著者
小林 正三
出版者
千葉県水産総合研究センター
雑誌
千葉県水産総合研究センター研究報告 (ISSN:18810594)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-7, 2015-03

1) ヨシキリザメ肉のはんぺん加工適性を評価するため,原料のpH,インピーダンス比,K値および試料の水分を測定し,調製したはんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価との関係を調べた。2) 原料のpHは,はんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価と相関が認められ,その相関係数はもっとも高く,はんぺん原料の品質指標としてもっとも適していた。3) ホモジナイズ液の濁り具合は,原料のpHと相関があり,pH測定に代わる官能的な品質指標として有効であった。4) 原料のインピーダンス比は,はんぺんの比重および荷重10g当たりの凹みと相関があり,相関係数はpHに次いで高かった。死後硬直前など鮮度が良すぎる原料を除けば,はんぺんの官能評価とも相関が認められた。5) 原料のK値は,はんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価と相関がなかった。6) 試料の水分は,はんぺんの比重および荷重10g当たりの凹みと相関があり,相関係数はpH,インピーダンス比に次いで高かった。7) はんぺん加工に適したヨシキリザメは,死後硬直しアンモニア臭がしないもので,pHは5.5~6.7の範囲では高いものほど,インピーダンス比は低いものほど,水切り後の水分は高いものほどはんぺん加工適性が高いことが分かった。
著者
小林 正三
出版者
千葉県水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-7, 2015 (Released:2015-09-10)

1) ヨシキリザメ肉のはんぺん加工適性を評価するため,原料のpH,インピーダンス比,K値および試料の水分を測定し,調製したはんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価との関係を調べた。2) 原料のpHは,はんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価と相関が認められ,その相関係数はもっとも高く,はんぺん原料の品質指標としてもっとも適していた。3) ホモジナイズ液の濁り具合は,原料のpHと相関があり,pH測定に代わる官能的な品質指標として有効であった。4) 原料のインピーダンス比は,はんぺんの比重および荷重10g当たりの凹みと相関があり,相関係数はpHに次いで高かった。死後硬直前など鮮度が良すぎる原料を除けば,はんぺんの官能評価とも相関が認められた。5) 原料のK値は,はんぺんの比重,荷重10g当たりの凹みおよび官能評価と相関がなかった。6) 試料の水分は,はんぺんの比重および荷重10g当たりの凹みと相関があり,相関係数はpH,インピーダンス比に次いで高かった。7) はんぺん加工に適したヨシキリザメは,死後硬直しアンモニア臭がしないもので,pHは5.5~6.7の範囲では高いものほど,インピーダンス比は低いものほど,水切り後の水分は高いものほどはんぺん加工適性が高いことが分かった。
著者
荒井 泰道 松本 純一 小田 島博 近藤 忠徳 関口 利和 石田 稔 小林 節雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.1439-1445_1, 1982

急性回腸末端炎はYersinia enterocoliticaやアニサキスの感染によって発症することがしられている.しかし多くは原因不明の疾患である.著者らはYersinia enterocoliticaの検出された1例を含めて4例の急性回腸末端炎を経験した.4例とも発熱,右下腹部痛,下痢を主訴として来院した.急性期の内視鏡所見は回腸末端部に不整形の潰瘍やびらんの形成がみられ,1例ではあるがいわゆるcobble stone像を示した.回復期に入ると潰瘍やびらんは消失し,粗大結節状あるいは微細顆粒状の隆起性病変を認めた.生検によって炎症性細胞浸潤とリンパ濾胞の形成がみられたことから,それらはリンパ濾胞の増殖によるものと考えられた.経過とともに隆起性病変も消失することが認められた.急性回腸末端炎の急性期内視鏡所見及び内視鏡的に経過観察を行なった文献はみられていないように思われ意義あるものと考え報告した.
著者
安細 勉 松山 博明 小林 邦勝
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.75(2001-CSEC-014), pp.53-58, 2001-07-25

NP完全問題の一つである巡回セールスマン問題を公開鍵暗号に応用した巡回セールスマン暗号のアルゴリズムを提案する。初めに,ナップザック暗号や巡回セールスマン暗号で用いる秘密鍵について検討し,次に,秘密鍵から公開鍵を生成する変換法について考察する。また,暗号化の方法について検討し,最後に,組合せ理論に基づく暗号の安全性について考察する。
著者
川合 亮佑 藤野 雅彦 宮田 完志 湯浅 典博 竹内 英司 後藤 康友 三宅 秀夫 永井 英雅 小林 陽一郎 伊藤 雅文
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.549-555, 2011

症例は73歳の男性で,66歳時に十二指腸乳頭部腺腫に対して内視鏡的乳頭切除術が施行されている.68歳時に悪性リンパ腫に対して化学療法を施行され完全寛解を得ている.平成20年9月,心窩部痛を主訴に当院を受診した.内視鏡的逆行性胆管膵管造影で総胆管結石と中部胆管の狭窄を認め,切石と狭窄部の生検,内視鏡的経鼻胆管ドレナージを行った.生検で腺癌と診断されたため,肝外胆管癌と診断し膵頭十二指腸切除術を施行した.胆管癌は肉眼的に乳頭浸潤型で表層拡大進展を呈した.病理組織学的に浸潤部はほとんど扁平上皮癌であったが,表層拡大進展部の粘膜内および線維筋層浸潤部に腺癌・扁平上皮癌の二方向性分化を認めた.また,固有筋層に浸潤する胆嚢癌も伴っていた.肝外胆管原発腺扁平上皮癌の本邦報告43例の中で,粘膜内で腺癌・扁平上皮癌の二方向性分化を認めた症例はなく,自験例は腺扁平上皮癌の組織発生を考察するうえで貴重な症例である.
著者
谷山 鉄郎 松岡 武 長屋 祐一 小林 尚文
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.215-224, 1994

An automatic fogculture system for year-round rice production was developed. Its purpose was to reduce natural and environmental damages on rice production and farmland. Two rice cultivars, Koshihikari and Harebare, were grown from Mar. 12, 1992 to Aug. 24, 1992. Because the amount of sunlight was decreased to one-third of normal light intensity, growth and development of the two cultivars was very uneven. Yield of Koshihikari which was the better developed of the two, was 808 kg/10a. The yield of Harebare, which did not grow well, was 23 kg/10a. If this system was given enough sunlight and had a controlled temperature, a higher yield may be possible.
著者
小林 信彦 Nobuhiko Kobayashi
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 = St. Andrew's University bulletin of the Research Institute (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.247-267, 2003-03

As the legislation sytem was established in ancient Japan, the harahe (祓) ceased to function as punishment. It developped into the o-harahe (大祓) to remove deceases and calamities as well as sins. When the Japanese added new items to the list of tumi (罪) in the norito (祝詞), they borrowed words for deceases and calamities from the Yakusikyo (藥師經): Thus they introduced into the list sirahito (lepra alba), kokumi (tumor-induced rickets), and calamities of hahumusi (creeping reptiles and worms) and of takatu-tori (birds on high).
著者
小林 久芳 村沢 忠司 HISAYOSHI KOBAYASHI TADASHI MURAZAWA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告 理学・生活科学 (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.p81-90, 1986-11

パーソナルコンピュータを用いた家計管理の方法について, 家計簿記帳を中心に問題点とその解決方法についての考察を行った。また, 多くの家庭に対して家計簿の記録データを集計することにより, 消費動向に関する基礎資料が得られる点に着目し, そのために家計簿プログラムが備えるべき機能, 記録データの内部構造等について, 詳細な検討を行った。さらにコンピュータによる家計診断の可能性について, 一つの提案を行なった。
著者
飯田 博之 磯田 豊 小林 直人 堀尾 一樹
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.155-174, 2018-07-15 (Released:2018-07-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1 3

2016 年夏季に宗谷暖流沖合域で実施したCTD ならびにXBT とADCP を用いた25 時間連続往復断面観測で得られた詳細な流れ場と水温場の時間変化データの解析によって,冷水帯を伴った日周期渦流が宗谷暖流沖合を横切る様子を初めて捉えた。観測された冷水帯下部は,ほぼ均一な高塩分水で占められており,その起源は日本海中層水であることが示された。数値モデル結果を使用したトレーサー実験によって,日本海中層水は,岸向きの移流と湧昇により宗谷海峡へ供給された後,卓越した日周潮流により励起された反時計回りの孤立渦流に取り込まれ,冷水帯下部の海水の大部分を構成するとともに,宗谷暖流沖合水となって移流されることが示唆された。
著者
青木 龍克 後藤 久貴 末次 宏晃 水光 正裕 内山 迪子 小林 恭介 田中 奈津美 鳥越 雄史
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.37-39, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
7

人工関節置換術(THA)後に腸腰筋インピンジメントを生じ,前方より直視下腸腰筋切離を行った2例を報告する.【症例1】61歳女性.58歳時に右THAを施行し,術後1年で下肢伸展挙上(SLR)時の鼠径部痛が出現した.カップの前方突出を認め,腸腰筋エコーガイド下ブロックが著効し,腸腰筋インピンジメントと診断した.腸腰筋切離を行い,術後1週で疼痛は改善し,SLRが可能となった.【症例2】66歳女性.64歳時に右THAを施行し,術後1年でSLR時に大腿前面の痛みが出現した.明らかなカップの設置不良はなかったが,腸腰筋ブロックで疼痛改善を認め,術後2年3か月で腸腰筋インピンジメントと診断した.腸腰筋切離を行い,術後3週で疼痛は改善し,SLRが可能となった.【考察】腸腰筋インピンジメントに対してはカップの再置換術も選択肢となるが,カップの設置に大きな問題がない場合や,カップ再置換のリスクが高い場合には,腸腰筋切離の良い適応と考えられる.
著者
中島 裕也 酒井 涼 杉本 志保理 小林 康孝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.665-673, 2021-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
17

高次脳機能障害復職支援事例を通して,医療機関から就労支援機関へのシームレスな連携における作業療法介入を再考し,職務選定に係る整理票(以下,整理票)を用いた職場支援の効果について検討した.支援では,休職・所得保障期間を把握し,職業準備性を高めつつ就労支援機関と連携を図った.また整理票を用いて復職時の職務内容を再設計し,配置転換での復職に至った.シームレスな連携には,復職に関する情報,職業準備性の状態,就労支援機関の機能など総合的な視点を持ち,復職プランを見立てる作業療法介入が必要と考えられた.また,整理票を用いて職務内容を再設計することが職場支援への一助になることが示唆された.
著者
小林 由美子
出版者
東北女子短期大学 研究活動推進委員会(紀要・年報部会)
雑誌
東北女子短期大学紀要 (ISSN:24351385)
巻号頁・発行日
no.58, pp.18-24, 2020-03-19

ハンドベルは、カスタネット、鈴、タンバリンなどと同様に、幼児にとって持ちやすく奏でやすい楽器である。しかし、幼児用の楽譜を見ると、ハンドベルはメロディーを奏でるようになっているものがほとんどで、メロディーの音を何音か担当し、間違えないように緊張して待つのでは、折角のハンドベルを楽しむことができないように思う。私は、幼児が無理なくハンドベルを楽しむためのやり方を試行錯誤し、全体を2 つか3 つのグループに分け、各グループにⅠ、Ⅳ、Ⅴ 7 の和音のどれかを担当させ、奏でるときに、ぬいぐるみなどを使って合図をすることにより、大勢で奏でる連帯感も生まれ、余裕をもってハンドベルの持つ華やかな響きを楽しむことができるように思った。又、音域を広げたり、同じ和音を分散して奏でるなど、身近な曲を使って楽しんで行えたやり方を書かせていただいた。
著者
小林 章 国分 貴徳 村木 貴洋 金村 尚彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0560, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】ピアニストは長時間の反復練習により,腕や手に特殊な障害を抱えやすい。近年overuseに加え,身体のmisuseも障害発生の要因と指摘されている。しかし,overuseが前提となっているため,運動療法が処方されることは少ない。強い打鍵や遠位の鍵盤を打鍵するために体幹も大いに用いる。これまで体幹運動は着目されてきたが,手指と全身を同時に計測する難しさから,ピアノ演奏を全身運動として解析されてこなかった。本研究の目的は,ピアノ演奏を全身運動と捉え,強い打鍵時の体幹および上肢の演奏メカニズムを調査し,新たな理学療法領域拡大の基礎データを示すことである。【方法】[対象者]ピアノ未経験者5名[仕様機器]3次元動作解析VICON,YAMAHA Clavinova(CVP-30),DTM制作ソフトGarageband(Apple社)[課題]全て同じ音量(mf)で打鍵した(課題1)。次に3回に1回,fまたはffの強さで打鍵した(課題2,3)。テンポは全て120bpmとした。計測前に十分な練習時間を設けた。[解析方法]体幹傾斜角,上肢関節角度,手指関節角度を計測した。解析区間は中指MCPマーカーが最も高くなった時点から鍵盤マーカーが最も沈み込んだ点。各角度が指先への変位量への寄与度を表すdegree of contribution(以下,DOC)と打鍵の運動力学的効率性を表すkeystroke efficiency(以下,η)を算出した。[統計処理]各関節のDOC,ηに対しFriedman検定を実施し,多重比較にはWilcoxonの符合順位検定を実施した。【結果】[DOC]体幹のDOCにはいずれの課題においても有意な差は認められなかった。同音量での打鍵動作の繰り返し(課題1)と比較して,強い打鍵が求められると(課題2・3),肩および肘関節のDOCは有意に低下したが(p<.01),その前後の打鍵では有意に増加した(p<.01)。一方で,手関節より遠位関節のDOCは有意に増加したが(p<.01),その前後の打鍵では有意に低下した(p<.01)。[η]課題1と比較して,課題2・3のηは有意に増加したが(p<.01),その前後の打鍵では有意に低下した(p<.01)。【結論】ピアノ未経験者は上肢を主体とした打鍵であり,体幹運動の寄与は少なかった。しかし,ピアノ未経験者は肩・肘関節による手の上下運動を手・手指関節伸展運動によって代償する戦略と手指と鍵盤接触角度を大きくつけた打鍵戦略の2つを使い分けて打鍵することが明らかになった。また,強い打鍵の前後では前者の戦略がより顕著になり,打鍵効率性が低下した。このことからピアノ未経験者は2つの打鍵戦略間の移行がスムーズでなかったことが示唆された。特に打鍵中のDIP関節の過剰な伸展はbreaking-in of the nail joinと呼ばれる。これは音量やテンポの制御に有害であるとされ,手指への機械的ストレスが増大した可能性がある。今後,ピアニストの演奏を全身動作として捉えた研究により演奏メカニズムが解明されていけば,音楽家の治療に応用でき,新たな理学療法分野を広げる可能性がある。
著者
小林 巌生
出版者
サービス学会
雑誌
サービソロジー (ISSN:21885362)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.3-10, 2021-03-24 (Released:2021-04-21)
参考文献数
4
著者
小林 里瑳 羽藤 英二
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1245-1252, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,近代地方都市における界隈形成のメカニズム解明に向けて,土地所有形態選択問題として統計的モデルを用いた全く新たな都市形成史分析手法の提案を試みた.モデル構築において,所有筆=土地とその所有形態の同時選択確率を記述可能なCNL型の離散選択モデルを提案し,所有形態の選択に関して地主の態度の異質性を仮定した潜在クラスモデルを導入した.パラメータ推定には,隠れ変数を含む選択確率の対数尤度関数最大化問題の求解に適していることから、機械学習の代表的な手法の一つであるEMアルゴリズムを用いた.道後温泉本館周辺を対象に,旧土地台帳と付属図という近代史料をモデル推定可能な形式に変換する方法提案を行い,集積や継承,撤退といった近代地方都市の土地所有の変容の実態解析が可能なデータベース構築に成功した.さらに,非集計分析と提案したモデルを用いてパラメータ推定を行うことで,近代地方都市の地主の土地所有形態の選択に異質性があり,時間の経過とともに地租や立地条件といった要因が土地所有形態の選択に及ぼす影響が大きく変容していることを統計的に示すことができた.
著者
小林 元裕
出版者
東方書店
巻号頁・発行日
1999-06

天津史 : 再生する都市のトポロジー
著者
小林 照夫
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.111, pp.3-23, 2007

本稿の考察は、複数の港を組織して成立したフォース・ポーツ・オーソリティ(the Forth Ports Authority)の事例が、東京湾諸港の問題としてのポート・オーソリティ論だけではなく、日本の多くの港の経営を考えるうえでの参考事例になるのではないかと言うことで言及した。そのための考察の手順としては、スコットランド産業革命期までの交易の中心であったフォース湾沿岸域の産業社会を、社会経済史の手法で回顧・展望する中で、かつての重要港湾リース(Leith)やグランジマウス(Grangemouth)をはじめとした現在のフォース・ポート・オーソリティを構成する諸港、グラントン(Granton)、バァントアイランド(Burntisland)、カーコーディ(Kirkcaldy)、メスィル(Methil)の史的意義を論じることにした。そうした考察を通して、フォース湾に所在するそれぞれの港とフォース・ポーツ・オーソリティの機能と役割について位置づける。
著者
小林 竜 小林 法一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.608-615, 2021-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
16

回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者46名を対象に「家事再開予測モデル」の外的妥当性を検証した.回復期病棟退院時に,家事再開予測モデルを用いて退院後の家事6項目(食事の用意,食事の後片付け,洗濯,掃除や整頓,力仕事,買い物)の再開状況を予測した.退院3ヵ月後にフォローアップを行い,実際の家事再開状況を調査した.家事再開予測モデルは項目ごとに判別的中率を算出し,ROC曲線のAUCにてモデルの予測能を評価した.結果,各家事項目における判別的中率は75.0~82.2%,AUCは0.71~0.86であった.本研究により,家事再開予測モデルは中等度の予測能を有していることが示された.