著者
太田 祐介 長橋 究 小島 康裕 上原 博和
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.530-534, 2021 (Released:2021-03-13)
参考文献数
6

72歳,女性。大動脈弁狭窄症による心不全のため大動脈弁置換術を予定していたが,血小板減少を認めヘパリン起因性血小板減少症Ⅱ型と診断された。手術の延期が考慮されたが,循環動態が不安定であったため予定通り大動脈弁置換術を施行した。 手術開始時にアルガトロバンを4μg/kg/minで持続静注を開始し,人工心肺開始時にメシル酸ナファモスタットを30mg/hで開始した。活性化凝固時間の推移を確認しながらアルガトロバンの投与量を調節した。大動脈遮断解除後,アルガトロバンの投与を終了し,大動脈遮断解除の1時間後に人工心肺を終了した。止血に難渋し人工心肺終了から7時間後に手術を終了した。手術時間12時間21分,人工心肺時間3時間10分,出血量3444mL,輸血量6400mLであった。 本症例は,過去の症例報告と比較してアルガトロバンの投与量は少なかったが,人工心肺終了後の出血量を減らすことはできなかった。

1 0 0 0 Y-00 is Broken

著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.84, pp.67-68, 2008-06-05

量子暗号系Y-00は、共有秘密鍵により生成された擬似乱数と信号ビットに基づく位相角(偏光角)を持つ中規模の数の光子を使う。角度の量子論的不確定性により擬似乱数の値を知らない者にとっては信号ビットそのものの復元は難しい。しかし、不確定性を含んだ角度の測定でも擬似乱数の情報が大幅に漏れるため、プライバシー増幅が行えない。つまり、Y-00は破綻している。
著者
太田 義雄 影山 智絵 薄井(三宅) 教子 角田 咲絵 福本 美里 前田 佐紀 又賀 春奈 松本 千加 三村 麻依 山本 由希乃 湯浅 美代子
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.103-108, 2014-06-16

「身体の冷え」改善の食材として,ショウガに注目し,ヒトがショウガを単回摂取した際および長期摂取した際の生体応答(体温,血圧,脈拍,末梢血流,表面温度の変化)について検証した。ショウガの単回摂取においては,腋窩体温や血圧の変動は認められないが指末梢血流量が一時的に増加する傾向が認められた。体感的な体温上昇を感じるのは,この末梢血流量の増加に起因した感覚であると考えられる。しかし,今回の条件下(摂取量:ショウガ粉末0.25 ~ 0.75g/100g,測定時間:1時間)の単回摂取では,からだ全体の体温上昇は認められず,温熱効果は確認できなかった。また,ショウガを10日間連増摂取した際の,緩和な寒冷ストレス負荷試験において指表面温度の回復が早くなる傾向が認められた。この変化は冷え症を自覚している人の方が顕著であり,温度回復後の指表面温度の上昇も認められた。このことから,ショウガの長期摂取により,末梢の血流改善が図られる可能性が示唆され,冷え症の改善が期待できる。
著者
太田 和樹 増谷 利博 今田 盛生
出版者
[九州大學農學部附属演習林]
雑誌
九州大学農学部演習林報告 (ISSN:04530284)
巻号頁・発行日
no.71, pp.p13-25, 1994-12
被引用文献数
3

九州大学宮崎演習林では細胞式皆伐作業法の適用により,天然生林からスギ・ヒノキ人工林への林種転換が行われてきたが,近年,シカの食害により不成績造林地が増加していることから,代替案を検討する必要に迫られている.そこで,代替案検討の第1ステップとして,対象天然林内に群状に分布するアカマツ混交林の取り扱い方を考えた場合,その林分構造について検討する必要がある.このようなことから,本報告は天然生アカマツ混交林の林型区分を行い,各林型ごとの特徴を明らかにすることを目的とし,径級別・樹種別の材積及び本数を変戯とするクラスター分析により林型区分を行い,類型化された林型の特徴を直径及び樹高の順位系列によって検討した.クラスター分析を行った結果,天然生アカマツ混交林内に設定した34のプロットは林型A~Hの8つの林型に分類された.次に,直径及び樹高順位系列を用いて各林型の林分構造の特徴を明らかにした結果,主に樹種構成,径級別本数及び材積で分類され,天然生アカマツ混交林の取り扱いについて検討を行うための林型区分として適切であった.さらに,林型ごとに今後の取り扱いについて検討した結果,林型G,Hで木材生産が可能であるが,林型A,Bでは不可能であることが明らかになった.その他の林塾では,伐採後の成林の問題もしくは経済性の問題についてさらに検討する必要があることが示唆された.
著者
倉爪 亮 米田 完 田中 俊太郎 玉木 達也 太田 祐介 長谷川 勉
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.811-818, 2003-10-15
参考文献数
26
被引用文献数
4 1

From 1970's, legged robots have attracted much attention of many researchers. In spite of this, it has been regarded that dynamically stable walking is very difficult to be tackled for any types of legged robots. For a trot gait for quadruped walking robots, we have proposed "the sway compensation trajectory". This method utilizes a lateral, longitudinal, and vertical motion of a robot body to keep a zero moment point (ZMP) on a diagonal line between support legs. In this paper, we develop the sway compensation trajectory for a biped robot, and show that dynamically stable walking is realized. This method makes it quite easy to design stable ZMP and COG (center of gravity) trajectories, which have been regarded as a very complicated and delicate problem. The effectiveness of the proposed method is verified through computer simulations and walking experiments by a humanoid robot HOAP-1, and YANBO-3.
著者
中埜 貴元 小荒井 衛 星野 実 釜井 俊孝 太田 英将
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.164-173, 2012-07-25 (Released:2013-10-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

地震時に発生が懸念される大規模盛土造成地における滑動的変動被害について,その被害予測を効率的に実施するためには,国土交通省の「大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドライン」の第一次スクリーニングですべての盛土に共通して得られる地形情報のみを利用して,盛土の相対的な滑動崩落危険度を評価する必要がある。そこで,盛土地形の計測と地震時滑動崩落に対する相対的な安全性の評価支援が可能なシステムを構築し,その有効性を検証した。
著者
太田 静行 坂本 泰志 近藤 勝彦 日下 兵爾
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.321-327, 1979-05-20 (Released:2009-11-10)
参考文献数
4
被引用文献数
6 8

In various foods, it is often experienced that a presence of oil in food complicates the taste of the foods and makes it mild and sometimes even very delicious. However, this effect of oils on the taste of food has not been studied systematically. This paper deals with the effect of oil on so-called “five tastes”. Sugar, salt, tartaric acid, quinine hydrochloride and monosodium glutamate were chosen as the representative of five tastes, namely sweet, salty, sour, bitter and glutamate taste (“Umami”, in Japanese), respectively. Taste panel consisted of about 15 persons, who were the stuff of our laboratories and our students.Two series of experiments were carried out.1) Taking the case of sweet taste, emulsions typed of w/o and o/w of 5.46% aqeuous solution of cane sugar and corn oil were made. Each of 7.20, 6.28, 5.46, 4.75 and 4.13% solutions of cane sugar were also made. The panel made the guess which solution were equal to the sweetness of these o/w and w/o emulsions. Such experiments were also done on other four tastes as well as on some real foods such as margarine, cream and mayonnaise.2) Also taking the case of the sweet taste, 7.20, 6.28, 5.46, 4.75 and 4.13% solutions of cane sugar were made, while o/w and w/o emulsions of these solution and oil were made. The panel carried out the difference tests on these series. The number of the errors in these experiments was compared. As the results, it was found that intensity of tastes were much decreased in the w/o emulsion. In the difference tests on the emulsions of both w/o and o/w type it was much difficult to describe the differences than those on mere ageous solutions. These results seem to be able to explain to some extent the general belief, “oil makes the taste of food mild and delicious”.
著者
太田 博三
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1N2J905, 2019

<p>本稿では,OPIの口頭試験(インタビュー)の1回目と2回目,2回目と3回目,そして最大5回目までの発話を事前・事後の事象とみなし,ベイズ論的アプローチを用いて,発話の省略と反復・繰り返しの相互作用を考察したものである.昨今,頻度主義の統計学からベイズ統計が主流となったのと同じく,相互行為も,実は条件付き相互行為で説明できることが少なくない.人は事前の事象を踏まえて,事後の事象が発生するからである.国立国語研究所の提供する日本語学習者会話データベースの縦断調査では,同一人物を最大で5回,口頭試験し追及したものである.本考察のユニークな点は,発話連鎖は一度は完結し,本来的には異なるものだが,事前(1回目)と事後(2回目)とで完結しているにも関わらず,「はいはいはい」や「そうそうそう」など強い同意と供に,くだけた表現になり,礼儀作法の変化が見受けられる点である. 2回目以降でも,同じ事を繰り返して言うのは,前回のことを覚えていないなど,失礼に当たるなどがある. ここで,非言語のフィラーなどは実用的なものであり,人工知能(AI)やロボットなどの対話システムに適用可能である.</p>
著者
末吉 のり子 太田 玉紀 村山 敏夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.913-917, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕バレエの引き上げ姿勢を評価するために,X線撮影像を用いて脊柱アライメント変化を検証した.〔対象〕バレエ経験年数の異なる健常成人女性9名とした.〔方法〕脊柱X線撮影では普段の立位姿勢(NP)とバレエの姿勢(BP)での脊柱アライメントの評価を仙椎傾斜角(SIA),腰椎前弯角(LLA)にて行い,第1腰椎上縁と交わる垂線と水平線のなす角を(PUA)と定義した. 被験者がNPからBPに姿勢を変化させた際の各角度変化を計測した.〔結果〕適切な引き上げ姿勢を取れるものは脊柱の生理的弯曲が減少し,そうでない者との差がみられた.〔結語〕バレエの姿勢は経験によって異なり,SIA, LLA, PUAを測定することによって引き上げ姿勢を評価できる可能性があることが示唆された.
著者
星合 和基 金澤 毅 平沼 謙二 太田 功 福井 壽男 森 博史 長谷川 明
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.494-500, 1995-06-01
参考文献数
21
被引用文献数
9 2

この研究は色調の安定性を改善した常温重合レジンについて検討したもので,レジン中の触媒にバルビツール酸誘導体と4級アンモニウム塩を用いたものである.このレジンの色調,物性,適合度について現在市販されている各種の常温重合レジンと比較検討したものである.その結果をみると,1.色調は安定し,変色はみられない,2.機械的強さはほぼ同程度である,3.適合性は優れていることが示されたので,臨床上有用な新しい常温重合レジンといえよう.
著者
渡部 展也 臼田 裕一郎 太田 一行
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.99-108, 2004

The purpose of this study is to develop a quantitative site grouping method as a supportive measure for prehistoric settlement researches. One of the basic procedures in settlement archaeological studies is to group individual sites. Grouping scale must be determined in relation to hierarchical level of the social units (e.g. micro level, semi-micro level, macro level). Conventional methods (i.e. Voronoi, Buffer) for site grouping had a difficulty in taking hierarchical structure into account. In this study, hierarchical grouping is attempted by utilizing the scale flexibility of cluster analysis. Spatial extents of the units were also measured through 'time-distance', which simulates the Jomon people's sense of distance. Sites were clustered into groups by suitable threshold values, which were estimated by spatial statistical scores calculated by K-function. Effectiveness of the method was verified by observing its correspondence to the site distribution with specific hierarchical structures. The verification confirmed the developed method to be relevant for quantitative and hierarchical grouping of Jomon-sites.
著者
小野 元子 太田 文隆 玉置 幸雄 石川 博之
出版者
福岡歯科大学学会
雑誌
福岡歯科大学学会雑誌 (ISSN:03850064)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.97-104, 2004-01-30
参考文献数
34
被引用文献数
3

The relation between acoustic characteristics of the vowel and maxillofacial morphology was studied in 100 Japanese female malocclusion patients with the mean age of 24 years. The frequencies of the first formant (FD and second formant (F2) of the five Japanese vowel sounds (/a/,/i/,/u/,/e/and/o/) were analyzed by using linear predictive coding, and 18 skeletal parameters were measured on lateral cephalograms. From correlation analyses between F1, F2-F1 and 18 parameters, F1 of the /i/ statistically showed significant positive correlation with the mandibular plane angle and the Y-Axis, whereas the F2-F1 of the /i/ showed negative correlation with the angle of convexity, the mandibular plane angle, the Y-Axis, N-M distance, and the ANS-M distance. No significant correlation was found in the other vowel sounds. These results suggested that the uttering /i/ sound can be easily influenced by the mandibuluar vertical and horizontal positions because its articulation point is placed at the most anterior and superior site among the five Japanese vowels.
著者
石橋 明 西山 芳夫 遠藤 幹男 河路 渡 加藤 正 布田 由之 望月 一男 太田 信夫
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.113-117, 1977 (Released:2017-02-13)

掌蹠膿疱症132例中14例に, 胸骨部の有痛性の整形外科的症状(胸骨体部柄部間関節症5例, 胸鎖関節炎4例, Tietze症候群4例)を見出した。整形外科的症状を伴う掌蹠膿疱症の症例は, 概して掌蹠以外の指趾, 手足背, 四肢, 体幹にも撒布診を認め, AndrewsのGeneralized pustular bacteridに一致する皮膚症状を示した。またしばしば慢性扁桃炎などの巣感染の急性増悪後に増悪し, 扁剔や抗生物質投与に反応した。従って皮膚症状のみならず, 整形外科的症状も巣感染(アレルギー)と関連性を有することが推察された。