著者
小山 秀紀 鈴木 一弥 茂木 伸之 斉藤 進 酒井 一博
出版者
公益財団法人大原記念労働科学研究所
雑誌
労働科学 (ISSN:0022443X)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.56-67, 2019 (Released:2020-04-10)
参考文献数
33

本研究では昼寝を想定した椅子での短時間仮眠が睡眠の質,パフォーマンス,眠気に及ぼす影響を調べた。仮眠は昼食後の20分間とし,ベッドでの仮眠を比較対照とした。測定項目は睡眠ポリグラフ,パフォーマンス(選択反応課題,論理課題),精神的作業負担とした。分析対象は夜間睡眠統制に成功した6名(20.8 ± 1.6歳)であった。ベッド条件に比べ,椅子条件では中途覚醒数が有意に多く(p < 0.05),徐波睡眠が少ない傾向にあった。両条件で仮眠後に眠気スコアは有意に低下した(p < 0.001)。パフォーマンスは条件間で有意差はなかった。昼寝椅子における短時間仮眠は睡眠が深くなりにくく,ベッドとほぼ同様の眠気の軽減効果が得られることが示された。(図5,表8)
著者
小林 大輔 小山 侑 清水 博之 杉山 健太郎
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.19-25, 2016-12-25 (Released:2017-04-12)
参考文献数
22
被引用文献数
1

目的:三叉神経痛の治療法はカルバマゼピン(以下CBZ)の投与である程度確立されているが,副作用で服用の中断を余儀なくされる症例や,抵抗性を示す症例に遭遇することがある.そのような症例の臨床的特徴が明らかになれば治療の一助となると考え,三叉神経痛患者の臨床的検討を行った.方法:2010年4月から2015年3月に東京都立多摩総合医療センター歯科口腔外科を受診した三叉神経痛患者48例について年齢,性別,罹患部位,頭部MRI所見,治療法,副作用について調査を行った.結果:初診時年齢は29~96歳で平均年齢は67.9歳であった.性別は男性が11例(22.9%),女性が37例(77.1%)であった.罹患部位は第Ⅱ枝が25例(52.1%)と半数以上を占めた.頭部MRI撮影を行った44例において18例(40.9%)で原因血管の同定が可能であり,うち上小脳動脈が9例(50.0%)と最も多かった.3例(6.8%)に脳腫瘍を認め,3例の内訳は聴神経腫瘍および髄膜腫,類上皮腫であった.CBZを投与した45例のうち,34例(75.6%)で症状が寛解したが,11例(24.4%)についてはCBZの内服のみでは症状は寛解せず,追加の治療を必要とした.CBZの奏効量は200mgが19例(55.9%)と最も多かった.副作用は14例(31.1%)に認め,最も多い副作用はふらつきで6例であった.結語:今回われわれは三叉神経痛患者48例について臨床的検討を行った.しかしCBZに副作用,抵抗性を示す症例に明らかな臨床的特徴は見出すことができなかった.
著者
小山 清男
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.39-44, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8

4 0 0 0 OA 泡の化学

著者
小山内 州一
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.1, no.8, pp.863-870, 2001-08-01 (Released:2013-04-25)
参考文献数
25
被引用文献数
4 6
著者
西島 智子 小山 理惠子 内藤 郁奈 畑山 聡 山崎 裕司 奥 壽郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.95-99, 2004 (Released:2004-06-12)
参考文献数
12
被引用文献数
40 26

この研究の目的は高齢患者の膝伸展筋力と歩行能力の関係について検討することである。対象は高齢入院患者78名(75.7±7.7歳)である。これらの対象について膝伸展筋力と歩行能力を評価した。歩行能力は院内歩行群(n=50),室内歩行群(n=10),歩行非自立群(n=18)に分類した。院内歩行群における膝伸展筋力は室内歩行群,歩行非自立群に比較し,有意に高い値を示した。ロジスティック回帰分析の結果,院内独歩の可否を独立して規定する因子は膝伸展筋力のみであった。膝伸展筋力が0.5を下回る場合,院内歩行自立群は減少し始め,その下限値は0.28であった。0.30を下回る場合,室内歩行の自立割合は減少し始め,その下限値は0.13であった。以上のことから,高齢患者の独歩自立のためにはある程度の下肢筋力が必要なことが示唆された。
著者
小山田 智寛 二神 葉子 逢坂 裕紀子 安岡 みのり
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.154-157, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
4

近年、デジタルコンテンツの公開がますます盛んになり、オープンデータによるデジタルデータの活用も進んでいる。一方、フロッピーディスクやMOなどの記録メディアの問題は言うまでもなく、2019年12月のYahoo! ブログのサービス終了など、プラットフォームの変容に追随できず公開が持続できないデジタルコンテンツも増えている。東京文化財研究所では、2018年、幕末から明治大正期にかけての書画家の番付のデータベースを公開したが、これは2004年に作成され、技術的な問題で公開が停止していたデータベースのリニューアルである。このリニューアル作業を例として、デジタルコンテンツを持続させるための課題を検討したい。
著者
小山 真紀 柴山 明寛 平岡 守 荒川 宏 伊藤 三枝子 井上 透 村岡 治道
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.136-139, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
1

本研究では,防災ワークショップを通じたデータの収集とデータベース化,保管したデータの再利用法までを合わせて提案することで,恒常的にデータの収集と活用が可能な災害アーカイブの構築とその効果を検討する.対象とするデータは,主として位置情報付きの被災当時の写真と,対になる現時点での同じ場所の写真,被災時の手記などである.ワークショップは,現在のハザードマップとこれらのデータを用いて,地域の災害危険度を確認し,同様の災害が発生した場合の被災イメージを想起させる.被災経験者がいる場合には,より具体的な状況の記憶の継承を行う.最後に,今後の対策に向けた検討を行い,参加者間で共有する.これまでに,データベースの構築,ワークショップの構成と収集すべきデータの検討を行い,ワークショップを行うことで,災害記憶の継承と,より具体的な被災イメージの醸成と対策の検討が可能になることが示された.
著者
座間味 義人 相良 英憲 萱野 由佳 小山 敏広 白石 奈緒子 江角 悟 鵣川 豊世武 千堂 年昭 氏家 良人 名倉 弘哲
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.461-465, 2016-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

エダラボンを用いた治療は患者の神経学的予後を改善する一方,急性腎障害発現のリスクがあると報告されている。本研究はエダラボン投与による急性腎障害発現を予防するために,エダラボン投与時の患者背景から危険因子を解析することを目的とした。岡山大学病院においてエダラボンが投与された患者を対象に,患者基本情報およびエダラボン投与情報,血液検査結果を電子カルテより遡及的に調査した。調査データから単変量解析を実施し,抽出した因子を用いて二項ロジスティック回帰分析を行った結果,感染症の併発が,エダラボンによる急性腎障害発現の有意な危険因子(予測因子)であることが示唆された。したがって,感染症の所見がある患者にエダラボンを投与する際は,急性腎障害発現に留意する必要がある。
著者
小山 裕己 坂本 大介 五十嵐 健夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1_63-1_77, 2016-01-26 (Released:2016-03-26)

視覚的なデジタルコンテンツの編集,例えば写真の色補正などにおいて,パラメタ調整は最も基本的な作業の1つであるが,特に調整すべきパラメタが多数ある場合には,デザイン空間,すなわちパラメタ空間を探索することに多くの時間と労力が必要となる.このようなパラメタ調整に基づく視覚デザインの探索を支援するため,本論文ではまず,パラメタ空間を解析することでデザインの「良し悪し」の空間分布を推定する手法を提案する.この推定はクラウドソーシングを用いたヒューマンコンピュテーションによって生成されるデータをもとに行われ,この推定の結果,ユーザはgoodness functionと呼ばれる,パラメタ空間中の任意のデザインに対してその「良し悪し」の程度を計算する関数を得ることができる.本論文では更に,そのようにして得られるgoodness functionを利用した視覚デザイン探索支援のための2 つの新しいユーザインタフェースを提案する.(1) Smart Suggestion は比較的「良い」デザインを選択的に提示する機能である.(2) VisOpt Slider は「良し悪し」の分布を対話的に可視化(Vis:visualization)する機能を有するスライダであり,更にユーザが値を編集している最中により「良い」パラメタへと対話的に最適化(Opt: optimization)する機能も有する.また,本論文では提案手法を4つの異なるデザイン領域に適用した結果も報告する.
著者
伊藤 勅子 小松 大介 小山 洋 坂井 威彦 藤田 知之 中田 岳成 熊木 俊成 青木 孝學 春日 好雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1853-1856, 2002-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15

甲状腺癌のほとんどを占める乳頭癌は分化度の高いものが多く,早期発見および適切な外科治療により治癒が期待できる.今回われわれは, 1997年4月から2002年3月までの5年間の当院人間ドックにおける触診での甲状腺癌検診の成績および外科治療を含めた臨床的検討を行った.発見率は総受診者25,139人中58人(0.23%)で,男性は17,443人中11人(0.06%),女性は7,696人中47人(0.61%)であった.最大腫瘍径が1cm以下のいわゆる微小癌は25例(43%)であった.組織型は乳頭癌は56例(96%)で,濾胞癌,髄様癌はそれぞれ1例(2%)であった.リンパ節転移陽性は27例(47%)に認められた.いずれも手術時合併症はなく現在再発を認めていない.人間ドックでの早期発見により侵襲,合併症が少ない治療が可能で患者のQOLは向上することが期待され,検診の意義は十分にあると考えられる.