著者
小田 格
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.79, pp.63-116, 2014

外国人被疑者・被告人の捜査および公判に関し,従前往々にしてとりあげられてきた問題として,司法通訳が存する。本稿においては,司法通訳に関して,漢語方言が焦点となった判例および事件処理の実例を主たる素材とし,これらと学説や他の言語が焦点となった判例等との比較を通じて,被疑者・被告人の言語運用能力がいかに認定され,かつ,通訳を付すべき言語がいかに選択されるかという点に対し,社会言語学的視座から検討をくわえた。その結果,個々の事例の問題点を抽出するとともに,言語運用能力を認定するための明確な基準・方法が確立されているということはできず,また,通訳を必要とする言語運用能力の水準も一律でないという結論を導出した。さらに,司法通訳を付す言語に関しては,それが当該被疑者・被告人の第一言語でない場合にあっては,各国・各地域の言語の多様性やその使用状況の複雑性に起因する諸点に留意すべきことにも論及した。
著者
石川 昌紀 KOMI V Paavo NICOL Caroline 小田 俊明 伊藤 章
出版者
大阪体育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

東アフリカ中・長距離陸上競技選手の強さに着目し,生理的指標から競技力に関係する要因について調査されてきたが,決定的な要因は明らかにされていない.本研究は,彼らのランニングスタイルを可能にする筋腱の形態的特徴,さらに彼らの効率的な走行を可能にする筋腱の機能特性に着目し調査した.その結果,彼らの下腿の長いアキレス腱と短い腓腹筋の筋束長が効率的な走行を可能にしている点,またこれまでの通説と異なり,彼らの長いアキレス腱モーメントアームが走効率を高める上で重要であることが明らかとなった.つまり,彼らの高いランニング効率は,彼らの形態的特徴を生かした少ない筋活動での走行がキーになることが明らかとなった.

2 0 0 0 OA なるみかた

著者
小田切春江 編
出版者
片野東四郎
巻号頁・発行日
vol.1、2, 1883
著者
小田 剛
出版者
文藝談話会
雑誌
古典文藝論叢 (ISSN:18835309)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-52, 2014-03
著者
小田 剛
出版者
文藝談話会
雑誌
古典文藝論叢 (ISSN:18835309)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-52, 2014-03
著者
小田 寛貴
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

平安・鎌倉期の古写本は完本としてはほとんど現存しないが,掛軸などに利用されたため断簡としては大量に伝来している.これが古筆切である.しかし,後世に制作された偽物・写しも多く混在するため,その高い史料的価値も潜在的なものでしかない.本研究では,こうした古筆切に放射性炭素年代測定法を適用し,史料的な価値を判定するとともに,平安・鎌倉期古写本の少なさゆえに従来は困難であった研究を行ったものである.
著者
小田 史郎 清野 彩 森谷 〓
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.245-254, 2001-04-01
被引用文献数
1 1 3

The present study was aimed to survey the relation between habitual exercise and the quality of nocturnal sleep. Questionnaires on exercise behavior and sleep were given to 452 male and female unuversity students. The questionnaires included such questions as; on their habitual exercise the kind of exercise, duration and frequency of doing the exercise, the period of continuation, rating of perceived exertion (RPE) and subjective feeling of their exercise load for health (heavy, suitable, light). TMIN Life Habits Inventory were conducted to ascertain the quality of sleep. The results of all the students showed that they were more likely to experience insufficient asleep period (64.6%), were not refreshed in the morning (40.0%), found unbearable daytime napping (38.5%). The student group with habitual exercise (n=237) showed significant "more easily fall asleep" (p<0.05) and" more insufficient asleep period" (p<0.05) tendencies than the group without habitual exercise. Further, three groups divided by their subjective feeling toward their exercise load showed some significantly different quality of sleep. The students who felt that their habitual exercise was "suitable" or "light" showed better sleep, with reference to frequency of naid-sleep awakening and deepness of sleep, as compared with students who felt that their exercise was "heavy" (p<0.05). These results indicate that suitable or light habitual exercise might facilitate better quality of sleep while heavy exercise which strongly activate the sympathetic nervous system, pose a risk to disrupt sleep.
著者
小田 寛貴 増田 孝
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.13, pp.189-194, 2002-03

我々はこれまで, 加速器質量分析法(AMS : Accelerator Mass Spectrometry)による^<14>C年代測定が古文書の年代判定法としてもつ有効性と限界とを示すことを目的として, 書跡史学の見地から年代を求めた古文書の^<14>C年代測定を名古屋大学年代測定総合研究センターのタンデトロン加速器質量分析計を用いて行ってきた.現在までに測定した古文書資料は表1に示した18点である.こうした研究から, 和紙は"old wood effect"による誤差(ずれ)が小さく, 暦^<14>C年代が歴史学的年代と大きく異なるものではないことを明らかにしてきた.これら18点の古文書のうち12点の資料(資料No.1-12)についての解説・歴史学的年代・^<14>C年代は, 既に別稿において報告されている(小田・増田ほか, 2000;小田・増田, 2001).そこで本報では, 今年度新たに測定を行った6点の資料について, その解説と^<14>C年代測定の結果を報じるものとする.前年度までに測定を行った12点の資料に続き, 資料番号を以下のようにNo.13〜18とした.
著者
片桐 太樹 小田 謙太郎 下園 幸一 山之上 卓 樋高 想士
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.2, pp.1-5, 2014-02-20

タブレット端末等の液晶タッチパネルの上に、薄い紙を載せ、その上で書写の練習を行う書写練習システムを開発している.このシステムは、実際の紙の上で行われる作業を液晶タッチパネルで強化するシステムであり、我々はこのような技術を 「強化現実」 と読んでいる.この書写練習システムを、クラウド技術と組み合わせることにより、コミュニティ全体で書写の練習をおこなったり、処理性能の向上を計ったりする予定である.
著者
樋髙 想士 山之上 卓 小田 謙太郎 下園 幸一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.3, pp.1-5, 2014-02-20

携帯端末利用者のための会議・授業の支援システム,ポータブルクラウド,について述べる.これは持ち運び可能なケースにコンピュータクラスタと無線 LAN アクセスポイントとネットワーク機器などのハードウェアを組み込み,これに,ルータ,ファイル共有システム,実時間画面共有システム,双方向実時間スライド共有システムなどのソフトウェアを導入したものである.本システムを研究会や勉強会や我々のゼミで半年以上運用し,改良を続けている.
著者
間部 豊 小田 光宏
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.88-102, 2011-09-30

本研究の目的はレファレンスサービスにおいてI「実際の調査によく使用されるレファレンスブック」とII「回答を可能としたレファレンスブック」,及びIII「レファレンス事例の主題別頻出レファレンスブック」を明らかにすることである。レファレンスサービスの事例を蓄積したものとして,国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」がある。そこで本研究では「レファレンス協同データベース」のレファレンス事例を対象とし,その調査過程及び回答に用いられたレファレンスブックの抽出・分析を行った。分析の結果,I・IIについて出現頻度上位100位以上のリストを得るとともに,IIIについて出現頻度上位20位以上のリストを得ることができた。その多くは一般的に基礎的なレファレンスブックと考えられたものであり,今回の研究の結果それが事実であることを確認できた。
著者
小田 眞幸
雑誌
論叢 玉川大学文学部紀要 (ISSN:02868903)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.53, pp.89-100, 2013-03-31

本稿では学習者の外国語学習観の形成において,社会における外国語学習についての共通知識がどのような要因が影響を与えるのかという点について論じる。まず基本概念である「パブリックディスコース」「外国語学習観」の定義を確認した後,ニューマン他(1992)の「共通知識」(Common Knowledge)の概念を日本にける英語教育のディスコースに当てはめながら論じた後,筆者が大学生を対象に行ったパイロットスターディーの中のアンケート調査の結果をもとに被験者の「共通知識」の概要を示しながら学習者の外国語学習観形成との関係を論じ,外国語学習を成功させるために必要で十分な情報へのアクセスの重要性について言及する。
著者
高橋 義行 和田 豊 小田中 芳次 古野 秀和
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.140-143, 2000-05-20
参考文献数
6
被引用文献数
2

さきに報告した1995年の人工降雨によるランオフ試験を実施した同じ傾斜圃場(6&acd;6.5°)において, 1996年7月の梅雨の合間に栽培キャベツ(7a)にTPN, ダイアジノン, ジメトエートの3剤混用1000倍液を167l/10a散布して, 翌日の降雨で0.6lの表流水を採取した.また, 9月には栽培ダイコン(8.4a)に同じ3剤混用液を101l/10a散布して, 2日後の台風通過よる降雨で290l (10 : 00&acd;12 : 30), 530l (12 : 30&acd;13 : 00)及び600l (13 : 00&acd;15 : 00)の計1420lの表流水を採取した.表流水の平均流出水量/m^2/hrは, 0.01l/m^2/hr(7月)及び0.12l/m^2/hr(9月)と少なかったが, 台風通過時の最大値(1.26l/m^2/hr)は既報の人工降雨試験による表流水量/m^2/hrに匹敵した.一方, 表流水中の薬剤濃度は0.001ppmから最大でも0.018ppmであり, 前年の人工降雨での場合の1/30から1/300の値であった.7月及び9月の薬剤散布後の表層土壌中(深さ5cm)の各薬剤はランオフの後では, TPNでは17%と84%が, ダイアジノンでは19%と78%が, ジメトエートでは90%と92%が, それぞれ表層より消失したと推定された.これらの結果は土壌の種類や状態, 天候及び地理的な相違によって異なると考えられるが, 少なくとも本圃場では自然降雨によるランオフは台風通過時などの強い降雨でないと発生が困難であり, また発生した表流水中の薬剤濃度は人工降雨試験の結果と比べて極めて低濃度であった.