、ROT4の植物の形態形成における機能について議論したい。
著者
中島 左代里 天野 めぐみ 伊東 憲子 橘川 英一郎 菅 義浩 立川 智美 西郡 武史 原田 真紀子 堀 明日香 本城 祐子 内藤 徹 日高 理智 横田 誠
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム 第62回九州歯科学会総会
巻号頁・発行日
pp.25, 2002 (Released:2004-02-20)

我々は, 北九州市内の小学生253人を対象に, 歯周病学的パラメータのPMA index, CPI, Plaque indexと口呼吸が疑われる徴候の口唇閉鎖困難, 鼻閉塞, 前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕, 口唇乾燥, 口臭, 高口蓋を調査し, その関係を検討した. その結果, Plaque indexの値は, 口呼吸の原因になるとされる口唇閉鎖困難が認められる者はそうでない者に比べて有意に高値であり, 口呼吸の結果生じるとされる前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕においても, 徴候がある者はない者に比べて有意に高値であった. また, 鼻閉塞が認められた者は少なく, 鼻性口呼吸を行っている者は少ないと考えられた.
著者
堀内 孝
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.25, 2011

一般的に自分自身の名前に関する反応時間は短いことが知られている。本研究では,その処理の速さが自己名前の熟知性の高さに起因しているのか否かを検討した。具体的には,名前を繰り返し提示することによりその熟知性の高さを操作した。実験1では,自己名前と3人の他者(親友,男性有名人,女性有名人)の名前が設定され,4回の反復提示が行われた。1回目の反応時間は,自己<親友<男女有名人であった。これは従来の研究知見と一致するものであり,熟知性でも解釈可能な結果である。しかしながら,4回目では他者3名間の反応時間の差は消失したにもかかわらず,自己名前は他者3名の名前よりも反応時間が短かった。さらに,実験2では自己名前と親友の名前が設定され,30回の反復提示が行われたが,それでも,自己名前は親友の名前よりも反応時間が短かった。以上の結果は,自己名前に関する処理の速さは熟知性の高さでは説明できないことを示している。
著者
堀田 和明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.128, no.10, pp.672-675, 2008-10-01 (Released:2008-10-01)
参考文献数
5

本記事に「抄録」はありません。
著者
岩堀 源五郎 原 利男
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1975, no.43, pp.39-43, 1975-08-15 (Released:2009-07-31)
参考文献数
2
被引用文献数
3

下級煎茶の最適火入れ条件を究明するため,回転型火入れ機を用い,茶火入れ中の茶温と品質との関係を調査し,凍のような結果を得た。(1) 下級煎茶の火入れ条件としては,取り出し時の茶温が110~120℃が良好な火入れで,温度範囲が狭いことが認められた。(2) 火入れ茶のHead space Vaporの香気成分の分析結果から,火入れによってジメチルサノレファイドが増加し,取り出し時の茶温約120℃くらいの時にジメチルサルファイド含量が最高となるような傾向が認められた。(3) 取り出し時の茶温と茶の表面色の関係を調べた結果,110℃以下ではほ:とんど変化はないが,それ以上に温度が上がると変化が激しく,とくに,120℃を越えると著しく褐変した。なお,この実験に際し,茶温測定の御指導をいただいた申野不二雄機械研究室長ならびにHead space Vaporのガスクロマトグラフによる分析に御助力いただいた土壌肥料研究室の池ヶ谷賢次郎技官ならびに製茶第3研究室の久保田悦郎技官に深く感謝いたします。
著者
凌 薇 市川 真帆 尾方 壮行 堤 仁美 田辺 新一 堀 賢 橋本 果歩 森本 正一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.65-68, 2018 (Released:2019-10-30)

本研究の目的は、近距離における飛沫核濃度と相対湿度の関係を実験的に把握することである。実験として、模擬咳発生装置(咳マシン)により飛沫を含んだ模擬咳を発生させ、被感染者が感染者の近傍で咳に曝露された場合に吸引しうる飛沫核個数を測定した。実験結果を基に感染リスク評価を行い、近距離曝露における相対湿度、距離および遠距離曝露における換気回数が飛沫核濃度に与える影響について考察した。更に、異なる距離における飛沫核濃度を比較した。
著者
石坂 正大 久保 晃 金子 純一朗 野村 高弘 韓 憲受 貞清 香織 堀本 ゆかり
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.627-630, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

〔目的〕理学療法学科学部生における興味を持つ専門分野の縦断的変化を明らかにすること.〔対象と方法〕平成28年度理学療法学科学部4学年98名とした.アンケートは7専門分野と23専門領域から最も興味のある領域を選択させた.アンケート実施は,2学年前期,3学年前期,3学年後期,4学年後期に行った.〔結果〕興味のある専門分野は,基礎,神経,内部が縦断的に増加した.専門領域は,2学年前期ではスポーツが49名(55%)と最も人気が高いが,4学年後期では運動と脳卒中に続いて3番の順となった.〔結語〕スポーツ領域に興味のある学生は,3学年前期で神経系に,4学年になると内部障害に興味が移る傾向にある.
著者
林 基弘 堀場 綾子 田村 徳子 川俣 貴一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.431-440, 2018 (Released:2018-06-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

聴神経腫瘍に対する定位的放射線治療, その中でも歴史的に古くかつ最高精度のガンマナイフによる臨床成績に関して多くの報告がすでになされている. 10年を超える比較的長期のフォローにおいて, 腫瘍成長制御は91~97%, 聴力温存は49~55%, そして顔面神経温存は93~100%と報告され現状でのコンセンサスとほぼなっており, 外科手術のそれと比較しても決して劣らない数字となっている. しかし, 現存線量設定に至ってまだ25年程度の歴史であるため, 40歳代以下の若い患者に対する治療コンセンサスは十分に得られておらず, まだ治療医ごとの個別の裁量に任されているのが現状である. 最近ではMRI画像の革新的進歩と, そのうえでの微小解剖学に根差した治療計画も実践されるようになり, 顔面神経は当然, 蝸牛神経の走行までを考慮して過照射せぬよう意識して照射治療が行えるようになった. このような技術革新を背景に, 現状における聴神経腫瘍に対する治療指針を定位照射治療医の側面から以下のように提案している. 大型腫瘍 (Koos stage 4) においては基本外科的摘出. 一方で, 小中型腫瘍 (Koos stage 1~3) においては, たとえ内耳道内腫瘍であっても経過観察は基本否定的であり, 有効聴力かつ若い患者 (40歳代以下) であれば外科的摘出を, 手術拒否もしくはそれ以上の年代の有効聴力患者 (50歳以上) に対しては定位的放射線治療を勧めるべきである. さらに神経線維腫症2型において, 聴力温存必至であるため定位的放射線治療による早期介入を積極的に行うべきと考えている.
著者
七戸 秀夫 川堀 真人 寳金 清博
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.115-121, 2018 (Released:2018-05-31)
参考文献数
14

脳梗塞に対する細胞治療が国内外で臨床試験として開始されつつある. 2012年度に, われわれは 「脳梗塞の再生医療」 に関して厚生労働省から革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業実施機関に選定された. 本事業のもとで, われわれは自家骨髄間質細胞 (bone marrow stromal cells: BMSC) 移植による脳梗塞再生治療の医師主導治験 (第Ⅰ相 : RAINBOW研究) を準備し, 2017年6月に最初の被験者が登録された. 本治験は, ①ウシ胎仔血清 (FBS) などの代替として, 他家ヒト血小板溶解物 (platelet lysate: PL) を添加し, 自家BMSCを培養する, ②脳梗塞周辺部へ脳定位的手術により細胞を直接移植する, ③MRIによる移植細胞の挙動把握を目的とし, 超常磁性酸化鉄 (SPIO) 製剤によりBMSCをラベルする, ④FDG-PETやIomazenil-SPECTを用いて, 細胞移植がホスト脳に及ぼす影響を評価するなど, 過去の臨床試験と異なる新規性のあるプロトコルを採用し, われわれは第2世代の臨床試験と自負している. 本稿ではBMSC移植治療の作用機序と治療戦略, 非臨床試験, 治験プロトコルの観点から, われわれの経験を報告する.
著者
堀野 朝子 塩見 正司 井上 岳司 温井 めぐみ 九鬼 一郎 岡崎 伸 川脇 壽 天羽 清子 外川 正生
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.275-280, 2014

&emsp;【目的】小児の抗<i>N</i>-methyl-D-aspartic acid receptor脳炎 (以下抗NMDA受容体脳炎) 6例の臨床像と予後を検討する. 【方法】本脳炎の特徴的な臨床経過を有した症例を後方視的に検討した. 【結果】該当症例は男2例女4例, 年齢は13~16歳, 抗NMDA受容体抗体陰性例が1例含まれた. 女子全例で卵巣腫瘍を認め, 急性期以後の検出が3例, 増大例が1例存在した. 側頭葉病変を認めた1例で高次脳機能障害とてんかんが, 小脳病変を認めた1例で軽度知的障害の後遺症がみられた. 【結論】頭部MRIで異常を認めた2例は後遺症を有した. 腹部MRIによる卵巣腫瘍検索は, 脳炎治癒後最低4年以上は必要である.
著者
北堀 光信
出版者
地方史研究協議会
雑誌
地方史研究 (ISSN:05777542)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.42-51, 2009-04