著者
平島 崇男 北村 雅夫 下林 典正 中村 大輔 大沢 信二 三宅 亮 小畑 正明 山本 順二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

地下深部流体活動の実態解明を目指し、顕微ラマン分光分析器を導入し、流体包有物の同定システムを構築した。この機器を用いて、日本や海外の地下深部岩石中の流体包有物の研究を展開した。その結果、三波川変成岩中の石英脈から地下25km付近で岩石中にトラップされた地下深部初生流体を初めて見出すことに成功した(Nishimura et al., 2008)。また、Pseudosection法とモード測定から、塩基性変成岩において、ローソン石の出現・消滅に伴う含水量変化(Matsumoto & Hirajima, 2007)や、硅質変成岩中の含水量を明らかにした(Ubukawa et al., 2007)。
著者
戸波 江二 薬師寺 公夫 北村 泰三 建石 真公子 江島 晶子 小畑 郁 鈴木 秀美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

2年間の共同研究では、(1)ヨーロッパ人権裁判所の判例研究、(2)ヨーロッパ人権裁判所の組織、権限に関する研究、(3)ヨーロッパ人権条約締約国の側から見たヨーロッパ人権条約の実施、とくにヨーロッパ人権裁判所判決の執行の研究、のそれぞれについて研究分担者が分担して研究するとともに、(4)ヨーロッパ評議会の組織と活動、およびそれがヨーロッパにおける人権保障の進展において果たしてきた役割についての研究、(5)その他の国際的・地域的人権保障制度に関する研究についても分担して研究を進めた。具体的には、平成16年度より引き続き、各研究分担者が上記各分野について割り当てられた自己の研究テーマについて各自研究を深めるとともに、全体の研究会を開催し(7月30日、31日・明治大学、10月22日・明治大学、1月28日・法政大学)、各自の担当判例および研究テーマについて報告を行い、全員で検討を行った。これらの結果、人権の国際的・地域的保障のあり方、人権保障の国際水準を確保するための裁判所による審査の意義、国際人権裁判所の人権規定の解釈・適用の実際、国際的視点からの各国内での人権保障の実施の促進の方法など、人権の国際的・地域的保障の理論と実践について、より明確な問題意識を共同研究者間に形成することができた。同時に、ヨーロッパ人権裁判所判例集の編集を進めた。掲載判例・解説執筆者を確定するとともに、原稿依頼を行った昨年度に引き続き、今年度は、編集会議を適宜開催し、査読の態勢を整え、現在、提出された原稿の査読の段階に至っている。
著者
新里 貴之 中村 直子 竹中 正巳 高宮 広土 篠田 謙一 米田 穣 黒住 耐二 樋泉 岳二 宮島 宏 田村 朋美 庄田 慎矢 加藤 久佳 藤木 利之 角南 聡一郎 槇林 啓介 竹森 友子 小畑 弘己 中村 友昭 山野 ケン陽次郎 新田 栄治 寒川 朋枝 大屋 匡史 三辻 利一 大西 智和 鐘ヶ江 賢二 上村 俊雄 堂込 秀人 新東 晃一 池畑 耕一 横手 浩二郎 西園 勝彦 中山 清美 町 健次郎 鼎 丈太郎 榊原 えりこ 四本 延弘 伊藤 勝徳 新里 亮人 内山 五織 元田 順子 具志堅 亮 相美 伊久雄 鎌田 浩平 上原 静 三澤 佑太 折田 智美 土肥 直美 池田 榮史 後藤 雅彦 宮城 光平 岸本 義彦 片桐 千亜紀 山本 正昭 徳嶺 理江 小橋川 剛 福原 りお 名嘉 政修 中村 愿 西銘 章 島袋 綾野 安座間 充 宮城 弘樹 黒沢 健明 登 真知子 宮城 幸也 藤田 祐樹 山崎 真治
出版者
鹿児島大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

徳之島トマチン遺跡の発掘調査をもとに、南西諸島の先史時代葬墓制の精査・解明を行なった。その結果、サンゴ石灰岩を棺材として用い、仰臥伸展葬で埋葬し、同一墓坑内に重層的に埋葬することや、装身具や葬具にサンゴ礁環境で得られる貝製品を多用することが特徴と結論づけた。ただし、これは島という閉ざされた環境ではなく、遠隔地交易を通した情報の流れに連動して、葬墓制情報がアレンジされつつ営まれていると理解される。
著者
小畑 秀文 小場 弘之 西谷 弘 長谷川 純一 山本 眞司 鳥脇 純一郎 松本 徹
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究では日本人に多い胃がんと肺がんに焦点をあわせ、既に整備済みのマンモグラムデータベースと併せて、主ながん検診用画像のデータベース化の整備を行うことを目的としている。本研究は2年度にわたるが、この間に整備されたデータベースについて以下にその概要を述べる。胃X線二重造影像:本データベースは診断の難易度や病変の種類などのバランスがとれるように選別されたFCR像76枚から成る。このうち65枚が異常陰影を含む。胸部CT像:本データベースでは、肺がん検診に利用されるスライス厚10mmのものと、精密な検査に用いられるより薄いスライス厚のもの2種類を含む。肺がん検診用は症例数70症例であり、25症例が肺癌症例である。精密検査用については、症例数7症例で、いずれも肺癌症例である。胸部単純X線像:本データベースは間接撮影像50症例、直接撮影像50症例から成る。工学サイドの利用者であっても、一般的には撮影法やその読影法の基礎もわからないのが普通である。そのため、アルゴリズムの組立てに助けとなるように、それらに関する解説を用意したり、専門医のスケッチ画や診断所見を各画像ごとに与えるように努めた。
著者
小畑 精和 佐藤 アヤ子 曽田 修司 藤井 慎太郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

シルク・ド・ソレイユを筆頭に,R.ルパージュの演劇,ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスなどのダンスなど近年隆盛を極めているケベックのパフォーミング・アーツを分析し,製作者(劇作家・演出家・俳優・パフォーマー)や受容者(観客・評論家)の観点からばかりでなく,政策や経営も含めた文化状況全体の中で,パフォーミング・アーツを考察した。また,連邦政府の提唱するマルチカルチャリズムと,ケベック州政府が推進するインターカルチャリズムの比較を行った。研究を通して,その発展の大きな要因として,ケベック州政府の文化政策があることを明らかにした。その成果の一端を昨秋の日本カナダ学会第33回年次研究大会(9月21日セッションIII,皇学館大学)で三人がそれぞれ発表した。
著者
小畑 正明 SPENGLER Dirk DIRK Spengler
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

中国のSulu地域は平成19年度に本人が中国研究者の協力の下にフィールド調査を行い,新たに得たサンプルについて,一連の分析作業を行った。北部Qaidam地域については,平成20年夏に当該地域に置いて中国側の軍事演習が始まったため,外国人が立ち入れなくなり,当初計画していたフィールドワークは実施できなくなった。かわりに中国側の共同研究者(中国科学員J-.J.Yang教授)から提供されたサンプルをSu-Lu地域ざくろ石かんらん岩コレクションに加えて、詳細な分析的研究をおこなった。その結果,Sulu地域で見いだされた輝石-ざくろ石の微細構造は,従来言われていたような大陸地殻沈み込みに伴う超高圧変成作用によるものではなく,より古い時代に高圧下で,リソスフェアーの冷却により形成されたものであることが明らかになった。これらの研究成果は学会発表し(平成20年5月地球惑星連合大会(千葉);同年8月IGC(万国地質会議),オスロ),投稿論文は現在執筆中である。またノルウェーの研究成果の一部を国際誌Earth&Planet.Sci.Letterに出版した。同時にノルウェーのサンプルを用いてざくろ石の分解組織の研究も筆者と共同で新たに行い,まとまったデータを得て,その成果は現在論文執筆中である。
著者
安藤 仁介 岩沢 雄司 金 東勲 西井 正弘 薬師寺 公夫 坂元 茂樹 村上 正直 小畑 郁 中井 伊都子 徳川 信治 北村 泰三 初川 満
出版者
(財)世界人権問題研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」の自由権規約委員会は、締約国の提出する政府報告を審査し、勧告を含む総括所見を採択して、そのフォローアップを求める慣行を確立した。本研究は、各締約国が、これらの勧告を受け入れているかいないか、また、各国に固有の文化的・社会的・宗教的構造が、それにどのように影響を与えるかを比較検討し、自由権規約の保障する人権を実現するためには、どのような課題が存在するかを分析した。
著者
牛田 享宏 大迫 洋治 末冨 勝敏 小畑 浩一 石田 健司 藤原 祥裕 神谷 光広 石田 健司 藤原 祥裕 神谷 光広 小畑 浩一
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

四肢の不動化(ギプスやシーネの装着あるいは過度のベッド上安静)はしばしば不動化した部位の廃用とそれに伴う痛みが生じる。しかし、この痛みのメカニズムについてはまだ明らかにされていないのが現状である。そこで我々は独自に開発したギプス固定法による前肢拘縮モデルを作製し、痛みの発症のメカニズムに関与する脊髄後角における神経ペプチドであるCGRP、転写因子であるC-fosおよびアストロサイトの活性マーカーであるGFAP、ミクログリアの活性マーカーであるCD11 bについて調査した。また、後根神経節においてCGRP陽性細胞の大きさとその分布について調査を行った。更にこのような拘縮に対する運動療法の有用性を検証する目的での訓練の効果について調べた。その結果、ギプス除去後にギプス固定側の脊髄後角においてCGRP陽性線維の増加、C-fosタンパク陽性細胞の増加、GFAPおよびCD11bの染色性の亢進が観察された。これらのことはギプス固定により、脊髄後角においてミクログリアやアストロサイトの活性化亢進し、それを引き金として炎症性神経ペプチドの増加などが引き起こされていることが示唆された。同時に調べた後根神経節細胞レベルのCGRP分布パターンの変化は、同部位においても長期のギプス固定により、後根神経節細胞に感作や可塑的変化が引き起こされていることを疑わせるものと考えられた。今回のモデル動物では、ギプスから解放を行っても治療を行った患肢を使う傾向が乏しい。そこで、水中訓練や反対側のギプス固定などを行ったところ反対側のギプスによって、生活障害が引き起こされると患側を使うようになり自ら動かすようになることが判った。今後はタイミングや運動強度などについても検証を行っていく必要があるものと考えられた。
著者
三沢 義一 小畑 文也
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1-9, 1987-09-14
被引用文献数
1

精神薄弱者の職場適応の実態と、それに影響を及ぼすと思われる個人的、環境的要因との関連を検討することを目的として、三沢ら(1983)による評定尺度を用い調査研究を実施した。分析対象となったのは現に企業に雇用されている198名の精神薄弱者の資料である。職場適応評定尺度の因子分析の結果、5つの因子(作業適応、勤務態度、人間関係、身辺処理、耐性)を抽出した。このうち作業適応の因子は説明率も極めて高く、精神薄弱者に対しても企業側は作業の能率や質の高さを求めていることがうかがわれた。さらに、個人的、環境的要因と各因子の推定因子得点の間で数量化1類による分析を行った。各因子と個人的、環境的要因の関連はさまざまであり、これらの結果を知的水準、パーソナリティ特性、勤務態度要因、人間関係要因、身辺処理の各視点から考察した。
著者
藤田 直晴 小畑 精和 伊藤 剛 虎岩 直子 市川 宏雄 広松 悟 輿水 肇
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

カナダの多文化政策に相応する複合的・多元的な観点から、カナダの5つの主要都市を中心に調査を行い、学術的にも都市地理学、都市社会学、都市政策、都市政治学、環境政策、文化と文学といったマルチ・ディシプリナリーな観点から、カナダの多文化政策に関する研究を行った。ヴァンクーヴァー、カルガリー、トロント、オタワ、モントリオールには、多くの移民が集中することから、社会的不平等や地域間格差を是正するための多文化政策は重要となる。このカナダの豊かな民族的多様性は、世界に広がる豊かなネットワーク資源となり、カナダの「強み」と「楽しみ」へと直結している。しかし、国際競争力が上昇するにためは、カナダの多文化社会が抱える「弱み」や「苦しみ」にも目を向ける必要があるため、長所・短所双方の観点から考察を加えた。本研究課題の成果に関しては、図書として2011年度中の出版に向けて準備中である。
著者
萬 伸介 森岡 正臣 田端 輝彦 森岡 正臣 田端 輝彦 西城 祐子 山尾 健一 小畑 達哉
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

林鶴一の算術・数学関係の教科書の蔵書のデータベース化の結果は冊子「資料『林文庫邦書目録原稿』(修正版)」としてまとめた。この冊子とそのリストにある蔵書(1065点)は宮城教育大学附属図書館で管理されることになった。公開に向けて作業中である。教材開発については、附属学校教諭と協力し複数の試案を作ることができている。授業実践も一回であるが実施することができた。
著者
赤瀬 謙太郎 小畑 博靖 石田 賢治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.624-632, 2009-03-25
被引用文献数
6

べストエフォートネットワークであるIPネットワークにおいて,高い通信品質を必要とする重要通信やリアルタイムアプリケーションに通常のTCPを用いると,必要な帯域が確保できないという問題が生じる.このようなアプリケーションに安定した通信品質を提供するためには,帯域の確保が有効である.現在,送信端末のTCPふくそう制御のみを用いて帯域確保を実現する技術が提案されている.しかしながら,従来方式では帯域確保のために積極的なウィンドウ制御を行うため,通信回線が重度のふくそうに至った場合,逆に帯域確保が困難になるという問題がある.そこで本論文では,背景フロー数が多い状況下や帯域確保TCPフローが複数本存在するといったネットワークのふくそう度が高い状況において,目標帯域を一時的に下げることでふくそうを回避し,その後ふくそうの度合が緩和された際に目標帯域の確保を目指すTCPふくそう制御方式を提案する.シミュレーション評価により,提案方式は従来方式に比べ,ネットワークのふくそう度が高い場合でもボトルネックリンクの帯域利用率を低下させることかく一定の帯域を確保できることが分かった.
著者
胡 学斌 小畑 秀文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.596, pp.37-44, 2002-01-18

コンボリューション変換を受けた音声の混合信号を独立成分分析で分離する方法のほとんどは、分離フィルタのパラメーターを周波数領域で算出する。しかし、信号の周波数成分の間でほとんどの周波数において部分的な相関性を持つことが多い。その相関性がある程度大きくなると、すべてのBSSのパフォーマンスが低下することが予想でき、その悪影響を無視することができない。本論文では、池田および村田[1]によって提案されたTDD方法をベースとした再帰的な新手法を提案する。本手法を用いた実験結果から、部分的な相関性を持つ信号であっても、原信号の復元が高精度でできることが示された。SN比も改善度は周波数ごとに異なるものの、全体的には向上することが確認された。
著者
杉森 大助 中村 正寿 坪内 直樹 坪内 武夫 小畑 徹 卯津羅 健作 宮崎 勝雄
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.559-562, 2002-12-25
被引用文献数
3

現在,実際の排水処理現場において高い効果を発揮する油脂分解能力の高い微生物製剤の開発が強く望まれている.そこで,油脂分解微生物製剤の開発を目指し,油脂分解微生物Acinetobacter sp.SOD-1を製剤化し,その油脂分解特性および保存安定性について調べるとともに排水処理試験を行った.本製剤は,20℃において3000ppmサラダ油を効率的に分解したのに対し,ラードに対する分解率は低かった.本製剤を用いた油脂含有排水のバッチ処理試験の結果,約90%以上の油脂分を分解することができた.さらに,お好み焼き店厨房排水処理のフィールド試験の結果,本製剤の有効性が確認された.