著者
井戸 健一 関 秀一 酒井 秀朗 山中 桓夫 木村 健 河合 忠
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.18, no.7, pp.464-467, 1977-07-26 (Released:2009-07-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

肝疾患における自己抗体の検索を性別差の観点から行なった.対象は肝硬変60名,慢性肝炎33名,急性肝炎27名,脂肪肝9名の計129名.自己抗体は抗核抗体(蛍光抗体間接法),抗DNA抗体(赤血球間接凝集反応),リウマチ因子(血球凝集反応)を検索した.抗核抗体(P<0.05),抗DNA抗体(P<0.005),リウマチ因子ともに女性の陽性率が男性より高かった. さらに抗核抗体陽性者は全員HBs抗原(RIA)陰性であった.このような結果は“性”というgeneticな要因が病因論的に大きな役割をはたしている可能性を示唆するものと考えられた.
著者
矢来 博司 小林 知勝 森下 遊 山田 晋也 三浦 優司 和田 弘人 仲井 博之 山中 雅之 攪上 泰亮 上芝 晴香
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-11, 2016
被引用文献数
2

噴火に伴う被害の軽減のためには,火山活動のモニタリングが重要である。近年,地殻変動の空間分布を詳細に把握できる利点から,SARを搭載する「だいち2号」の活用が期待されている。この「だいち2号」の干渉SARにより,箱根山や桜島などで火山活動の活発化に伴う地殻変動が捉えられた。箱根山では大涌谷で地殻変動が検出され,継続的な観測により変動の推移が捉えられた。桜島では,捉えられた地殻変動から昭和火口の直下へのマグマ貫入が推定された。これらの情報は火山噴火予知連絡会などに報告され,評価に活用されている。
著者
山中 寿朗 石橋 純一郎 山下 徹 土居 真輔 坂本 丈明 中島 美和子 瀬口 真理子
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.103-103, 2005

鹿児島湾北部の姶良カルデラに当たる海域には、近年火山噴火予知連によって活火山と認定された若尊海底火山がある。同海域は以前より盛んな噴気活動が知られており、これまでの潜航調査から熱水性石油や熱水性沈殿物がいくつか見出され報告されている。しかし、実際の熱水湧出に関しては、これまで明瞭な証拠が得られていなかった。本報告では、熱水のゆらぎが認められ、30cmのプローブを差し込んでの温度計測で137℃の温度が得られた地点で間隙水の分析を行い、熱水端成分を推定するに足る純度の高い熱水を得ることができたのでその地球化学的特徴について報告する。
著者
山中 宏 坂本 尚夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.951-961, 1985 (Released:2009-11-13)
参考文献数
118
被引用文献数
7 11

In the first half of the present paper, the methods with experimental simplicity for the preparation of various alkyl (aryl) pyrimidines are reviewed. In the second half, the reactions of alkylpyrimididines are described in view of synthetic chemistry. Some of these are utilizable for the construction of carbon functional groups on pyrimidine rings.
著者
岩崎 功 山中 寿城
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.10, pp.690-699, 2003-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
25

芋焼酎はその特徴的な風味が愛飲家に親しまれている。芋焼酎製造の麹原料にはおもに米麹が使われているが, 最近は品質の多様化の一環として麹も芋から造る純芋焼酎の開発が試みられてきている。筆者らは焙妙処理した芋を使って芋麹について検討し, 効率的な純芋焼酎の開発を行った。麹造りから実仕込みに至るまでの検討過程を紹介していただくとともに, 芋麹における焼酎白麹菌の興味深い酵素生産特性について詳細に記述していただいた。
著者
伊藤 豊 矢野 真吾 渡辺 和夫 山中 悦二 相見 則郎 坂井 進一郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1702-1706, 1990
被引用文献数
19

We investigated the selectivities and structure requirements for alpha-1 and alpha-2 adrenoceptor blocking activities of yohimbine (YO) and its 12 related analogs, such as &beta;-yohimbine (&beta;-YO), dihydrocorynantheine (DHC) and (-)indoloquinolizidine ((-)IQ). The affinity of YO analogs to alpha-adrenoceptor was assessed by measuring their blockade of pressor responses to epinephrine in pithed rats. Among YO structure groups, the potency order was YO>DHC=&beta;-YO>geissoschizine methylether>14&beta;-hydroxy YO>14&beta;-benzoyloxy YO (inactive). (-)IQ was slightly less potent than YO, but much stronger than (+)IQ. Among (&plusmn;)IQ structure groups, the potency order was (&plusmn;)IQ>(&plusmn;)1, 12b-trans-1-hydroxy IQ&raquo;(&plusmn;)1, 12b-cis-1-hydroxy IQ (imactive). (&plusmn;)Borrerine was active, but (&plusmn;)desmethylborrerine was inactive. The alpha-1 blocking activities of the four compounds YO, &beta;-YO, DHC and (-)IQ, were assessed in experiments of pressor responses to methoxamine in pithed rats and contractile responses to methoxamine in the rat vas deferens. The potency order was (-)IQ>YO>DHC>&beta;-YO. Furthermore, the alpha-2 blocking activities of the four analogs were assessed in experiments of pressor responses to clonidine and inhibition of electrically driven cardioacceleration by clonidine, in pithed rats. The potency order was YO>&beta;-YO>(-)IQ>DHC. Based on the potency ratio between alpha-1 and alpha-2 blocking activities, DHC or YO was most selective for alpha-1 or alpha-2 subtype, respectively, among the four YO analogs. These results suggest that the A, B, C and D rings of YO analogs and their planarity are necessary for the affinity to alpha-adrenoceptors and that the predominant conformation of the carboxymethyl or hydroxy group on the E ring of YO structure determines the selectivity for alpha-1 and alpha-2 blocking activities.
著者
川井 栄治 吉田 寿夫 宮元 博章 山中 一英
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.112-123, 2006-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
13
被引用文献数
6 3

ネガティブな事象に対する認知パタンが自己否定的なものに固定化し, それに伴って自己効力感やセルフ・エスティームが低下することを防ぐための授業を考案して, それを小学校高学年の児童に対して学級単位で実施し, その効果について多面的な検討を行った。実験計画はプリポスト・デザインとポストオンリー・デザインを併用した統制群法であり, 自己否定的な認知パタンを固定化させないようにすることの必要性について説明したうえで, 実際にそのための授業を行う実験群と, 前者の説明のみを行う統制群を設けた。得られたデータを分析した結果, 実験群の児童の方が統制群の児童よりも, 自己否定的な認知パタンを否定する方向の信念を抱くようになっているとともに, 自己効力感とセルフ・エスティームが高まっていることが示された。また, このような効果の持続性および日常への般化の存在も示された。
著者
山中 美由紀
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-40, 2008

韓国の出産率低下は、1960年代以降の近代化政策と経済発展とともに進行したが、まず既婚女性の出産抑制にはじまり、女性の社会進出の増加につれて晩婚化が影響するようになった。1997年の経済危機以後は、出産抑制と晩婚化が同時的に進んで、2005年には合計特殊出生率は1.08まで低下した。出生率低下の背景には、日本と同様に、結婚観など価値観の変化、女性の就業と子育て環境、教育コスト、不安定な雇用環境があるとされている。政府は、経済危機によってIMFの管理下におかれて以後、ネオリベラルな経済改革を進めると同時に、「生産的福祉」や「参与民主主義」をスローガンとして、社会的セイフティーネットおよび少子高齢化社会への福祉的取りくみを急いでいる。いわば、経済グローバル化のもとでの福祉国家の再編であり、国民の互恵的協力と経済的自立を前提にしてなり立つ韓国的福祉モデルである。しかし、職場や家庭においては女性にたいする差別的で不平等な構造がある。福祉サービスを家族機能や女性役割に依存する家族主義的な社会構造の根本的な改善がなされないかぎり、出生率の大幅な上昇を期待することは難しい。ここではまず、少子化現象の深化の背景を明らかにしたうえで、近年のネオリベラルな構造改革のもとでの福祉国家再編の方向性と少子化現象のゆくえについて検討する。
著者
長谷川 修一 山中 稔 野々村 敦子 伊藤 久敏 菅原 弘樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北日本の太平洋側にある松島は,松島湾とその内外にある大小260余りの島々からなる日本三景の一つである景勝地である.長谷川ほか(2008)は,松島周辺の地形,地質を検討した結果,巨大な地すべりによって形成された可能性が高いとの仮説(松島巨大地すべり説)を示した.本研究では松島巨大地すべり説を実証する目的で,東松島市宮戸島において2015年に深さ70mのオールコアボーリングを実施した。また、想定すべり面の上盤側,想定すべり面,想定すべり面の下盤側の3箇所から得たジルコンのU-Pb年代を試みたが,誤差の範囲で一致する15.2 Maを示し、地すべり説を積極的に支持する結果は得られなかった.
著者
山中 康行
出版者
京都女子大学図書館司書課程研究室
雑誌
京都女子大学図書館情報学研究紀要 (ISSN:21876991)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-71, 2016-02-29

この課題を取り上げた理由と目的 和本の装訂名称の用語には、粘葉装、綴葉装、列帖装、大和綴、結び綴等がある。しかし、同じ装訂1)の和本が人により、異なる装訂名称で呼ばれたり、異なる装訂の和本が同じ装訂名称で呼ばれるという、「同名異装、異名同装」の論争2)が、昭和初期から現在まで混乱が続いているので、これまでの混乱の状況と原因を解明し、混乱を解決するため、1900年から2006年までの間に、発行又は再版された単行本及び雑誌論文から、粘葉装、綴葉装、列帖装、大和綴、結び綴の説明の部分を抽出した。そして、和本の標準的な装訂方法を、外形の図版と装訂方法ともに示すことにより各人の説明に対応する装訂形態の図を時系列的にまとめ、一覧表に整理し、混乱の原因と問題点を集約し、解決策として各装訂に対して現在どのような装訂名称が相応しいかを提案した。和装資料の形態と装訂の名称について、これまでどのように呼ばれてきたかをたどり、同名異装、異名同装の混乱が生じた原因を考察することは書誌学上意義深いものがある。和装資料の名称はこれまで、①歴史文献にその根拠を求める方法と、②その形態から名称を解明する方法とがなされてきた。しかしそのいずれもが装訂名称の説明には不十分・不適切であり、不十分な説明が混乱を一層増す結果となった。本稿では、諸説を検証し、書き表し方、読み方についても言及し、製作の流れと使用材料による新たな観点を付加した装訂名称を提唱するものである。
著者
山中 義昭
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.994-1001, 1990

マイクロ技術革命によって, 1980年後半にはおびただしいPC/WS/WPが利用部門のディスクトップに導入・活用されるようになった。またネットワークの進歩とそれによる各種情報機器の接続が進みつつある。このような情報環境の中にあって, 一般部門マネージャ, スタッフの情報操作・活用が向上すると共に, 情報システムのアーキテクチャの革新も進む。情報担当のマネージャは, 情報統括役員の登場と開発・運用の容易性の中にあって, ヒト・モノ・カネの統括・管理マネージャと類似の役割・機能へと変化するであろう。
著者
早田 邦康 吉田 行雄 山中 桓夫 紫藤 和久 宮田 道夫
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.505-510_1, 1993

日常診療で汎用可能な細径スコープを改良開発したので報告する.通常の検査用十二指腸スコープを用いた内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)後に,十二指腸スコープを入れ替えることなく膵管および胆管内の内視鏡検査を施行可能にすることを目的に開発した.全長は3.2m,外径は2.2mm,スコープ内部には観察用の3000画素のガラスファイバー1本,送光用のプラスチックファイバー7本,およびガイドワイヤーを通す鉗子チャンネルを有する.スコープの強度は送光用ファイバーをガラス性からプラスチック性に変更することで飛躍的に改善した.しかし,非切開乳頭挿入率は61%と悪く,挿入性改善のためスコープの先端形状と鉗子チャンネルの位置の変更を中心とした更なる改良が必要と思われた.
著者
アデラブ オルワフェミ サミュエル 山中 敏正
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

本研究ではプロダクトの美的価値の持続性を増加させ、子どもの想像力を刺激するノミナルデザインに基づいた概念について考察した。子どものための家具デザ イン制作活動を事例研究とし、以下のようなプロセスを開発する。①所有感を引き出すデザインアイデンティティーである子どもの名前から、デザインコンセプ トを探求すること②「絵を描く」などの創造環境を提供し創造的行動を引き出すようなデザインサンプルを開発すること③以上のデザインプロセスを評価すること.<br>