著者
山本 裕司 大槻 知明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.596, pp.101-106, 2005-01-21

近年, 検知, データ処理, 通信機能を持つ小型センサノードから構成されるセンサネットワークが注目されている.しかし, センサノードは電力, メモリ, 処理能力が限られているため, 電力効率の優れたセンサネットワークの設計が課題である.また, 観測雑音の影響が大きいとき, 実際に起こった事象と異なる情報を, センサノードが送信する可能性がある.本稿では, 観測雑音, フェージング, そして雑音の影響を低減するために, ローカルフュージョンを用いたセンサネットワークを提案し, その電力効率を観測雑音を考慮して評価する.提案方式では, センサノードの近隣にローカルフュージョンセンターを配置してローカルフュージョンを行う.その後, 距離減衰やフェージングの影響を低減するために, 誤り訂正符号化した情報を目的ノード(グローバルフュージョンセンター)までマルチホップ通信する.観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンを用いない方式では, ビット誤り率(BER)特性にフロアが生じてしまい, 所要BERを達成することができないのに対し, 提案方式はローカルフュージョンを用いることで, 所要BERを達成することができる.計算機シミュレーションの結果, 観測雑音の影響が大きいとき, ローカルフュージョンセンターで尤度判定法を用いた方式は, 多数決判定法を用いた方式と比較して, 電力効率を改善できることを示す.また, ローカルフュージョンセンターとグローバルフュージョンセンター間の送信距離に応じて, 消費電力が最小になる最適なマルチホップ数が存在することを示す.
著者
山本 裕依
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1_165-1_169, 2016 (Released:2016-04-26)
参考文献数
26

This paper analyzes sports events for recovery and healing from the Great East Japan Earthquake. It aggregates the data from sports events for recovery held in Japan from the time of the earthquake until July 2015.
著者
高橋 守 伊藤 正道 山本 裕子 高橋 等 高野 俊彦 高野 弘彦 高橋 朋枝
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.51-71, 1978

尾瀬の繁殖期(5月~8月)の鳥類調査を1974年から1978年にわたり線センサス法により実施し植生環境別鳥類群集構造,垂直分布などにつき調査し,あわせて鳥類からみた尾瀬の自然保護を記し検討を行なった.得られた結果は次のとおりである.<br>1.カヤクグリ,イワヒバリなどの高山帯の鳥をはじめ総計93種が記録された.<br>2.各林相地域とも標鳥のウグイス,ヒガラ,夏鳥のメボソムシクイなどの食虫性鳥類が優占し食葉性鳥類のウソ,ホシガラス,カケスなども広く分布しており本州亜高山帯針葉樹林の特徴を示していた.<br>3.エゾムシクイとクロジの2種は亜高山帯針葉樹林と落葉広葉樹林の推移部で集中的に記録された.<br>4.尾瀬全体で最優占する種はウグイス20.0%で次にヒガラ15.8%,メボソムシクイ14.3%,コマドリ5.2%,ルリビタキ3.1%で,これら上位優占鳥種5種で全体の58.4%を占め,しかも鳥種が豊富なことから一定の鳥類群集型を保持しているといえる.<br>5.ムクドリ,センダイムシクイ,エゾムシクイは5月に生息密度が高かったのに8月では低く,すでに移動•分散していた.<br>6.ウグイス,メボソムシクイ,ヒガラ,ハシブトガラス,ミソサザイ,コマドリの6種は低山帯から高山帯にいたるまで幅広く分布しており尾瀬における夏期の基本的構成種であった.<br>7.鳥類の垂直分布の決定要因としては,鳥の選好する植生と標高が強くはたらくことを示していた.たとえばメボソムシクイ,エゾムシクイ,センダイムシクイなど.<br>8.尾瀬ヶ原の湿原にはムクドリが最優占し,ハシブトガラス,ヒバリなどヒトとの結びつきの深い<br>種が記録された.<br>9.イワツバメは1970年に約10,000羽生息していると言われたのに対し,1978年には約4,000羽と推定された.
著者
佐藤 克郎 川名 正博 山本 裕 佐藤 雄一郎 花澤 秀行 高橋 姿
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.465-471, 2002
被引用文献数
2

当科で音声外来開設以来13年間に経験した輪状披裂関節脱臼の2例につき,その経過を報告するとともに,輪状披裂関節脱臼の診断,音声機能の評価,経過観察と治療の方針につき検討した。当科の2症例はおのおの頸部への鈍的外傷および気管内挿管により前方型輪状披裂関節脱臼が発生し,音声機能を評価しつつ脱臼の整復を計画していたところ,おのおの発生から1および4カ月後に自然整復された。音声機能検査では,両例とも声門閉鎖不全の所見に加え基本周波数の上昇が認められ,自然整復後はいずれも改善し正常化した。文献的にも本症の自然整復例はある程度みられ,前方脱臼に多い。そこで自然整復の機序を推察すると,披裂軟骨に後方への張力として働く筋は唯一の声門開大筋で,他の筋に比べ働く頻度が高い後輪状披裂筋であるため,前方脱臼は自然整復の可能性が高いと考えられた。気管内挿管や頸部の外傷後に喉頭の症状をきたした症例においては,本疾患をも念頭におき,病歴や局所所見のみにとらわれず画像診断,音声機能検査,筋電図検査などを用いて確実に診断し病態を評価したうえで,容易に反復し施行できる音声機能の経過を参考に治療を計画することが重要と考えられた。
著者
竹元 万寿美 山本 裕一 阿知波 一雄 Kutney James P. Stoynov Nikolay M.
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.643-648, 1996

In recent years, much attention has been paid to the ability of cultured plant cells to transform not only secondary metabolites, but also organic foreign substrates. Therefore, we have studied in the feasibility of using plant cell cultures as the reagents of organic synthesis. In this symposium, we report the synthesis of biologically active com-pounds by using plant cell cultures (N. tabacum, D. carota, C. roseus, P. peltatum) as follows (1) Synthesis of optically active α-phenylpyridylmethanols as organic foreign substrates i) enantioselective reduction of ketone ii) asymmetric hydrolysis of the acetates iii) optically active alcohols production from the corresponding racemates (deracemization of racemates) (2) The efficient synthesis of podophyllotoxin derivatives as starting materials in the clinical anti-cancer drug, Etoposide
著者
八上 全弘 江本 豊 菊地 徹 相馬 英智 青山 岳人 山本 裕之 富樫 かおり Masahiro Yakami Yutaka Emoto Toru Kikuchi Hidetomo Sohma Gakuto Aoyama Hiroyuki Yamamoto Kaori Togashi
雑誌
SIG-AIMED = SIG-AIMED
巻号頁・発行日
vol.001, 2015-09-29

To facilitate the meaningful use of medical record and report, we propose a new concept that can enhance expressiveness of structured medical records and reports. A medical record or a report based on the proposed concept is composed of entries and links, while a conventional one is composed of predefined sections, such as “FINDINGS” and “IMPRESSION” or such as "Subjective", "Objective", "Assessment" and "Plan", containing narrative sentences, respectively. Each entry can be an image annotation or a unit of description such as findings of a lesion, a possible diagnosis, or a recommendation. Links express relationships between pairs of entries, such as causation and correspondence. Links are characteristic components of such a record or report, and play an important role to provide a perspective on it. The proposed concept was implemented in a prototype reporting system that can cooperate with a PACS viewer. Using the system, 27 radiologists interpreted 54 CT studies including 27 follow-up ones. After the interpretation, they responded to a questionnaire on the system. According to the response, most of the radiologists thought that the prototype system was superior to conventional ones in many aspects.We believe, the proposed concept will be implemented in many hospital information systems, then play a pivotal role in linking various kinds of medical data among different departments to facilitate big-data utilization.
著者
青山 法夫 米山 克也 徳永 誠 南出 純二 小沢 幸弘 山本 裕司 今田 敏夫 赤池 信 天野 富薫 有田 英二 小泉 博義 松本 昭彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.2594-2598, 1991-10-01
被引用文献数
2

消化管吻合部狭窄の治療法として,内視鏡的切開およびブジーによる拡大術の適応と限界について検討した.吻合部狭窄35例(瘢痕性26例,癌性9例)を対象とした.瘢痕性狭窄の長さによる狭窄解除率をみると,2cm未満14/15(93.3%),2cm以上3cm未満8/9(88.9%),3cm以上0/2(0%)であった.一方,癌性狭窄は0/9(0%)と効果不良であった.効果不良例13例(瘢痕性4例,癌性9例)の内,癌性3例を除く10例に他の治療を加えた.3例(瘢痕性1例,癌性2例)に手術,7例(瘢痕性3例,癌性4例)に食道ブジー挿管術を施行した.手術では,狭窄が解除出来たのは1例のみで他は試験開腹および合併症死におわった.食道ブジー挿管術は7例全例狭窄を解除でき退院可能であった.皮膚管瘢痕性狭窄1例のみ皮膚瘻孔を形成し手術を要した.食道ブジー挿管術は難治性吻合部狭窄の非観血的治療法として有用であった.
著者
玉川 洋 米山 克也 菅野 信洋 神 康之 笠原 彰夫 山本 裕司 高梨 吉則
出版者
横浜市立大学
雑誌
横濱醫學 (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.145-149, 2005-03-31
被引用文献数
1

症例は14歳,男児.開腹歴を含め,既往歴に特記すべきものなし.下痢,腹痛を主訴に来院し,抗生剤投与で一時軽快したが,その後腹部膨満感出現し,緊急入院となった.入院時血液検査所見で炎症反応の異常高値とCT検査上絞拒性イレウスの所見を認めたため緊急開腹手術を施行した.術中所見は回腸から約60cm口側にメッケル憩室を認め,そこに付着したmesodiverticular bandにより回腸が内ヘルニアを形成していた.小腸は広範囲に壊死しており,小腸部分切除を行った.mesodiverticular bandによるイレウスは稀で,術前診断は困難であるため手術歴のないイレウスの原因として考慮すべきであると考えられた.
著者
鈴木 啓央 山本 裕二
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
pp.2013-1208, (Released:2013-06-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1

The purpose of this study was to quantify human dexterity by examining the movement involved in switching between forehand and backhand strokes when a ball moved from side to the other during table tennis. The hitting movements of expert and novice table tennis players were observed when balls were repeatedly moving in the same direction (periodic input condition) and when they were moving in two different directions successively (switching input condition). From the viewpoint of the switching dynamical system (Gohara and Okuyama, 1999a), the repeated movement under the periodic input condition was treated as an attractor, and the switching movement between strokes under the switching input condition was treated as transition of attractors. The dexterity with which movement were completed was quantified in terms of the fractal dimension. The fractal dimension was calculated according to Poincaré maps depicting the trajectories of the midpoint and angular velocities at the shoulder. Data from experts and novices almost reflected transitions of the third-order sequence effect, and the fractal dimensions included non-integers, which indicate that these fractal transitions had fractal properties. However, the fractal dimension of experts was lower than that of novices. The two output patterns corresponding to the two input patterns overlapped more for novices than for experts. The results suggest that the dexterity shown in switching movements can be quantified in terms of the fractal dimension based on the switching dynamical system.
著者
山本 裕紹 六車 修二 佐藤 剛 早崎 芳夫 永井 芳文 清水 義則 西田 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.165, pp.37-42, 1998-07-03
参考文献数
4
被引用文献数
2

フルカラーLEDパネルを用いた偏光眼鏡式立体ディスプレイを試作した.右眼用と左眼用を入れこにしたステレオ画像の表示は, LEDパネルを用いて160×80×(×RGB)の画素数(1.28m×0.64mの大きさ)で行った.LEDパネルを短冊に切った偏光フィルムで1列ごとに右眼用と左眼用とにマスキングした画像を, 偏光眼鏡で右眼用と左眼用の画像に分離して観察する.立体表示における観察距離と指向性の実験を行い、観察距離をLEDのドットピッチの3000倍程度に設定すればよく, 偏光マスクを設置しても指向性が狭くならないとの知見を得ることができた.
著者
石井 孝治 山本 裕陸
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.81-85, 1998

本稿は, 3次元空間R^3における境界要素法による3次元ラプラス方程式の数値解に関するものを考える.まず, R^3内の同心円環領域におけるディリクレ問題の厳密解と数値解を求める.境界要素法においては境界である球面を平面三角形により近似させる.厳密解と数値解を比較し, 厳密解に最も近づく近似法G_nを得た.次に, 境界が球面である非有界領域におけるディリクレ問題を考える.この問題の厳密解は求まっていない.球面に最も近似するG_nで数値解を求め, その結果をグラフ化した.さらに, R^3内の曲線族に対する2-モジュールの数値解を与えた.
著者
山本 裕一 山本 耕一郎 徳田 功 長島 知正 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.204, pp.15-20, 2000-07-12
参考文献数
11

人の発声する母音は, 一般にピッチと呼ばれるほぼ同じ形状をした単位波が繰り返される基本構造を持つが, 繰り返されるピッチ毎にその周期間隔および波形は微妙に"揺らぐ"ことが知らされている.この母音に含まれるピッチの"揺らぎ"は, 母音が人間的で自然な発声音として知覚されるために必要不可欠であることが分かってきた。現在の主流な音声合成法の一つである線形予測符号化法でも, 人間的性質持った母音を合成するために, 自然なピッチ揺らぎを再現することはきわめて重要である。そこで本論文では、「線形予測符号化法の枠組で自然な音声を合成するために重要な要素は何か?」について比較検討を行なう。
著者
山本 裕雄 栗田 裕司 松原 尚志
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.379-382, 2000-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
27
被引用文献数
13 14

Geologic age of the "Miocene" Iwaya Formation in Awajishima Island is examined by means of calcareous nannofossils and dinoflagellate cysts. Calcareous nannofossil flora indicates biozone NP 17 to NP 20 or CP 14 b to CP 15 b and a late Middle Eocene to Late Eocene age. The dinoflagellate cyst assemblages also show approximately the same age. These results reveal that the Iwaya Formation is the constituent of the Eocene-Oligocene Kobe Group.Molluscan assemblages resembling those from the Iwaya Formation have been known from the "Setouchi Miocene Series" in the coastal area of the eastern Seto Inland Sea. Molluscan fauna and stratigraphic correlation of the "Miocene" in this area should also be re-examined on the basis of precise geochronologic data.