著者
加藤 進 北畠 正義 小山 善丸 永楽 通宝 山内 徹
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気環境学会誌 = Journal of Japan Society for Atmospheric Environment (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.43-52, 1996-01-10
被引用文献数
1

中国瀋陽で10月11日~15日 (1994年) にかけてPassive samplerを用いてNO<SUB>2</SUB>およびSO<SUB>2</SUB>濃度を測定したところ, ホテル (6F) でそれぞれ26~39ppb, 36~137ppbであった。また, 低温でもTEA濾紙は100%ではないが, SO<SUB>2</SUB>を捕集しているように思われた。重汚染, 中汚染および対照地区の学校で広葉樹の落葉を採取し沈着量と葉中濃度を分析したところ, SO<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>, Cl<SUP>-</SUP>, Ca<SUP>2+</SUP>および重金属濃度が簡易な汚染指標になると思われた。葉面に付着している浮遊粉塵には土壌由来粒子の他にFly-ashも認められた。
著者
木下 豪太 速水 将人 中濱 直之 大脇 淳 喜田 和孝 小山 信芳 Chistyakov Yuri
出版者
Pro Natura Foundation Japan
雑誌
自然保護助成基金助成成果報告書 (ISSN:24320943)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.22-34, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
30

アサマシジミ北海道亜種は近年急速に生息域が縮小し,2016年に北海道のチョウ類としては初めて種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」に指定された.本研究では,適切な生息環境の管理方法の模索と集団遺伝学的調査を行った.遠軽町の生息地では,本亜種の保全のための草刈りが実施されている.そこで,草刈りの有無が本種とその資源(食草など)に及ぼす影響を調査した.その結果,本種の幼虫と成虫ともに草刈り区で密度(/m2)が有意に高かった.また,食草であるナンテンハギの開花数も草刈り区で多かった.以上から,草刈りの実施は本亜種の保全に有効であると言える.一方,核ゲノムおよびミトコンドリアゲノムの遺伝的多型に基づく解析により,本亜種は本州・サハリン・大陸の系統とは明瞭に区別できることや,北海道内にも遺伝的集団構造が存在することが確認された.また,本亜種の遺伝的多様度は北海道全体で低く,近年の地域個体群の絶滅によって低下傾向にあることも示された.今後,遺伝的集団構造を考慮した保全管理が推奨される.
著者
小山 悟
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.169, pp.78-92, 2018 (Released:2020-04-26)
参考文献数
26

本研究は,歴史を題材としたCBIで学習者の批判的思考を促す手段として質問作成を提案し,実際の教育現場で想定どおり機能させるためにはどうすればよいのかを,デザイン実験という新たな研究方法によって明らかにしようとするものである。これまで「質問作成を意識することで講義を聞く態度に変化が生じ,質問の質も高まる」という学習モデルを立て調査を行ってきたが (小山 2014, 2015, 2017),想定したような結果は得られなかった。そこで本研究では,質問作成が精緻化という学習方略の1つであることから,篠ヶ谷 (2012) や湯澤 (2009) らの学習方略研究の知見を取り入れ,「質問作成の下地づくり」と「質問作成指導」の2点から学習モデルの再構築を行った。その結果,講義の聞き方に関する数値は全項目で事前調査を上回り,これまで一度も産出されなかった高次の応用的質問が初めて産出された。また,質問の長さもこれまでの最高値の5倍を超えるものとなった。
著者
小山 純一 仲西 城太郎 佐藤 純子 野村 純子 鈴木 裕美子 増田 嘉子 中山 靖久
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.16-26, 1999-03-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
22
被引用文献数
4 3

健常な人にとっての一般的な皮膚の悩みとして, 皮膚表面に生じる落屑の発生があげられる。冬季の肌荒れによくみられる現象である。形態学的, 生化学的な検討により肌荒れの現象面については解明されてきたが, 落屑の発生メカニズムはまだ明らかでない。本研究では角層の接着, 剥離のメカニズムを明らかにし, どのような因子が影響しているのか, またどのようなスキンケアが有効かを検討した。角層中には2種類のセリン酵素が存在し, それぞれトリプシン様 (30kDa), キモトリプシン様酵素 (25kDa) であることがわかった。遺伝子解析によりキモトリプシン様酵素はすでに報告されている角層中のキモトリプシン様酵素 (SCCE) と一致した。トリプシン様酵素はIV型トリプシノーゲンと新奇なトリプシノーゲンであることがわかった。角層シートは緩衝液中で単一細胞にまで分散するが, 分散した角層からはデスモソームは検出されなかった。逆に熱処理した角層やセリン酵素阻害剤を添加した場合はデスモソームは分解されず, 分散も起こらなかった。ロイペプシンあるいはキモスタチンの単独では抑制効果はアプロチニンの半分でしかなかった。しかし, ロイペプシンとキモスタチンを混合した場合はアプロチニンと同程度の抑制効果がみられた。この結果からデスモソームが角層細胞の接着に大きな役割をはたしており, このデスモソームを2種類のセリン酵素 (トリプシン様, キモトリプシン様) が分解することにより角層細胞が剥離することが明らかになった。加齢によりトリプシン様酵素の活性が低下することが明らかになり, 加齢による角層の肥厚に酵素活性の低下が関与していることが示された。酵素によるデスモソームの分解は角層中の水分に影響されることが明らかになった。冬季の乾燥により角層中の水分が減少しデスモソームの正常な分解が妨げられた結果, 落屑が生じると考えられた。この研究により角層の剥離過程に二つの因子が関係することがわかった。一つは角層中の水分量である。酵素自体は正常であっても角層中の水分量が減少することにより酵素の働きが妨げられる。この場合は保湿剤が有効であった。もう一つは酵素活性そのものの低下であった。この場合にはデスモソームの分解を促進する薬剤が必要であった。ジカルボン酸類がデスモソームの分解を促進しその種の薬剤としての可能性が示唆された。
著者
石井 瞬 辻田 みはる 川村 征大 森岡 銀平 小森 峻 小山 将史 宮田 倫明 神津 玲 中野 治郎
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22006, (Released:2023-08-01)
参考文献数
21

【目的】整形外科外来通院中の高齢者を対象に,新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)流行前後におけるフレイル有症率およびフレイルに関連する問題点の有無の変化について,年代別に明らかにすること.【方法】当院で外来リハビリテーションが処方された65歳以上の患者966名を対象とした.前期高齢者および後期高齢者に対して,基本チェックリストのフレイル,複数の項目の支障,運動器,低栄養状態,口腔機能,閉じこもり,認知機能,抑うつ気分の該当の有無をそれぞれ目的変数として二項ロジスティック解析を行った.【結果】前期高齢者においてCOVID-19流行は,基本チェックリストのフレイルおよび抑うつ気分の該当と有意に関連していたが,後期高齢者では関連が認められなかった.【結論】COVID-19流行中は,整形外科外来において,特に前期高齢者のフレイルの合併が増加しやすいことを考慮した上で,評価や治療を検討する必要があると考える.
著者
佐々木 英基 小山 里司
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.62-76, 2023-05-01 (Released:2023-05-19)

2022年11月、PBI(Public Broadcasters International,国際公共放送会議)が東京で開催された。放送だけでなくインターネットを通じた情報発信を続ける海外の公共メディアを調査しているNHK放送文化研究所の海外メディア研究グループでは、この「PBI Tokyo 2022」に参加したアメリカ、ヨーロッパ、アジアの公共メディアの代表ら6人にインタビューを行い、それぞれが直面する課題や、情報通信メディア環境が大きく変わる中で、公共メディアが果たすべき役割などについて話を聞いた。3月号の論考(下記URL①参照)では、聞き取り内容から特徴的な内容を抽出し、共通点などを浮き彫りにしながら、公共メディアの課題や役割などを概観した。本稿では、受信許可料や受信料を根本に置いているイギリスBBCと韓国KBSについて、それぞれの国の放送制度などの関連情報を補足しつつ、インタビューを個別に詳しく紹介する。
著者
河瀬 絢子 崔 庭瑞 李 志炯 泉澤 恵 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_81-2_88, 2016-07-31 (Released:2016-11-15)
参考文献数
21

本研究では,専門家・非専門家のOTC医薬品記載情報への注視方法とリスク評価の相違点を明らかにするため,一般消費者(一般学生),専門家(薬学生,薬剤師)に対してOTC医薬品に関する眼球運動計測実験と質問紙調査を行った。眼球運動計測実験では、被験者は,3種類のOTC医薬品の中から最も購入したいとおもった1品を選択した。課題遂行中,「製品名」,「キャッチコピー」,「成分」,「使用上の注意」等の12の外箱記載項目に対する視点の停留時間が計測された。眼球運動計測実験の結果,専門家は一般消費者よりも「成分」,「使用上の注意」,「薬効分類」を長時間注視する傾向がみられた。質問紙調査では専門家が一般消費者よりもOTC医薬品の副作用リスクを高く評価した。以上の結果から専門家はOTC医薬品の副作用リスクを高く評価するとともに「成分」,「使用上の注意」,「薬効分類」等の詳細情報をよく読んでいることが示唆された。専門家による高いリスク評価を一般消費者に伝えるためには,リスク情報を強調した外箱情報デザインが有効である可能性がある。
著者
小山田 隆 江坂 幸敏 工藤 上 吉川 尭
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.574-578, 1996-08-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
28
被引用文献数
3

1992年7月~1995年12月に青森県東部地域で集められた18種の淡水魚総計44, 724尾について, 日本顎口虫の幼虫寄生を検索した.ドジョウ, ナマズ, ウキゴリ, ヤマメおよびウグイの5魚種から, 第3後期幼虫計322虫体を検出した.幼虫が検出された魚種はいずれも人への感染源になり得ると思われ, 特にヤマメを含むサケ科ならびにウグイを含むコイ科魚類は, 北日本で発生している人の日本顎口虫症の感染源として重視すべきものと考えられた.
著者
小山 修三 杉藤 重信 Shuzo Koyama Shigenobu Sugito
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-39, 1984-03-31

This paper applies techniques of computer simulation to theanalysis of Jomon demographic patterns. The computer programsare based on the following assumptions: (1) Population grows exponentially,with the equation Nt=No*evt; (2) there is an upperlimit to population size in a given area, termed carrying capacity(K); and (3) at the level K, population growth stops. In this program,we divided Japan into nine regions, such that when populationreaches the level K, the surplus migrates to other areas, according toprobablistic models.In dealing with carrying capacity, we initially assign the constantM, a hypothetical population maximum for an area; subsequentlyM is converted to K as a consequence the impact of climate andtechnology.Pollen analysis indicates significant climatic change during theJomon Period. This was precipitated by a warming trend, whichbegan after the last glacial, and continued until about 6000 B.P.,followed by a cooling trend which lasted until about 2000 B.P.This climatic wave caused significant change in the vegetation of theJapanese archipelago. In the East during the warming trend,coniferous forests were replaced by deciduous Fagus-Quercus forests,comprised of a variety of nut-bearing trees, which constituted animportant food source for the Jomon people. However, the nutbearingtrees are sensitive and often succumb in cold weather. Basedon these facts, we assume that carrying capacity increased during thewarming trend and decreased during the cooling trend in the regionsof East Japan. In West Japan, however, Yasuda [1980] suggeststhat during the warming trend the environment deteriorated owing todry summers. So here we assume that carrying capacity declinedduring the warming trend and then remained constant.The technology of Jomon food production, including the toolelements used for hunting, fishing and gathering, are well known froman early stage in East Japan. Thus we assume that although tools musthave been refined and systematized as Eastern Jomon technologydeveloped, they were not powerful enough to influence carryingcapacity, because the system did not prevent population decline in thecooling period. By contrast, farming, the true technological innovation,introduced from the Asian continent to Kyushu, changedJomon society into an agricultural one. In this simulation we stipulatethat when rice is introduced into a region it not only doubles theratio of population growth but also increases carrying capacity(five times).The results were compared with earlier estimates [KOYAMA 1978]based on the number of sites. Both data coincide well, especiallywith respect to the population curve throughout the Jomon period.In the East this curve shows a sharp increase of population until theMiddle Phase, where a rapid decline is observed (Late Phase). Inthe West population remained almost constant throughout the entireperiod. During the Jomon, the distribution of pupolation was highin the East, whereas in the Yayoi it was high in the West—representinga complete reversal between the two periods.
著者
小山 珠美
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.1113-1118, 2015 (Released:2015-10-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

口から食べるリハビリテーションで重要なことは、非経口栄養の長期化や活動性低下による廃用症候群を予防した上で、食べるための包括的アセスメントとアプローチが必要である。本項では、廃用症候群への警鐘、安全・安楽・自立性を意図した食事援助の要素、認知症がある場合の特徴的な摂食行動と対応、QOLを高め経口摂取を継続していくための地域連携などについて紹介する。

3 0 0 0 OA 勇魚取絵詞

著者
小山田与清
出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],

3 0 0 0 OA 勇魚取絵詞

著者
小山田与清
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],