著者
斎藤 嘉人 宮川 璃空 村井 匠 小畑 悠 板倉 健太 佐藤 翼
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.215-222, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
24

大豆の種子選別は時間と労力を要す作業であり,一農家が利用できる安価で簡便な選別機が求められている.本研究では,カラー画像および紫外励起蛍光画像の2種類の画像の入力による大豆の欠陥判別を目的とした.大豆種子のカラー画像と励起波長365 nmの蛍光画像をそれぞれ撮影し,目視にて正常粒・しわ粒・裂皮粒・病虫害粒の4カテゴリにラベル付けを行った.カラー画像,蛍光画像,カラー・蛍光画像同時入力の3パターンの入力によりResNet-50でモデルを構築した結果,テスト精度はそれぞれ91.7%,88.2%,88.3%であった.また,カラー・蛍光画像同時入力モデルでは正常粒の適合率が最も高く,判断根拠を可視化した結果,病斑のない健全箇所が重視されていた.以上より,従来のカラー画像に蛍光画像を組み合わせた判別手法が有効である可能性が示唆された.
著者
星出 隆志 小畑 正明 吉村 康隆
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.Supplement, pp.S55-S69, 2006 (Released:2007-06-06)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

室戸岬ハンレイ岩体の岩相変化と層状構造.及び壁岩の接触変成部の溶融構造の観察.特に,岩石の産状,鉱物モード組成,全岩化学組成,結晶サイズ,結晶数密度の観点に基づき,急冷周縁相,結晶集積部,結晶成長部,粗粒ハンレイ岩,斜長岩質岩脈といった本岩体の各岩相相互を関連付け,層状構造の発達とマグマの分化プロセスを検証する.
著者
小畑,勇吉
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.21, no.250, 1909-08-15
著者
鍵 直樹 柳 宇 池田 耕一 西村 直也 吉野 博 小畑 美知夫 齋藤 秀樹 齋藤 敬子 鎌倉 良太
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.137, pp.39-46, 2008-08-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
15
被引用文献数
4

本研究では医療施設における室内空気環境の維持管理のあり方について検討することを目的とし,本報では16病院において冬期と夏期の不特定多数の人が使用する外来待合室,特定建築物と同様の形態の事務室および病室について,建築物衛生法による空気環境法定測定に準じた空気質の基礎的な実態調査を行った。結果としては,冬期における各部屋の低湿度であり,外来待合および事務室など在室者の多い場所では二酸化炭素濃度が建築物衛生法の環境衛生基準を超過していた。低湿度については加湿器の停止,加湿能力の不足,室内温度が設計温度より高く設定されていることなどが考えられ,また二酸化炭素濃度の超過については,換気能力に対して在室者数が多いためであった。適切に運用するためには,空気環境について定期的に監視することが有効であると考えられる。
著者
阿部 智 木村 真知子 若吉 浩二 石川 元美 小畑 治 高橋 豪仁
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.169-179, 2008-10-31

The purpose of this study was to investigate the change in physical fitness of elementary school children who participated in the long term sports classes using Ballschule program that has received high evaluation in Germany, and to compare the physical fitness and exercise habits of the children and that of those who had not participated in the classes. In addition, the aim of this study was to examine the effects of Ballschule program on the growth of child, and to obtain basic data to make a physical fitness program for elementary school children. First, a total of 47 children, the 2nd and 3rd grade, practiced in sports classes of Ballschule, participated in a sports class held over the long term. There was the improvement with physical fitness and balance in the total score of the physical fitness test. Next, In the comparison of a total 34 children of the 2nd, 10 children who had participated in sports classes of Ballschule and 24 of children who had not, it is confirmed that the total coordination score of Post-test was higher than that of Pre-test in the former children. As a result, it is suggested that the improvement of the physical fitness was caused by the long-term Ballschule program. We could consider Ballschule program as an effective training program, and furthermore we need to examine the validity of Ballschule program as school education. This study elucidated the importance that we should take unspecialized physical fitness program such as Ballschule for developing children. However, it is necessary that we demonstrate the effects of the Ballschule program by using other factors of physical fitness besides ability of coordination that have been central in test heads. And then, a program of Ballschule suitable for Japanese original social context must be suggested and practiced so that Ballschule will be familiarized, applied and practiced in various occasions.
著者
次山 淳 松村 恵司 松村 恵司 次山 淳 池田 善文 梅崎 恵司 江草 宣友 小畑 弘己 神崎 勝 北野 隆亮 木村 理恵 小泉 武寛 小林 義孝 栄原 永遠男 芝田 悟 関口 かをり 高橋 照彦 田中 大介 永井 久美男 濱崎 真二 降幡 順子 古田 修久 松崎 俊郎 松村 恵司 宮崎 貴夫 森岡 秀人
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

3カ年にわたる研究により、銅銭を基軸に据えた貨幣制度の導入が、中国式都城の建設と一体的に企画され、富本銭が発行された歴史的経緯が明らかになった。和同開珎の発行時には、銭貨の規格性を維持しつつ発行量の増大を図るために、鋳銭体制の整備と鋳銭技術の改良が図られていること、地金貨幣である無文銀銭を駆逐するために和同銀銭が発行されるなど、7世紀末から8世紀初頭にかけての貨幣関係記事が、名目貨幣である国内通貨の定着に向けた一連の貨幣政策として整合的に理解できるようになった。
著者
小畑 拓也
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2000

今年度の研究課題である「インターフェイスとしての身体」,すなわち生命体の環境への適応の結果として獲得される固有の身体的特徴に焦点を当て,人の多様な可能性が,いかに奪われ,いかに拡大されてきたかを異星人,サイボーグ等の形態の描写を中心に追う試みについては,Osaka Literary Review第41号掲載の論文Alien Protocolにまとめた.この論文ではR.A. Heinleinの他者間交流を描いた作品中の,意思疎通を支える知性の獲得に必須とされるハードウェアとしての身体の条件と,交渉を可能とするためのソフトウェアとしての共通言語,すなわちプロトコルの分析を通じて,意思疎通と交渉が不可避的に抱え込む力学的関係それ自体が,常に逆説的なものとしていずれかの優位を保証し得なくなる過程について論じた.さらに2000年度から今年度に渡る研究を総合するものとして,人工知能との対比によって前景化する「知性」,そしてロボット,アンドロイド,異星人,サイボーグなどが浮き彫りにする「顔」と「身体」の問題が交錯するところに,いかなる人間像が生み出され,SFの中に描かれてきたのかを検証した結果の一部は,2002年度大阪大学英文学会大会において「陽電子洗脳-CampbellからAsimovへのロボット工学三原則バグフィックスとアップデート」の題目で口頭発表を行った.これは,SFのみならず,広く人口に膾炙した「ロボット三原則」(ロボット隷属の正当性の主張)が,後にその制定者の一人であるIsaac Asimov自身によって「四原則」へと書き換えられることにより,「他者」を隷属させる「掟」から「他者」同士の共存の可能性を拓く「自律」へと変容した事実について,人造人間という「他者」をいかに制御するかというテーマを含んだ他の作品と通時的に比較しつつ,その意味づけを試みたものである.
著者
小畑 拓未
出版者
北九州市立大学
巻号頁・発行日
2022-03-23

全国的に問題となっている木造戸建住宅の夏季床下高湿化について、実測調査、数値シミュレーション、CFD解析の手法を用いて検討を実施した。床断熱住宅に関しては、高湿化の要因分析と最適な対策の検討を行った。基礎断熱住宅に関しては、複数の住宅における6年間に亘る実測結果から、床下空間の形態ごとの温湿度性状を明らかにし、竣工初期のコンクリートからの発湿が終了した住宅においても高湿化の危険性があることを示した。
著者
瀬之口 潤輔 小畑 崇弘 酒本 隆太 倉橋 節也
出版者
日本ファイナンス学会 MPTフォーラム
雑誌
現代ファイナンス (ISSN:24334464)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.71-89, 2020-07-15 (Released:2020-07-15)
参考文献数
27

計量モデルを用いた株価予測は多くの研究者や実務家によって行われているが,計量モデルによる株価予測が可能かについては依然として結論は出ていない.予測変数が持つ長期的な情報と短期的な情報がそれぞれ株価に反映される可能性があること,株価と多くの予測変数の関係は単純な線形ではないことなどにより,株式市場の構造をモデル化することが困難であることが理由として挙げられる.本研究では,このような株式市場の複雑な構造を捉えるために,多重解像度解析により複数の要因で異なる周波数特性の変化を抽出したものを説明変数とし,非線形非連続な関係を表現できるxgboostをモデル作成手法として株価予想モデルを作成し,比較的高い予想精度が示されることを確認した.また株価予想モデルが株式市場の局面変化に合わせて変化している様子を示すことにより,大局的な株式市場の構造変化を認識することも可能にした.
著者
小畑 弘己 宮浦 舞衣
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.3-14, 2021 (Released:2023-02-01)

本野原遺跡は,宮崎市の中心部から 50 km 西に位置する,約 4300 ~ 3500 年前の九州地方の縄文時代で最も大きな集落の一つである。我々は,36 回にわたるこの遺跡での 179,135 点の土器の「圧痕法」による調査によって,マメ類を含む 500 点以上の種実や家屋害虫の圧痕を発見した。この調査以前には植物性食料資源と推定されるものは本遺跡ではコナラ属の堅果類のみであった。X 線機器を用いた追加調査の結果,九州地方で最も多数のダイズやアズキなどのマメ類圧痕を得るとともに,九州初の多量マメ類混入土器を検出することができた。これらの発見は九州地方における最も初期のマメ類栽培と栽培植物の豊作に対する精神と儀礼的行為の出現の可能性を示す。さらに,土器胎土中の高密度のマメ類種子はそれらの粘土中への意図的混入を強く示唆している。
著者
小畑 美穂 Miho Obata
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2022-03-20

近年の医療ソーシャルワークのマネジメント重視=内向き姿勢への疑問を呈し、(1)業務のマネジメント化への背景を探り、(2)歴史的資料の検討や医療従事者への質的調査を通し,それを克服する方途を探った。知見として,共感的対話,対象認識の重要性を得,①【業務を超えたつながり】が組織化への一歩,②【ソーシャルワーク経験・体験、覚悟】ができる環境と仕掛けづくり、③患者と【外来での継続的関わり】の三方法を示した.
著者
小畑 千晴
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.15-21, 2017-03-09 (Released:2018-04-26)
参考文献数
15

本研究の目的は,親密関係における暴力(IPV)について,原子価論の立場から検討し,その分類を行うことである。 これまでのIPV研究では,加害者による身体的,精神的,経済的暴力など,行為そのものに焦点があてられてきたが,本稿では,IPVの役割を2種,Active Actor (AA) とPassive Actor (PA) に区別し,AAにおける暴力の意味について検討した。その結果,マイナス闘争は「征服と支配」,マイナスつがいは「知りたい願望の追求」,マイナス依存は「飽くなき依存の要求と孤独回避」,マイナス逃避は「自己への侵入に対する防御」の意味を持つことを提示した。原子価論の立場から,AAの治療を考えると,暴力行為そのものを抑制することが目的ではなく,1種の原子価による執拗な対象との繋がりから,他3種の原子価も使用できる柔軟性のある繋がりへと変化させることが鍵となる。
著者
小畑 一義
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.139, 2006-06-15 (Released:2016-11-30)
著者
小畑 拓未 福田 展淳 尾崎 明仁 李 明香
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.87, no.792, pp.74-83, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
20

Actual measurement and numerical simulation were conducted in crawl space of detached houses, and the following points were clarified. 1. A house with high insulation performance of the floor insulation will have a lower temperature in the crawl space and higher humidity than a house with low. 2. Low temperature and high humidity becomes more noticeable in a house where it is difficult for outside air to flow into center of crawl space. 3. Outside air humidity has the largest effect on humidity of crawl space, followed by ventilation volume>thickness of floor insulation>cooling set temperature of room on 1st floor.
著者
宮本 一夫 宇田津 徹朗 田中 克典 三阪 一徳 小畑 弘己 上條 信彦 米田 稔 欒 豊実 靳 桂雲
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者が提起する東北アジア初期農耕化4段階説の内、第2段階の山東半島から遼東半島へのイネの伝播仮説を、土器圧痕調査で実証した。同段階の偏堡文化の朝鮮半島無文土器文化の成立への影響を、山東半島・遼東半島の土器製作技術の調査によって明らかにした。また、この段階の山東半島の水田の存在について楊家圏遺跡のボーリング調査によって示した。さらに第4段階の北部九州の弥生文化の成立年代を炭化米の年代によって明らかにした。
著者
小畑 仁司
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1041-1055, 2021-09-10

Point・外傷性頭頚部血管損傷は稀であるが,重篤な症状を呈することが多く,良好な転帰を得るためには迅速な診断・治療が必要である.・スクリーニングにはCTAが有用であるが,脳血管内治療に移行できるDSAが診断のgold standardである.・外傷性頭頚部血管損傷の治療では,基本的な脳血管外科手術と脳血管内治療に習熟し,多様な病変に柔軟に対応する必要がある.
著者
小畑 承経 熊谷 あやね 矢吹 佳子 東郷 俊太 姜 銀来 横井 浩史
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.744-750, 2021 (Released:2021-10-23)
参考文献数
21

This study demonstrates that a bio-inspired fingertip structure improves the grasping performance of a prosthetic hand. A prosthetic hand attached to a human user requires a higher degree of grasping stability with minimal components compared to a typical robotic hand. Precision grasping tends to be less stable than power grasping; however, the former is used more frequently in daily life. To improve the stability of precision grasping, in this study, we focused on a two-layered elastic structure consisting of epidermis and subcutaneous tissue found in the finger. The efficiency of the two-layered structure, with respect to grasping stability, was evaluated by comparing one-layered and two-layered artificial fingertips. Finally, a two-layered elastic glove was designed based on the stability of the grasping. The stability of the precision grasping was evaluated using the pendulum experiment. The developed glove showed higher stability than the conventional prosthetic hand system.
著者
江島 晶子 戸波 江二 建石 真公子 北村 泰三 小畑 郁 本 秀紀 薬師寺 公夫 阿部 浩己 村上 正直 齊藤 正彰 鈴木 秀美 大藤 紀子 戸田 五郎 門田 孝 申 惠ボン 山元 一 中井 伊都子 馬場 里美 西方 聡哉 須網 隆夫 愛敬 浩二 徳川 信治 前田 直子 河合 正雄 菅原 真 辻村 みよ子 根岸 陽太 村上 玲
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、グローバル化する世界における法のありようとして、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」という現象における両者の接合面に注目し、人権実施における問題点を明らかにしながら、より実効的な人権保障システムに関する理論構築を目指した。その結果、「憲法の国際化」と「国際法の憲法化」の接合面において比較憲法と国際人権法の積極的接合関係を観察することができ、人権保障の実効性を高める新たな人権保障システムを構築することは可能であり、そこでのキー概念は多元性、循環性、非階層性であることが析出できた。