著者
丸山 文裕 両角 亜希子 福留 東土 小林 雅之 秦 由美子 藤村 正司 大場 淳
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大学へのファンディングと大学経営管理改革との関係を検討するのが本研究の目的である。平成29年度は、一つには、日本において大学へのファンディングの方法の変化が、大学での研究生産性に及ぼす影響を考察した。大学へのファンディングは、国立大学への運営費交付金など基盤的経費の削減と、他方科学研究費補助金などの競争的資金の増加にシフトしているが、それが研究の生産性にマイナスの効果を持つことを、専門分野の異なる全国の大学の研究者にアンケート調査することによって得られたデータにより証明した。また平成29年秋の参議院選挙まえに突如争点となった自民党や有識者会議「人生100年時代構想会議」等が主張する教育無償化について、それが高等教育機関の経営管理に対する影響も含め、検討した。教育無償化案は、大学進学者や大学経営にポジティブな影響をもたらすものと推測されるが、一方で政府財政の立て直しや、大学に配分される研究費にとって、必ずしもポジティブな効果をもたらさないことを論じた。消費税増税分の一部を無償化に回すことで、国際公約となっている公的債務削減が遅れ、政府財政の健全化に支障をきたすこと。また文教予算のうち高等教育無償化を推進するため、日本学生支援機構への奨学金事業費が増加するものの、その分国立大学運営費交付金および私立大学への経常費補助金が削減される可能性があること、の2つが危惧される。以上2つの研究成果は、論文として平成29年度に公表した。
著者
[小林]清親 [著]
出版者
武川清吉
巻号頁・発行日
1898
著者
小林巴都子 著
出版者
敬文館
巻号頁・発行日
1926
著者
野崎 愛 小林 正秀
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-121, 2004

カシノナガキクイムシの穿入を受けて枯死したミズナラを用いて食用きのこの栽培を行った。枯死木の幹または枯死木から採取した1mの丸太に,シイタケ菌,ナメコ菌,クリタケ菌を植菌したところ,丸太だけでなく枯死木の幹に植菌した場合でも子実体が発生した。いずれの食用きのこも,枯死木の地上高2m以下の幹から採取した丸太からの子実体発生量は,地上高2m以上から採取したものより少なく,カシノナガキクイムシの穿入量が多い幹下部はこれらの食用きのこの栽培に適さないことが示唆された。シイタケ菌を伐倒4日後と3ヶ月後の丸太に植菌した結果,伐倒4日後のほうが子実体発生量が多かった。また,カシノナガキクイムシ共生菌の菌糸伸長を阻害する能力が異なる3つのシイタケ菌を枯死木の幹または枯死木から採取した1mの丸太に植菌した結果,菌糸伸長阻害力が最も高い東北S10の子実体発生量が最も少なかった。以上のことから,カシノナガキクイムシ穿入枯死木は食用きのこの栽培に利用できるが,東北S10の子実体発生量が少なかったことから,多くの子実体を得ることとカシノナガキクイムシの脱出抑制を同時に実現することは困難と考えられた。
著者
杉野 未奈 山室 涼平 小林 素直 村瀬 詩織 大村 早紀 林 康裕
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, pp.10_69-10_85, 2016 (Released:2016-11-28)
参考文献数
19
被引用文献数
10

2016年熊本地震における木造建物の被害の要因を分析することを目的として、益城町で建物被害が大きかった範囲を対象に空中写真により建物の建築年と倒壊の判定を行った。その結果、倒壊被害集中域は帯状であり前震と本震でずれがあることがわかった。また、倒壊建物と地盤の常時微動計測結果・建築年・観測地震動との関係を分析し、観測地震動の擬似速度応答スペクトルのピーク値と倒壊率との相関が高いことなどを明らかにした。さらに、1981年の新耐震設計法施行後に建てられた築1982年以降の木造建物でも倒壊した地域があり、倒壊率が最も高い地域では築1982年以前と以降で倒壊率に大きな差がなかった。
著者
小林 健吉郎 高田 雅介 岡本 祥一 會川 義寛 鋤柄 光則
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.106-110, 1983-04-28 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

The formulas for rearrangement energy of solvent were derived by using dielectric continuum approximation. The conventional formula for the rearrangement energy of solvent was corrected for the absence of solvent inside ions. The effect of supporting electrolyte on the rearrangement energy of solvent was discussed. The discrepancy between the calculated rearrangement energy of aquocomplex and experimental one was interpreted in terms of breakdown of adiabatic electron transfer.
著者
小林 勝哉 長岡 重輝 池ノ本 利治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.249-250, 1991-02-25

本稿では、日本語HPCチャートからCOBOLソ一スコードを生成するツールであるCODA Ver1の試行導入評価結果を示す。評価の結果、CODAはコーディング作業の標準化と自動化を実現し、COBOLソースよりも上位の設計情報であるHCPチャート自体でプログラミングできることから、転記ミスと論理エラーの軽減をはかることが出来ることがわかった。また新人への教育に効果があった。
著者
渡辺 敏 井澤 和大 小林 亨 平澤 有里 松澤 智美 大宮 一人
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.442-442, 2003

【目的】大動脈瘤症例は慢性期の再解離や血圧評価に一定の見解がないため,客観的な評価手段がなく運動療法の効果判定が困難である。我々はSF-36を効果判定として利用することを考え,遠隔期の症例に断片調査を実施しその有用性を報告した。今回はSF-36とHAD(Hospital Anxiety and Depression)を利用して急性期症例の断片調査と,2症例の追跡調査を実施したので報告する。【方法】当院で急性期治療を受け外来通院中の大動脈瘤症例を対象に,本調査の趣旨を説明し同意を得てSF-36とHADの質問調査を実施した。急性期断片調査は内科治療5例(68歳±9歳)・外科治療5例(58歳±9歳)を退院時に調査した。追跡調査は外科治療を受けた2例(症例A65歳・症例B44歳)を,退院時と術後3ヵ月の2回調査した。【結果】急性期断片調査結果は,内科例外科例それぞれHADの平均値anxietyが12・11,depressionが15・14で,SF-36各項目の平均値は身体機能(PF)65・58,身体的日常役割機能(RP)25・50,体の痛み(BP)70・51,全体的健康観(GH)54・39,活力(VT)46・48,社会生活機能(SF)55・53,精神的日常役割機能(RE)20・67,心の健康(MH)61・67であった。2症例の追跡調査結果は,症例AはHADの平均値anxietyが11から11,depressionが11から12と変化し,SF-36各項目の平均値はPF45から80,RP100から100,BP61から90,GH50から57,VT5から55,SF75から87.5,RE100から100,MH60から92と変化した。症例BはHADの平均値anxietyが14から12,depressionが15から12と変化し,SF-36各項目の平均値はPF55から85,RP50から100,BP 74から100,GH20から57,VT50から65,SF62.5から75,RE33.3から100,MH52から83と変化した。【考察】急性期断片調査結果ではHADの値が高く,身体運動能力の改善と血圧管理の会得による,不安の改善が重要であると考えられた。SF-36では内科例でRP・REの低下を,外科例ではGH・VTの低下を認め,遠隔期とは違う経時的な因子の影響が予測された。2症例の追跡調査結果ではHADの改善傾向とSF-36の明らかな改善を認めた。これは運動療法の実施によって症例のQOLが改善したことを示したと考えられ,運動療法効果の判定が可能であると考えられた。【まとめ】大動脈瘤症例の運動療法効果判定としてSF-36を利用して,急性期断片調査と2症例の追跡調査を実施した。SF-36での運動療法効果判定が可能であると考えられ,今後症例の追加検討が必要であると考えられた。
著者
福島 道広 中村 有美 李 スルギ 土平 洋彰 小林 由佳 川上 秋桜 岡田 朋子 島田 謙一郎 韓 圭鎬 Fukushima Michihiro Nakamura Yumi Lee Seulki Tsuchihira Hiroaki Kobayashi Yuka Kawakami Sakura Okada Tomoko Shirmada Ken-ichiro Han Kyu-Ho
出版者
日本消化吸収学会
雑誌
消化と吸収
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.202-215, 2011-03-31

今回、我々は北海道十勝で生産された豆類やジャガイモ、新規作物として栽培開発を行っているチコリから難消化性糖質を分離、そのプレバイオティクス効果について検証した。豆類では、澱粉の構造がレジスタントスターチタイプ2であり、この澱粉が加熱調理加工過程でタイプ3の老化澱粉とタンパク質の被膜が形成されることにより、消化性が低下する可能性が見い出された。その結果、ラットの盲腸内で酸発酵が増進し、短鎖脂肪酸の上昇とpHの低下が認められ、腸内環境を改善させることが明らかとなった。さらに、十勝の特産物であるジャガイモもエステル結合したリン酸基を持つ澱粉であり、レジスタントスターチタイプ2に分類される。この澱粉も加熱調理加工することによりタイプ3の老化澱粉が増加する可能性がある。このジャガイモ澱粉がラット盲腸内で短鎖脂肪酸量を増加させ、特に酪酸の総短鎖脂肪酸に対する比率の上昇は消化を刺激して、糞便重量を増加させることが明らかであり、酪酸の好材料であることが確認された。また、チコリ由来のイヌリンについても、十勝イヌリンがin vivoおよびin vitro研究で盲腸内微生物叢、特にLactobacillusおよびBifidobacteriumレベルを上昇させ、総短鎖脂肪酸濃度も増加させることが明らかとなり、従来の報告と一致していた。以上の結果より、豆類およびジャガイモのデンプンにはレジスタントスターチの作用を有しており、また十勝で新規に栽培したチコリ由来のイヌリンにも腸内改善効果が認められ、機能性糖質としてプレバイオティクス作用を持つことが明らかとなった。This report describes our recent studies evaluating the prebiotic effects of indigestible sugar separated fromtraditionally cultivated beans and potatoes as well as newly developed chicory harvested in the Tokachi area,Hokkaido,Japan. The results indicated that the structure of starches in beans can be categorized as resistant starch type 2 (RS2). Rats were found to have reduced digestibility of beans,probably due to the conversion ofRS2 to resistant starch type 3(RS3,retrograded starch) as well as interaction with denatured protein formed during the heating process. The study also found that intake of beans facilitated cecal acid-fermentation in rats,increased short chain fatty acid levels,and lowered pH. Consequently,intake of beans was found to beeffective in improving the balance of intestinal flora. Potatoes contain starch composed of esterified phosphorusas well as RS2,which is likely converted to RS3 during the heating process. Administration of potato starch also increased cecal short chain fatty acid levels,particularly lactic acid. Theincreased production of lactic acid was found to facilitate digestion,resulting in increased amounts of fecal matter. Inulin derived from chicory harvested in Tokachi area was also found to be effective in improving fecal fermentation,especiallyby increasing Lactobacillus and Bifidobacterium levels,along with increasing total short chain fatty acidconcentrations. These results are in agreement with previous findings. Overall,it was found that beans and potatoes contain resistant starch with distinct properties,and that these foods,along with chicory-derived inulin demonstrated a health-promoting prebiotic effect through improvement of intestinal flora.http://www.jsdaa.org/kaishi/backnumber.html
著者
中川 昌子 木内 みどり 小尾 道子 殿塚 雅克 小林 和美 日野 亨 舟越 和久
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.304-312, 1975
被引用文献数
17

The reaction of tryptamine with δ-valerolactone in tetralin gave δ-hydroxyamide (3) as the main product and the lactam (4) as the minor product. However, the reaction of 5, 6-dihydro-2-pyrone with tryptamine or aniline afforded a mixture of the corresponding αβ- and βγ-unsaturated lactams, whereas, 2-pyrone did not react with either tryptamine or aniline to give the corresponding pyridone. Cyclization of 3 or 4 by Bischler-Napieralski reaction and followed NaBH<SUB>4</SUB> reduction provided a convement synthesis of 1, 2, 3, 4, 6, 7, 12, 12b-octahydroindolo [2, 3-α] quinolizine (23).
著者
小林 青樹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.185, pp.213-238, 2014-02

本論は,弥生文化における青銅器文化の起源と系譜の検討を,紀元前2千年紀以降のユーラシア東部における諸文化圏のなかで検討したものである。具体的には,この形成過程のなかで,弥生青銅器における細形銅剣と細形銅矛の起源と系譜について論じた。まず,ユーラシアにおける青銅器文化圏の展開を概観した上で,細形銅剣の起源については,北方ユーラシアでは起源前1千年紀前半の段階から,中国北方系の青銅短剣の影響を受けたカラスク文化系青銅短剣の系列があり,一方,アンドロノヴォ系青銅器文化のThis article covers the origin and provenance of the Yayoi bronze culture from the viewpoint of multiple cultural spheres in eastern Eurasia after the second millennium B.C. In particular, the present article argues the origin and provenance of the slender bronze swords and spearheads of the Yayoi bronze culture in the course of the formation of Eurasian cultural spheres. First, the study provides a brief review of the development of bronze cultural spheres in Eurasia. With regard to the origin of the slender bronze swords, in the former half of the first millennium B.C., northern Eurasia had a series of Karasuk bronze daggers affected by the bronze daggers belonging to northern China. There also was a series influenced by the jiang bing type bronze spearheads (bronze spearheads with a hole in the shaft to install a handle) belonging to the Andronovo bronze culture. Both series were related to each other, mutually supplementing their partial elements. The present research determines that the origin of a series of Liaoning bronze swords, which slender bronze swords were derived from, was the abovementioned bronze spearheads of the Andronovo bronze culture. Their influences spread out from Liaoxi through Shanxi to Liaodong, where shaft-less, stemmed bronze daggers were produced due to the lack of a soil molding method necessary for making socketed shafts. Combining these techniques with their traditional bone and stone swords, Liaodong people developed a series of Liaoning bronze swords. On the other hand, the present research indicates that the slender bronze spearheads were also derived from the bronze spearheads of the Andronovo bronze culture, which were introduced to the Yanshan and Liaoxi regions through Shanxi and then became a series of willow leaf-shaped bronze spearheads. Based on the above considerations, this study examines the origin of armament style. Whereas both long and short swords and spearheads were used in areas with horse-drawn carriages, short daggers and spearheads went mainstream in an area from Liaodong to the Korean Peninsula, where horses and carriages were rarely used. The latter became the origin of the armament style of the Yayoi bronze culture. Moreover, the study determines that the Yayoi custom of caching bronze ritual implements was originated from the custom of the northern Eurasia bronze culture in the second millennium B.C. that spread out to the Korean Peninsula through the Chinese northern region.
著者
小林 健治 土佐 典照 原 安夫 堀江 修二
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.930-938, 1996-08-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
6 13

水道水を電気分解処理して得られたアルカリ性水の炊飯水としての有効性について検討を行い,以下の結果を得た.(1) 白米と浸漬水の総体積変化は,アルカリ水,原水(水道水),酸性水の順に大きくなった.任意のpHに調整された試験水を用いた実験より,白米の膨潤度はpHの影響を受けていることが確認された.(2) 画像処理装置により炊飯米形状を二次元的に計測し,面積はアルカリ性水,酸性水,原水の順に大きく,アルカリ性水のものは原水のものよりも約4.5%の差がみられた.(3) 三粒法により各米飯のテクスチャーを測定したが,粘りと硬さの比がアルカリ性水,酸性水,原水の順に大きな値をとった.アルカリ性水により処理された炊飯米のテクスチャーが高い原因として,炊飯米表面の糊化した澱粉量が多いことによるものであることが考えられた.洗米において白米からの澱粉の溶出量は,アルカリ性水処理によるものが最も高く,炊飯米においても同様であった.この原因として,洗米では高いpHや界面活性的な働きが白米表面物質の遊離を促進するため,また炊飯米では高いミネラル濃度が澱粉細胞の細胞壁に沿って存在するタンパク質の可溶性を促進するためと推察された.
著者
中野 俊 高田 亮 石塚 吉浩 鈴木 雄介 千葉 達朗 荒井 健一 小林 淳 田島 靖久
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11-12, pp.387-407, 2007-03-31 (Released:2014-06-11)
参考文献数
23
被引用文献数
1 4

富士火山噴出物の噴火年代決定を目的として産総研が実施したトレンチ調査のうち,北東山麓で行ったトレンチ調査結果及びそれに関連した露頭観察の結果をまとめ,そこから得られた放射性炭素年代測定値を合わせて報告する.トレンチ調査の対象は,新富士旧期の大臼,小臼などの火砕丘群及び新富士新期の檜丸尾,鷹丸尾,中ノ茶屋,雁ノ穴丸尾,土丸尾などの溶岩流群である.
著者
三村 高志 小林 和夫
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.193-194, 2006-04-01

福岡市地下鉄3号線は,福岡市西南部地域の慢性的な交通渋滞の改善を図り,将来の交通需要の増大に対処するとともに,西南部地域における高速輸送サービスの普及および均衡あるまちづくりを推進することを目的に計画された.
著者
角嶋 直美 矢作 直久 藤城 光弘 井口 幹崇 岡 政志 小林 克也 橋本 拓平 小俣 政男
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1266-1271, 2005-06-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
12
被引用文献数
1

【背景と目的】内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の登場により,従来では考えられなかった大型病変も内視鏡的に治療されるようになってきた.しかし,ESDによって生じた大型人工潰瘍の治癒過程についての詳細は明らでかはない.そこで,ESD後の治癒過程を明らかにするため,経時的な内視鏡像の検討を行った.【方法】当科においてESDによって治療された胃粘膜内腫瘍70症例を対象として,ESD後潰瘍の治癒過程および瘢痕形態を,切除サイズ,部位,胃壁の断面区分別に検討した.内視鏡観察は,原則としてESD後1,4,8,12週目に行い,抗潰瘍治療として,プロトンポンプ阻害薬(PPI)及びスクラルファート通常量を投与した.【結果】ESDの切除サイズは平均34.7mm(20.0~90.0mm)であった.ESD後潰瘍は切除サイズや部位・周在によらず,全例において8週までにS1-2stageに治癒・瘢痕化した.【結論】ESD後潰瘍は大型のものでも,消化性潰瘍と同様の治療で術後8週以内に治癒・瘢痕化する.これらは,ESD後のフォローアップや治療計画の立案に非常に有用な知見と考えられた.
著者
小林 祐三 谷内田 仁 渡邊 澄江
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.103, pp.1-8, 1990-12-18

筆者らは、パソコンCADの図面ファイル管理システムを、分散リレーショナルDBを利用して開発した。パソコンCADの図面ファイル管理の問題点を考察し、その解決方法を開発したシステムに如何にして実現したかをのべる。パソコンCADは現在、その手軽さや安価であるといったことから、急速に普及しつつある。しかし複数の設計者によるCADの利用では、パソコンである故の欠点もつきまとうことになる。このような状況に対し、パソコンとワークステーションによる分散DBを使ったシステムM?DRAMAによって、パソコンCADに於ける図面ファイル管理の問題を解消した。We make a management system of PC-CAD drawings with distributed relational DBMS. We discuss the problem of management of PC-CAD drawings and the implementation of resolving method on our system. Now, the PC-CAD system becomes popular fast because of its ease of use and cheapness. But we find the problem which is occurred with the reason of PC among many designers who use CAD system. We resolve that problem with M-DRAMA, the Mechanical-DRAwing MAnagement system with distributed DBMS between PC and workstation.
著者
小林 啓介 下門 洋文 高木 英樹 椿本 昇三 仙石 泰雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.185-195, 2016 (Released:2016-06-17)
参考文献数
29
被引用文献数
2

The purpose of this study was to clarify the pattern of muscular activity in the trunk, thigh and lower leg during the underwater dolphin kick in elite female competitive swimmers. The participants were 9 national-level competitive female swimmers who performed underwater dolphin kick swimming for 15 m at maximum effort. Sagittal movement was recorded for 2-D motion analysis, and surface electromyographic (EMG) data were recorded from 6 muscles: rectus abdominis (RA), elector spinae (ES), rectus femoris (RF), biceps femoris (BF), tibialis anterior (TA), and gastrocnemius (GAS). The EMG data were used to investigate the active phase during one kick cycle. Furthermore, the co-active phases between the agonist and the antagonist in the trunk, thigh and lower leg were evaluated in terms of estimated muscular coordination. The kinematic results indicated that the average swimming velocity and the strouhal number for these swimmers were similar to those for Olympic swimmers in a previous study. Furthermore, a whiplash-like action was observed in their underwater dolphin kick movement. The EMG results indicated that the active phases of all subjective muscles during one kick cycle were approximately 60%. Co-active phases were observed in all pairs (RA-ES: 24.1±10.1%, RF-BF: 23.2±5.5%, TA-GAS: 45.5±20.2%), and the co-active phase of TA-GAS was significantly larger than for the other pairs (p<0.05). From these results, two main findings emerged with regard to the muscular activity pattern during the underwater dolphin kick in elite female competitive swimmers: (1) the muscular activity patterns in the trunk and thigh muscles were reciprocal; (2) the co-active phase for the lower leg muscles was larger than for the other parts and occurred during the first half of the upward kick phase.
著者
小林 博
出版者
島根県立大学
雑誌
総合政策論叢 (ISSN:13463829)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.15-35, 2003-02-10

1. When we look back upon the recent years, the Japanese banks faced many events which were not thought of before such as (1)the collapses of several major banks (2)extremely severe and protracted bad loan problems (3)the consolidation among major banks forming four big financial groups and (4)the entrance to the banking industries by the non-financial corporations and the birth of the internet banks. 2. Public financial institutions which have long been criticized because of their size which is much larger than originally intended and their lending terms which are more favorable for the borrowers than those of commercial banks. Reform efforts of these institutions, especially the Postal Services Agency and the Government Housing Loan Corporation, are underway toward organizational restructuring and downsizing. 3. The results of the fiscal year ending in March 2002 of the Japanese banks deteriorated significantly. Net losses after-tax for all banks increased from 0.1 trillion yen of the previous year to 4.9 trillion yen. Main reasons for this heavy losses are (1)substantially increased credit costs due to the deflationary economic environment and strengthened loan classification by the banks and inspections of the Financial Services Agency (FSA) (2)large amount of write-off of equities under the low price level of the equity market. 4. The special inspection by the FSA had a significant effect on banks' financial results. However, special inspection covered only large, highly-indebted borrowers of the major banks representing only about 4 per cent of their total loans. More comprehensive and strict inspections are needed to recognize the true scale of bad loans of the Japanese banks as a whole. 5. Together with tackling the bad loan problems, the Japanese banks need to improve their profitability which is extremely low compared with those of the major banks of the U.S. and European countries. In order to achieve this goal, the Japanese banks need to make every effort to increase interest earnings and fee incomes. 6. At the end of July of this year, the Japanese government proposed that the government maintain full protection for non-interest bearing settlement account. However, this new proposal seem to serve to further delay the process of recovering by the Japanese banking system by allowing the weak institutions to stay in the market. 7. In summary, solving the bad loan problems, strengthening the profitability and the reform of the public financial institutions are three key factors for the future of the Japanese banks. In addition to the strenuous efforts by the banks themselves, the strong leadership of the Japanese government is inevitable including the overall reform of public financial institutions and the injections of the necessary public fund.