著者
古川 徳 高橋 強 山中 良忠
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.153-159, 1996-02-25
被引用文献数
1

パイェル板細胞と胸腺細胞および脾臓細胞との相互関係を明らかにするため,ケフィール粒から分離した菌体区分(KGM),多糖区分(KGP)およびタンパク質区分(KGPP)を添加してin vitroで培養したパイエル板細胞の培養上澄液(PPS)が胸腺細胞ならびに脾臓細胞のマイドジェン応答性に及ぼす影響を検討した.<br>正常C3H/HeJマウスから得た胸腺細胞の増殖は,KGMおよびKGPPを添加して培養した正常C57BL/6マウスならびにLewis担癌C57BL/6マウスのPPSの添加によっても影響されなかった.KGPを添加して培養したバイエル板細胞から得たPPSの添加は,胸腺細胞に対するフィトヘマグルチニンーP(PHA-P)のマイトジェン活性を高めた.この傾向は,正常C57BL/6マウスのPPSに比べてLewis担癌C57BL/6マウスのPPSで高い傾向を認めた.また,胸腺細胞に対するPHA-Pのマイトジェン活性は,KGPPを添加して培養したLewis担癌C57BL/6マウスのPPSの添加によっても促進された.しかしながら,これらのPPSの添加は,胸腺細胞に対するコンカナバリンA(Con A)およびリポポリサッカライド(LPS)のマイトジェン活性に影響しなかった.<br>正常C57BL/6マウスから得た脾臓細胞の増殖ならびにCon A, LPSおよびPHA-Pに対するマイトジェン応答は,KGM, KGPおよびKGPPを添加して培養した正常C57BL/6マウスPPSの添加によって影響されなかった.いっぽう,Lewis担癌C57BL/6マウスのパイェル板細胞にKGPおよびKGPPを添加して培養し,分離したPPSは,正常C57BL/6マウスから得た脾臓細胞の増殖と脾臓細胞に対するCon Aのマイトジェン活性を高めた.さらに,KGPを添加して培養したLewis担C57BL/6マウスのPPSは,脾臓細胞に対するLPSおよびPHA-Pのマイトジェン活性をも高めた.
著者
笠原 秀範 田中 康史 柴田 敦 久松 恵理子 山中 あすか 冨澤 宗樹 米田 直人 北川 泰生 栗本 泰行 高橋 英樹 莇 隆
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.694-699, 2011 (Released:2012-11-07)
参考文献数
8

症例は36歳, 男性. 2008年11月ごろより, 両膝関節, 右環指関節痛が出現した. 2009年2月に起床後の右足底部痛および左上肢挙上時の疼痛があり, 当院救急外来を受診したが症状の改善はなく, 後日, 近医を受診し痛風の疑いがあると指摘され当院整形外科を受診したが, 37.5ºCの発熱, 胸痛, 左肩部痛もあり, また, 心雑音を聴取するため循環器内科を受診した. 経胸壁心エコー図検査上, 僧帽弁に疣腫を認めるため, 感染性心内膜炎の診断で入院となった. 2005年ごろから覚醒剤を使用していたが2008年10月からは使用していない. まわし打ちや, 再使用針での静注歴もある. 入院日より, セフトリアキソン(Ceftriaxone; CTRX) 2g×1回/日とゲンタマイシン(Gentamicin; GM) 60mg×3回/日の点滴投与を開始した. 入院日に施行した頭部MRIで塞栓像を認めたため, 翌日に準緊急手術を施行した. 前尖切除, 後尖温存による置換術を施行した. 術後, 僧帽弁逆流はなく, 感染は治癒した. 現在は症状の再現はなく, 覚醒剤中毒からも脱し, 社会復帰している. 近年, 覚醒剤使用がわが国でも社会的問題となっており, 覚醒剤常用者の感染症の鑑別診断として重要と考え, 症例報告をする.
著者
大友 邦子 山中 敏正
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.88, 2011 (Released:2011-06-15)

なぜ、人の手で描かれるゆらぎを含んだ線は、私たちをひきつけるのだろうか。テキスタイルデザインに包括されるプリントデザインは、繊維製品や生地にのせられる連続性のある図柄=パターンをデザインする領域である。 特筆すべきはその領域が工業デザインに類別されながらも、デザイナーのドローイングにはじまる点であろう。PCでのデザイン作成手法が主となっている現状に反し、手描線の表現性の高いパターンを特徴とするマリメッコ社が日本市場でめざましく台頭するなど、近年の消費者動向には手描き線ならではの「あたたかみ」あるパターンへの支持がみられる。こうした背景から、本研究では印象評価を用いて手描線特有の肯定的な素因を抽出することを目的とした。 試料は線の集合で構成されるストライプパターンを採用し、コンピュータソフトと手で描いたパターン双方を同被験者群に評価させた。日本と前述のマリメッコ社を主要繊維メーカーにもつフィンランド両国において、比較的調査実験を行った。結果手描線における評価は総じて好評価を得て、且つ両国それぞれに特徴的な嗜好傾向がみられる結果となった。
著者
山中 克久 川野 晋一郎 菊地 洋右 中野 眞一
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.7(2006-AL-104), pp.27-34, 2006-01-20

本文では 正の整数 n の整数分割を列挙するアルゴリズムを与える.この問題は 組み合わせ論において基本的な問題の1つであり 長い間 広く研究されてきた.これまで 整数分割1つ当たり平均定数時間で列挙する方法しか知られていなかった.我々は 与えられた整数の整数分割を 最悪でも1つ当たり定数時間で重複なく列挙するアルゴリズムを与える. また 条件付きの整数分割を定数時間で列挙するアルゴリズムをいくつか与える.
著者
山中 正樹
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.A41-A51, 1999-03-31

敗戦と相次ぐ知己の死去は、川端康成に大きな衝撃を与えた。それは川端文学に一貫して描き続けられたテーマをより根源的なものへと深化させることになる。そのため戦後の川端文学は、表面的には戦前のそれと大きく相貌を異にすることとなった。しかし<呪縛>と<解放>という観点から作品を眺めたとき、川端文学を通底する基本的な構造が浮かび上がってくる。本稿ではまず「古典回帰」といわれた戦後の川端の出発をふまえた上で、戦後作品にもつながっていく初期作品の特徴について考察した。
著者
野澤 貴 武村 雅之 池浦 友則 山中 浩明
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.331-340, 1995-11-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Records observed at Gifu observatory by an Imamura's type strong motion seismograph are one of the most useful records in Japan to investigate a source process of the 1923 Kanto earthquake (M=7.9). It is because amplitudes of the records are not saturated in EW and UD components, instrumental response of the seismograph has been clarified, and many records due to recent events occurred near the focal region of the Kanto earthquake have been obtained by more accurate seismographs at the same site. In the present study, a source process of the 1923 Kanto earthquake is elucidated through a simulation of the records using the normal mode theory in the period range from 2 to 20s. First, a crustal structure from the source to the station is estimated so as to explain dispersive characteristics of Love waves observed at Gifu observatory for the recent events, and their records are simulated to confirm a validity of the estimated crustal structure. Secondly, the records from the Kanto earthquake are simulated using the obtained crustal structure to deduce the source process of this event. According to KANAMORI (1971), a macroscopic faulting is a reverse right-lateral fault on a plane dipping 34° towards N20°E, whose slip has much strike component. If two big subevents with the same focal mechanism obtained by KANAMORI (1971) and with a time interval of about 12s are assumed on the fault plane, the observed records can be well explained. The first subevent is located under the Odawara city and the second one under the Miura Peninsula. The focal depth of the second event is 15 to 35km being deeper than that of the first event, which is 5 to 25km in depth. The seismic moments and the rise time are assumed 2.5×1027 dyne-cm and 5s for both the events respectively. On the other hand, if the focal mechanism of the second event is dip slip type, the observed records can be also explained well, even though the focal depth of the second subevent is the same as that of the first one. This model is consistent with a slip distribution on the fault plane obtained from geodetic data.
著者
益岡 弘司 世古 哲哉 森木 宣行 山中 猛成 常岡 克伸 上田 国彦 中沢 茂雄 小野 直見 二神 康夫 須川 正宏 井坂 直樹 中野 赳
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.295-299, 1996

Tissue plasminogen activator(t-PA)による冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)後の再閉塞が,以前より問題となっている.短時聞でのt-PA投与に伴う反応性の線溶能の変動が,再閉塞に関与することを既に我々は報告した.今回我々は,現時点で一般臨床上使用可能な投与量でも再閉塞の予防に寄与する投与方法がないかを検討するために,2つの異なったt-PAの投与方法を試み比較検討した.〔方法〕急性心筋梗塞患者20例を無作為にA群10例とB群10例に分けた.A群にはt-PA640万単位でPTCRを施行した.B群は480万単位で施行後,160万単位を6時間かけて末梢静脈より持続点滴した.PTCR開始前と開始の24時間後に採血し,t-PA,PAI-1,PIC,TAT,AT III,α2-PI,fibrino-gen,D-dimerおよび血小板数を測定した.〔結果〕PTCRはA群の1例で再灌流しなかった.4週後の確認造影では,PTCR不成功の1例に加え別にA群で1例が完全閉塞であったが,B群に再閉塞例はなかった.PTCR開始前の各因子に両群間で有意差は認めなかった.24時間後の値では,TATがA群15.4ng/ml,B群3.2ng/mlと有意にB群で低値であったが,他の因子に両群間で有意差は認めなかった.〔結論〕PTCR後のt-PA持続点滴を試みた.点滴例に慢性期再閉塞はなかった. t - P A 持続点滴例はPTCR単独例に比し,24時間後のPICに差はないがTATは有意に低く,線溶療法後の線溶活性は変わらないが反応性の凝固亢進状態の持続は弱いと考えられ,再閉塞の予防に有用である可能性がある.
著者
山中 正樹
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学人文学部研究紀要 (ISSN:13495607)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.A29-A37, 2004-03-31

川端康成の「みづうみ」の独自性は、他の川端作品にはない「追跡者」(=<行為者>)としての主人公が描かれているという点にあると言われる。それゆえ「みづうみ」には、後期の川端の思想が如実に表れているのだと評価されて来た。しかし、「みづうみ」の意義はそこに留まるものではない。主人公銀平の意識の在り様とその変容こそが重要なのであり、それは作中の<時間>と<空間>の問題として考えることができる。本稿は、この<時間>と<空間>という観点から、銀平の意識の変容をとらえ、そこから「みづうみ」を再評価しようとするものである。
著者
畑江 敬子 松本 美鈴 島田 淳子 山中 英明 渡部 終五 橋本 周久
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.1521-1525, 1990
被引用文献数
5 3

The dorsal muscle of a carp was sliced into pieces 3mm thick, and six kinds of "arai" were prepared by washing the slices in water of regulated temperature for a specific time: 3 or 5 min in 0°C water, 70 s or 3 min in 18°C water, and 20 s or 70 s in 49°C water.<br> The physical property of "arai" was determined by 7 types of measurement. Factor analysis showed that physical properties, of all kinds of "arai" differed significantly from those of untreated fish slices and that "arai" at 0°C and 18°C treatments resembled each other. Treatment at 49°C yielded different results from the others. Sensory panel members could not discriminate the texture of 0°C and 18°C treatment, though they could discriminate 49°C treatment from the others. All of these samples at 0, 18, and 49°C treatment, were judged to be satisfactory.<br> After "arai" treatment, ATP content in the fish slices decreased; the higher the tem-perature of treatment, the more the ATP content decreased.<br> Scanning electron micrography, showed fewer lipid droplets on the surface of the "arai" slices than on that of untreated fish slices. "Arai" at 49°C treatment was smooth, so we presumed that there was thermal denaturation on the surface. Slight gaps between muscle fibers were found, which were not found in the case of untreated fish slices.
著者
山中 英明 松本 美鈴
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.20-23, 1995-02-20
被引用文献数
1

スズキの背肉を用い, 洗いによる筋肉の変化を明らかにすることを目的として本研究を行い, 以下の結果を得た。1) 0℃・5分および18℃・3分洗いでは洗い前に比べ, ATPおよび関連化合物総量はやや減少したが, 組成には大きな変化はなかった。2) 49℃・20秒洗いはATPが著しく減少して1μmol/g以下となり, 一方, IMPは著しく増加した。縮みが強く, 透明感はなかったが, 歯切れがよいと判定された。 3) 洗いによってグリコーゲンの分解は著しかった。G6PとF6Pは洗い前後でそれ程差異はみられなかったが, FDPは洗い温度に関係なく約5倍に増加した。乳酸は49℃・20秒洗いで顕著な増加がみられた。すなわち, 49℃洗いでは解糖の進行によって補給されたATPが硬直エネルギーとして使われ, 強い収縮が起きたと考えられる。4) 45℃~50℃の温度帯で20秒間洗いを行ったところ, ATPおよび関連化合物の組成はほぼ一定であり, IMPがその過半を占めた。スズキの湯洗い温度は46℃~47℃が最適であった。5) 18℃・3分洗いを行い, Ca^<2+>およびMg^<2+>イオンの影響を調べたところ, Ca^<2+>洗いではATPの分解とIMPの生成が顕著であった。縮みが強く, 湯洗いと同様な外観であった。一方, Mg^<2+>洗いでは洗い前とほとんど同じで, 縮みはみられなかった。
著者
松本 美鈴 山中 英明
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.787-791, 1992
被引用文献数
3 1

Culinary "<i>arai</i>" was prepared by washing the muscles from the legs of live tanner crab in water at 0°C for 2 min, at 18°C for 1 min, and at 49°C for 20s, respectively.<br> Sensory panel members distinguished "<i>arai</i>" prepared at 49°C from the others, in addition to which they showed an overall preference for it. "<i>Arai</i>" prepared at 49°C was significantly opaque, elastic, and tasty. After "<i>arai</i>" treatments, ATP and arginine phosphate decreased and lactate increased in the muscle, especially in "<i>arai</i>" prepared at 49°C. This means that a rapid degradation of ATP, which was produced from arginine phosphate and glycolysis, occurred in the "<i>arai</i>" treatment at 49°C. In addition, it was observed that muscle fiber curved distinctly in optical microscopy of "<i>arai</i>" prepared at 49°C. The total amounts of free amino acids were lower in "<i>arai</i>" prepared at 49°C than in the others. The amounts of glucose, organic acids except lactate, and homarine did not differ among the three "<i>arai</i>" samples. However, a large amount of AMP was accumulated and GMP was detected in "<i>arai</i>" prepared at 49°C. These results suggested that AMP and GMP in "<i>arai</i>" prepared at 49°C contributed to its strong taste. The composition of extractive components in "<i>arai</i>" prepared at 49°C was similar to that of cooked tanner crab muscle.
著者
古村 崇 中山 良直 関東 継樹 山中 修一郎
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.11-18, 2006

雨水流出による水害を回避するためのプレキャストコンクリート構造の地下貯水槽を開発した。本貯水槽の特徴は, 屋根部材をプレストレストコンクリート (PC) 構造とし, 柱間隔を従来の鉄筋コンクリート (RC) 構造の2倍以上の10mに広げていることである。柱による阻害率が小さいため, 経済的かっ効率的な施設を構築できるようになり, 柱間隔が広く底版がフラットなため, 維持管理が容易で重機による清掃が可能になった。また, プレキャスト部材同士の接合により, 現場作業を省力・短期化でき, かっレベル2地震にも耐えられるピン結合方法を考案し, 実物大実験で検証した。
著者
土屋 雅春 島袋 嘉修 朝倉 均 水野 嘉夫 小田 義英 小野 明 森実 敏夫 山中 郁夫 辻 公美
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.989-997, 1974-10-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
20
被引用文献数
4

潰瘍性大腸炎において免疫学的追及を行ない胸腺T-cell系異常及びHL-Aに関し以下の知見を得た.1. 胸腺は全例Pneumomediastinography上大きく, レ線密度が強い. 組織学的には10例中6例にリンパ濾胞が証明された.2. 胸腺内T-cellは全例末梢血に比し高値であり胸腺はT-cell poolの場と考えられる.3. 末梢血T-cellは一定の傾向をみないが, PHA刺激試験12例中9例, DNCB試験9例中5例に反応性の低下を認めた.4. ヒト胎児大腸粘膜を添加した白血球遊走阻止試験で9例中7例に遊走阻止が認められた.5. 日本人の潰瘍性大腸炎35例で追及したHL-A検索では, HL-A 9及びHL-A 5が統計学的有意差で高率に認められた.
著者
大平 日実子 田中 郁子 山中 悠紀 戸津 喜典 高木 奈美 八重柏 真理 石垣 道子 菅原 好孝
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.308-312, 2013

長期人工呼吸器管理中の1症例に対して,身体や精神の状態の把握を目的としてKOMI記録システムによる評価を実施した.その結果,医療従事者によって必要以上に制限されたADLの実態が明らかとなり,ケア内容を変更することで一部のADLに改善を認めた.
著者
中村 孝司 鎌上 孝子 大国 篤史 黄 沾 伊藤 善志通 糸数 憲二 菅又 成雄 鳥居 正男 三宅 和彦 山中 正己 丹羽 寛文
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.2493-2503, 1983 (Released:2007-12-26)
参考文献数
47
被引用文献数
7

消化性潰瘍の治療に当つて嗜好品をいかに取り扱うべきか, 今日でも不明確な点が多い. また潰瘍の経過に及ぼすこれらの効果についての検討もきわめて乏しい.著者らは, 内視鏡的に経過を追跡しえた症例591例 (平均観察期間5年11カ月) を対象として, 喫煙, 飲酒, コーヒー摂取の潰瘍再発, 治癒に与える影響について検討を行つた.その成績は次の通りである. 1. 喫煙は消化性潰瘍の再発率を統計的に有意に上昇させ, 明らかな悪影響を与えることが示された. また潰瘍の治癒率にもある程度の抑制効果が示された. 2. 飲酒およびコーヒー摂取は, 消化性潰瘍の再発率, 治癒率に大きな影響を与えなかつた.