著者
長沢 寛弥 國吉 杏子 谷川 敏明 小林 直樹 小西 良子 朝倉 宏 大城 直雅
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.157-161, 2021-10-25 (Released:2021-11-02)
参考文献数
32
被引用文献数
2

小笠原群島(聟島列島,父島列島および母島列島)におけるシガテラの実態を調査するために,周辺海域で漁獲されたバラハタVariola louti 65個体の筋肉を試料としてLC-MS/MSによるシガトキシン類(CTXs)分析を実施した.すべての試料からCTX1Bに近接するピークが検出されたが,CTX1Bの前駆体である52-epi-54-deoxyCTX1B,54-deoxyCTX1Bや,他のCTX類縁体は検出されなかった.バラハタ試料では通常,この3物質が同時に検出されることから夾雑物による影響を考え分析カラムを変更して分析した結果,全試料においてCTX1Bとは保持時間が異なったため夾雑物由来であると判断した.本研究に供したバラハタは体重2,170~7,000 gと大型の個体であったにも関わらず,65個体のいずれからもCTXsは検出されなかった.そのため,小笠原群島周辺海域のバラハタによるシガテラのリスクは低く,CTXs産生性渦鞭毛藻の分布密度は沖縄・奄美海域に比較して極めて低いことが示唆された.
著者
羽佐田 勝美 小林 慎太郎 丸井 淳一朗
出版者
日本国際地域開発学会
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.65-74, 2019 (Released:2019-12-03)

本稿では,魚発酵食品パデークの需要が増加しているラオス国ビエンチャン特別市を対象に,パデークの流通の現状と課題を検討した。ビエンチャン特別市で最も多く販売されるパデークは伝統的パデークであった。パデークの流通においては,農家がパデークの原料採集,生産,発酵までを,仲買業者がパデークの集荷と出荷(流通)を,小売業者が最終的な調味(加工調製)と消費者への販売(小売)を主に行っていることがわかった。また,パデークの流通形態は仲買業者介在型,仲買業者不在型,農家直売型の3つに分類できることがわかった。各ステークホルダーの粗マージンについては,仲買業者と比べ,農家と小売業者がより高い粗マージンを得ていることが示唆された。さらに,パデーク経営において,農家はパデークの原料である魚の不足(資源の問題)が,仲買業者はパデークの不足(資源の問題),顧客が少ないことや同業者による競争(市場競争の問題)とパデーク仕入れ資金の不足(資金・経費の問題)が,小売業者は投資資金の不足や販売経費の負担が大きいこと(資金・経費の問題)と競争相手が多いこと(市場競争の問題)が,問題であることがわかった。
著者
小林 亮介 山本 宏 貝沼 修 趙 明浩 鍋谷 圭宏 伊丹 真紀子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.743-748, 2015

症例は33歳,男性.労作時のめまい・動悸を自覚し,近医受診しHb 7.3g/dlと貧血を指摘された.十二指腸水平部に2型腫瘍を認め,十二指腸癌の診断で,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織診断では,小円形細胞の増殖を認め,免疫染色では,MIC2,NSE陽性で,筋原性マーカーや上皮性マーカーは陰性であった.さらに,Ewing肉腫と同じ染色体転座も認め,末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍peripheral primitive neuroectodermal tumor(pPNET)と診断した.術後は化学療法を行い,現在術後4年無再発生存中である.pPNETは四肢や胸壁などに発生する軟部腫瘍で,近年,Ewing肉腫と共通した染色体転座を有することが判明し,Ewing肉腫ファミリー腫瘍と総称される.腸管原発の発生は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
橋詰 直孝 小林 修平 井上 喜久子 香川 芳子 川原 貴 赤岡 家雄
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-98, 1992

血清尿酸値が一過性に上昇する運動性高尿酸が激しい運動を継続すると恒久的な高尿酸血症に進行するか否かを検討する目的で長距離・マラソンランナー11名(男性,年齢20~42才)を対象に,オーバートレーニングに近い月間走り込み大会前(9月30日),直後(11月1日)2週問後(11月15日),4週間後(11月29日)の血清尿酸値を測定した.<BR>走行距離は大会前の(9月)1日9.4±2.0km,大会中(10月1~31日)1日23.2±2.5kmで大会前の約2.5倍走り込んでいる.大会2週間後1日10.4±1.5km,大会4週間後1日9.1±1.8km である.摂取エネルギーは大会前1日2893±21kcal,大会中では1日3528.1±164.5kcalで,大会前の約1.2倍摂取している.それが大会後も続いている.それにもかかわらず体重の増加は認めなかった.このことは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれているためである.血清尿酸値は大会直前6,1±0.2mg/dl,大会直後5.6±0.2mg/dl,大会2週間後5.4±0.3mg/dl,大会4週間後5.3±0.4mg/dlで大会前値に対して大会直後や大会後は有意に低下していた.<BR>これらの結果より,運動に見合ったエネルギーを摂取した場合,体重の増加がなく消費エネルギーとのバランスがとれていれば激しい運動を継続的に行っても恒久的な高尿酸血症に進行しないばかりか,かえって尿酸が低下することが考えられた.
著者
小林 信彦 Nobuhiko KOBAYASHI
雑誌
桃山学院大学人間科学 = HUMAN SCIENCES REVIEW, St. Andrew's University (ISSN:09170227)
巻号頁・発行日
no.21, pp.25-48, 2001-07-10

As the personification of the ultimate truth, Mahavairocana (the Great Sun) cannot be perceived. He is symbolized by gestures, sounds and geometric figures. Buddhist tantrism is the system of attaining buddhahood by using these symbols. The Japanese, however, are not interested in becoming buddhas. They only try to remove troubles in this world, and wish to go to a paradise called "gokuraku" after death. It is for this purpose that they chant the komyo-shingon addressed to Dainichi-nyorai, the Japanese version of Mahavairocana.
著者
望月 直美 小林 正夫 西大路 賢一 宮田 正年 宇野 耕治 桂 奏
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 = Journal of gastroenterological cancer screening (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.557-563, 2013-09-15
参考文献数
19

症例は61歳, 男性。人間ドックの上部消化管内視鏡検診で胸部中部食道に長径約2cmの隆起性病変を認めた。中心部には陥凹を認めたが, 辺縁部は既存の上皮に覆われており粘膜下腫瘍様形態であった。生検組織で免疫染色上クロモグラニンAとシナプトフィジンが陽性であり, 食道内分泌細胞癌と診断した。超音波内視鏡検査の結果, 食道外膜への浸潤を認めた。また多発肝転移を認め, StageIVbであった。化学療法としてCPT11/CDDPおよびVP-16/CDDPを行ったが, 9か月後に永眠された。食道内分泌細胞癌は進行が速く, 予後はきわめて不良である。稀な疾患であるが, 診断のためには臨床的特徴を把握しておくことが重要である。
著者
新井 恒紀 小林 孝之
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.175-191, 2013-05-29
参考文献数
18

<B>背景</B> : リンパ浮腫は、先天性を含めた原因不明のものと主にがんの手術や放射線療法によるリンパ管の輸送障害に起因する続発性リンパ浮腫に分類され、我が国には10万人以上存在するといわれている。リンパ浮腫の治療については、国際リンパ学会により複合的理学療法が標準治療に定められている。この療法は、「スキンケア」「用手的リンパドレナージ」「圧迫療法」「運動療法」を複合的に実施することにより、はじめて最大限の効果を得ることが出来るものである。現在、我が国では「リンパ浮腫指導管理料」と圧迫療法として「弾性着衣等に係わる療養費の支給」の2項目のみが保険適用になっており、用手的リンパドレナージが保険適用になっていない。そのためこの療法の単独効果を実証し保険適用の一助とするため本研究を行った。<BR><B>方法</B> : 四肢のみに浮腫のみられた患者72名(平均年齢は60.46&plusmn;13.00歳)に対して用手的リンパドレナージを上肢患者45分、下肢患者60分行った。患者の治療前後の患肢容積変化を測定しその効果を検討した。データの統計処理は正規分布検定を行ったのちWilcoxonの符号付順位検定を行った。<BR><B>結果</B> : 全患者n=72名では69.20ml&plusmn;93.00ml減少し(p<0.000)、部位別では上肢群n=16名では26.20ml&plusmn;45.99ml減少し(p=0.039)、下肢n=56名では81.40ml&plusmn;99.50ml減少し(p<0.000)、集中治療期(Phase1) n=12名では112.50ml&plusmn;118.78ml減少し(p=0.005)、維持治療期(Phase2) n=60名では60.50ml&plusmn;85.56ml減少し(p<0.000)だった。またPhase2をStage分類し治療前後の患肢容積変化を算出したところStageI (n=9名)では75.00ml&plusmn;98.14ml減少し(p=0.038)、StageII (n=46人)では56.90ml&plusmn;88.17ml減少した(p<0.000)。※患者数が5人未満である0期、III期は統計処理から除外した。<BR><B>結論</B> : 今回の研究により、用手的リンパドレナージによる治療前後の患肢容積が統計的に有意に減少したことが明らかになった。この結果を踏まえ、用手的リンパドレナージを含んだ複合的理学療法の保険適用が切望される。
著者
小林 勝 山口 定次郎
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.275-278, 1972

核多角体病ウイルスを接種したカイコの結紮分離腹部にエクジステロンを注射し, 強制的に蛹化させる処理を加えた場合の感染細胞におけるDNA合成を<sup>3</sup>H-チミジンを用いたオートラジオグラムで調べ, つぎの結果を得た。<br>1) 結紮分離腹部の感染数はエクジステロンを注射することにより, エクジステロンを注射しない場合の感染数よりも増加した。<br>2) エクジステロンを注射して15時間を経過した分離腹部の感染細胞核では, 対照のエタジステロンを注射しない分離腹都の感染細胞におけるよりも Virogenic Stroma への<sup>3</sup>H-チミジンの取り込み量と取り込んだ感染細胞数が多かった。したがってNPVに感染したカイコの結紮分離腹部にエクジステロンを注射して蛹化を促したものは, 対照の蛹化処理をしない分離腹部に比較して感染細胞におけるウイルスの増殖が促進されるものと考察された。
著者
小林 道夫
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.9-15, 1997-12-25
参考文献数
6

デカルトは現在の (特に英米系の) 心の哲学においてはたいへん奇妙な扱いを受けている。デカルトの心の哲学の第一の特質はその二元論であるが (ただし, あとで触れるように二元論に尽きるのではない), この二元論のゆえにデカルトの哲学は, しばしば, 反科学の扱いをうけるのである。J.サールは最近の著書で, 現代の心の哲学での (科学主義的的) 唯物論の動向を難じて, その要因の筆頭に,「 (人々は) デカルトの二元論に陥るのが怖いのだ」という点を挙げている。現代の科学の時代にあって, 実在とはすべて客観的なものであり究極的には物理的存在であると思われるにかかわらず, 物理的存在以外に心的実体なるものを認めるデカルトの二元論に同調することは, 科学的知性を脅かす不条理を引き受けることだと見られるというのである(1)。しかし, 改めていうまでもなく, 自然科学の対象から心的性質や目的論的な概念を一切除外して, 近現代の数理科学を方向づけたのは他ならぬデカルトである。彼はまた, 動物や人間の身体をも機械論的に説明しようとして近代の生理学の見地をも設定したのである (デカルトの生理学的な「人間論」はのちの唯物論的な「人間機械論」の一つの有力なソースであった)。デカルトにとっては自分の哲学こそが, 人間の身体をも含む自然全体の科学的探究を推進するものであったのである。しかし, 問題はもちろん, デカルトが科学的探究の対象となる物理的生理学的対象以外に, それとは独立のものとして思惟や意志という心的存在を認めたことである。現代の言葉でいえば, デカルトは, 科学的生理学的探究を推進しながら, それとは独立に「常識心理学」の領域があるとはっきりと認めたということになる。私見によれば, 現代の心の哲学の状況に身を置いて, いわゆる「消去的唯物論」に与するのでなしに, 自然や人間の身体に対する科学的生理学的探究の見地を堅持しながら, 常識心理学が表す心的性質や心的存在に独自の身分を認める方向の哲学を立てようとした場合には, デカルトの心の哲学はなおも極めて有力で説得的な見地と評価しうる。以下で私は, 現代の心の哲学の問題, とくに「心的性質の実在性」や「心的因果性」の問題を念頭におき,「デカルトの心の哲学」からはそれらの問題に対してどのような解答が与えられるか, という点を考えてみたい。
著者
小林 由香 齋藤 育雄 高木 岳彦 清水 あゆ子 石井 崇之 池田 全良
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.59-61, 2018 (Released:2019-07-25)
参考文献数
11

はじめに:terrible triad injury(TTI)の治療戦略は,損傷形態を理解し安定性と可動性の両方を獲得することである. 対象:症例は11例,男6例,女5例,平均50.5歳.骨折型はO'Driscoll分類type I-1: 4例,I-2: 6例,type II-2: 1例.鉤状突起骨折はtype I -2から内固定し,Lasso法3例,K鋼線固定2例,HCS固定1例,type II-2は橈骨頭で再建した.LCLは全例で一次縫合かbone anchorで縫合し,8例でMCLを縫合した. 結果:平均可動域は-9.0°から130°,肘関節亜脱臼はなかった.MEPSは平均94.5点,JOA-JES scoreは平均91点. まとめ:鉤状突起および関節包を含む前方要素と靱帯性要素の両方を修復した結果は, 肘の安定性と可動性の獲得ができた.
著者
中野 達也 望月 祐志 甘利 真司 小林 将人 福澤 薫 田中 成典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.173-184, 2007-09-15 (Released:2007-10-19)
参考文献数
57
被引用文献数
2 1

1999年に北浦らにより提唱されたフラグメント分子軌道(FMO)法は、分子系をフラグメントに分割し、フラグメントのモノマー、ダイマー・・・の計算から系全体を計算する方法であり、タンパク質やDNAのような巨大分子系全体を量子論的に扱う計算方法として、近年注目を集めている。本稿では、FMO法の概要と、多層FMO(MLFMO)法に基づいたタンパク質の励起状態計算、及びFMO法に基づいたconfiguration analysis for fragment interaction (CAFI)やvisualized cluster analysis of protein-ligand interaction (VISCANA)といった解析方法について報告し、FMO法の今後について展望する。
著者
小野 真一 伊藤 芳久 石毛 久美子 井口 法男 小菅 康弘 浅見 覚 泉澤 恵 小林 弘子 林 宏行 鈴木 孝 岸川 幸生 畑 春実 小瀬 英司 田畑 恵市
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.11, pp.1419-1423, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

It has been recommended that active learning methods, such as team-based learning (TBL) and problem-based learning (PBL), be introduced into university classes by the Central Council for Education. As such, for the past 3 years, we have implemented TBL in a medical therapeutics course for 4-year students. Based upon our experience, TBL is characterized as follows: TBL needs fewer teachers than PBL to conduct a TBL module. TBL enables both students and teachers to recognize and confirm the learning results from preparation and reviewing. TBL grows students' responsibility for themselves and their teams, and likely facilitates learning activities through peer assessment.
著者
岡本 保 高橋 邦夫 大澤 寛 大枝 真一 小林 智 茂庭 雅弘 松崎 洋 吉野 広孝 原田 誠 朝倉 健二 石井 弘允
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集 平成21年度(第42回)照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.109, 2009 (Released:2010-01-08)

我々はこれまでに、サンマ漁用の高効率な集魚灯としてLED集魚灯を提案してきた。これまでの研究でサンマの視感度に合わせたLED集魚灯の設計・試作を行い、実際に集魚試験も行ってその有効性を実証してきた。本研究は、この成果を発展転用して、小型イカ釣り漁船用LED集魚灯光源の開発の可能性を検討するための基礎研究である。試作したLEDパネルには発光色が白のLEDを6個、シアンのLEDを12個、計18個のLEDを使用して、横240 mm x 縦 150 mmの矩形パネル光源を試作した。サンマの最大視感度波長は510 nm程度であるが、イカ類は482 ~ 494 nm程度であり、この最大視感度波長を配慮するとともに、広い海域での利用も考慮して約100 nmの波長帯域を有するLEDパネルを試作した。また、船のローリングを考慮して±40 deg. 程度の放射角になるように設計した。今後、このLEDパネルを適宜組み合わせて小型イカ釣り漁船の船体構造に適合する形状のLED集魚灯システムを開発し、その実用性を検証する予定である。
著者
沖野 友洋 永田 恵輔 高野 純一 小林 秀敏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.87, no.902, pp.21-00073, 2021 (Released:2021-10-25)
参考文献数
19

The crash safety structure of the railway vehicles is important as one of the safety measures against the train crews and the passengers in the event of a collision accident. It is impractical to perform collision testing many times using the actual train unit to design the crash safety structure, whereby the numerical simulation is effective and it is important to validate the analytical accuracy. However, there are few studies of collision tests and numerical simulations using actual size carbody structures according to Japanese design standards, and even fundamental data have not been sufficiently obtained. Therefore, firstly, the authors performed the collision test of an actual-size partial stainless-steel carbody structure of a railway leading vehicle against a rigid wall and finite element analysis under the same condition as the test for the purpose of validating and improving the analytical accuracy of numerical simulation. Secondly, we carried out the collision test of the same carbody structure of a railway leading vehicle against a typical large dump truck in Japan and obtained the fundamental data such as the time histories of the impact compression load and the acceleration of the carbody structure as well as the deformational and fractural behavior of them. We also performed FE analysis under the same condition as the experimental test and compared the numerical result to the experimental one. As a result, the numerical result was consistent with the experimental result. Finally, we expanded the partial carbody structure model to a single carbody model and carried out the collision analysis of it against a large dump truck. Thereby, the impact deformation and fracture behavior of the railway carbody under the actual level-crossing accident were estimated.