著者
簡 梅芳 小畑 和貴 黄 毅 宮内 啓介 遠藤 銀朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.III_9-III_15, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
15

モエジマシダ(Pteris vittata)等のヒ素高蓄積植物はヒ素土壌汚染の浄化に適用可能と考えられている.本研究では, モエジマシダを用いたヒ素のファイトエクストラクション法による浄化技術に着目し, それによるヒ素吸収における微生物の関与の度合いを明らかにすることを目的として行った. 微生物植種の添加に伴うシダの栽培実験と土壌ヒ素の酸化試験を行い, ヒ素の土壌からシダへの移行特徴および形態変化を解析した. その結果, 土壌中の亜ヒ酸はヒ酸に酸化されたのち, その多くはシダにより吸収されることと, このヒ素酸化は微生物による作用であることが強く示された. さらに, シダ根圏試料に対して亜ヒ酸酸化酵素遺伝子aroAをターゲットとしたT-RFLP解析より, シダによるヒ素吸収に先立つヒ素形態の変化には, 土壌中のaroAを有する微生物が関与していると示唆された.
著者
小畑 俊太郎
出版者
東京都立大学法学部
雑誌
東京都立大学法学会雑誌 (ISSN:03868745)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.151-210, 2005-01-14
著者
余 錦 佐藤 純 舟久保 恵美 小畑 光央 水村 和枝
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.S245, 2004

To examine the effects of change in meteorological factors on autonomic parameters in conscious animals, male Sprague-Dawley rats (n = 11) were exposed to lowering barometric pressure (LP) in a climate-controlled room. Systemic blood pressure (BP) was telemetrically recorded using a radio-transmitter equipped with a BP transducer. Heart rate (HR) was calculated from BP data and pulse interval variability was analyzed by power spectrograms obtained by the fast-Fourier transform algorithm. The low-frequency (LF: 0.02-0.6 Hz) power, high-frequency (HF: 0.8-3.0 Hz) power and LF/HF ratio, an index of relative sympathetic activity, were calculated. The rats were exposed to LP by decreasing the barometric pressure of the room by 27 hPa lower than the atmospheric pressure. This was done over 8 min. The pressure was maintained at this level for 29 min, and then returned to the baseline pressure over 8 min. The BP markedly increased after reaching the pre-set low pressure and reached the peak value at the middle of LP-exposure period. The HR and LF/HF ratio clearly rose in the early part of the LP-exposure period and then gradually decreased to the level before exposure. The LF/HF ratio also transiently increased at the recompression period. These results show that lowering barometric pressure within the range of natural environmental fluctuation induces autonomic responses in conscious rats. The increase in the LF/HF ratio during LP exposure indicates that low pressure environment induces sympathetic > parasympathetic activation. <b>[Jpn J Physiol 54 Suppl:S245 (2004)]</b>
著者
清水 兵衛 宮脇 孝久 村上 司 小畑 敬祐 山崎 聡
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.310-316, 2011-11-10 (Released:2014-04-22)
参考文献数
8

芳香脂肪族の構造を有するキシリレンジイソシアネート(XDI)の特性及びその誘導体であるXDI-トリメチロールプロパン(TMP)アダクト体の塗料用硬化剤としての性質を調査した。XDI は,イソシアネート基と芳香環がメチレン基を介して結合した芳香脂肪族のポリイソシアネートであり,芳香族および脂肪・脂環族ポリイソシアネートとは異なった性質を示した。この特徴ある構造に基づく性質を活かして,塗料,接着剤等への用途展開が期待できる。
著者
江口 圭 宮尾 眞輝 山田 祐史 金野 好恵 金子 岩和 峰島 三千男 田岡 正宏 佐藤 隆 萩原 雄一 道脇 宏行 英 理香 細谷 陽子 田尾 知浩 土田 健司 水口 潤 谷川 智彦 宮本 照彦 森石 みさき 川西 秀樹 中川 章郎 岩隈 加奈子 吉田 友和 今井 陽子 小畑 日出登 松嶋 哲哉
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.695-703, 2009-09-28 (Released:2009-11-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1 1

全自動透析装置(GC-110N,JMS社製)の補液モードを利用した,逆濾過透析液による間歇補液血液透析(intermittent infusion HD, I-HD)を考案し,その臨床効果を多施設共同研究にて評価したので報告する.対象は維持透析患者20例で,通常の血液透析(normal HD, N-HD)とI-HDを同曜日に一回ずつ施行し,クロスオーバー試験にて評価した.検討項目は除去率,クリアスペース,クリアランスとし,尿素,クレアチニン,尿酸,無機リン,β2-microglobulin(β2-MG),α1-microglobulin(α1-MG),アルブミンの7種の溶質について検討した.また,透析中の循環血液量をヘマトクリットモニタにて,患者末梢血流量をレーザー血流計にて連続モニタリングし,間歇補液の有無との関係を調べた.結果として,すべての患者について間歇補液に同期した循環血液量および組織血流量の増加が観察された.治療時間平均の循環血液量減少率は,除水量がほぼ同等であるにもかかわらず,I-HDの方がN-HDにくらべ有意に低値であった.また,除去率に差違は認められなかったが,クリアスペースの平均値は全ての溶質でI-HDがN-HDにくらべ高値を示し,無機リン,α1-MGでは有意に高値であった.この結果は末梢循環が良好に保たれることにより,物質移動の推進力となる毛細血管の有効表面積やプラスマリフィリングが保持されたことにより,組織間液中に分布する溶質を効率よく移動・除去させたことによるものと考えられた.一方,α1-MGのクリアランスは,1hr値にくらべ4hr値でN-HD:73%低下したのに対し,I-HD:30%の低下にとどまった.これは間歇的な逆濾過補液により,膜への蛋白のファウリングが軽減されたため,溶質透過性が保持されたものと推察した.全自動透析装置の補液モードを利用した間歇補液血液透析は,安全かつ確実に施行可能であり,透析中の末梢循環動態の是正,患者からの溶質除去特性の改善に有用な治療であることが明らかとなった.
著者
松田 秀雄 田村 直之 小畑 正貴 金田 悠紀夫 前川 禎男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.296-303, 1985-03-15

試作マルチマイクロプロセッサシステム上への並列Prolog 処理系"k-Prolog"の実装とその評価について述べる.まずマルチプロセッサ上でProlog 処理系を実現するための並列実行モデルを与えそのモデルをもとにパイプライニング並列とOR 並列という二つの並列処理方式の記述を行う.パイプライニング並列とは後戻り処理のときに必要となる別解を他のプロセッサがあらかじめ求めておくもので解の求められる順番が逐次実行の場合と同じになるという特徴をもっている.OR並列とはゴール節中の述語からの入力節の呼出しを並列に行うものでデータベース検索等の問題に有効な方式だと考えられる.処理系の実装は筆者の所属する研究室で試作されたブロードキャストメモリ結合形並列計算機上に行った.これは16ビットマイクロプロセッサ8086をCPU にしており 共通バスにより結合されている.いくつかの例題プログラムを両並列処理方式で実行した結果 バイプライニング並列ではプロセッサ台数が小さいときに良好なデータが得られており実行プロセス数の急激な増大もなく安定している.OR 並列では全プロセッサ台数を通じて台数に比例した値に近い実行速度の向上が見られるが 実行プロセス数が急激に増大する場合があり大容量のメモリが必要となるという結論が得られている.
著者
中家 浩 高見 秀輝 小畑 千賀志 押野 明夫 芳賀 圭悟 千葉 充子
出版者
宮城県水産研究開発センター
雑誌
宮城県水産研究報告 (ISSN:13464329)
巻号頁・発行日
no.11, pp.5-13, 2011-03
被引用文献数
1

宮城県気仙沼市地先に位置する2漁場(海底勾配が小さく弓状に湾入した場所:漁場A、海底勾配が大きく岬状に突出した場所:漁場B)を調査海域に設定し,両海域に生息するエゾアワビの成熟過程,浮遊幼生出現動態,初期稚貝の着底密度およびその後の生残について比較を行い,親貝集団造成の効果が発揮される漁場環境の検討を行った。1)エゾアワビの生殖腺指数は台風の後近通過後に大きく減少した。台風の接近のない年は,水温変化,小さな波浪による波高,流速が産卵の引き金になることが推定された。2)浮遊幼生の高密度出現後の3日連続水平分布調査から,漁場Aでは少量多回産卵・地先滞留型,漁場Bでは大量一回産卵・広域分散型である可能性が得られた。3)着底直後の着底密度と,それから約3カ月後の分布密度には有意な正の相関関係が見られたが,着底直後の着底密度が1,000個体/m2以上など非常に高い場合には密度効果が生じることが考えられた。4)殻長が8mm以上に成長した稚貝では,着底直後の初期稚貝と比較して生残が安定し,漁場A,B間では同等に生残・成長することが考えられた。
著者
小畑 弘己 小林 啓 中沢 道彦 櫛原 功一 佐々木 由香
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

各研究目的ごとに以下のような実施状況と成果があった。1.圧痕調査・軟X線・X線CTによる調査:北海道館崎遺跡・鹿児島県一湊松山遺跡・千葉県加曽利貝塚・宮崎県椨粉山遺跡をはじめとする縄文時代を中心とした10遺跡で圧痕調査を実施し、一部は軟X線・X線CTによる調査を実施した。栽培植物の地域的な偏りと種実混入土器の発見などが成果として挙げられる。とくに北海道館崎遺跡では、縄文時代前期末のヒエ入り土器と同後期のコクゾウムシ入り土器を検出でき、これらを報告書に掲載した。潜在圧痕を含む混入個数およびその意義については、論文(英文)投稿・作成中である。2.土器作りの民族調査による土器作り環境と種実・昆虫混入のメカニズムの研究:タイ北部の土器作りの村を訪ね、土器作り環境の調査と試料採集を行った。土器作りの場において穀物の調理屑や家屋害虫が混入する可能性を実物資料によって検証することができた。現在論文作成中。3.X線CTによる種実・昆虫圧痕の検出技術の開発:埼玉県上野尻遺跡におけるオオムギ圧痕候補について軟X線およびX線CTにより撮影・観察を行い、オオムギでないことを検証した。伊川津貝塚のアワ入り土器を軟X線・X線CTで撮影し、その個数を検証した。4.食以外の種実利用・家屋害虫拡散プロセスに関する研究:2本の論文(邦文・英文)を作成し、公開した。5.土器編年(縄文時代晩期)の整備:大陸系穀物圧痕を有する九州地方の晩期土器の調査を行い、編年的な位置づけを行った。これら成果に関しては、その一部を12月に明治大学で開催した研究公開シンポジウムを通じて広く一般の方へも公表した。その他、一般図書や雑誌において、圧痕法研究に関する最新成果を公表した。
著者
佐野 仁美 小畑 郁男
出版者
京都橘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、学生が主体的に旋律を表現できる力を養うための教授法を開発することである。楽譜と音楽表現との間には客観的な法則性があることの例証を通して、楽譜には書かれていない音楽表現を楽譜から読み取る方法を一般理論化した。また、音楽表現を楽譜上に視覚化していく方法を提案するとともに、理論をもとに、教員養成課程でよく用いられる楽曲を多く取り上げて、音楽表現の方法を例示した。最終年度には、まとめとして、一般の音楽愛好家を対象とした『究極の読譜術――こころに響く演奏のために――』を出版した。
著者
渡部 雅男 小畑 喜一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2013年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.81-84, 2013 (Released:2013-09-19)

大学生が世間で起きていることを知りたいという興味の度合いと、ニュースを知るための行動について、アンケート結果から分析した。アンケートは、熊本・神奈川・東京の大学に通う170人から回収した。分析から、世間で起こっていることに興味を持っている学生ほど、確かに万遍なくニュース情報を取得していることが分かった。但し、そこには性別や勤労学生かそうでないかなどによって差が見られた。ニュース情報の総覧性の観点から見ると、今までの研究から、インターネットをよく見る学生は知っているニュースに総覧性が見られた。ところが、学生は情報メディアに対して、新聞やテレビに総覧性を期待し、インターネットにはそれを求めていないことが分かった。
著者
高野 敦 松林 三和子 松田 淑男 高野 千尋 小畑 貴稔 森川 洋
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.79, no.801, pp.682-690, 2013 (Released:2013-05-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

A high strength bolt fastening system for satellite structures has been developed. This fastening system enables high frictional strength by adopting titanium bolts with high strength and low torque-coefficient, as well as shims with high friction coefficient. Low torque-coefficient of the titanium bolts is achieved by PTFE (Polytetrafluoroethylene) solid-film lubricant, which is coated on the bolts. High friction coefficient of the shim is achieved by surface roughening by etching. To verify the design of the fastening system, long-term preload test, torque-coefficient test and vibration loosening test (Junker's test) were conducted and successfully completed. In addition, the fastening system was applied to a development model of satellite structure and was verified by mechanical environmental tests (static load test, system vibration test and thermal vacuum test). The observation showed no evidence of slip or alignment deviation. Thus, a conventional reamer-bolted-fastening system can be replaced with the developed high strength bolt fastening system that saves manufacturing period of satellites and furthermore enables the satellites to be competitive in terms of cost, delivery and performance.
著者
高野 敦 松林 三和子 松田 淑男 小畑 貴稔 森川 洋
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集A編 (ISSN:18848338)
巻号頁・発行日
vol.79, no.804, pp.1201-1209, 2013 (Released:2013-08-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

Long-term measurement and prediction for Ti-6Al-4V and A286 bolts was conducted. It was pointed out that Ti-6Al-4V indicates significant creep behavior and accumulated large creep strain and thus Ti-6Al-4V can not be applied for preloaded bolts. In addition, preload relaxation due to creep of solid-film lubricants for bolts and fastened aluminum parts were also pointed out. Recently, the authors developed a high strength bolted fastening system for satellite structures with PTFE (polytetrafluoroethylene) solid film lubricated Ti-6Al-4V bolts and aluminum threadedand drilled-hole parts. The authors, hence, measured the preload of the fastening system for 253-days, predicted 30-years later preload, and confirmed that the preload reduction was not harmful.
著者
石田 明 小畑 秀文
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.911-917, 1991-12-01
被引用文献数
8

音声認識装置を例にとって考えると、音声信号処理の分野で雑音処理は重要な研究課題である。特に背景雑音は、音声入力と間違えて応答する原因になるなど、認識率の著しい低下を招く。この問題は、実環境に存在する様々な非定常な雑音、とりわけ、ドアの開閉音のような継続時間の短いものに起因することが多く、この種の雑音対策は単純ではなく、より高度な雑音処理技術が必要とされる。本論文は、雑音環境の中の継続時間の短い非定常雑音と人間の音声とを区別する手法について述べたものである。本手法は、雑音と音声とを区別する重要な手掛かりとして、母音らしい部分を含むか否かの情報を用いることとし、そのための特徴量として周期性/ピッチ周波数/最適線形予測次数/5母音との距離/第1ホルマントのQという五つの特徴量を選定した。本論文では、この特徴量について詳細に検討を行い、特徴量の分布とそれらの変化パターンとを用いることで、音声と非音声の区別を高精度に行うことができることを示す。また、この手法をS/N比の低下した信号に対して検討を行い、耐雑音性の点でも優れた特徴量であることを示す。