著者
小林 正伸 小林 隆彦 進藤 正信
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

膵癌細胞株を用いて,DNA microarray法にて多くの遺伝子産物の発現が亢進することを見出した.その中で,アドレノメジュリンという血管拡張因子とされていた遺伝子に着目してアドレノメジュリンアンタゴニストペプチドを腫瘍内に注入する実験を行ったところ,完全に腫瘍が退縮した病理標本上は,太い血管の新生が抑制されており,血流不足となって退縮した可能性が考えられた.今後はNaked DNAにてアドレノメジュリンアンタゴニスト発現ベクターを用いた遺伝子治療の検討が必要になる.さらに,従来の我々の研究成果で膵癌細胞にHIF-1αが恒常的に発現していたという結果を考えると,HIF-1の機能阻害が膵癌の増殖を抑制する可能性が考えられた.そこでHIF-1の機能を阻害することによって膵癌の治療が可能か検討した.その結果,dominant negative HIF-1αの導入によって生体内腫瘍増殖が抑制され,その機序として嫌気性代謝機構の阻害が主な機構であることを見出した.血管新生にはそれほどの差を認めなかった.試験管内での検討でも,アポトーシスに対する感受性が増加していることを明らかにできた.以上の結果は,膵癌の生体内増殖にHIF-1の機能が重要であることを示唆しており,HIF-1を標的とする治療法の可能性を示唆している.今後もHIF-1の下流にて細胞を低酸素環境や低栄養環境から守ろうとする適応応答機構を明らかにし,それを標的とすることで,癌特異的な治療法の開発が可能と考えられた.
著者
小林 正裕 中山 英久 Ansari Nirwan 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.221, pp.131-136, 2007-09-13
参考文献数
17

IPマルチキャストに代わるストリーム配信技術として,各ノードのストリーミングアプリケーションに依存してマルチキャストツリーを構成するApplication Layer Multicast(ALM)技術に注目が集まっている.ALMでは配信ツリーを構成し,そのツリー構造に従ってストリームを配信する.そのため,ツリーの上位に位置するノードの離脱により,そのノードよりも下位に位置するノードヘストリームが配信されない場合が生じる.そのような問題点に対して,Topology-aware Hierarchical Arrangement Graph(THAG)を利用してALMを実現するストリーム配信手法が提案されている.THAGでは,Multiple Description Coding(MDC)により,ストリームを複数の部分ストリームに分割しそれぞれの部分ストリームに対して,Arrangement Graph(AG)から独立にツリーを構成して配送する.しかし,THAGではすべて同じサイズのAGを用いるため,ネットワーク帯域が不均一な環境では帯域に適したストリームを配信できない可能性がある.本稿では,ネットワークの利用可能帯域に応じてAGのサイズを動的に変更する方法を提案する.提案手法は,THAGをネットワーク帯域が不均一な環境に適応させた手法である.ns-2を用いたシミュレーションにおいて,トータルスループットとBandwidth Satisfaction Rate(BSR)による評価では,THAGよりも提案手法が優れていることを示す.
著者
小林 正
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1243-1247, 1991-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
4

インスリンの構造異常によりそのインスリン作用が低下するため,代償的にインスリン分泌が亢進し,このため高インスリン血症をきたす異常症は世界で12家系発見されているが,糖尿病は軽症であることが多い.最近の遺伝子解析の手法の進歩により簡単に構造決定されるようになり,インスリンの構造と作用, NIDDM発症の機序などこれらの症例から学ぶことが多い.
著者
小林 正弥 コバヤシ マサヤ Kobayashi Masaya
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
公共研究 (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.8-56, 2006-03-28

千葉大学公共研究センター21世紀COEプログラム「持続可能な福祉社会に向けた公共研究拠点」
著者
小林 正泰
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.21-30, 2007-03-10

This paper analyzes the whole plan of "Reconstructed Elementary Schools", the views of City of Tokyo Construction Bureau on education, and the structure of the schools actually build after the Great Kanto Earthquake. The plan was well-designed how children, teachers and the neighborhood use their school and matched Toshitaka Sano and Kougorou Komota's policy that an elementary school building should function educationally and as a center of community. And then, their ideal was achieved as special classrooms and gymnasiums build in all of the "Reconstructed Elementary Schools".
著者
小林 昌樹 小林 正人 染野 竜也 内山 弘実 小野 祐樹
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1314-1319, 2011-10-20 (Released:2011-10-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

In Japan, various types of MRI equipment, having varying magnetic field strengths, are widely used. However, the biggest problem encountered while utilizing an MRI is the scarcity of information and guidelines pertaining to implants, internal, and external metallic objects. This leads to uncertainty when an unspecified object is encountered during an examination andcreates the possibility of performing an ambiguous MRI. Therefore, this study classified a range of objects into 12 categories using database management software. An attempt was made to create an environment where reference and comparison of products could be performed. This study also investigated the ways and extent to which medical equipment package inserts reference the MRI. With the co-operation of various corporations and the use of information such as medical equipment package inserts, product information was collected and an environment for the reference and comparison of products became available. In addition, it became apparent while examining these package inserts that orthopedic products had the least information available. It is likely that this information will be useful in medical settings and this kind of database will become increasingly necessary in the future.
著者
半藤 保 小林 正子 久保田 美雪
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.21-28, 2007-04

大学生381人(男子100人,女子281人)に無記名アンケート方式により,性行動,性感染症に対する現況と知識,および意識について調査した。その結果,以下の点を明らかにした。1)初交年齢のピーク:男子16歳,女子17歳。2)18歳までの性交経験率:男子78.9%,女子76.1%。3)複数人の性パートナーをもつ割合:男子52.7%,女子56.4%。4)性感染症(STI)の種類について回答者の50%以下しか知らなかったもの:性器ヘルペス,淋病,B型肝炎,C型肝炎,尖形コンジローマ。5)性交時,必ずコンドームを装着するもの:約2/3しかなく,1/3は「ときどき」あるいは「全く」装着しなかった。しかも,装着は避妊目的であって,STI予防を目的としたものは約20%にしか過ぎなった。6)STI予防のためコンドーム装着の必要性を自覚するもの:男子55%,女子80%。7)STI罹患疑いのとき,性パートナーともども病院を受診するとしたもの:39%。
著者
小林 正佳 今西 義宜 石川 雅子 西田 幸平 足立 光朗 大石 真綾 中村 哲 坂井田 寛 間島 雄一
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.986-995, 2005-10-20
被引用文献数
5 9 3

嗅覚障害の治療としてステロイド薬の点鼻療法が一般的に行われているが, 治療が長期にわたる症例も多くその副作用が懸念される. ステロイド薬点鼻療法長期連用に関してその安全性を有用性と比較して検討した報告はない. そこで今回は当科嗅覚味覚外来で同療法を施行した患者を対象にこの比較検討を施行した.<BR>0.1%リン酸ベタメタゾンナトリウム液 (リンデロン液®) の点鼻療法を施行した62例中42例 (68%) に点鼻開始後1~2カ月で血清ACTHまたはコルチゾール値の低下が出現したが, 異常な理学的所見や自覚的症状は認められなかった. 点鼻療法を中止した8例は全例1カ月後にそれらの値が正常範囲内に回復した. 一方, 同療法を継続した34例中4例で開始後2~5カ月で自覚的な顔面腫脹感, 顔面の濃毛化というステロイド薬のminor side effectが出現したが, 中止後1カ月ですべての症状が消失した. 同療法のみを3カ月以上継続した23例の治療効果は, 自覚的嗅覚障害度, 基準嗅力検査上ともに統計学的に有意な改善がみられ, 日本鼻科学会嗅覚検査検討委員会制定の嗅覚改善評価法でも78%例で何らかの改善判定が得られた.<BR>ステロイド薬点鼻療法の長期連用は軽度で可逆的な副作用を生じ得る. 一方, 嗅覚障害の治療効果は高い. よって同療法は有用な嗅覚障害の治療法であり, 臨床的必要性に応じて十分な注意の下に長期連用することは可能と考えられる.
著者
中尾 周 清水 美希 松本 英樹 千村 収一 小林 正行 町田 登
出版者
獣医循環器研究会
雑誌
動物の循環器 = Advances in animal cardiology (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-10, 2007-06-01
被引用文献数
1

犬における心房細動(AF)の発生にかかる形態学的基盤について明らかにする目的で,生前にAFを示した犬5例の心臓について,心房筋および洞結節を中心に組織学的検索を実施した。症例1は雑種,10歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の4カ月間持続した。症例2はマルチーズ,14歳,僧帽弁および三尖弁閉鎖不全症例であり,AFは死亡前の10日間認められた。 症例3はゴールデン・レトリーバー,雌,2歳,右室二腔症および三尖弁異形成を有しており,AFは死亡時まで6カ月間持続した。症例4はゴールデン・レトリーバー,5歳,孤立性AFであり,交通事故により死亡するまで4週間持続した。症例5はゴールデン・レトリーバー,10歳,孤立性AFであり,心不全により死亡するまで36カ月間持続した。肉眼的に,症例1および2では左心房の重度拡張ならびに右心房の中等度拡張,症例3では右心房の重度拡張がみられたが,症例4および5の心房に著変は認められなかった。心房の組織学的変化は,顕著な変化が認められなかった症例4を除く4例に見いだされた。心房病変はいずれの例においても間質性心筋線維化に総括されるものであり,種々の程度に心筋線維の伸長・萎縮・脱落を伴っていた。間質性線維化の程度(ごく軽微±~重度+++)は,症例1:左心房(+++)/右心房(++),症例2:左心房(+++)/右心房(++),症例3:左心房(±)/右心房(+++),症例5:左心房(+)/右心房(+)であった。なお,全例において洞結節に著変は認められなかった。以上の検索結果から,小型~中型犬では心房の拡張がAFの発生要因になるが,心房が一定以上の容積を有している大型犬の場合は心房に器質的変化がなくてもAFは発生しうること;AF症例の心房にみられる間質性心筋線維化はAFの結果として生ずるものではないこと;AFの発生に洞結節の器質的変化は必須要件ではないことなどが示された。
著者
小林 正和 吉村 允孝 西脇 眞二 泉井 一浩
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
設計工学・システム部門講演会講演論文集 (ISSN:13480286)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.13, pp.271-272, 2003-10-30

Collaborative product design implies that multiple designers will cooperate during the design of a product, by sharing knowledge and information. For practical design teams, expertise in a wide area is needed, but the area that a single designer can proficiently handle is usually quite narrow. Therefore, facilitated collaboration is indispensable to achieve efficient results from a practical design team. In recent years, customer requirements have become increasingly diversified, and companies have focused upon developing unique or increasingly sophisticated products to maintain their market share. As a result, achieving especially creative designs has become more important than ever. An additional aim of collaboration is to maximally assist this type of creative design process. This paper discusses an advanced collaborative system supporting creative design processes that depend on interactive communication among a number of designers. To implement such a system, this paper proposes a method for structurizing and visualizing communication processes.
著者
高橋 夏子 小林 正紀 板垣 史郎 平野 剛 武隈 洋 菅原 満 井関 健
出版者
日本薬学会
雑誌
Yakugaku Zasshi (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.777-783, 2012-06-01

The most effective drugs based on the type of cancer are chosen for chemotherapy. Tumor cells can be targeted at the DNA, RNA or protein level, and most of the classical anticancer drugs interact with tumor DNA in a time-dependent manner or a concentration-dependent manner. However, it has been unclear to date whether a combination therapy is carried out by using exact classification. Thus it is necessary to reclassify a great number of anticancer drugs. We propose a new classification system based on pharmacological effects of anticancer drugs. Classification of four anticancer drugs (cisplatin, carboplatin, paclitaxel and gemcitabine) was performed by the 3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromide (MTT) assay. The four anticancer drugs were grouped by IC50 values (inhibitory concentration, 50%) in a time-dependent manner and a concentration-dependent manner. The present approach may be combined to enhance the chemosensitivity, improve the dose of cytotoxic drugs and evaluate the effects of novel anticancer drugs.
著者
秋山 朝子 今井 かおり 石田 幸子 伊藤 健司 小林 正志 中村 秀男 野瀬 和利 津田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.787-792, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

An analytical method for the determination of aromatic compounds exhalated from hand skin has been proposed. The sampling of exhalated aromatic compounds was performed as follows: after the intake of aromatic compounds included in chewing gum or a capsule, exhalated skin gas was collected from a hand. The hand was covered with a sampling bag of poly vinyl fluoride (PVF) for 30 min. Then, the inner space of the sampling bag was sprayed with a 25% of ethanol aqueous solution. After removing the hand from the bag, the trapped solution containing skin gas was collected. The aromatic compounds in the trapped solution were extracted to the solid phase as Twister® (stir bar coated with poly dimethyl siloxane, Gerstel). Extracts were determined by gas-chromatograph mass spectrometry using a thermo desorption system and a selective ion mode. Linalool, citronellol and geraniol, which are the main components of rose essential oil, were detected from the skin of a hand after an oral intake of rose oil. The exhalated absolute amount of linalool, citronellol and geraniol increased in 30 to 60 min, and then decreased after intake. The recoveries of linalool, citronellol and geraniol were 53.5%, 66.7% and 55.1%, respectively. The correlation coefficient of the standard curves for linalool, citronellol and geraniol were 0.9977, 0.9994 and 0.9987, respectively. Each compound exahalated from the skin of a human body during 6 hours after intake was estimated to be, according to the amount of intake, 0.39%, 0.09% and 0.25%, respectively, for one subject. The absolute amount of geraniol exhalated from a hand increased significantly after oral intake for 8 subjects (P<0.025). This is the first report to present hard proof that an aromatic compound was exhalated from human skin after its intake as food.
著者
小野田 正利 小林 正幸 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 山下 晃一 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 志水 宏吉 井村 修 木村 涼子 中村 高康 野田 正人 岩永 定 山下 晃一 田中 規久雄 古川 治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

学校の教職員と保護者の間に、いま時として鋭い対立関係が生じてしまい、教育活動に大きな影響が出ていることが、わが国の学校問題の一つに急浮上してきた。本研究では、質的調査と量的調査を組み合わせ、同時に教育学の観点からだけでなく、心理学、精神医学、福祉学、法律学などの多様な分野の専門研究者を交えて、これらの問題の原因究明とともに、良好な関係性の構築の方向性を明らかにした。
著者
大窪 健之 小林 正美 土岐 憲三 益田 兼房 寺田 佳高 石井 隆之 岡崎 風時
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

全国の木造の重伝建地区(国指定の町並み保存地区)は、地震火災による同時多発火災に弱い。しかし災害時に最も重要な役割を果たす住民が参加し、地区防災計画を定めた例は少数であった。このため、防災水利の整備事業の実施前、中、後、の段階別に地区を選定して住民ワークショップを実施し、図上防災訓練による想定と、発災対応型防災訓練による実践を試みた。得られた結果を総合することで、住民ワークショップの手法とその有効性を明らかにした。
著者
新岡 祥平 香取 拓 坂田 洋一 林 隆久 井内 聖 小林 正智 太治 輝昭
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第52回日本植物生理学会年会要旨集
巻号頁・発行日
pp.0438, 2011 (Released:2011-12-02)

セシウム(Cs)はカリウム(K)と化学的に類似しており、同様の経路を通り植物体に吸収され、微量で植物体に毒性を示す事が知られている。モデル植物Arabidopsis thalianaは世界中で1000種以上のaccessions(エコタイプ)が存在する。accessions間では百塩基に一塩基しか違いがないにも関わらず、形態形成やストレス耐性等に大きなバリエーションがあることが知られている。そこで本研究では、354種のaccessionsを用いてCs耐性評価を行った。その結果、実験系統Col-0と比較して顕著な耐性を示すCs耐性系統と、逆に高感受性を示すCs高感受性系統を見出した。Csストレス下における地上部のCs蓄積量を測定した結果、Cs耐性系統のCvi-0がCsを低蓄積している事が明らかとなった。
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
小林 正裕 亀井 聡 斎藤 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.25-30, 2011-01-13
被引用文献数
1

ビデオトラヒックの増加により,通信事業者では設備コスト削減に向け,キャッシュ技術に再び注目が集まっている.しかし,動画共有サイトにおけるUGC(User Generated Contents)の増加により,現在のビデオコンテンツは,大容量化に加え,人気度がロングテール化し,さらに短期的に人気コンテンツが変動するため,キャッシュ効果が得難い.本稿では,動画共有サイトにおけるコンテンツアクセス傾向情報を利用し,上記の特性を持つビデオコンテンツに対するキャッシュ連携方式の有効性評価を行う.そして,評価結果を基に,効率的なビデオコンテンツキャッシュシステムについて考察する.
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.454, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.